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恋愛ジャンキー

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  • 1:

    旧掲示板作品です。

    2005-06-02 17:03:00
  • 2:

    涼20才。風俗嬢。風俗歴五年目。
    ぁたしは未だに風俗から抜けれないでいる。
    五年目足を踏み入れたあの時から……


    当時の彼氏伸吾に振られフラフラと夜の東通を歩いていた。
    パチンコで負け所持金7000円。
    『ぃぃ事なぃな〜……』
    家に帰ってテレビでも見ょぅ……

    2005-06-02 17:04:00
  • 3:

    へぇ。ホストってそんな安いもんなんだ。
    ぁのころのあたしには夜の世界の事なんて微塵も知らなかった。

    『なっ、安いしぉぃでょ!!今から一時間飲んでも終電間に合うで!』

    …ならぃぃかな……

    『ぃぃですょ。行きます』

    スーツの男は嬉しそうに笑った。

    2005-06-02 17:06:00
  • 4:

    暗い店内に綺麗なボトル。
    スーツ姿の男前。

    もとから人は顔で選ぶタイプだ。
    素直に楽しかった。


    『俺ユウってゅーねん!名前は?』
    『涼……』

    2005-06-02 17:07:00
  • 5:

    ユウは20代後半。昔はヤンチャだったらしい。
    笑ったら子供みたいな可愛い奴だった。

    酒を飲みほろ酔い。
    気づけばもぅ終電はなぃ。
    テーブルにはビールの缶やジーマの瓶が並んでいる。
    なんだかノリでシャンパンなんかも飲んでしまった

    2005-06-02 17:08:00
  • 6:

    ………ぃくらなんだろぅ
    7000で足りないのは直感で分かった。

    『未収ってゆってな、ツケできるから大丈夫ゃで!!!!』
    そぅなんだ。じゃぁ大丈夫だな……

    これが地獄への一歩となるとも知らず、涼はまだ笑っていた。

    2005-06-02 17:10:00
  • 7:

    時間はだいぶたっていた。もう朝だ。
    伝票を見て涼は倒れそうになった。
    『96000!?』
    『ぅん、いれれる分入れてぁとは未収でぃぃょ』
    その後ユウと何を話したか覚えていない。
    『駅ついたら電話してや!』
    涼は嬉しかった。ホストがみんな客にそれぐらい言うなんて知らなかったのだから。

    2005-06-02 17:11:00
  • 8:

    言われたとおり駅から電話をした。
    『俺とずっと一緒にぉろな!好きゃで。気つけて帰りや!』
    そういえば別れた話をしたら付き合うという話になったんだっけ。

    2005-06-02 17:12:00
  • 9:

    次の日ユウに呼ばれまた梅田へ行った。
    『涼仕事してなぃゃんな?紹介したるわ!』
    ……水商売だ
    怖かったが未収を払わないといけないので従った。

    2005-06-02 17:13:00
  • 10:

    連れて行かれた先はセクキャバ。
    制服はTバックにガーター……
    ひっくりかえりそうになったがみんながその格好なので案外平気だった。
    時給4000円。
    これで未収を返してもぅホストなんてやめよう。涼は決意した。

    2005-06-02 17:14:00
  • 11:

    三日もすれば仕事には慣れた。
    案外夜の仕事は向いているのかも……なんて涼は思っていた。

    2005-06-02 17:23:00
  • 12:

    ホストなんてやめょう、そぅ思っていたのに、ユウは終わる時間になると迎えに来た。
    そしてそのまままた朝まで店で飲む。
    未収は増える一方だ。
    週給制なので単純計算で給料日には20万くらいは入る。大丈夫かな。
    涼はぁまり何も考えていなかった。
    給料日、支払いの額を聞いてみた。
    なんと給料では足りない。
    涼は今頃自分か地獄に足を踏み入れたことに気づいた。

    2005-06-02 17:24:00
  • 13:

    未収の事なんて涼の頭にはなかった。
    金銭感覚が麻痺したのだ。
    働けば何とかなる。
    それくらいにしか考えておらず毎回伝票もろくに見なかった。
    気づけば未収の額は100万を越えていた。

    2005-06-02 17:28:00
  • 14:

    『お前昼も働けへん?俺調子乗りすぎたわ……未収の支払期限は延ばしてもらうから……』

    拒む術はなかった。昼も働くといったってまさかOLなんかをするわけもなく……

    『ここ稼げるし、面接行ってみたら?』

    神戸!?福原!?

    多少夜の世界にも慣れ、業種の違いもわかってきた。

    ………ソープだ。

    2005-06-02 17:29:00
  • 15:

    いつものように仕事の後に飲みにゅき、眠い体を引きずり神戸ゆきの電車に乗る。
    面接のためだ。

    電車にゆられ半分寝かかった時、ユウ専用の着メロが鳴った。

    『辛いと思うけど俺たち二人やったら何でも乗り越えていけるから。涼に迷惑かけるけど二人で幸せになるためやから。俺も頑張るし、涼も頑張ってな。』

    2005-06-02 17:30:00
  • 16:

    この頃から涼は疑問を抱いていた。
    この男は本当に自分の事を好きなのか?
    はじめは涼はユウが大好きだった。
    しかし未収の額が増えるにつれユウはキツくなってゆく。
    逃げ出したい。
    そんな気持ちが涼の中に芽生え始めた。

    2005-06-02 17:31:00
  • 17:

    ユウに渡された印のつけられた求人誌。そこに載っている番号に電話をかける。

    せっかく神戸まで来たと言うのにソープは18では働けないと言われた。水商売はいけるのになぜだろう。

    2005-06-02 17:32:00
  • 18:

    ソープのイメージはけして良いものではなかった。むしろ悪いイメージしかなかった。働かなくてすんで良かったと思う反面、ユウの反応が怖かった。
    なんて言われるのだろう。
    どきどきしながら電話をかける。
    出ない……
    寝ているのだろう。
    一緒に頑張っろうったって、頑張ってんのはぁたしだけでは……?
    そんな気がしてきた。

    2005-06-02 17:33:00
  • 19:

    『面接どぉやった?』

    ユウからの電話で目が覚めた。
    開口一番面接かよ……涼は悲しくなった。
    『18やったらソープ無理やねんて……』
    『あーやっぱ無理か〜』

    2005-06-02 17:34:00
  • 20:

    いつものようにセクキャバに出勤し、またユウが迎えに来た。
    店に入るなりまた求人誌を持ってきた。
    ユウがなにやら裏表紙に書いている。

    2005-06-02 17:36:00
  • 21:

    【保証三万以上】
    【昼からか朝から】
    【週三日以上】

    など条件を書かれた。
    結局表紙をめくってすぐのピンサロに朝一で面接に行く事になった。

    2005-06-02 17:37:00
  • 22:

    18才以上なら働けると書いてあった。

    今度は落ちることはないだろう。


    とぅとぅ風俗デビューか……

    2005-06-02 17:38:00
  • 23:

    【明日受かるように景気づけ】と称してまたシャンパンがおりた。

    この男は未収を減らす気があるのだろうか?

    涼はだいぶ疑問だった。

    2005-06-02 17:39:00
  • 24:

    思った通り面接は受かった。そのまま体験する事になった。
    働く理由もホストの未収を返すためだと正直に言った。店長は涼を気に入ってくれたらしく他の子より保証を少しあげてくれた。

    五時半まで働き七時半からセクキャバに出勤。二時半に終わりまたユウが迎えに来た。

    2005-06-02 17:40:00
  • 25:

    『疲れたやろ〜今日は店でゆっくりしーな!!』

    ゆっくりしろと言うなら帰らせてくれ、と思ったがそんな事は言えない。涼は店でほとんどのまず寝てしまった。
    目を覚ますとテーブルにたくさんの空き瓶。
    何もしていないのに今日の稼ぎ以上の額の伝票。泣きたくなった。
    そのまままたピンサロへゆき、六時に梅田へ向かった。今日は先輩の祐子と出勤前にごはんに行く約束なのだ。

    2005-06-02 17:41:00
  • 26:

    『涼ちゃん最近しんどそうやけど大丈夫?』
    『大丈夫ですよ〜しんどそうですか??』
    笑顔で答えたがしんどくないわけがない。
    祐子はユウと涼が付き合ってるのを知っている。祐子に限らず店の先輩はたいがい知っていた。
    『涼ちゃんあのユウって子と別れたら??』
    唐突に祐子が言った。
    『純ちゃんも心配してんで』
    店の先輩はみんななぜか涼を心配してるらしかった。

    2005-06-02 17:42:00
  • 27:

    先輩の忠告をよそに涼は毎日ピンサロ→セクキャバ→ユウの店を往復する毎日だった。
    いっこうに未収は減らない。
    でもユウと過ごす時間は楽しくてやめられなかった。
    とうとう未収は200万を越えた。
    毎日ピンサロの給料を入れているのに増えるとは……そろそろ涼も焦ってきた。

    2005-06-02 17:46:00
  • 28:

    『未収減らんなぁ〜』
    当たり前だよと思いつつ適当に返事をした。
    金の話をするときのユウは嫌いだ。別人のようだ。
    『涼が店入らんかったらいいんちゃうの?未収は入れにくるからさ』
    次の瞬間目の前が真っ暗になった。
    ユウに殴られたのだ。

    2005-06-02 17:47:00
  • 29:

    涼はちっちゃい。ユウは180近い背でもと総長。
    加減はしてるだろうが結構きた。頭がくらくらする。
    ユウが何やらどなりちらしているがまともに聞けない。店に来ないと言った事に対して怒っているのはわかった。

    『ごめん、店くるから……』
    殴られた一発で完璧にユウへの気持ちは冷めた。
    でも未収が終わるまでユウと切ることは出来ない……

    2005-06-02 17:49:00
  • 30:

    『ごめんな、痛かった?』
    痛いに決まってるだろ……と言いたいところだが『大丈夫』と言っておいた。
    『ワビでイッキするわ!!』
    またシャンパン。
    この時初めて涼はユウが嫌いになった。

    2005-06-02 17:50:00
  • 31:

    次の日のユウは涼の好きなユウだった。昨日嫌いになったはずなのに……やっぱりユウが好きだ。

    ユウは昔にもホストをしていたらしい。辞めて会社を興したが失敗し、またホストに戻ってきたのだ。

    『もぅすぐ周年あるねんけど涼いくらぐらいいける??』
    かなりまとまった額を使うのだなと思ったが、好きな気持ちが復活したためいくらでもいいよと言ってしまった。

    周年の日が来た。

    2005-06-02 17:51:00
  • 32:

    その日、祐子が一緒にユウの店に行くと言い出した。祐子は子持ちなのになんでかな?と思ったが一緒に行った。あとから聞いたが純が涼を心配して祐子を行かせたらしい。

    店内には花がいっぱい。バルーンもあってやたらと華やかになっていた。

    祐子と一緒にテーブルに座るとアイスやグラスといっしょにガラスのボトルが来た。

    ルイ13世。

    2005-06-02 17:52:00
  • 33:

    その日の伝票は怖くてみれなかった。

    オーナーがついて『涼ちゃん、あんまりよそでユウと付き合ってるってゆうたらあかんで〜』
    どうしてこの人が知っているのだろう……??初対面なのに……でもなーんか見た事あるような……

    2005-06-02 17:53:00
  • 34:

    あ!!!!

    自分の店の店長に似ているのだ。涼は無邪気に言った。
    『うちの店長にそっくりですね〜』
    『あれ俺のお兄ちゃんやからなあ』

    えっ……
    店で話したことは全て筒抜けだったのだ。

    2005-06-02 17:54:00
  • 35:

    その日ユウはいろんな席で飲みつぶれていた。
    いつものように伝票に【全未】と書き店を後にした。
    店長とオーナーがつながってたなんて……これから迂闊な事は言えないな…と思いながらピンサロに出勤した。

    2005-06-02 17:55:00
  • 36:

    ピンサロの先輩のヨシノも涼を心配していた。よく待機室で相談したりしていた。
    ある日ユウが怒った声で言った。
    『おまえもう嫌とかゆってるらしいな?』
    セクではそんな話はしていない。どこからもれたのだろう……ヨシノは子持ちで昼勤務のみ。ホストに行ったりするような人ではない。なんとかその場はユウをごまかした。
    その晩真相が発覚した。ピンサロのじゅりがユウの店で飲んでいたのだ。じゅりがいるから涼はその店に入れられたらしい。ヨシノに話したことは全てじゅりから口座を経由しユウに伝わっていた。

    2005-06-02 18:06:00
  • 37:

    店ではもぅヨシノに相談出来ない。かと言ってセクの仕事が終わってからヨシノに電話するのはどうも悪い気がした。そうだ、手紙を書こう。
    ピンサロからセクまでの間に喫茶店に入りヨシノあての手紙を書いた。

    2005-06-02 18:08:00
  • 38:

    この頃になるとユウは迎えに来てはくれなくなり、しかし店に行くのは相変わらず絶対だった。
    ユウと涼は一日にいくら入れるかを紙に書いて涼が持っていた。
    『あの紙出してや』
    【あの紙】も【ヨシノあての手紙】もレポート用紙に書いていた。
    ガサガサかばんを探る。紙が手に当たる。出してみると【ヨシノあての手紙】の方だったので涼はあわててもういちどかばんに押し込んだ。

    2005-06-02 18:09:00
  • 39:

    ユウは見逃さなかった。
    『今直したん何?』
    なんて言おう……
    『なんでもないよ』
    ユウの目つきが変わる。
    かばんを取り上げられ見られてしまった。手紙の中身はもちろんユウの話題であり、いい事を書いているものではない。

    2005-06-02 18:11:00
  • 40:

    わき腹に激痛が走る。ユウに蹴られたのである。もぅそこからは髪をつかまれ顔を殴られ体も殴られ何が何だかわからなかった。自分は人に相談することさえ出来ないのかと思うのとどうしてこんな男に惚れたのだろうと公開で涙が溢れた。
    『ほ〜“あんな店もう行きたくない”?〜“ユウが怖い”?“未収も無理矢理”?“あんなに飲まなきゃいいのに”??えらい好き勝手ゆうてんなあ』
    ガシャン!!!
    涼の頭の上でビール瓶が割れた

    2005-06-02 18:12:00
  • 41:

    頭はさほど痛くはなかった。しかし全身が痛い。少し前ユウが店の従業員に本気でキレて殴ったのを見た事がある。涼より少し大きいくらいの華奢な男の子。ユウに殴られ吹っ飛んだのを涼は見た。きっとその時と同じくらいの力だな、なんて殴られながら考えていた。

    2005-06-02 18:14:00
  • 42:

    涼も昔はヤンチャだったのでまだ多少殴られる事に対し免疫が残っている。が、昔はそれなりに応戦も出来た。例え相手が男でも。今は出来ない。体がもう鈍ってしまっているのと、ユウへの恐怖からだ。何をされるかわからない。おそらく黙って耐えるのが利口だとも思った。

    2005-06-02 18:15:00
  • 43:

    次の日腫れた顔とあざだらけ涼を見て一番心配したのはやはりヨシノだった。他の女の子はろくに喋ったことがなかったせいもあり何も言わなかった。すみっこのじゅりがちらちら見ている。じゅりは言わなくとも原因も誰がやったかも分かっているはずだ。心配するヨシノにもじゅりがいる前では何も言えない。

    2005-06-02 18:25:00
  • 44:

    未収があっても別れることはおそらく出来た。でも涼は【彼氏】というものがないとだめな人間だった。あんなにされたって優しい甘い言葉をかけてくれるユウがいないと無理なのだ。

    2005-06-02 18:25:00
  • 45:

    殴った次の日のユウは優しい。なぐられた事なんか忘れて抱きしめて欲しくなる。

    でも未収は待ってくれない。むしろ追いつめてくる。いろんな事がいっきにあったせいか涼は熱を出した。客に責められるのはもともと好きではないがいつも以上に気持ち悪かった。客にやめてといってもしつこくやめてはくれずとうとう涼は泣き出した。

    2005-06-02 18:26:00
  • 46:

    客が帰って店長が心配して見に来た。38度を超える熱を出したがユウの為に働かなければ……そればかり考えていた。
    でも体はもたず涼は動けない。個室なので店泊した。
    起きるとすごい数の着信。全てユウだ。

    2005-06-02 18:28:00
  • 47:

    まだ熱は下がっていなかったが働くつもりで店長に言ったが却下された。実家に帰ろう。たまには。一ヶ月ぶりの我が家だ。
    日頃家にいない娘がいる事に母親は驚いた。が、体調が悪いと告げるとそこから何も言ってこなかった。やっぱり親は嫌いだ。

    2005-06-02 18:29:00
  • 48:

    夜中ユウからの着信で目が覚めた。家族に会話を聞かれてはまずい。涼はそっとベランダへ行った。
    『おまえ何で昨日電話でんかってん!!』
    一言目から怒鳴られた。

    2005-06-02 18:30:00
  • 49:

    『熱がでて店泊してた』
    『うそつけ!!』
    ユウはまるっきり信じてくれなかった。それどころか未収入金の話ばかり。この人は自分をお金としか見てない……初めて気づいた。

    2005-06-02 18:31:00
  • 50:

    電話を切って涙が溢れてきた。自分に向けられた笑顔も、優しい言葉も、全て金のためにしてくれていたこと……それでもいい。お金だけでもユウと繋がっていたい。もはや涼はユウなしでは生きられなくなっていた。

    2005-06-02 18:32:00
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