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  • 1:

    旧掲示板作品です。

    2005-06-02 17:03:00
  • 101:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 102:

    期待してしまうじゃないか。この時涼はすでに智也に惚れていた。
    メンバーの真一が涼も打ち上げにおいでと言ってくれた。打ち上げに行ってもやはり妙な身なりの人だらけ。涼は片時も智也の隣から離れなかった。
    床に置いていたメニュー表の上で涼と智也の手が当たった。
    『今手つなごうとしてもたわぁ〜』智也が笑う。

    2005-06-03 16:10:00
  • 103:

    『つないでもいいよ?』勇気を出して言ってみた。智也は本当に繋いできた。顔が真っ赤になる。恥ずかしい。ドキドキする。
    『涼ちゃん顔赤いでぇ〜』真一がちゃかす。
    『涼お酒弱いからなぁ』酒の席なので容易にごまかせた。
    昼間働いてそのままライブに臨んだ智也は眠いらしくごろんと涼の膝の上に横になった。

    2005-06-03 16:11:00
  • 104:

    『寝るまで手、離さんといてな』
    膝枕だ…ドキドキする。寝たって離したくないよと思いながら、うん、と言っておいた。
    『涼ちゃんて智とつきあってんや?』いろんな人が聞きにくる。智也は人気者らしい。違いますよ、と否定するものの手をつないだまま膝枕をしている状況では説得力が全くなかった。
    真一やほかのバンドの人と話をしたが頭は智也でいっぱいだ。なにを話したのか覚えていない。智也の肩あたりに入れ墨のようなものが見えた。

    2005-06-03 16:13:00
  • 105:

    そうこうしてるうちに居酒屋は閉店になりお開きだ。智也を起こす。寝起きが悪い。何とか起きあがったかぼーっと座ったまま動かない。
    『智也くん墨入ってるん?何入れてんの?』
    返ってきた答えはびっくりするようなことだった。
    『何入ってるか知りたい?ほな今日俺んち泊まりい』
    えっ??智也の家に行ける!嬉しかった。

    2005-06-03 16:15:00
  • 106:

    真一の車に乗り智也の家で降りる。緊張はピークだ。智也は実家だった。さらに緊張した。幸い誰も起きていなかった。
    部屋にはいると智也はすぐにベットにもぐりこんだ。
    『涼、こっちおいで寒いやろ?』
    ベットの中で智也に抱きしめられた。あったかい。ドキドキが智也に聞こえそうなほどドキドした。

    2005-06-03 16:17:00
  • 107:

    TVをつけると日曜の朝なので仮面ライダーの最新のみたいなのがやっていた。智也とくっついたままTVを見る。仮面ライダーはなぜか内容がものすごく難しくそれでいて馬鹿馬鹿しかった。智也とつっこみどころ満載やな、こんな難しい内容子供わからんよなぁ〜なんて言いながら二人で仮面ライダーにつっこみを入れていた。
    『俺多分あと30分もつかもたんかやわ……』眠いのかなと思いそっか。と返事をした。
    『涼俺我慢できへんわ…』
    智也が首に吸い着いてきた。びっくりしたのと気持ちいいので声が漏れた。

    2005-06-03 16:19:00
  • 108:

    『そんな声出したら俺もぅ我慢できん!』
    智也が涼に被さってきた。
    智也は優しく涼を抱いた。幸せだった。軽い女だと思われたかもしれないが、幸せだった。その日も昼から仕事のある智也は終わるとすぐに寝てしまった。寝顔を見ていると彼女になれたような気がして嬉しかった。
    智也が起きて仕事に行くついでに駅まで送ってくれた。帰りたくない。智也とずっと一緒にいたい。また連絡するわなっと言って智也は仕事に行った。

    2005-06-03 16:20:00
  • 109:

    帰りの電車で思い出してにやけてしまった。多分相当気持ち悪い人になっていたと思う。でもそれくらい幸せだった。
    昼の仕事の間は電話にはでれないらしいので夜の仕事に行くまで連絡するのを待った。ちなみに智也はホストではない。
    コンビニの清掃の仕事をしている智也は部長という立場らしく現場には行くけど実労はほとんどしないらしい。日替わりで近畿のコンビニを回るらしい。12時を回って電話をしてみた。
    『おう、どしたあ?』

    2005-06-03 16:22:00
  • 110:

    ふつうの声だったが朝のことを思い出して一人で恥ずかしくなった。
    途中で何度か切ったが結局朝まで電話を繰り返した。
    それからしばらく毎日今日はどこの清掃なのかを電話で聞いて近かったら会いに行こうと思ったがなかなか近くはなかった。
    智也はいつでも電話に出たし、寂しくはなかった。でも会いたい。顔が見たい。皮肉なことにライブの予定もその月はもうなかった。

    2005-06-03 16:23:00
  • 111:

    獅子座流星群がくる日、いつものように電話をした。
    『今日はどこなん?』
    『今日は西淡路やで!』
    近い!!…事はないが今まで桂だったり富田林だったりとうてい行けない所ばかりだったが西淡路はまだ行ける。

    2005-06-03 16:25:00
  • 112:

    『西淡路のどこ?行く!!!!!』
    え!?と智也は驚いていたがチャリを飛ばして西淡路を目指す。空では流星がきらきら輝いている。30分ほどチャリを飛ばして到着。コンビニを見渡し智也を探す。コンビニの端でたばこを吸っている智也発見。
    『智也!!』
    『涼!!ほんまに来たんか!?なにで来たん??』

    2005-06-03 16:26:00
  • 113:

    『チャリ』『そんなに俺に会いたかったんか??』
    おそらく智也は冗談で言ったのだろうが、涼は本気で答えた。
    『うん!会いたかった』
    智也はそうか、と笑顔で答えた。

    2005-06-03 16:28:00
  • 114:

    従業員に指図する智也もかっこいい。結局仕事が終わるまでコンビニにいた。智也の仕事が終わったので帰ろうとした。
    『俺こいつ送っていくわ。先にここ(涼の家の近く)まで車で行っといて!!』
    え!?と涼は驚いた。チャリを全速力で飛ばして30分以上かかった距離だ。それを智也は歩いて送ってくれると言う。相当長い時間智也と一緒にいれる。チャリを押して二人は涼の家に向かって歩いた。
    歩きながらいろんな話をした。涼は嬉しさが大きすぎてあまり覚えていないが幸せだった。

    2005-06-03 16:30:00
  • 115:

    『寒いなぁ〜』
    と涼が言うと智也は手をつないでくれた。手を通してドキドキが智也に伝わりそうだ。作業着の智也はライブとはまた違ったかっこよさがあった。作業着で一緒に手を繋いで歩くなんてはたから見ればすごくラブラブのカップルのようだ。そう見える状況に涼は満足だった。
    涼を送って智也は京都に帰って行った。家に帰って寝ようとしても興奮して眠れない。
    それからまた毎日電話で勤務先を聞いたがそれから近くはなかった。

    2005-06-03 16:33:00
  • 116:

    ライブに行っては智也のそばにずっといた。毎回いろんなひとが“彼女?”と聞いてくる。ショートカットの綺麗なお姉さんが智也に近づいてきた。
    『智彼女変わったん?』
    変わったん?と言う言葉が引っかかった。智也に彼女がいるかもしれないなんて考えてもみなかった。
    『智也彼女おるん??』

    2005-06-03 16:34:00
  • 117:

    『涼は俺が大好きやもんなぁ!』
    好意を持っていることは気づいているのだろう。事実だ。智也の事が好きでたまらなかった。
    毎日夜中智也と電話し、その度好きだと言うが伝わらない。はじめてこんなに長い間【彼氏】というものがいない。でも平気だった。久しぶりの片思いだが、楽しかった。また智也の家に行った時思い切って聞いてみた。
    『彼女どんな子?』

    2005-06-03 16:39:00
  • 118:

    彼女はふつうの事務をしている智也と同い年。プリクラを見せてもらったがたいして可愛くない。勝てる。
    智也は今日も涼を抱いた。優しい。彼女はどんな風に智也に抱かれるのだろう。自分とは違うのだろうなと少しさみしくなった。
    『彼女と別れて涼とつき合うとかない?』真剣に言ってみた。
    『俺な涼の事可愛いとは思うしつき合うのは全然いいねんけど、俺なバンド関係で知り合った人とはつき合うとかしーひんって決めてんねん…』涼の思いは叶わなかった。

    2005-06-03 16:41:00
  • 119:

    いつかそのうち気が変わるかもしれない。智也に一度振られているが諦められなかった。智也を独り占めしたい。あの笑顔を自分だけのものにしたい。思いは募るばかりだった。
    最近智也は電話にあまり出ない。仕事がしんどいので部長という立場を捨てバイトに降格したらしく実労しなければならないのだ。たまには電話に出てくれるしライブに行けばあえた。あきらめがつかなかった。しかしそろそろ智也は涼が本気で自分の事を好きだと自覚しはじめたのか期待させまいとしているらしく、少しずつ冷たくなっていった。ライブに行っても家に連れて帰ってはくれなくなった。寂しくて、切なくて胸が苦しかった。
    会えない分、余計に気持ちが募る。月に3,4回のライブが何よりの楽しみだった。元から結構社交的な涼は妙な身なりの人たちともすぐ仲良くなった。仲良くなったといってもライブで顔をあわせれば喋るだけ。もう、ライブハウスに行っても一人じゃない。智也のそばにくっついているのは状況的に無理になった。
    やはり、今日も連れて帰ってはくれなかった。もう、自分には望みはないのだと、この時なぜか実感した。この頃からだんだん付き合いたいという

    2005-06-03 16:44:00
  • 120:

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    削除されますた

    あぼ~ん
  • 121:

    彼氏がほしい。また始まった、涼の彼氏ほしい病。誰かがそばにいてくれないと。常にかまってくれなきゃ寂しくてつぶれそうだ。今、誰もよさげな人はいない。哲也の店には相変わらずちょくちょく行っていたが完全に哲也は《男友達》になっていた。
    どこで出会おう。大ちゃん以来、ろくな客もいない。そこまで気に入ってるホストもいない。不思議と、ユウ以外に色をかけられたことはなかった。

    ネットでよくみる恋愛相談サイトで今日もチャットで朝まで喋った。もちろん相手はどこの誰だか全く分からない人だ。今日は暇だったのでリンクも覗いてみた。出会い系サイトがランキング形式で載っている。生まれて始めて、出会い系というものをやってみた。

    2005-06-03 16:45:00
  • 122:

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    削除されますた

    あぼ~ん
  • 123:

    バイト先の島田君と言う男前の子と仲良くなりよく一緒にスロットに出かけた。島田君にも彼女がいるので、ほんとにただの《スロット友達》だった。剛には愛されていると思っていたし、その愛も涼のコップからは溢れそうなくらい、多大なものだったから…

    2005-06-03 16:52:00
  • 124:

    ある日電話でいきなり剛が言った。
    『ごめん、俺浮気してん』目の前が真っ暗になった。浮気って…まだ付き合って二ヶ月しかたっていない。そんなに早く浮気するもんなのか?っていうか普通浮気を自分から言うか!?いろんなことを一瞬で考えた。
    なんと剛は出会い系をやめてはいなかった。そして浮気した理由は【25歳だったから】。剛は極度の年上好きだった。
    嵐のように切れ、三日後その女を呼び出させた。剛は渋っていたが『お前のこと好きって言うてんやったら、《こないだ会ったばかりやけど又会いたい》とか何とか言うたら来るんちゃうんけ!!』いつもの涼ではない切れ具合に恐れをなしたか、しぶしぶ承諾した。

    2005-06-03 16:53:00
  • 125:

    JR三田に向かう。今日はいつもより化粧も濃い目、服装もフェロモン全開。戦闘態勢だ。駅について剛発見。うつむいている。
    ほんとは自分で話をつけたかったが、自分から言うと言う。とりあえずそれを見届けなければ。駅のホームに剛と少し距離を置いて立ち、その女を待つ。駅なんだから、自分の男の隣に女が立っていたって、何も不思議はない。
    しばらくして、電車が来たのか改札からぱらぱらと人が出てゆく。Gジャンにデニムのロンスカの変な女。センスなさ過ぎやろ…と思っていたら、なんとそいつが剛に駆け寄る。
    おいおい…なんだか怒りを通り越して呆れた。相手はあんなのかよ…いくら25歳だからってあれはないだろ。

    2005-06-03 16:54:00
  • 126:

    センスの悪い女は甘ったれた声で剛に話す。
    『ごめんねぇ、待ったぁ?乗り換え間違えちゃって時間かかっちゃったぁ』キャバ嬢のような甘い喋り。顔と全く似合っていない。剛にべたべたと引っ付く。やめて。離れて。しばくぞ。結構限界だった。
    『今日は仕事もう大丈夫なん?』剛の声が震えている。どうやって話を切り出すか困っているのだろう。50cmと離れず、横でブチ切れの涼がいるので余計困惑しているらしい。
    蕎麦屋の娘らしいセンスの悪い女は又甘ったれた声で答える。

    2005-06-03 16:56:00
  • 127:

    バキ。剛の頭をどつく。
    『お前、さっさと話せや、いつまで待たせる気やねん。もう30分は経ったぞ!?』
    女は鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をした。
    『・・・誰???』めはまっすぐ剛を見ている。

    2005-06-03 17:00:00
  • 128:

    『・・・・・俺の彼女・・・』ボソッと剛が答えた。
    『さっさと話し終わらして、ご飯行こうねってゆったやろ。もうお腹すいて限界やねん。もうちょっと横で待ってたるから、はよせぇ。』
    その場を離れた。
    だらだらと、話をするのかと思えば意外にあっさり剛は言った。

    2005-06-03 17:01:00
  • 129:

    『そういうことやねん。こいつは俺の彼女でお前は浮気やねん。彼女にばれたしもう別れてな。』
    センスの悪い女は泣きながら改札の中へ消えていった。
    『ごめんな。ほんまごめんな。』強がぎゅっと抱きしめた。よしよし。頭をなでてやる。
    『よう言ったね。もう浮気しやんといてや?』うん、と涙目で剛が答え、キスをした。

    2005-06-03 17:03:00
  • 130:

    そこからデートしたのだが、剛の携帯はセンスの悪い女からメール、電話が鳴りっぱなし。
    【あんな女のどこがいいん】【剛はあの人にだまされてるよ】など、涼の文句ばかりだ。相手が、綺麗なお姉さんとかなら、そんなメールも気になったかもしれない。だが、センスの悪い女はお世辞にも可愛いとはいえない顔だった。浮気した自分の彼氏の相手の女を見て、情けなくなるほどに。
    『またメール来た…もう、ほんまうっといわ…』お前、あいつのことを好きで浮気したんじゃないのか?
    メールの剛の反応になんだか違和感を覚えた。

    2005-06-03 17:04:00
  • 131:

    甘甘な愛をくれる剛に涼はのめりこんでいった。寝てもさめても剛のことを考えた。電話とメールではいつも聞いてるこっちが恥ずかしいようなせりふを剛は恥ずかしげもなく言った。
    ある日いきなりたった一言【もう終わりにしよ。バイバイ】とメールが来た。ありえない。昨日寝る前まであんなにラブラブだったのに。今週末は梅田でデートしようねと約束したのに。慌てて剛に電話をかける。受けない。涼は震える手でメールを打った。

    2005-06-04 01:13:00
  • 132:

    『なんでいきなりそんなん言うん?何があったん?』
    なかなか返事がこない。何が原因なんだろう。何を言われるんだろう。本当に終わってしまうのか。不安ばかりが頭をかけ巡る。まだ返事が来ない。不安に押しつぶされそうだ。

    2005-06-04 01:18:00
  • 133:

    ライターをつける手が震える。うまくつけられない。それほどまでに動揺していた。剛のいない毎日など考えられない。やっと火をつけられたタバコも考えているうちに長い灰となり足に落ちてきた。熱さで我に返る。
    剛専用の着メロがなる。さらに手が震える。怖くてメールを開くことが出来ない。内容を読む勇気が出ない。覚悟を決めてボタンを押す

    2005-06-04 01:20:00
  • 134:

    【いつか涼が俺から離れていきそうで怖い。そんな思いをするくらいならもう離れた方がましやから。さよなら】
    【離れたりなんかしない!涼は剛がおらな生きて行かれへん!離れたりしないから剛から離れたりしんといて!涼には剛しかおらんねん!】手は震えていたが驚くほどの早さで返事を返した。また返事が来ない。頼むから離れていくなんて思いとどまって……祈るようにつぶやき続けた。

    2005-06-04 01:21:00
  • 135:

    【でも一生気持ちが離れていったりせえへんて保証ないやん。そうなった時が怖いねん。だからもう涼の前から消えるから】思いとどまってくれてはないようだ。
    【だから涼には剛しかおらんの!!離れたりされたら涼が無理なん!好きじゃなくなったわけじゃないやろ!?】と返事を返した。返って来る返事は同じ。怖いから無理だと。水掛け論だ。お互い言葉を変えて同じ事を主張するだけ。……どうすれば剛に伝わるのだろう。どう表せば離れたりしないと信じてくれるのだろう。言葉は使い尽くした。三時間ほど同じやりとりを続けやっと剛が信じた。信じたと言うか、口では【信じる】と言ってくれた。
    良かった。思いとどまってくれて本当に良かった。涼は言い合って疲れたが剛の深い愛を感じた。愛されてると実感した。

    2005-06-04 01:22:00
  • 136:

    剛はMだった。セックスの時も縛られたりするのを好んだ。
    また別れ話をされた。前ほど動揺しなかった。きっと原因は前と同じだと思った。が、内容こそ同じもののなんだかエスカレートしている。涼は離れないと説得するが聞かない。ものすごいメールが来た。
    【俺は涼がそばにおらな生きていかれへん。毎日明日は涼に振られるんじゃないかってびくびくしながら生きてんねん。涼の愛が欲しい。絶対的な愛をちょうだい。縛り付けて、殺してでも側にいてくれな嫌やねん】

    2005-06-04 01:24:00
  • 137:

    さすがにちょっと面食らった。殺されるのは困る。でもそれだけ自分の事を愛してくれているのだと思うと嬉しさで涙があふれた。狂気的なほどに自分の事を愛してくれている。ここまでストレートな愛情は初めてだった。
    情緒不安定なのか、不安なのか剛は別れ話をしょっちゅう切り出すようになった。内容はやっぱり毎回同じ。本当は別れたいんじゃないかと不安になる。剛の事は大好きだ。いい意味で空気のような存在。だからこそ怖い。剛がいなくなってしまったら…考えるだけで涙がでそうになる。もう別れたいんじゃないなら気持ちを確かめるために別れ話をするのは辞めて欲しかった。辞めさせよう。そう考えてこう言ってみた。

    2005-06-04 01:25:00
  • 138:

    『そんなに信じられへんのやったら別れていいよ。剛がそうしたいんやったらしたらいいやん。涼死ぬわ。そしたらあんたの望み通りやろ?どこにもいかへんくなるで』
    『涼が死ぬことないよ。最低なんは俺やから。俺が死ぬから。確かめたりしてごめんな。』プツ…
    しまった……逆効果だ……

    2005-06-04 01:26:00
  • 139:

    プルルルル…プルルルル…プルルルル電話にでない。まさか本当に死んでしまったのか??剛ならやりかねない。何度も何度もリダイヤルを押す。いっこうに出ない。どうしよう。本当に死んでいたら……電話に出てくれない事が余計に不安を煽る。直接確かめようにもとうてい真夜中に行ける距離ではない。切羽詰まって香織に泣きながら電話をかける。相当取り乱していただろう。自分でも何を言ってるかよくわからない。号泣しながら喋るのでえづく。それでも涼は香織に伝えようと頑張って喋った。

    2005-06-04 01:27:00
  • 140:

    プップップッ……
    香織の声が途切れる。キャッチだ。こんな時に誰だよ!?と思いながら耳から離し画面を見る。
    【着信中:剛】
    びっくりして香織の電話を切ってキャッチに出る。今出なければ一生話せないかもしれない。

    2005-06-04 01:28:00
  • 141:

    『もしもし……ひぃっ…うっ……』
    さっきまで号泣していたのだからいきなり普通に話せるわけがない。剛はちょっと驚いた様子だった。
    『いっいぎでで(生きてて)……涼……じっ…死なへんがらっ……』やっとの思いで話す。
    『ごめんな、俺ホンマに死のうと思った。でも涼のそばにいたいから…涼の事考えたら死なれへんかった。でもそんなに泣かせてごめん。やっぱ俺ホンマ最低やな……そばにおったら涼を悲しませるだけや……やから別れた方がいい……』

    2005-06-04 01:29:00
  • 142:

    話が振り出しに戻ってしまった。涼は泣き崩れた。別れたくない。離れないで。別れ話をしてもいいからそばにいて……言いたいことは山ほどあるのに言葉が出ない。ただただ泣くばかりだった。泣くだけで何も話さない涼に剛は言った。
    『泣くなよ、めんどくさいなぁ!!』
    ……?????
    自分の耳を疑った。

    2005-06-04 01:31:00
  • 143:

    めんどくさいなぁ!?!?!?あまりにもびっくりして涙は止まった。
    『やっと泣きやんだか。耳元でうっさいねん』
    今自分は誰と話していたんだっけ?剛のはずだ。剛は自分の事を愛しているはずだ。うっさいなんて言ったのは幻聴。他の電波を拾ってしまっただけだ…なんて無理矢理な理由をつけて落ち着こうとした。

    2005-06-04 01:32:00
  • 144:

    『俺はホンマに最低な男やから。涼に愛される資格なんかないねん。だからもう別れて。』
    また別れ話に逆戻り。
    『最低な男や、って何があるん。ゆうてくれやな最低かどうかわからんやん。涼に愛される資格なんかないって言うんなら最低かどうかは涼が決めたらいいんちゃうん!?』
    剛はしばらく黙っていたが重い口を開いた。

    2005-06-04 01:33:00
  • 145:

    今まで付き合った女はみんな涼よりはるかに年上だったらしい。さっきまで暗い口調で話していたのに急に剛は明るい口調で話し始めた。
    『女は20代後半が狙い目やねん、特に独身の地味なやつな。金ため込んでるし、甘い言葉なんか言われたことないからホイホイ騙されよんねん。将来結婚しよ、やから二人で貯金しようゆうて架空口座教えたら一発や。ホンマに振り込みしよるからなあ!』

    2005-06-04 01:36:00
  • 146:

    死ぬと言ったのも本心ではなかった。ちょっとした脅しのためだ。しかし日をおうごとに剛に対する気持ちは大きくなってゆく。剛がいないのなら死んだ方がマシだと思うようになってきた。あれからも剛は別れ話をたびたび切り出す。前まで【不安だから】が主立った理由だったがあの日を境に【愛される資格がないから】というのも増えた。いくら説明しても剛は別れ話を繰り返す。その度号泣し泣きわめき泣き叫んだ。

    2005-06-04 01:38:00
  • 147:

    完璧に自分が情緒不安定だ。この頃になると本気で『死ぬから』と言っていた。必ず剛は『俺が死ぬから』と言い返してくる。それを言われると毎回絶望感に襲われ涙は一層勢いを増す。毎日夜中になればまた別れ話をされるんじゃないかと不安が募る。悲しいまでに毎回不安は的中し死ぬだの死なないだの泣き叫ぶ毎日が続いた。

    2005-06-04 01:39:00
  • 148:

    しばらくしてから剛は別れ話をしなくなった。【結婚しよう】と言い出すようになり涼は幸せだった。結婚詐欺をしたと言っていたのが引っかかったが幸か不幸か涼は全く貯金がなかった。結婚詐欺の話を聞いた時は【(当時)16の奴に騙される20代後半ってありえへん】と思っていた。が、今なら剛に金を巻き上げられていった女たちが剛にはまった気持ちがわかるような気がした。

    2005-06-04 08:01:00
  • 149:

    春になり剛は大学生になった。三田の実家から京都の大学に通うのは無理なので一人暮らしを始めた。生活用品を一緒に見に行ったり、京都まで鍵を受け取りに行ったり幸せな日が過ぎた。春休みだった事もあり頻繁に家に行った。帰りたくない、とワガママを言って四日間泊まった事もあった。

    2005-06-04 08:04:00
  • 150:

    春休みが終わり大学が始まる。デートは週一ペースに逆戻り。春休みあれだけ一緒にいた分寂しさが募る。三田も京都もさして距離は変わらないのでそう易々と会えるようになったわけではなかった。

    2005-06-04 08:05:00
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