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恋愛ジャンキー
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1:
涼
旧掲示板作品です。
2005-06-02 17:03:00 -
141:
『もしもし……ひぃっ…うっ……』
さっきまで号泣していたのだからいきなり普通に話せるわけがない。剛はちょっと驚いた様子だった。
『いっいぎでで(生きてて)……涼……じっ…死なへんがらっ……』やっとの思いで話す。
『ごめんな、俺ホンマに死のうと思った。でも涼のそばにいたいから…涼の事考えたら死なれへんかった。でもそんなに泣かせてごめん。やっぱ俺ホンマ最低やな……そばにおったら涼を悲しませるだけや……やから別れた方がいい……』2005-06-04 01:29:00 -
142:
話が振り出しに戻ってしまった。涼は泣き崩れた。別れたくない。離れないで。別れ話をしてもいいからそばにいて……言いたいことは山ほどあるのに言葉が出ない。ただただ泣くばかりだった。泣くだけで何も話さない涼に剛は言った。
『泣くなよ、めんどくさいなぁ!!』
……?????
自分の耳を疑った。2005-06-04 01:31:00 -
143:
めんどくさいなぁ!?!?!?あまりにもびっくりして涙は止まった。
『やっと泣きやんだか。耳元でうっさいねん』
今自分は誰と話していたんだっけ?剛のはずだ。剛は自分の事を愛しているはずだ。うっさいなんて言ったのは幻聴。他の電波を拾ってしまっただけだ…なんて無理矢理な理由をつけて落ち着こうとした。2005-06-04 01:32:00 -
144:
『俺はホンマに最低な男やから。涼に愛される資格なんかないねん。だからもう別れて。』
また別れ話に逆戻り。
『最低な男や、って何があるん。ゆうてくれやな最低かどうかわからんやん。涼に愛される資格なんかないって言うんなら最低かどうかは涼が決めたらいいんちゃうん!?』
剛はしばらく黙っていたが重い口を開いた。2005-06-04 01:33:00 -
145:
今まで付き合った女はみんな涼よりはるかに年上だったらしい。さっきまで暗い口調で話していたのに急に剛は明るい口調で話し始めた。
『女は20代後半が狙い目やねん、特に独身の地味なやつな。金ため込んでるし、甘い言葉なんか言われたことないからホイホイ騙されよんねん。将来結婚しよ、やから二人で貯金しようゆうて架空口座教えたら一発や。ホンマに振り込みしよるからなあ!』2005-06-04 01:36:00 -
146:
死ぬと言ったのも本心ではなかった。ちょっとした脅しのためだ。しかし日をおうごとに剛に対する気持ちは大きくなってゆく。剛がいないのなら死んだ方がマシだと思うようになってきた。あれからも剛は別れ話をたびたび切り出す。前まで【不安だから】が主立った理由だったがあの日を境に【愛される資格がないから】というのも増えた。いくら説明しても剛は別れ話を繰り返す。その度号泣し泣きわめき泣き叫んだ。
2005-06-04 01:38:00 -
147:
完璧に自分が情緒不安定だ。この頃になると本気で『死ぬから』と言っていた。必ず剛は『俺が死ぬから』と言い返してくる。それを言われると毎回絶望感に襲われ涙は一層勢いを増す。毎日夜中になればまた別れ話をされるんじゃないかと不安が募る。悲しいまでに毎回不安は的中し死ぬだの死なないだの泣き叫ぶ毎日が続いた。
2005-06-04 01:39:00 -
148:
しばらくしてから剛は別れ話をしなくなった。【結婚しよう】と言い出すようになり涼は幸せだった。結婚詐欺をしたと言っていたのが引っかかったが幸か不幸か涼は全く貯金がなかった。結婚詐欺の話を聞いた時は【(当時)16の奴に騙される20代後半ってありえへん】と思っていた。が、今なら剛に金を巻き上げられていった女たちが剛にはまった気持ちがわかるような気がした。
2005-06-04 08:01:00 -
149:
涼
春になり剛は大学生になった。三田の実家から京都の大学に通うのは無理なので一人暮らしを始めた。生活用品を一緒に見に行ったり、京都まで鍵を受け取りに行ったり幸せな日が過ぎた。春休みだった事もあり頻繁に家に行った。帰りたくない、とワガママを言って四日間泊まった事もあった。
2005-06-04 08:04:00 -
150:
涼
春休みが終わり大学が始まる。デートは週一ペースに逆戻り。春休みあれだけ一緒にいた分寂しさが募る。三田も京都もさして距離は変わらないのでそう易々と会えるようになったわけではなかった。
2005-06-04 08:05:00