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恋愛ジャンキー

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  • 1:

    旧掲示板作品です。

    2005-06-02 17:03:00
  • 171:

    言ってみろといわれたって本当に何も心当たりはない。心当たりがないのだから、何もいえない。しかし剛はそれをやましいと言った。
    『携帯見てんからな。俺。』
    そう言われて一瞬、援交のことが頭をよぎった。そのサイトはブックマークしてある。見られたら一発だ。ダイヤルロックもかけていないので、見ようと思えば簡単だ。まずい。

    2005-06-04 08:40:00
  • 172:

    『何のことか分からんって。何もないって言ってるやん。』言い通そうと思った。
    『携帯見たっつってるやろ。そう言われても、本間に何も心当たりないねんな?俺に見られて困るメール、入ってないって言い切れるねんな?』
    もう終わった…と思った。サイトを通してメールのやり取りをする。もちろん、いちいち消したりはしていなかった。
    でも、カマをかけられているのかも…もうしばらく言い通そうと思った。『見られて困るもんなんかなんもないわ!!!』
    『俺、もう見たから。メールも全部。どういうことか説明しろや。』…カマじゃなかったのか…見られたなら仕方ない、と重い口を開いた。

    2005-06-04 08:41:00
  • 173:

    『10万、足りそうになかったから援交してん…』もう、見られたなら言い訳はできない。これで、別れるかもしれない。そう思うと涙が出た。しかし次に剛が言った言葉は意外なものだった。
    『は!?!?!?援交って何やねん!!!!!!』逆にこっちがびっくりした。携帯見たんじゃないのかよ!?自爆したと思った。

    2005-06-04 08:42:00
  • 174:

    どうやら剛はタケシのことを疑ってカマをかけたらしい。昨日知り合ったばかりの男とは知らず、電話を取らなかったので前々からタケシと浮気していると勘違いしたのだ。
    よりにもよって援交がばれてしまった。どうしよう。『今週はおばあちゃんち手伝う用事少なくて……足りなかったから一回だけ……だって10万なかったら振られると思ったんやもん……』本音と言えば本音だが、一回は嘘だ。剛に渡した金のほとんどが知らないオッサンと寝て手に入った金だ。

    2005-06-04 08:44:00
  • 175:

    『辛い思いさせてごめんな。もうせんといて?10万なくても、五万以上あれば大丈夫やから』優しいんだか優しくないんだか……すべて援交で得たとは思ってないようだ。辛い思いさせてごめんなと言うならなぜもう金はいらないからと言わないのか。自分の彼女が援交したと知っても反応の薄い剛に疑問がわいた。

    2005-06-04 08:45:00
  • 176:

    その日はそのまま泊まり、また朝が来た。昨日寝すぎたらしく妙に早く目が覚めた。外はまだ薄暗い。起こすといけないのでそぉっとベッドを抜け出す。
    『んん……大丈夫??優ちゃん………』小さな小さな声だったが静かすぎる家の中でははっきり聞こえた。

    2005-06-06 08:03:00
  • 177:

    優ちゃん………
    確か宿泊研修の時に出来たと言っていた女友達の名だ。あとは斉藤、山田、大西と何人か男友達も出来たと言っていたが【優ちゃん】は一人名字ではなかったので記憶に残っていた。
    なぜその子の名を寝ぼけながら呼ぶのか。何かあるのか。台所でタバコを吸いながら考える。同じ大学なうえに剛の家は大学から徒歩五分ほどだ。来たことがあっても不思議ではない。

    2005-06-06 08:05:00
  • 178:

    落ち着こう。もう一度寝よう。ベッドに潜り込もうとする。パイプベッドがきしむ。
    『ん……?どうしたん?優ちゃん……』
    ……二度目だ。ありえない。絶対何かある。女の勘ってやつだ。もう我慢ならない。
    『残念!!優ちゃんじゃないんだな〜ぁ』
    わざとおどけながら剛の頬を軽くつねる。ひどく驚いた様子で剛が目を開ける。

    2005-06-06 08:06:00
  • 179:

    『うわっ!!涼か……優ちゃんがなんて??』
    『なんて??じゃないわこのアホ!!二回も呼んだってどおゆう事よ。』
    いつもなら泣き叫んで発狂してもおかしくない事態だが、なぜかひどく落ち着いていた。

    2005-06-06 08:06:00
  • 180:

    聞けばこの間飲み会をした時に優ちゃんがひどく酔っぱらい、その夢を見ていたと言う。そんなわけあるか!と思ったが喧嘩してまた別れ話をされるのが嫌なのでそっかぁと明るく答えた。
    しかし剛が【誤魔化しきれた】と思ったのかほっとした表情を浮かべたのを見逃さなかった。でもやはり別れ話をしたくないので見逃したふりをしてやった。

    2005-06-06 08:07:00
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