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恋愛ジャンキー

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  • 1:

    旧掲示板作品です。

    2005-06-02 17:03:00
  • 208:

    『なんで死なせてくれへんねん!!』
    好きだからに決まっている。愛してるのに……目の前で死なれるなんてたまらない。

    2005-06-08 21:02:00
  • 209:

    口で言ったって聞くはずがない。泣きながら喧嘩をすると疲れる。
    『どうしても死ぬって言うんなら涼が先に死んでやる!!!!』もうほぼ悲鳴だ。あたしは自分の首に包丁の刃を当てる。
    『もう死ぬなんて言わないって約束して!!!!何でもするから!!!!死ぬのだけはやめて!!!』
    叫びすぎてむせる。むせた拍子に刃が当たってうっすら切れた。ツーっと血が流れる。さっきの喧嘩の拍子に指も切れていた。首から流れた血を見てか剛はぺたんと座り込み、黙って首を縦に振った。ほっと体の力が抜ける。思いとどまってくれた………良かった………

    2005-06-08 21:04:00
  • 210:

    『じゃぁ来週30万な』

    あたしの想いはこの男にはちっとも届いてないようだ。

    2005-06-08 21:04:00
  • 211:

    その日は朝から学校の親睦会だった。これに出ないと課外授業の単位が取れない。泣きはらした腫れぼったい目のまま電車に乗り学校へ向かう。
    学校に着くとクラスメイトが駆け寄ってくる。
    『どぉしたん!?涼ちゃんスッピン!?目赤いよ!?なんかあった!?』
    ああ、そういえば今日の親睦会はティータイムクルージングだ。みんなでお洒落して行こうねって言ってたんだっけ……。そんな事すっかり忘れてた。

    2005-06-08 21:06:00
  • 212:

    『朝から彼氏と包丁奪い合いの喧嘩してさぁ〜化粧する暇なくなってもたわぁ〜』とおどけながら話す。本当はそんな軽く言えたもんじゃない。でも、根ほり葉ほり聞かれるのは嫌だった。
    『ってか今日の三宮での自由時間どこ行くよ!?』誰かがつっこんでくる前に自ら話をすり替えた。
    『あ、あたしな行きたいトコあんねんかぁ、雑誌で見てんけどさぁ〜』
    二つ年上の恭子が話にのってくる。恭ちゃんは多分あたしが話したがってないのを感じ取ってくれたのだ。みんなが恭子の話しにのる。良かった。話さないですんだ。何もなかったかのように化粧しながらみんなの話しに加わった。

    2005-06-08 21:07:00
  • 213:

    ティータイムクルージングと洒落た名前がついたお茶会はさんざんだった。波で微妙に揺れる船体。とてもじゃないがゆっくり紅茶を飲める状態ではない。もとから揺れには弱い。窓から景色を見て紛らわそうにも、窓の外も揺れている。船体が揺れているのだから当然だ。限界……そう思いタバコを握りしめ甲板へと向かった。
    風が当たる分いくらかましだ。
    タバコに火をつけ煙をはく。あたしも煙になりたい……空気に薄められて目には見えなくなった煙が羨ましかった。

    2005-06-08 21:08:00
  • 214:

    『こら!!タバコ没収です!!』
    げっ先生!?うちの学校は美容系なので基本的に喫煙は校則で禁じられている。たとえ未成年じゃなくても関係なかった。やっば……と思いおそるおそる振り向くとそこに立っていたのは先生ではなく、タバコをくわえた恭子だった。

    2005-06-08 21:10:00
  • 215:

    『ひひっ、びっくりしたべ!?』恭子が笑う。
    『恭ちゃんかぁ、びびったしやな、ホンマ!!』
    『なんあったんよ?』
    唐突に話を切り出された。もとから恭子には話そうと思っていたので全部話した。
    恭子はふーっと煙と一緒に深いため息をついた。

    2005-06-08 21:11:00
  • 216:

    『涼ちんさぁ、そいつの事好きなんめっちゃ分かるけど、別れた方が涼ちんの為やで??恭子、初めのうち年上やからみんなに馴染めへんかったから、涼ちんともあんま喋ってなかったけど、初めに比べてめっちゃ痩せたで!?涼ちん見てたら聞いてほしくなさげやったから、恭子に話してくれるん待ってたけど……今話してくれてめっちゃ嬉しい。でも恭子は涼ちんが心配やわ。いつかそのままやったら涼ちん壊れてまうよ……そうなってほしくないねん……』
    恭子は何語ってんねやろ、うち。と、八重歯を覗かせてへへっ、と照れくさそうに笑った。
    話さないことによって自分の傷を深くしないようにしていたが、それによって恭子にこんなにも心配をかけた。謝るのは苦手なので心のなかでごめんね、と謝った。

    2005-06-08 21:16:00
  • 217:

    恭子の思いはわかったがやっぱり剛を嫌いになる術は見つからない。偽物だったとしても、あたしにあんなに愛をくれた人は今までいない。そんな剛を忘れるなんて出来るはずがなかった。
    30万どうやって作ろう……頭の中はそればっかりだ。一人二万と考えて15人。一日約二人。まぁ、なんとかいけないことはないかな……でも毎日やんなきゃいけないのか……なんて考えながら今日一人目の客との待ち合わせ場所へ向かう。

    2005-06-08 21:17:00
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