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恋愛ジャンキー

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  • 1:

    旧掲示板作品です。

    2005-06-02 17:03:00
  • 268:

    『あ〜!!!こんなにつかわへんのに!!』
    芋なくなったから、次これ!と今度はニンジンを剥き始める。見る見るうちに短くなっていく。結局ニンジンも三本可哀相な姿になった。
    散々ひっちらかして、飽きたのか誠ちゃんはもう終わり〜とテレビのほうへ行った。

    2005-06-21 01:13:00
  • 269:

    『キュウリの漬けもん、買ってきた?』
    ご飯の炊き上がりのタイマーが鳴ると嬉しそうに誠ちゃんが言った。
    『買ってきたよ?古漬けでいいんしょ?』切って切って、食べたい!と子供のようにねだる。可愛い。誠ちゃんはキュウリだけでご飯を二杯も食べた。
    今日はじめて、家に来たのになんだか、もうずっと付き合ってるような不思議な感覚になった。誠ちゃんがなつっこい性格なのか、あたしが基本的に誰とでもすぐ仲良くなるからなのか。それともあたしは誠ちゃんが好きなのか??

    2005-06-21 01:13:00
  • 270:

    そんなことを考えながら肉じゃがの煮え具合を確かめる。・・・味が濃い・・・
    『味見したい〜〜肉ちょうだい、肉♪』たった一つ下なのに、まるで子供だ。
    『濃い!!!』・・・やっぱり。
    『でも俺これくらいのほうが好き。食べよ♪』
    『魚焼くから誠ちゃん先に食べてていいよ』器によそい、ご飯をよそって渡す。

    2005-06-21 01:16:00
  • 271:

    略 なし

    2005-06-21 01:17:00
  • 272:

    フライパンで鯖を焼いたことなどない。焼けたんだか焼けてないんだかわからない。苦戦しているとおかわり!と誠ちゃんが言った。早!!!!
    何とか魚を焼き上げ、やっとあたしもご飯だ。さっき、鍋ごと誠ちゃんに渡したので器を持ってテーブルへ行く。炊飯器をあけると・・・空!
    『俺三日飯食ってないって言ったやん?全部食べてもた』三日飯食ってなかったからって、ご飯二合も一人で食べれるもんなのか!?

    2005-06-21 01:18:00
  • 273:

    仕方がないので炊きなおした。フライパンで焼いた鯖は生煮えで、やり直して炊き上がりを待つ。結局誠チャンはその後鯖でまたご飯を食べ、あたしも食べたがまた二合が空になった。
    食べ終わって、テレビを見る。食べた食器はテーブルの上にそのまま。二人でタバコを吸いながらテレビを見る。剛の家ではありえない光景。
    それが居心地いいと感じてる自分がいた。何でだろう。誠ちゃんに惹かれていってるんだろうか。これは恋愛感情なんだろうか。こんなに簡単に違う人を好きになれたのか!?頭の中でぐるぐるそればっかり考えていた。

    2005-06-21 01:20:00
  • 274:

    ロンドンハーツが始まった。“魔性の女リナ”が、男と買い物をしている。バーキンを買ってもらっていた。
    『いいなぁ〜涼もバーキンほしい』別にバーキンが欲しい訳ではなかったが、なぜか口からそう出た。
    『俺が売り上げ上がったら、バーキンくらい買うたるがな』と、普通に返してきた誠ちゃんにびっくりした。剛があたしにものを買うなんてありえなかった。物をねだることさえ、許されなかった。たとえそれがバーキンじゃなく、安物の何かであっても。

    2005-06-21 01:21:00
  • 275:

    結局、リナを買い物に連れて行った男はヤラセで、リナはバーキンから何から全部取り上げられていた。
    『こいつ、もの買ってくれるんやったらなんでもええんかな。あほやな』
    ・・・・・・剛はあたしのことをやっぱりそう見ているんだろうか。物を買うから、お金を渡すから、一緒にいるんだろうか。そんなこと、薄々気づいていた。気づいていても、認めたくなかった。現実を見たくなかった。

    2005-06-21 01:22:00
  • 276:

    誠ちゃんのリナに言った一言で、認めたくなかった現実が、認めざるを得ないんだと実感した。剛にとってあたしは金。それ以外の何者でもない。見ようとしなかった現実がのしかかってくる。
    『涼さ、もう俺かあいつかどっちにするか決めた?家来てくれたってことは俺の可能性もあるやんな?』

    2005-06-21 01:23:00
  • 277:

    心を見透かしたかのように誠ちゃんが言った。正直傾いている。でもまだ、決める気にはなれなかった。自分のことが、金目当てでしかないことに気づいたくらいで別れられるのなら、とっくに別れている。それでも、あたしは剛が好きなのだ。
    誠ちゃんは、あたしの事をお金としてしか見なくなったりしないのだろうか。誠ちゃんに傾きそうになるたび、そう思って心にストップがかかる。
    だって、誠ちゃんはホストだ。たとえバイトで週三日であろうとも、ホストなことに変わりはない。ユウのときのようにならないだろうか。不安のほうが大きい。

    2005-06-21 01:23:00
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