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恋愛ジャンキー
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1:
涼
旧掲示板作品です。
2005-06-02 17:03:00 -
278:
涼
『うん、可能性はぜんぜんあるよ。でもまだちょっとね…ごめんね…』
『そっかぁ。でも俺選んでくれるって信じてるしなっ』照れくさいのか、テレビのほうを向いたままの誠ちゃんの耳は真っ赤だった。2005-06-21 01:24:00 -
279:
涼
連日外泊していたのでそろそろ親の目がやばい。今日は帰らなくちゃ。本当はもっと誠ちゃんといたかった。
駅まで送ってもらい、タバコを吸おうとした時に気づいた。
・・・Zippoがない。
誕生日に剛にもらったZippo。後にも先にもたった一つの剛からのプレゼント…誠ちゃんちに忘れて来たらしい。慌てて電話をかけるが出ない。やばい…明後日は剛が珍しくこっちにくると言っていた。ないのがバレたら…どうなるんだろう。でも終電なので取りに行けないし、何より誠ちゃんが電話に出ない。諦めて帰ることにした。明後日来るのはどうせ金の為だけだ。家賃分を取りに来るって言ってたし。バレませんように……そればかりが頭の中にあった。2005-06-21 01:25:00 -
280:
涼
いつもと同じ昼休み。今日もコンビニでみんなでタバコを吸う。学校内では吸えないからここぞとばかりに何本も吸う。
『涼があのダメ男と別れられたらクラスみんなでなんでも好きなもんおごったげんで!!』
『その誠ちゃんて子にしいやぁ、なんで剛がいいん??』2005-06-21 01:26:00 -
281:
涼
ここ最近休み時間の話題はあたしの恋愛話ばかり。自分の周りにはなかった波瀾万丈な恋バナを、おそらくみんな楽しんでいるんだ。そう何人もが経験するような内容じゃないのはよくわかっている。他人の不幸は密の味。遠い昔から変わらない人間の心理だ。もう好奇心でも興味でもなんでもいい。誰かに話さなければあたし一人で抱え込むには大きすぎる現実。
『ホンマになんでも?をうたな〜!?たっかいもん食べさしてもらうわぁ』
明るく話していれば、重すぎる悲しい事実が少し軽くなるような気がした。2005-06-21 01:27:00 -
282:
涼
剛は今日こっちに来る。まだライターは誠ちゃんの家だ。お金を渡して、帰るんだと思っていたのに
『ラブホ行こうや』と普通に誘われいってしまった。彼氏なんだから何もおかしくはないんだが…なんだか変な感じがした。2005-06-21 01:28:00 -
283:
涼
部屋に入って、タバコに火をつけるあたしの手には100円ライター。剛が気づくか気づかないか、あたしの小さな冒険。
『あれ、涼俺のあげたライターは?』・・・気づいた。家を出る前に思いついた取って置きのごまかしを使う。2005-06-21 01:29:00 -
284:
涼
『今日タバコケースごと忘れてきちゃってさ、タバコもライターもさっき買ったんよ』そうなん、と剛は指して関心ないようだった。また、別れ話をされた。
どうしてだろう、こんなに自分が保てなくなる。
どうしてだろう、涙があふれて止まらない。
やっぱり、あたしは剛のことが好きなようだ。
2005-06-21 01:30:00 -
285:
涼
結局、いつものように仲直り。涙でぐしゃぐしゃの顔のままHした。
『もうはなさへんから』
『ずっと俺の事好きでおってな。』
『俺から離れていかんといてな。』
あたしの上で、腰を振りながら荒っぽい吐息とともに吐き出される言葉。毎回、そう言っては、次の日平気な顔でまた別れ話をする。
『涼…好きやで、愛してる・・・あぁっ・・』安っぽい愛の台詞と一緒に剛は果てた。2005-06-21 01:31:00 -
286:
涼
略
『涼…好きやで、愛してる・・・あぁっ・・』安っぽい愛の台詞と一緒に剛は果てた。
2005-06-21 01:32:00 -
287:
涼
その、安っぽい台詞がほしかった。剛に愛されたい。その一心でオッサンに触られるのも舐められるのも、入れられるのもすべて我慢してきた。でも・・・剛は【あたし自身】を愛してはくれない。【あたしの持ってるお金】を愛した。
愛してるなんて久しぶりに言われた。嬉しくて仕方がなかった。そのせいか、2限目の授業の片づけが遅くなって、みんなより一足送れてコンビニへ向かう。
手の中で携帯が震える。2005-06-21 01:33:00