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恋愛ジャンキー
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1:
涼
旧掲示板作品です。
2005-06-02 17:03:00 -
41:
頭はさほど痛くはなかった。しかし全身が痛い。少し前ユウが店の従業員に本気でキレて殴ったのを見た事がある。涼より少し大きいくらいの華奢な男の子。ユウに殴られ吹っ飛んだのを涼は見た。きっとその時と同じくらいの力だな、なんて殴られながら考えていた。
2005-06-02 18:14:00 -
42:
涼も昔はヤンチャだったのでまだ多少殴られる事に対し免疫が残っている。が、昔はそれなりに応戦も出来た。例え相手が男でも。今は出来ない。体がもう鈍ってしまっているのと、ユウへの恐怖からだ。何をされるかわからない。おそらく黙って耐えるのが利口だとも思った。
2005-06-02 18:15:00 -
43:
次の日腫れた顔とあざだらけ涼を見て一番心配したのはやはりヨシノだった。他の女の子はろくに喋ったことがなかったせいもあり何も言わなかった。すみっこのじゅりがちらちら見ている。じゅりは言わなくとも原因も誰がやったかも分かっているはずだ。心配するヨシノにもじゅりがいる前では何も言えない。
2005-06-02 18:25:00 -
44:
未収があっても別れることはおそらく出来た。でも涼は【彼氏】というものがないとだめな人間だった。あんなにされたって優しい甘い言葉をかけてくれるユウがいないと無理なのだ。
2005-06-02 18:25:00 -
45:
殴った次の日のユウは優しい。なぐられた事なんか忘れて抱きしめて欲しくなる。
でも未収は待ってくれない。むしろ追いつめてくる。いろんな事がいっきにあったせいか涼は熱を出した。客に責められるのはもともと好きではないがいつも以上に気持ち悪かった。客にやめてといってもしつこくやめてはくれずとうとう涼は泣き出した。
2005-06-02 18:26:00 -
46:
客が帰って店長が心配して見に来た。38度を超える熱を出したがユウの為に働かなければ……そればかり考えていた。
でも体はもたず涼は動けない。個室なので店泊した。
起きるとすごい数の着信。全てユウだ。2005-06-02 18:28:00 -
47:
まだ熱は下がっていなかったが働くつもりで店長に言ったが却下された。実家に帰ろう。たまには。一ヶ月ぶりの我が家だ。
日頃家にいない娘がいる事に母親は驚いた。が、体調が悪いと告げるとそこから何も言ってこなかった。やっぱり親は嫌いだ。2005-06-02 18:29:00 -
48:
夜中ユウからの着信で目が覚めた。家族に会話を聞かれてはまずい。涼はそっとベランダへ行った。
『おまえ何で昨日電話でんかってん!!』
一言目から怒鳴られた。2005-06-02 18:30:00 -
49:
『熱がでて店泊してた』
『うそつけ!!』
ユウはまるっきり信じてくれなかった。それどころか未収入金の話ばかり。この人は自分をお金としか見てない……初めて気づいた。2005-06-02 18:31:00 -
50:
電話を切って涙が溢れてきた。自分に向けられた笑顔も、優しい言葉も、全て金のためにしてくれていたこと……それでもいい。お金だけでもユウと繋がっていたい。もはや涼はユウなしでは生きられなくなっていた。
2005-06-02 18:32:00