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恋愛ジャンキー
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1:
涼
旧掲示板作品です。
2005-06-02 17:03:00 -
441:
涼
誠ちゃんは変に敏感で声ですぐ見抜かれる。いくらなんでも『中だしして妊娠したかもしれません』なんて口が裂けても言えない。気付かれないようにしなきゃ。いい事を思い付いた。寝てしまえばいい。そうすれば最初に声のトーンが低くても、疲れてました、で通じる。
作戦は上手く行くはずだった。でも予想外に誠ちゃんが酔っていた。誠ちゃんは酔うと人が変わる上に、やたらと喜怒哀楽が激しくなるなんともややこしい奴だ。今日は暇だったからあんまりお金がないよ、と言うと
『前10万稼いだ日みたいに頑張れョォ』
…それは、普通の頑張りじゃなぃ…2005-06-26 01:02:00 -
442:
涼
中だししたからだったなんて、知らないから、誠ちゃんは頑張ればあたしが10万稼げると思っている…それはまずい。それと同時に、嬉しそうだった真美が浮かぶ。やばい、泣きそうだ。もぅこの際、全部話してしまおう…
『誠ちゃん、涼がどうやってあんだけ稼いだかわかってゆってる?普通の頑張りで、あんだけ稼げると思うん?』
『えっ!?どうやったん?』
『中だしさせたんやで』
『え………』2005-06-26 01:03:00 -
443:
涼
誠ちゃんは一気に酔いが冷めたようだった。
『なんで??』
『だって間に合えへんし…』
『いや、だからって…』2005-06-26 01:04:00 -
444:
涼
誠ちゃんはしばらく黙ったままだった。そして小さな声で『俺のせいでそんな事させてごめん…』と言った。
『それで妊娠したかもしらへん…』言い終わる前に涙がこぼれた。ちょうどよその卓でシャンパンコールが始まった。大音量の音楽にマイク。あたしは誠ちゃんの耳元で泣きながら真美の事を話した。誠ちゃんはずっとあたしの頭を撫でていてくれた。『俺のせいで、せんでもいいような辛い思いさせてごめん…』誠ちゃんの声は震えていた。2005-06-26 01:05:00 -
445:
涼
結局、真美もあたしも妊娠してはいなかった。あたしはほっとしたが、真美は妊娠したかったようでしゅんとしていた。あたしは地道に、店と援交でがんばった。一回の会計を抑えてもらうようにし、月末の支払いは来月なら余裕なくらいの少額になった。相変わらず誠ちゃんは外ではあってくれない。しんどいだとか、パチンコだとか、店の子と遊ぶだとか。寂しい。また、奈々とホストに狂った。でも、未収はせず、たくさんの店で細客として遊んだ。
2005-06-26 01:07:00 -
446:
涼
しかし、最初に、知り合いがあたしがそいつにお金を借りてることにして、店の上の人間から40万引っ張った。借金を立て替える、みたいな形だ。そのお金で、当時家がなかったあたしの家を借りてくれると。借用書や念書を書き、拇印も押した。あたしは立派に負債を負った。
そのお金の利子がトイチだと知ったのはしばらくしてからだった。2005-06-26 01:11:00 -
447:
涼
お金を借りるときには気をつけるようにしていたから、借用書は、隅から隅までどんな小さな字も見逃さない用に読んだし、空白には何もはんこも拇印も押さなかった。後から何を書かれるのかわからないから。どこにも、そんなことはかかれていなかった。利息のこと自体、何も書かれていなかった。風俗店のバンスは利息なんて取らないから普通だと思っていた。
利息がトイチ!?おいおい、普通に考えて追いつかないぞ??慌ててそいつに電話をした。2005-06-26 01:12:00 -
448:
涼
・・・・・・・つながらない・・・・・
《おかけになった電話番号は、現在使われておりません♪》何度も聞いたことのあるお姉さんが軽快にしゃべる。使われておりませんじゃねぇよ!!おい!!2005-06-26 01:13:00 -
449:
涼
こいつがつながらないなら組長に電話するしかない。気が進まないが仕方ない。
『お久しぶりです、涼です』
『おう、元気にやってるか??』
『はい、おかげさまで。あの、家の件ってどうなったんでしょうか??』
組長はしばらく間を空けてこういった。
『家?何のことや?』
・・・やられた・・・2005-06-26 01:14:00 -
450:
涼
略
『家?何のことや?』
・・・やられた・・・2005-06-26 01:15:00