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恋愛ジャンキー
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1:
涼
旧掲示板作品です。
2005-06-02 17:03:00 -
501:
涼
とりあえず顔を確認してみた。・・・めっちゃ男前やん・・・あたしは固まった。これがあたしと龍の出会いだった。しばらくそこで話をして番号を交換した。二人でキャッチしてきたが真美をキャッチしたほうは真美が気に食わないらしく真美の番号をゲットできなかった。
わがままな真美に振り回されもう一度商店街を引き返す。雨が降ってきた。引っかけを渡りきって商店街に駆け込むとそこに龍がたっていた。でも気づいてなさそうだったので声をかけなかった。すると向こうから近づいてきた。2005-06-30 03:15:00 -
502:
涼
『店来る気になったんかぁ?』
いやいやそういう訳じゃ・・・と思ったが雨で人通りもなく、寒い外にいるのはかわいそうだな、と思い幸い余裕もあったので真美を説得して店に行った。
初回料金で十分楽しめたし、何より龍はホストっぽくなくて話しやすかったし、なんといっても顔がタイプだった。これまでも誠ちゃんと付き合いながら時折キャッチで店に行ったりしていたが久々のヒットだった。2005-06-30 03:16:00 -
503:
涼
あたしはどんどん龍に惹かれた。仕事が終わると毎日龍の店へ行った。店泊していたから龍の店から家まですぐだったし、なかなかに稼げたので毎日遊べた。別に誠ちゃんと会うわけじゃないし、ばれないしいいや。龍にどんどんはまっていった。
会わないから疑われることもない。稼ぎも使った額も、誠ちゃんには把握できない。旦那が出張中の人妻みたいな気分だった。龍は毎日メールをくれたし電話もくれたし、やさしかった。客って楽だな、と思った。この頃になると、《人を本気で好きになるのってしんどい》と思い始めていた。お金でつながった関係のほうが楽。客であればつなぎとめようと、金を使わそうと、優しくしてくれる。居心地いいし、楽だし。性根まで腐ってきたようだ。2005-06-30 03:17:00 -
504:
涼
あたしは日替わりで遊ぶ店を変えていたが、龍にはまってからはほとんど龍の店でだけ遊んだ。よく通ってた店の誰かがラストだとか、誕生日だとか言う日以外は毎日行った。よそに行った日でも、ラストまではいずに、一時間だけでも龍の店に行った。頼まれればシャンパンも卸した。ボトルだって入れた。一晩で何十万も使った日もあった。龍のために毎日働いた。そうすれば、優しくしてもらえるから・・・
2005-06-30 03:18:00 -
505:
涼
でも龍の店は基本的にヘルプとあたしがそりが合わなくて、長居するにはちょっとしんどかった。龍がついていればいいがヘルプだけだとしゃべる気にもなれなかった。もちろん気の会う子もいたが、それは店の中でたった一人、しかもナンバーに入っている子だったのでそんなにいうほどヘルプには来ないし、龍がいなければつまらない空間だった。誠ちゃんの店ほど従業員の教育がしっかりしていないのもまた、面白くない原因だった。あたしは龍についてほしいがために、お金を使った。太客になれば大事にしてくれるだろう。そう思ったからだった。
2005-06-30 03:20:00 -
506:
涼
太客になれたのか、そうじゃないのかはよくわからないが龍は優しかった。本気になったらしんどい、そう思っているはずなのに、お金で割り切ったほうが楽だと思っているのに、あたしはだんだん本気で龍のことが好きになってきた。信じたって無駄、相手はホストなんだから。頭ではそう思っていても、心がうまくコントロールできない。
2005-06-30 03:20:00 -
507:
涼
龍と付き合いたい。龍の彼女になりたい。そんな思いが日に日に強くなっていく。歯止めをかけようと思ってもきかない。好きだけど、好きになりたくない。龍が売り上げのために優しいのはわかっているけど、心のどこかでは、そうじゃないと思いたかった。
2005-06-30 03:21:00 -
508:
涼
誠ちゃんが優しかったのは最初だけ。後はほんとにヒモみたいになっていた。彼氏なんだかヒモなんだかわからない。でも、付き合いが長いので情もある。龍のことが好きでも、誠ちゃんの事は切れないでいた。最初の頃の優しさが、忘れられない。愛されてると実感できたあの頃が、続いているとは到底思えないような関係でも、続いていると思いたかった。
2005-06-30 03:22:00 -
509:
涼
誠ちゃんは酔っ払ったときくらいしか電話をかけてこない。そんなときには決まって、好きだよ、と言う。その言葉が本音だと信じたい。誠ちゃんにとってあたしは必要なんだって思いたい。でも、誠ちゃんはけしてそんなことを口に出してはくれないし、酔ってなければ電話さえない。誰がどう見たって、この状況は、あたしのことを好きだとは思えない。
2005-06-30 03:24:00 -
510:
涼
だから代わりに誰か、必要としてくれる人がほしい。お金のためでもいいから優しくしてほしい。誠ちゃんはお金はせびるけど、このごろではまったく優しくなかった。あたしの中で、龍と付き合いたい気持ちが膨らんでいく。
ある日、めったに酒を飲まないあたしが飲まされ、酔っ払った。あたしは龍にからんだ。《いつになったら付き合ってくれんの?》《どうしたら彼女になれるの?》立派な痛客だ。酔っていても、記憶をなくすことはなく、覚えているから余計に嫌だったが、酔うと止められなかった。思いが溢れて、吐き出してしまう。2005-06-30 03:25:00