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恋愛ジャンキー

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  • 1:

    旧掲示板作品です。

    2005-06-02 17:03:00
  • 78:

    人のせいにするなと母親も負けじと反論してくる。何を言われても全ては過去のこと。幼かった涼が受けた傷は消えることはなかった。
    本当は母親に愛されたかった。

    2005-06-02 19:04:00
  • 79:

    その反動は男に愛される事に反映されていった。自分を好きだと言ってくれる【彼氏】と言う肩書きのある人物がそばにいないとだめになってしまった。涼は彼氏が途切れたことがない理由もそこからだった。

    2005-06-02 19:05:00
  • 80:

    昼間は自由に行動できたのでピンサロには出勤していた。夕方仕事を終えて心斎橋筋商店街を歩いていた。
    最近の密かな楽しみは商店街で何かのキャッチをしているギャル男っぽい男前の子を見る事だった。
    メッシュの入った長めの髪にカラコンの青い目。黒く焼けた華奢な体。はっきりした二重に綺麗に通った鼻筋。あんなに綺麗な男の子は見た事がなかった。

    2005-06-02 19:06:00
  • 81:

    今日も女の子に声をかけては断られ声をかけては断られしている。時間帯から見てもホストではなさげだ。自分にも声をかけてくれないかなと毎日期待して通るのだが、いまだ声をかけてくれた事はなかった。
    しばらく毎日その子に声をかけてもらえるかなとわくわくしながら通っていたある日、メールをしながら歩いているとすいません、と声をかけられた。あの子だ。エステの勧誘らしかった。何も買わなければ大丈夫、とその子に付いて上にあがった

    2005-06-02 19:07:00
  • 82:

    夜家でぼーっとしていると知らない番号からの着信。客の番号を登録し忘れたのかと思い営業用の声で電話にでる。
    『はぁいもしもしぃ?』
    『もしもし?』
    どこかで聞いたことのある若い男の声。あのキャッチの子だ!!

    2005-06-03 15:35:00
  • 83:

    『誰か分かる?』
    『かずやくん?』
    昼間お姉さんに名前を聞いていたのだ。かずやは少し面食らった様子だった。自己紹介をしたり他愛もない話を長々とした。彼氏いるのかと聞かれいないと答えた。ユウときちんと別れ話をしたわけではないが、どの道二度と会うことはないだろう。親に携帯も変えさせられた。連絡手段さえもぅない。
    『じゃあ俺とつきあう?』いともかんたんに和也は言った。

    2005-06-03 15:37:00
  • 84:

    『うん』自分も簡単に返事をしてしまった。あこがれていた男が動機がなんであれつきあうと言ってくれたのだ。断るはずがなかった。
    ユウと会えなくなってから二日しか経っていなかったが最後の方は気持ちが薄れていたためなんともなかった。【涼の彼氏】と呼ばれる人物はユウから和也に変わったのだ。
    和也の仕事が終わる時間と涼の仕事が終わる時間とは同じくらいだった。和也の店まで迎えにゆき毎日終電まで遊んだ。
    男前すぎる和也は連れて歩けばものすごく目立った。すれ違う女の子が振り返ってまで見てゆく。

    2005-06-03 15:38:00
  • 85:

    ある日和也が友達を連れてきた。レゲエ系のドレッドの男。はっきり言って不細工だ。和也と並ぶと不細工具合が一層目立つ。挨拶もしない。涼は和也とレゲエの後ろから着いて歩いた。今日のご飯はレゲエも一緒らしい。和也からレゲエの分もおごってやってほしいとメールが来た。仕方ないのでレゲエの分も出してあげた。和也はよくホストにスカウトされるらしい。
    『俺ホストしたいねん〜あかん?』
    だめに決まっている。あろう事かレゲエも一緒に乗り気になっている。ありえない……
    先輩から呼び出しがかかったからと和也は行こうとした。今日はろくに和也と喋ってもいない。引き留めたが無理だった。

    2005-06-03 15:42:00
  • 86:

    怒ったふりをし、もういい、とひっかけを一人で歩いた。ホストだらけだ。和也は追いかけては来なかった。
    追いかけてくると思ったのに……涼は泣きそうになりながら歩いた。よく考えてみればこんな時間に一人でミナミを歩くのなど初めてだった。スーツの男がわんさか。ちょっと面食らった。梅田にはこんなにホストはいない。
    『なあなあ帰るん〜?』
    案の定キャッチされた。振り向くと犬みたいなかわいい子だった。和也にほったらかされたことにいらだっていた涼は立ち止まって話をした。最近オープンしたばかりの店に勤めているという哲也。番号を交換してその日は帰った。和也からの連絡は寝るまで待ってもなかった。

    2005-06-03 15:44:00
  • 87:

    次の日、いつものように和也におはようのメールをした。返事がない。夕方仕事が終わるころには『お腹すいた〜今日はドンキいこやぁ』とメールが来ていた。
    いつものように二人でひっかけを歩く。和也がいればキャッチをされることはない。ホストも結構見とれている。和也はそのくらい男前だった。
    家に帰ってから和也と電話で話した。涼は今日言おうと思っていたことを切り出した。
    『昨日の子、なんなん?挨拶もせんと初対面で連れの彼女にご飯ご馳走になって礼のひとつもいわれへんの?』

    2005-06-03 15:46:00
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