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numeri
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1:
pato
この安請け合い体質をなんとかしないといけない。
先日、仕事仲間から「悪い!得意先に挨拶行かないといけないんだけど、代わりにいってくれないか!」などと熱烈に頼まれてしまいましてね、ついつい安請け合いしてしまって「よっしゃ!まかせとけ!」と引き受けてしまったんですよ。
2007-04-14 10:45:00 -
61:
pato
別にウケを取ろうなんて気はさらさらないのだけど、この話をするといつも笑いが巻き起こってしまう。まあ、これで客が喜んでくれるのなら安いものだ。何のとりえもなく、男前でもない俺がホストをやっていくにはこれしかないのだから。
「聖夜さん、おつかれさまです」
明け方、店の営業が終わり、売れているホストたちは次々と店を後にしていく。
2007-04-16 11:22:00 -
62:
pato
「おいダミ夫、ちゃんとトイレ掃除やっておけよ。俺はこれからアフターだからチェックできないけどな」
ナンバーワンホストの聖夜さんはトイレ掃除にとにかくうるさい。いつも俺にトイレ掃除をやらせ、その出来栄えをチェックするほどだ。なんでも、客商売はトイレの清潔さが基本らしい。2007-04-16 11:25:00 -
63:
pato
「はい、いつもどおりやっておきます」
年下に命令されてトイレ掃除、これほど屈辱的なことはないが、ノストラダムスに騙された人生なんてこんなもんだ。いつもどおり完璧にトイレを綺麗にし、店を後にした。
2007-04-16 11:28:00 -
64:
pato
早朝の歌舞伎町は夜の喧騒が嘘のように閑散としている。行き交う人もまばらでほとんどの店がシャッターを下ろしている。店先に出されたゴミ袋をカラスがつついているだけ。まるで人類が滅亡してしまったかのようなこの雰囲気が大好きだった。
「おう、ダミ夫じゃないか! おかえり!」2007-04-16 11:31:00 -
65:
pato
コンビニ袋を持った祐二が駆け寄ってくる。ルームメイトだ。俺と祐二はクラブが借り上げた六畳のアパートで一緒に暮らしている。家賃は二人で6万円、なかなか快適な寮生活だ。
「また聖夜さんにトイレ掃除させられてたのかよ。あの人厳しいからなあ」2007-04-16 11:34:00 -
66:
pato
俺と同じく売れないホストである祐二もトイレ掃除をやらされてばかりいる。心のどこかで聖夜さんを恨んでるだろう、たまにそんなニュアンスの言葉を口にする。
「それよりさ、俺さっき見ちまったんだよ。聖夜さんが客の女とホテル街歩いてるの。髪の長いいい女だったぜ。羨ましいよな、ナンバーワンともなるとあんないい女とやれるんだぜ。俺もいつかきっと」2007-04-16 11:37:00 -
67:
pato
祐二は売れないくせにまだ野心を抱いている。頑張っていればいつか自分がナンバーワンになれると信じている。特に何の努力もしないで輝かしい将来だけを夢見ている。
2007-04-16 11:40:00 -
68:
pato
「そんなことより、明日はお前がトイレ掃除しろよ。もう3連続で俺がやったんだから」
「ちぇ、わかってるよ。そんなことよりさ、すっげえエロ本買ったんだよ! 後で貸してやるからちょっと部屋の外に出ててくんないかな」
「お前が使った後のエロ本なんか読みたくないよ」
2007-04-16 11:43:00 -
69:
pato
バカな会話をしつつ、今日も朝日と共に一日が終わる。その先にはまた同じような一日が待っているのだ。
「花江ちゃん…」
2007-04-16 11:46:00 -
70:
pato
いつまでたっても夜型の生活には慣れない。朝方まで店で接客し昼に眠る、その生活リズムに体と心がついてこない。布団に入っても眠れず、悶々としているといつも決まってフラッシュバックする思い出がある。ノストラダムスに裏切られ上手に人間関係を築けなかった男が唯一想いを寄せた花江の存在だ。(エッセンス1 純愛)
2007-04-16 11:49:00