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■愛しき人■
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1:
向日葵
短編ですが、実話交えて書いて行きます。読んでくれたら嬉しいです?
2007-05-14 16:47:00 -
2:
向日葵
気付けば、ずっと、一人だった。 11歳のあたしと、7歳離れた妹を、遠く離れた親戚の家に置き去りにして、母は去って行った。 母は、それから戻ってくる事は無かった。
2007-05-14 16:54:00 -
3:
向日葵
『中学卒業したら出ていくんじゃろ?』 親戚のおばさんは、あたしにそれしか言わない。 預けられた時がずっと聞かされた。 『あんたらの母親は、売春婦やけん、汚い女や。あんたらにもそんな血が流れとる。じゃけん、傍に置いときたあない。』 その意味を理解したのは、中学に入ってすぐの頃だった。
2007-05-14 17:01:00 -
4:
向日葵
「みゆ〜お風呂入ろう。」 ある日、妹と一緒にお風呂に入ると、体を隠すように妹は背を向けた。 「え?!みゆ??どおしたん?何でもっと早く言わんの?!誰にされたん?」 妹の体をまじまじと見ると、無数のアザが出来ていた。 『おばちゃんに言わないで、みゆちゃんまたたたかれるから。』 小学1年生の妹があたしをじっと見てそお言った。
「分かった…。大丈夫。お姉ちゃんがいるからね。」 みゆは、声を殺しながら泣いた。 親戚のおばさんに鳴き声を聞かれないように。2007-05-14 17:14:00 -
5:
向日葵
あたしが中学3年、みゆが小学3年の時、みゆは、施設に引き取れた。 『清々するわ。あんたもはよ出ていって』 「出ていくわ!みゆもおらんし、守るもん無くなった。こっちかて、糞ばばあの顔なんかみたない!」
2007-05-14 17:21:00 -
6:
向日葵
中学3年生。吉野美鈴。 あたしの肩書。 立派な15歳。 もう、失う物なんて何も無い。 怖いものなんて、何も無い。 そう、何も…無い。
2007-05-14 17:23:00 -
7:
向日葵
あたしは田舎を出て、神戸に出た。 いわゆる、ヒッチハイク。 優しいトラックの運ちゃんが、神戸まで、連れてってくれた。 別に、神戸じゃなくても良かった。大阪でも、東京でも。あの田舎さえ出れたら、都会まで出れたらそれで良かった。
2007-05-14 17:27:00 -
8:
向日葵
初めて来た町は、どこに何があるかわからない。 それでも、どの町でもやり方は同じ。 あたしは、駅前で、援交待ちをした。 『何してるん?』 くたびれたスーツを来たおじさんがあたしに話かけてきた。 『これでどう?』 おじさんは、右手をパーにした。 「いいよ。」 おじさんとホテルへ行き、シャワーに促す。 そしてその間に、財布事持ってあたしは逃げた。
2007-05-14 17:34:00 -
9:
向日葵
収穫、8万5千円と小銭。 まぁまぁだ。 あたしには、変なプライドがあった。 人の物を盗んでも、人を騙しても、売りはしない。 売りだけは、絶対にしない。 結局は、同じ位の罪かもしれない。いや、それ以上かもしれない。それでも、売りだけはしたくなかった。 母親の姿と、自分を重ねてしまうから。
2007-05-14 17:39:00 -
10:
向日葵
とりあえず、野宿か… 野宿でも、全く嫌じゃなかった。うるさい、意地悪な糞ばばあもいないし、ビクビクしなくていい。少し肌寒いけど、夜空には、いくつかの星が、輝いていた。
2007-05-14 17:45:00 -
11:
向日葵
次の日も、またその次の日も、あたしはたくさんのおじさん達を騙し、お金を持ち逃げした。 だけど、あるおじさんは、ホテルに行ったものの、シャワーに入る様子は無かった。 “やばい…どおしよ…” あたしの頭には、それしか無い。 だけど、おじさんは、あたしをじっと見て、 『こんな事したらあかんやろ。』 と、そっと言った。 『おっちゃんにもな、君位の娘がおんねん。離婚して前の嫁が引き取ったきり、娘とは会うてないけどな』そう話すおじさんは、どこか、悲しげな目をしていた。
2007-05-15 21:04:00 -
12:
向日葵
おじさんは、あたしに、いくら欲しい?と聞き、いくらでも、と答えたあたしに、3万円をくれた。 『もうこんな事したらあかんで。』 「始めから、何もする気ない。あたしの専門は売りじゃなくて、持ち逃げ。スリだから。」 『…親泣くで。』 「親なんていない。あたしは、ずっと一人。だから誰も悲しまないよ。」 『…そっか。』 おじさんは苦笑いを残し、ホテルを出て行った。
2007-05-15 21:11:00 -
13:
向日葵
この世の中、たくさんの人がいる中で、どうしてあたしだけこんなにも辛いのだろう、と時々思う。 別にあたしより、悪いことをしてる人は他にもたくさんいる。なのに、何であたしが、こんな不幸な目に合うのだろう、と。 あたしだけじゃない。みゆもだ。 どうして神様は、 あたし達姉妹を 地獄に突き落とそうと するのだろう………
2007-05-15 21:17:00 -
14:
向日葵
いつもと同じ夜。 あたしは公園のベンチで、星を見上げてた。 ―綺麗な夜…― そう思うのもつかの間、 全く知らない男の子が、 あたしの顔を覗き込んだ。『何しとん?自分いっつもここにおるやろ〜?家出少女か?笑』 「…」 『今晩雨やで?』 「嘘?!」 『嘘〜(笑)星出てるやん』「あぁ…」 彼は、それからちょこんとあたしの横に座り、色んな事を話し始めた。 名前は前田洋介である事、あたしより、1つ年下である事。親の事。友達の愚痴。たわいのない会話…。そして、あたしに一目惚れした事。
2007-05-15 21:29:00 -
15:
向日葵
『俺んち住めや〜。部屋狭いけどな〜笑。ちなみに親おるけど〜』 洋介は恥ずかしそうに言った。 「無理。ごめんね。」 『何でなん?さっきも言うたけど〜一目惚れしたんやって。』 洋介は恥ずかしそうにしながらも引く様子は無く、何度も繰り返し、繰り返し、同じ事を言った。 あたしには、好きという感情が分からない。 誰かに愛された事も無ければ、愛した事も無いから。ましてや、あたしは今日、初めて彼を知った。そんな奴に、好きだの、一目惚れしただの言われても、信じようが無い。 「無理だってば。」 『家無い癖に。何もせんから来いって』 洋介との討論は、朝の5時過ぎまで続いた。 「分かったよ。じゃあ住ませてもらう…」 結局、洋介の強引さに負け、あたしは洋介の家に行く事になった。
2007-05-15 21:41:00 -
16:
名無しさん
頑張って!
2007-05-15 21:45:00 -
17:
向日葵
16サンありがとう?
頑張るね?2007-05-16 13:22:00 -
18:
向日葵
「おじゃま…します…」 あたしは小声で申し訳なさそうに、洋介のお屋敷の門をくぐった。 『はいよ〜笑。そんな怖がるなや〜』 洋介はあたしの感情を察したかの様に手を握り、お屋敷のドアを開けた。
2007-05-16 13:34:00 -
19:
向日葵
―ガチャ…― 『おはよう親父。話しがあんねん。』 彼は淡々と説明し、あたしはただただ、下を向き、お願いします、と言うだけだった。 『そういう事なら、ここにいるといい。』 洋介のお父さんはニッコリと笑い、あたしの頭をポンポンっと叩いた。
2007-05-16 13:51:00 -
20:
洋介の家族は、あたしを家族のように、慕ってくれ、必要としてくれた。 純粋に嬉しかった。 だけど、今まで心の汚い人達に育てられたあたしは、それとは逆に、洋介を、洋介の家族を憎んだ。 いや、憎んだんじゃない。性格には、羨ましくて、妬んだと思う。 あたしには、こんなに大切に思ってくれる、家族はいない。 『ただいま〜美鈴』 「お帰り…」 『何で泣いとん…?』 「え?いや、何もないよ。目にゴミが入っただけ」 『何やねん?言えや』 「そーいうのが腹立つの。何も知らない癖に分かったような振りして、知らない事があったら、問い詰めて問い詰めて…話したくない事だってあるよ。」 思ってない事が口から次々と出る。 「だいたい、好きとか言ってるけど、あたしの事何も知らないじゃん。強引に家連れてこられて、本当はいい迷惑。」 ―あたし…最低― 『お前の事知らんで。分かる訳ないやん?お前自分の話せんねんから。やけど、泣いてたら気になるやろ?だから聞きよるねん。でもそれが嫌やったならごめん。やけどな、俺、やっぱりお前の事気になるからほっとかれん。』 ―この人は、本気で言ってるのだろうか。こんなあたしを、本当に、好きだと、言ってくれているのだろうか―" " "07/05/16 14:45
2007-05-16 14:45:00 -
21:
名無しさん
?
2007-05-16 16:30:00 -
22:
―もしも、こんなあたしを本気で思っていてくれてるなら…本当の事を、話してもいいかもしれない。11歳で、母親に捨てられた事も、親戚のおばさんに邪険にされた事も、年の離れた妹が、孤児院で生活している事も。そして、あたしは、最低な方法で小遣い稼ぎをしてきた事も…―" " "07/05/16 17:21
2007-05-16 17:21:00 -
23:
向日葵
―あたしの全てを話しても、この人は変わらず、あたしを必要とし、好きと言ってくれるのだろうか…― 『そろそろ話してくれてもええんちゃう?俺は何を聞いても気持ち変わらんで』 「簡単に言わないで」 『…分かった。お前から話してくれるの待つわ。』 洋介は、部屋を出ていった。 やっぱり言えなかった。生まれてきて15年、あたしは人に気持ちを伝えた事なんてない。きっと、同情され、哀れな目を向けられるだけ。そう思っていたから。それでも、洋介には、言えるような気がした。洋介なら、分かってくれるかもしれない、と。洋介が、あたしにいつもくれる笑顔の裏には、どこかあたしと似ているものがあった。 だけど、やっぱし言えなかったのは、きっと、洋介に嫌われたくなかったからだろう。 どうでもいい、と思いながらも、あたしは、洋介に引かれていたから。 きっと、この気持ちが、愛しい、という感情だと感じたから。
2007-05-16 17:34:00 -
24:
向日葵
―愛しい…― あたしの心の中に、初めて生まれた感情。 だけど、この感情をあたしはうまくコントロールする事が出来なかった。 自分の過去も話せず、ただただ洋介に対しての罪悪感や嫌悪感が、次々に生まれてくる。
2007-05-17 12:51:00 -
25:
向日葵
―吉野美鈴18歳、夏― あれから、3年の月日が経った。洋介とは、喧嘩する事も無く、だけど、さほど仲良くもなかった。 それは当たり前だ。 洋介と暮らし初めて3年の月日が流れたが、洋介があたしの事でしっているのは、あたしの歳と、名前。そして、あたしの性格。 洋介は、今だにあたしの過去を知らない。
2007-05-17 12:56:00 -
26:
向日葵
『美鈴…俺なぁ、先輩に告られたわ。』 「そぉなんだ。で、どうするの?」 『付き合う事にする。』 洋介は、何かをふっきったようにそう言った。 思ってもいなかった。 いつもなら、冗談ぽく、どうしよ〜かなぁ、と、あたしの顔色を伺うのに、今回は、真剣な眼差しで、あたしを突き放すかのように、言った。 『別れよ。もう疲れたわ』 その一言は、鋭く尖った刃物よりも、鋭く、あたしの心を簡単に、そして確実に、深く引き裂いた。
2007-05-17 13:05:00 -
27:
向日葵
「そう。今までありがとね。おじさん達にも挨拶しなきゃ…」 『ええって。』 「そんなに早く出ていって欲しいの?心配しないで。すぐにでも出ていってあげる」 『そうして。』 彼はあたしに背を向けベットに横たわった。 その背中を見るのは凄く滑稽で、まるで自分を見ているかのようだ。 ―彼は、3年間もの間、あたしの背中を、こうして見続けてきたのだろうか。何かを言いたくても、言葉が見つからない複雑な気持ち。身がキリキリ痛むような、まさにこんな気持ちで、きっと、ずっとずっと、ずっと…あたしを見てきたのだろう―
2007-05-17 13:15:00 -
28:
向日葵
―洋介…あたし、気付いたの。あなたが、すっごく好き。愛しい…。そんな言葉が言えたら、どんなに楽だろう。ねぇ、洋介。あたしの傍にいて…― 心の中で、幾度も、幾度も、洋介の背中に話しかける。だけど、そんな心の声なんて、聞こえるはずは無かった。 あたしはきっと、この瞬間を、いつになく、後悔するだう。何度も何度も思い出しては、何度も何度も後悔するだろう。
2007-05-17 13:26:00 -
29:
向日葵
荷物を詰め終わったあたしは 「ありがとう。ぢゃあね」 と、彼に言い残し、前田家を後にした。 大きな、立派の門から1歩外に出るだけで、ぞっとした。 あたしは、洋介と暮らした3年間、仕事もしていから、ある程度の貯金はある。だけど、怖かった。 これから先は、誰があたしを守ってくれるのだろう。誰が、あたしの支えになるのだろう。 知っている道のはずなのに、全く知らない道を歩いているかのようだ。 あたしは目頭が熱くなるのを感じると同時に、頬に、冷たいモノが流れた。
2007-05-18 11:39:00 -
30:
向日葵
この時に流した涙は、明らかに3年前の涙とは違った。 独りが寂しいのは、独りだから寂しいんじゃない。 誰かといる、幸せを知ったから。 独りが怖いのは、独りだから怖いんじゃない。 誰かといる、安心感を知ったから。 涙を流すのは、悲しいからじゃない。 誰かといる、温もりを知ったから。 あたしはきっと、これから先、今までよりも、もっと、もっと、人間らしく生きられるだろう。
2007-05-18 11:52:00 -
31:
向日葵
そんな事を考え、あたしは駅までの道を歩んでいた。 あたしの心は、きっと、いつか、ずっと前から壊れていた。 もう、失うものは何も無かったはず。 だけど、失いたくない、この感情。この気持ち。 あたしの心は、いつの間にか、洋介に治療されていた。 それが気付いた今、あたしの決意は決まっていた。 そして、体は、駅とは反対の方向へ。 そう、確実に一歩づつ、洋介の下に向かっていた。
2007-05-18 12:02:00 -
32:
向日葵
醜いかもしれない。 ズルいかもしれない。 それでも、少しでもあたしを理解しようとしてくれた人がいる。 今更でも、手遅れでもいい。 話したい、あたしの過去。伝えたい、この気持ち。
2007-05-18 12:06:00 -
33:
名無しさん
文章うまいしめっちゃおもろい?
2007-05-18 15:01:00 -
34:
向日葵
36サンありがとう?
2007-05-21 14:51:00 -
35:
向日葵
洋介の家へ戻る途中、息を切らしながら、走ってくる男がいた。 洋介だ。 ―もう迷わない。― 『美鈴…』 「洋介、聞いて欲しい事があるの。」 『俺も話しある。』 あたし達は、家へ戻った。
2007-05-21 14:56:00 -
36:
向日葵
「あのね、あたし、洋介が好き。」 『え?』 「だから話そうと思う。あたしの過去…。あたしね、11歳の時に、妹と親戚の家に預けられたの。正確には、捨てられたんだ。それからね、親戚のおばさんに、嫌口言われて、妹は虐待受けて施設にいる。 それで……」 あたしは、永遠と彼に話し続けた。 あたしの全てを、ぶつけた。 『辛かったな。』 「…」 『頑張ったな。』 「……」 洋介は、泣きそうなのか、上を向き、目をパチパチさせていた。
2007-05-21 15:04:00 -
37:
向日葵
本当は、誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。 同情が欲しい訳じゃない。 ただ、ただ、聞いて欲しかった。 "頑張ったね""辛かったね" と、あたしの苦痛を和らげて欲しかった。 ずっと、ずっと、待っていた。 心の中にあった、醜い、どす黒いモノを、取りのぞきたかった。
2007-05-21 15:10:00 -
38:
向日葵
強がって、牙を剥いて、あたしは生きてきた。 だけど、本当は弱くて、傷口が傷んでいた。 "あたしなんて愛されない" いつの間にか、そう決め付けていた。 本当は誰かに、 "助けて" って、言いたかった。 "辛いよ" "しんどいよ" "疲れたよ" って、言いたかった。 生きている事を 誰かに 誰かに 伝えたかった。 あたしが存在している事を 気付いて欲しかった。
2007-05-21 15:19:00 -
39:
向日葵
『お前はひとりちゃうねんで?お前には、妹も、俺もおるやん』 そう言う洋介の声は震えていた。 『お前は1人ちゃう…』 洋介は、あたしを強く、強く抱き締めてくれた。 ―あぁ、この人は、あたしを愛してくれている…― そう、強く感じた。
2007-05-21 15:24:00 -
40:
『親父に頼んでみるわ』 「え?」 『妹、施設おるんやろ?引き取ってもらお。』 「でも…」 『大丈夫。妹は今、1人ぼっちで頑張ってるんやで?俺らがしっかりせな。』 「ありがと…」 洋介は、半泣きでニッと笑った。 ―みゆ…お姉ちゃんが迎えに行くから…迎えに行くから、待っててね…頑張ってね…―" " "07/05/21 15:31
2007-05-21 15:31:00 -
41:
向日葵
だけどみゆわ結局、引き取る事が出来なかった。 『ごめんな』 そう言う洋介はうつむき加減で遠くを見ていた。
2007-05-24 16:39:00 -
42:
そして、あたしは第2の人生を歩む。 「さよなら」 本当にさよならだ。 洋介には、よりを戻そうと言われた。 だけど、あたしは断った。 本当に、本当に好きな事を見つけたから。 愛しき人に、いつまでも、いつまでも、届きますように。 ―――――糸冬―――――" " "07/05/24 16:44
2007-05-24 16:44:00 -
43:
名無しさん
ぇっすきなことってなに?
2007-05-24 17:37:00