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◆黄昏の赤◆

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  • 1:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
    赤い光が街を益々汚れたように見せる。
    あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。

    2007-05-28 23:54:00
  • 401:

    主◆lZf.ArgVp2

    どんなにレイチェルがスミトモを愛してるか、その声でその場にいた人間全てが理解したと思う。そういう声だった。
    気丈なレイチェルの態度は周りの涙を誘った。
    「ふふふ、お別れだって言うのにスミトモのほんとの名前も知らないや」
    レイチェルがあたしの手を強く握る。痛い程。
    柩の蓋が閉められる。スミトモの姿が見えなくなった。

    2008-07-02 02:33:00
  • 402:

    主◆lZf.ArgVp2

    さようなら、スミトモ。多分あたしの初めての友達。
    レイチェルとアメと三人で白い煙と姿をかえて空に消えて行くスミトモを見守る。レイチェルは初めてすすり泣いた。
    「晴れてよかった。きっとスミトモは天国にいけるって事だよね?優しいひとだから」
    返事のかわりにレイチェルの頭を撫でる。あたしもそう思った、そう思いたかった。

    2008-07-02 02:41:00
  • 403:

    主◆lZf.ArgVp2

    「あたし、ここを出ようと思う。前からモデルのプロダクションを持ってる客に誘われてたの。スミトモには黙ってたけど」
    レイチェルの目に涙が盛り上がって大粒の涙が顎へと伝う。
    「スミトモは……行けっていうだろうし……………スミトモのそばにいたかったから……………でも…もういないから………スミトモがいないなら……セレブになって…映画にでるとか位しなきゃ、人生の帳尻あわないでしょ?」
    レイチェルを力いっぱい抱き締めた。レイチェル、あたしの二人目の友達。

    2008-07-02 02:53:00
  • 404:

    主◆lZf.ArgVp2

    「スミトモがアンの事クールでかっこいいってずっと言ってるからあたし最初妬いちゃって。ちっともクールじゃないのにね。」

    レイチェルはその日のうちに街をでた。
    「アンジュ、寂しくない?」
    「レイチェルとはまた会えるから。……生きてるんだから」

    2008-07-02 03:00:00
  • 405:

    主◆lZf.ArgVp2

    レイチェルの門出を祝うように、白い月が輝く。赤い月からスミトモがレイチェルを守ってやっているんだ、きっと。
    生きている間にもっと優しくしてやればよかったのに。
    「スミトモはレイチェルの事目茶苦茶すきだったよ?」
    ぎょっとしてアメを見る。お前が何を考えているのかなんてお見通しと言うようにアメが笑う。
    「あーいう組織の人間って特定の女作ると危ない目見せたりするからね。レイチェルもわかってるよ、愛されてたって。」

    2008-07-02 03:10:00
  • 406:

    主◆lZf.ArgVp2

    「……わかってるよ!そんくらい!!」

    レイチェルにも誰にも言わなかった事がある。スミトモを殺したであろう人物について。
    レイチェルはスミトモに愛された記憶がある、恨みなんかを支えにして欲しくなかったから心当たりについて聞かれた時、知らないと答えた。

    2008-07-02 03:24:00
  • 407:

    主◆lZf.ArgVp2

    更新分>>310から

    2008-07-02 03:26:00
  • 408:

    主◆lZf.ArgVp2

    間違い>>410

    2008-07-02 03:30:00
  • 409:

    名無しさん

    ヤバイ泣いた

    2008-07-03 05:48:00
  • 410:

    主◆lZf.ArgVp2

    >>424 さん
    感想ありがとうございます!嬉しいです!!

    2008-07-10 01:11:00
  • 411:

    主◆lZf.ArgVp2

    >>421
    アメの部屋に行く気にはなれず自分の部屋に戻る。窓を開けて月の光で部屋を満たす。雨の香りのしない空気は新鮮な味がした。
    「わりぃな」そう呟くスミトモの声が聞こえた気がして。慌てて振り返ってもその姿はあるはずがないのに。
    スミトモの死はマフィア同士の喧嘩という事であっけなく片付いた。この街では人間が一人いなくなるのに十分な理由。

    2008-07-10 01:20:00
  • 412:

    主◆lZf.ArgVp2

    煙草に火をつける。吸い込むと湿気がないせいかいつもより旨く感じる。白い光に向って昇り掻き消えていく煙はスミトモを連想させた 。
    簡単な挑発なんかに乗るような奴ではなかった。喧嘩なんてしてるところ一度も見た事なかった。
    頭を抱える体が酷く重い。二口だけすった煙草を乱暴に消した。
    「………嫌だ」

    2008-07-10 01:26:00
  • 413:

    主◆lZf.ArgVp2

    もう二度と会えないなんて嘘だ。胸に込み上げるなにかが痛い。
    苦しい 苦しい 苦しい

    レイチェルは強い。
    スミトモの死を受け入れられないのはむしろあたしの方だ。冷たく横たわるスミトモを前にして何もできなかった。涙を流す事すら。ただ呆然と眺めていただけだ。

    2008-07-10 03:20:00
  • 414:

    主◆lZf.ArgVp2

    理由が欲しいと思った。スミトモが死ななければならなかった理由。一人のマフィアの人間が死んだ理由はあたしが友をうしなった理由にはならない。

    アメに自らが言った言葉を、誓いを思い出す。“全てに目を背けない”
    知らなければ。友として友が何を考え、思い、死に至ったか。

    2008-07-10 03:27:00
  • 415:

    主◆lZf.ArgVp2

    スミトモはあたしに友情をくれた。貰ったものからあたしは得がたい物を得た。それはあたしが人でいる為に必要なもの。とても大切なこと。

    あたしは昔のあたしじゃない。だから今までみたいに仕方ないとか関係ないとかそんなふうに目を逸らす事なんてもうできない。

    2008-07-10 03:31:00
  • 416:

    主◆lZf.ArgVp2

    何ができるかなんてわからない。なんになるのかなんてしらない。
    「でも…行かなきゃ」

    このまま何もしないなら死んだ方がましだ。大丈夫行く道はスミトモが照らしてくれる。

    2008-07-10 03:35:00
  • 417:

    主◆lZf.ArgVp2

    ドクターに気付かれないように部屋をでる。足音を鳴らさないように階段をおりて、そのまま走った。以前スミトモと歩いた道。丁度アメと出会った日だった。夜中なのにも関わらず月明りで街は明るい。

    スミトモがあの日、鞄をもってくれるって言った時「ありがとう」と言えば良かった。

    2008-07-11 04:08:00
  • 418:

    主◆lZf.ArgVp2

    スミトモが握っていた布キレ。あの日あたしは確かに見た。

    『相変わらず服の趣味が最低。どこで買ったかわからないような柄シャツ着てた』

    ドクターとかわした会話。

    2008-07-11 04:16:00
  • 419:

    主◆lZf.ArgVp2



    あれは、ステファンが着ていたものに違いなかった。

    2008-07-11 04:18:00
  • 420:

    主◆lZf.ArgVp2

    走ってきて乱れた息の音が響く。軽く深呼吸をして沸き立つ血潮の感覚を沈める。

    「ステファン、いるんでしょ?入るよ」

    少し間を置いてから「どうぞ?」と小馬鹿にしたような調子の声が聞こえて、あたしは扉をあけた。

    2008-07-11 04:39:00
  • 421:

    主◆lZf.ArgVp2

    無言で座る。体が沈み込んでしまいそうな位軟らかい素材だった。
    「それ、お前用に買ったんだ。全然来ないけどね、アンは」

    なんの間柄でもないのに笑いながらそんな事を言うステファンに困惑していると男がぎこちない手つきで紅茶を持って来た。
    「せっかくいい葉なのに淹れ方がわりいなあ」

    2008-07-11 04:55:00
  • 422:

    主◆lZf.ArgVp2

    ステファンに熱い紅茶をかけられたチンピラ男はすいませんを連発しながら床を片付け出し、それをステファンは蹴りつけ、あたしにむかって八重歯を見せて笑った。

    2008-07-11 05:04:00
  • 423:

    ◆lZf.ArgVp2

    「…お茶とかいいから」
    「チョコレートの美味しいのがあるから食べない?」
    「……聞きたい事があるだけだから。」
    「せっかく来てくれたと思ったら……何?そんな怖い顔して。まあだいたいわかるけど」
    ちゃんとステファンの目を見たのは初めてかもしれない。真正面から向き合うとステファンの視線はもう恐ろしくはなかった。

    2008-07-11 05:10:00
  • 424:

    ◆lZf.ArgVp2

    先に目を逸らしたのはステファンの方で悲しそうに笑った。

    「スミトモを殺した?」
    「ああ、うん」
    「………………………………どうして?」

    2008-07-11 05:15:00
  • 425:

    ◆lZf.ArgVp2

    「さあ?」
    「…ちゃんと答えて!!!」

    「んームカついたし?」

    2008-07-11 05:18:00
  • 426:

    ◆lZf.ArgVp2

    殴りかかったものの、あっけなく胸元を掴まれる。
    「………あー懐かしいなコレ。胸糞わるい。………はずせ!」
    ステファンはゆっくり手を放し再びソファに腰を下ろした。足は今度は硝子テーブルに上に組まれ、一口も飲んでいないあたしの紅茶がカップもろとも落下した。薄いガラスのカップが砕ける音がした。

    2008-07-11 05:26:00
  • 427:

    ◆lZf.ArgVp2

    「はやく、はずせ」

    何を言いたいのか意味が分からなかったけどネックレスの事だとようやく気付いた。
    何が気に食わないかは知らないが、それ位の事はどうでもいい。ネックレスを外すとデニムのポケットにしまっておいた。

    2008-07-11 05:32:00
  • 428:

    ◆lZf.ArgVp2

    更新分>>432

    2008-07-11 05:35:00
  • 429:

    名無しさん

    気になる〜?
    メッチャおもしろい?

    2008-07-11 07:04:00
  • 430:

    名無しさん

    おもろい?一番好き?毎日みてます?

    2008-07-12 04:50:00
  • 431:

    ◆lZf.ArgVp2

    >>446さん

    ありがとうございます 最近話がごちゃごちゃしてきてますがちゃんと読んで頂いて嬉しいっす(>_>447 毎日とか嬉しいです。趣味ですが励みになります

    2008-07-13 21:55:00
  • 432:

    ◆lZf.ArgVp2

    >>445 沈黙。ステファンはこっちをみようともせず目をつむり歌を口ずさみ始めた。いつものラフな格好ではなく黒いスーツを着ている彼はとてもマフィア関係の人間には見えない。昔からどんなにだらしなく着崩していてもどこか品がある男だった。
    ドクターと年が近いはずだから40近いか過ぎ位のはずなのに妙に若々しいのは若者特有の飢えたような感じがするからかもしれない。
    それは刹那的で暗く、悲しく寂しい。
    「…どうしてなんてなぜ聞く?」

    2008-07-13 22:07:00
  • 433:

    ◆lZf.ArgVp2

    目をつむったままステファンはそう言った。それはあたしにではなく違う人に言っているようにも聞こえた。
    「知りたいから。」
    「知ってどうする?…死ねば ただの無だ。理由なんて意味はない。もういない それだけだろう。」
    「無じゃない。」

    2008-07-13 22:15:00
  • 434:

    ◆lZf.ArgVp2

    「思いは残る」

    ステファンはゆっくり目を開けた。
    「死に意味を求める意味がどこに?ならなぜお前の母親は死んだ?お前の母親の死になんの意味が?あいつが一体何を残した?お前が殺したくせに」

    2008-07-13 22:19:00
  • 435:

    ◆lZf.ArgVp2

    「なんで知ってるの?」
    ステファンはこっちにゆっくり近付いてきて床に散らばるガラスの破片が彼の靴の下で小さくパキンと音をたてた。耳元でステファンが囁く。

    「アンジュ、昔話でもしてやろうか」

    2008-07-13 22:25:00
  • 436:

    ◆lZf.ArgVp2

    にっこりと笑うステファンの笑顔は文字通り笑った顔。この状況で向けられる笑顔はあたしに選択肢なんてないことを予告する。
    「退屈な…話かもしれないが」

    ソファに戻りまた寝そべったステファンは語りだした。姿勢を正すのにソファに座り直すとあたしの靴の下でもパキンと音がして薄い物が砕ける感触がした。

    2008-07-13 22:32:00
  • 437:

    ◆lZf.ArgVp2

    「俺らがこの街にきたのは九年前。仕事できたんだ。医者だった。オーランドと俺とあと一人。この街の救急に派遣されたチームだったんだ。
    雨ばっかの来たねー街で職場は怪我人は毎日運ばれて来るわ ベッドは足りねーわ、人手不足だわ、身寄りも金もない奴が運ばれて来るわで。
    くっそ忙しい毎日だったよ。オーランドはすごい仕事や街の改善みたいなんにも熱心だったな。俺はやるべき事しかやらなかったけど。」

    2008-07-13 22:42:00
  • 438:

    ◆lZf.ArgVp2

    「っていうか何にも興味がなかった。この街も九年前まではこんなじゃなかった。まあ柄は良くなかったな。覚えてるか?」
    「……まあ、少しは」
    「チームの中に一人、むちゃくちゃうっとしい奴がいて。なんか身寄りのない子供を救うとか売春を無くそうだとかいってるような奴で。やたらと燃えてたんだけどこっち来た途端、現状の酷さに面食らって折れちゃってさ。なんか鬱みたいになってだんだんおかしくなっていった。まあどうでもよかったけど。」

    2008-07-13 22:50:00
  • 439:

    ◆lZf.ArgVp2

    「なんか引きこもって研究とかやりだして。もともと新薬かなんかの研究がしてたみたいだし。て、変な思想とかにもかぶれだして、俺はほっといてたけどオーランドは心配してよく様子とかみてたな。
    そうして、そいつがすごいもん作っちゃった。これだけどね。」
    透明な小さなカケラがビニールのケースにいれられていた。
    「……麻薬?」
    「そ。」

    2008-07-13 22:57:00
  • 440:

    ◆lZf.ArgVp2

    更新分>>449

    2008-07-13 22:58:00
  • 441:

    ◆lZf.ArgVp2

    >>456
    「まあ偶然できたケミカルの一種なんだけど、原料は従来の二分の一以下。依存性は…2倍、3倍……もっとかな。すごいのはその効果。むちゃくちゃに幸せな夢が見れる。心の中の願望が現実のように現われる。むしろ現実の方が悪い夢なんじゃないかと思う位に。感触や嗅覚も伴う一瞬の夢の前には抗える人間なんていない。試しに少し流してみたら、すごい勢いで広まったよ。俺はさ、コイツを手土産に今いる組織に入った。大量生産が始まって………儲ったねー。街は人の出入りが急に増えて一気に今の状況まで堕ちた。
    面白かったよ、色んなものが、金や欲や情で崩れ堕ちて行く様子がそこここで見られて。」

    2008-07-14 14:09:00
  • 442:

    ◆lZf.ArgVp2

    「そんな感じだったんだけど作った奴が自殺して。あいつ、俺や周りを警戒して誰にも製造法を教えなかった。
    奴の頭の中にある製造法は闇の中。在庫はあったけど、それを元に試行錯誤しても同じものにはならなかった。
    ムカついたねー元々とち狂って“子供達にせめて幸福な死を”とか言って作り始めて、そのうち正気に戻って死んじまったんだから。
    糞みたいな奴だったけど頭はよかったからね、使いようはいくらでもあったのに。」

    2008-07-14 14:17:00
  • 443:

    ◆lZf.ArgVp2

    小さな透明の粒をビニール越しに触りながら、ステファンは愛しそうに目を細めてそれを見つめる。
    「……こんな物の為に大勢死んだ。あっけなかったな、みんなコイツの前には。どんなに純粋そうに見えた奴だってこれを手に入れる為ならなんだってやるようになったり。なんせ脆いよ、人間は。
    笑えるだろ?これは通称“happiness(幸福)”ていうんだ。作った奴がつけたんだけどね。」

    2008-07-14 14:26:00
  • 444:

    ◆lZf.ArgVp2

    ステファンの言う通り人間は脆い。そこに異存はない。
    …幸福。甘い甘い幸せな都合のいい夢を誰だって夢見る。それを差し出されたら、その中で遊べたら誰が依存しないでいられるだろう。

    例え、ニセモノの“Happiness”でも。

    2008-07-14 14:32:00
  • 445:

    ◆lZf.ArgVp2

    人間は強くない。だけど弱いんじゃない、強くないだけ。それは悪い事でもなければ滑稽でも愚かでもない。
    「………笑えないよ、ステファン。」

    「そうだな。……どうでもいいな。そんな事は」
    ステファンはあたしを見つめる。懐かしむような、憎んでいるようなそんな底の知れない感情が渦巻く眼差しで。あたしは奇妙な感覚に囚われる。ステファンの感情に引き込まれるような感覚。それは深い深い、右も左も上も下もわからないような暗い暗いブルー。そして心がどうしようもない位痛くなった。ステファンの目を見ていると。

    2008-07-14 14:45:00
  • 446:

    ◆lZf.ArgVp2


    「………どうしてそんなに苦しそうなの?」

    「………俺が? まさか」

    2008-07-15 02:18:00
  • 447:

    ◆lZf.ArgVp2

    ステファンは人を貶めてまでお金を欲しているようには見えなかった。この部屋や身に着けている物なんかはさりげなくお金がかかっていそうだけど、物欲が強いようにも見えない。堕ちて行く人間を滑稽だと笑うけど、本当はそんな事に何の興味もなさそうで。
    「同じ事を聞くんだな…アハッ…アハハハ」
    けたたましい笑い声が部屋に響く。クラシックな雰囲気のおしゃれな部屋で、中年の痩せすぎた男が身悶えしながら笑い転げる様子は奇妙としか表現できない。
    「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ………」

    2008-07-15 02:29:00
  • 448:

    ◆lZf.ArgVp2

    涙を流しながらひとしきり笑った後、馬鹿みたいにむせて咳き込んで「おい!!!水ぅ!!」と怒鳴り出した。
    すぐにさっきの男が水を持ってくる。ステファンは男の髪を掴むと壁にむかって顔面から叩き付けた。
    「アギャ!」という悲鳴となんともいえない音がして、咄嗟に目を閉じる。おそるおそる目をあけると白い壁には血の跡がついている。なんとなく人の顔の形だとわかる。下には顔を押さえる男がうずくまっていて、声にならない音を発していた。
    「大事な話なんだから、席外せよ。ちょっとは空気読めって。」

    2008-07-15 02:40:00
  • 449:

    ◆lZf.ArgVp2

    「ステファン!!!やめて!!!!」

    なおかつ蹴りをいれようとしているステファンを後ろから押さえた。その隙に男は転げるように走って行った。
    「どうして、こんな事ばっかりするの!!」
    ステファンはまるで今まで眠っていた様なぼんやりした目をしていてさっきまでの凶暴さが嘘のようで。

    2008-07-15 02:46:00
  • 450:

    ◆lZf.ArgVp2

    煙草に火をつけてゆっくり一口吐き出す。煙はもろにあたしの顔にむかって吐かれて咳き込んだ。
    「あいつがさっきから奥でガチャガチャしてんのが気になってさ。ちょっとイライラしてきてたんだ」
    「…言えば済む事じゃないか」
    「そう言われるとそうなんだけどねえ。だんだんガタがきてるな。………ちっ、壁が…汚れた。あ〜あ。」
    一人ごとのような返答を返してきて「壁……塗り治さないとなあ」と続けた。

    2008-07-15 02:53:00
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