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≡≡≡誠≡≡≡
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1:
由里aya
――2005年7月20日――元気な男の子が産まれた ―名前は、「誠」
パパから貰った大切な名前パパ。 誠は6ヵ月になったよ――2006-02-08 03:12:00 -
610:
由里
私は遺影と、まだ納骨していない白いカケラの信人をみてジワジワ「信人の死」を実感していく。
「辛く、苦しい時に一緒にいてほしいのに……まこと……………。」2006-06-08 18:19:00 -
611:
由里
どんなに明るく振る舞おうとしても、どんなに平気な顔してるようにみえても、心の中は真っ暗な暗闇だった。立ち直ったはずやのに…。約束したのにな……。
2006-06-08 18:19:00 -
612:
由里
と、そこにインターホンが鳴る。
……理香だった。
仏壇のまえに座り込む私をみて悲しそうな目をしている。2006-06-08 18:21:00 -
613:
由里
「由里…おかえり」
「うん………」
私は言葉が出なかった。2006-06-08 18:21:00 -
614:
由里
「……ゆり、あたし子育て協力するからな……?何でもいってな……?由里は一人ちゃうからな!あたしがいつも側に、おるからな…!?」
理香は必死に自分の気持ちを伝えてくれた。2006-06-08 18:22:00 -
615:
由里
「……………」
私の頬を大粒の涙が流れる……。2006-06-08 18:24:00 -
616:
由里
「理香…本間にありがとう……。あり…がと…う…」
「……何を…今更★アンタの事はなんでも知ってるし、いろーんな事乗り越えてきたやんか★あたしがずっと面倒みたるからッッッ★★それと信人の事忘れたりせんでいいと思うで!いつも由里の一部となってた信人なんやし。今も一心同体!赤ちゃんと由里の事見守ってくれてるんやからさッッッ★ほら、沙菜があたし等の中に生きてるのと同じやで…?」
理香は明るくも、悲しげに言った。2006-06-08 18:26:00 -
617:
由里
「うん………そうやな…由里が元気無かったら…信人も沙菜も…怒る…よな…」
理香と話してると、いつも励まされる。
私の心友とよべる人は理香だった。2006-06-08 18:29:00 -
618:
由里
【ありがとう…
理香が辛いとき何もしてあげれないのに、ごめんな……?ほんまありがとう…】2006-06-08 18:30:00 -
619:
由里
それから私達は信人に手を合わせ、リビングに向かった。
お母さんがお茶を入れてくれて3人で話した。2006-06-08 18:33:00 -
620:
由里
「赤ちゃん、名前何にすんの??」
お母さんが聞いて来た。
「まだ考えてないなぁ…どーしようかなぁ???」2006-06-08 18:42:00 -
621:
由里
前から信人と決めていたのは女の子の名前ばっかりで、男の子の名前は、なかなか決まらなかった。2006-06-08 21:01:00 -
622:
由里
理香が張り切って「うーん…夏生まれやから、海ってかいてカイは??!」って。
結構ベタやな★(笑)ってお母さんと笑った!2006-06-08 21:02:00 -
623:
由里
お母さんは「お母さん昔から創って言う字すきやねん!ハジメってどう???!」
ってまた張り切ってた。2006-06-08 21:02:00 -
624:
由里
「ウーーーーーーーーン…………」
私はすごく悩んだ。
結局その日は決まらず、赤ちゃんをお風呂に入れたり授乳したりと、慌ただしく時間が過ぎていった。2006-06-08 21:05:00 -
625:
由里
【信人。名前めちゃめちゃ悩んでるねん……何がいい???カッコイイ名前…でも、赤ちゃん、かわいらしい顔してるんやけどなぁ…信人やったら、なんて言ったかなぁ……?】
2006-06-08 21:05:00 -
626:
由里
赤ちゃんを寝かして、かばんの中から“最初で最後の手紙”を取り出す。
一枚目を読み終え、二枚目に差し掛かろうとした時、一枚目の便箋が下にパサッッッが落ち、裏返った。
「あーあ…」と、拾った時…。そこに書かれた文字をみつけた。2006-06-08 21:14:00 -
627:
由里
《優しい・優》
《誠実・誠》
2006-06-08 21:17:00 -
628:
由里
一瞬、目が点になった。
「コレ…名前………??優しい誠実な子になってほしいって事……?」2006-06-08 21:17:00 -
629:
由里
私は名付けの本を、ぺらぺらめくり、「優」を探す。ほかにどんな読み方があるか調べた。
ゆ・ゆう・やさしい・と書いてある。
次に「誠」
せい・まこと・と書いてある。2006-06-08 21:22:00 -
630:
由里
「組み合わせると、ユウセイ……ん…?マコトとも読むんよな。。誠実のセイでマコト…………」
……しばらく悩んだ。2006-06-08 21:23:00 -
631:
由里
「………うん…マコトにしよう…。」
2006-06-08 21:29:00 -
632:
由里
最後に書き綴られた、文字。それは、父から息子に宛てた最後のプレゼントだった。そこから一文字もらい、私は、『誠』と名付けた。
「今日から、あなたの名前は誠クンやで…☆パパの分まで、一緒に頑張って生きて行こうね…?」
スヤスヤ眠る誠に話し掛けて、ソッと布団をかけ、少し私も隣で眠った。2006-06-08 21:32:00 -
633:
由里
夢を見た。
信人が「ありがとう」って言ってた…
きっと誠って名前気に入ってくれたんやろな…2006-06-08 21:35:00 -
634:
由里
【信人……由里は、夢の中で信人に会えるだけ幸せや。毎日とはいわへんから…たまにはでてきてや?】2006-06-08 21:43:00 -
635:
由里
翌朝、家族に名前を言うと大賛成してくれた。
命名・誠(まこと)
誠実で、優しく、人に信用される人になりますように。2006-06-08 21:45:00 -
636:
由里
その2日後。
信人の骨を納骨した。2006-06-08 21:45:00 -
637:
由里
誠をお母さんに預け、私だけむこうの親戚に混じって行った。
綺麗な景色の見える所のお墓…きっと夜景が綺麗やろうな。2006-06-08 21:47:00 -
638:
由里
【信人、夜景好きやったからうれしいんちゃぅ…?でも怖がりやからなぁ!暗い所はビビって、由里の服掴んでたもんな!少し淋しいけど、すぐに来るから待っててな……?】
私は手を合わせ、目をつむり信人の笑顔を思い出していた。2006-06-08 21:48:00 -
639:
由里
「由里ちゃん…」
義母が、か細い声で私を呼んだ。
「おかあさん…」
義母の顔はやつれていた。2006-06-08 21:53:00 -
640:
由里
「由里ちゃん……ごめん…ね……?許して…ね……?不安…よね……?本当…に…勘忍したってね……?ほんま…にあの子は…ゥッ……あかん…子…やなぁ……」
義母は、涙が枯れていた。泣いてるのに、涙が出ていなかった。
よっぽど泣いたんだろう。2006-06-08 21:54:00 -
641:
由里
「お義母さん…信人は…あかん子違いますよ……最後まで、由里達を…守ってくれたんです……………」
我が子を失う哀しみは、痛い程よくわかる。
きっと私より辛く、深い悲しみに陥ったと思う。2006-06-08 21:56:00 -
642:
由里
一生懸命産んで、悪戦苦闘しながら子育てをし…
可愛い我が子だから出来ること。
我が子だからこそ、自分を犠牲にできる。
何歳になっても、我が子は我が子。
きっと、義母は「代わりに死ねれば、どんなに良かったやろう」と、もがき苦しんでいる。2006-06-08 21:56:00 -
643:
由里
私も、今ならその気持ちがわかる。
義母は生き甲斐を無くし、ただぼーっとお墓を見つめていた。2006-06-08 21:57:00 -
644:
由里
私は掛ける言葉が、見つからなかった…。
その、小さくなった背中を見ると胸が苦しくなってしまった……。2006-06-08 21:59:00 -
645:
由里
「お義母さん……うちに、赤ちゃん見に来てあげてください…名前、誠にしたんです………」
私にかけられる唯一の言葉だった。2006-06-08 22:14:00 -
646:
由里
「名前……マコトに……?ウッ……ゆりちゃん…ありがとう……ね…?ゥッッッ…」
私は何も話せなくて黙り込んでしまった…。2006-06-08 22:15:00 -
647:
由里
そしてしばらくしてから私達は、信人にお別れをし、うちへ向かった。2006-06-08 22:15:00