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  • 1:

    おはよう。今日も言えたね。
    目覚めた時必ず言う言葉。ほほえむ俺に少し寂しそうな顔で君は言う。
    おはよう。今日も言えたよ。

    2007-07-26 09:43:00
  • 5:

    うっとおしそうにしている彩夏に俺はしつこく番号を聞いた。
    特にかわいいわけでも特にスタイルがいいわけでも特にお金を持っていそうなわけでもなかった。
    たぶんなんとなく聞きたかったんだろう。

    2007-07-28 02:49:00
  • 6:

    何度もメールして電話をかけて。でも彩夏が返事をくれることはなかった。でもそのときはまだただ番号を聞いた女の子なだけだったから気にもとめなかった。
    それからしばらくして梅雨も明けて初夏のある日。道の真ん中で彩夏をみつけた。白いショートパンツに黒いTシャツ。明るく染めた髪にまぶしい笑顔。ちょっとやせた?以前とは違う雰囲気の彩夏に俺は目を奪われた。

    2007-07-28 02:55:00
  • 7:

    ケータイを開く姿を目の端でとらえながら俺は前からきた女の子に声をかけた。
    キャバクラで働いているという彼女とやっとのことで番号を交換し終えたときメールの返事に気がついた。
    −ごめん…だれやろ?−

    2007-08-01 05:48:00
  • 8:

    −前声かけたやん?雨の日に道で!−
    登録してくれてなかったんや…
    番号交換した子が番号を登録してなかったりなんてよくあることだったのにすごくショックやった。

    2007-08-01 05:51:00
  • 9:

    この時すでに俺は数分ことばを交わしただけの彩夏に片思いしていた。
     
    俺も仕事が忙しくてやっとのことで会う約束ができたのがそれから二週間後だった。

    2007-08-01 05:59:00
  • 10:

    特においしい訳じゃないけど味が濃いくて気に入っているパスタの店で待ち合わせた。
    約束の時間。一番左奥の席に彩夏はいた。
    「ごめんっ。もしかして待ったぁ?」
    あわてて席につく。

    2007-08-23 06:22:00
  • 11:

    「ううん。今来たところ。」
    にっこり笑って彩夏は言った。
    「ほんまにぃ?ならよかった。」
    俺も笑って返す。彩夏の言ってることが本当か嘘かはわからないけど。

    2007-08-23 06:27:00
  • 12:

    彩夏はほんまに心の優しい子やった。いつでもいろんな事に気配りして。
    それから俺は彩夏の恋の相談相手になった。
    ほんまに辛かった。

    2007-08-27 03:23:00
  • 13:

    なんでかわからへんけど仕事は順調。なにげに女がよってくるから女に困らへん。金回りもいい。手に入らないのは彩夏だけやった。
    ほんまにほしいものはてにはいらん。
    それを実感した瞬間やった。

    2007-08-27 03:27:00
  • 14:

    日に日に俺じゃない人への想いに悩んだり泣いたりする彩夏が愛おしくて胸が痛んだ。
    その姿がけなげすぎて自分の気持ちなんか伝えられなかった。

    気持ちのない好きの言葉はいくらでも言えるのに…気持ちのある好きは言えなかった。

    2007-08-27 03:30:00
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