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リストラでトランス

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  • 1:

    岬 ◆rYagzMs.go

    「絶望だ! 生きていてもしょうがない」         
    20年間勤めていた証券会社は、<ビッグバン>とやらで廃業。
    さらには、その間家庭を犠牲にしていたつけが同時に起きた。
    15年間連れ添った妻とは離縁。
    わずかな退職金の大部分はその慰謝料に消えた。
    いまだ再就職先も決まっていない。

    2006-05-08 19:03:00
  • 11:

    岬 ◆rYagzMs.go

    「身体の診断をするから診察着に着替えてきなさい。
    それから、ピアス、指輪、ネックレスもはずしなさい。」
    そう言われて絵里花は顔を強ばらせて、小声で呟いた。
    「何、偉そうに指図してんだよ。」
    命令口調で言われたことが気に触ったからだ。
    絵里花は、ふてくされ気味に所員の前に座った。
    やっと、検査が終わったと思った瞬間、注射器が目に映った。
    「おっ、おい、何で注射なんかするんだよ。」
    絵里花がそう言い終わらないうちに、その針は腕に刺されていた。
    すぐさま、意識が遠のき、起きていられなくなった。
    「一体、何をするつもり・・・」
    それが、彼女自身の身体で発した最期の言葉だった。
    絵里花は、深い眠りに落ちた。

    2006-05-08 19:29:00
  • 12:

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    あぼ~ん
  • 13:

    岬 ◆rYagzMs.go

    「気分はどうですか?」
    目が覚めた俺に、所員の問いかけた。
    「う、うん、別に・・・。」
    まだ、意識は朦朧としていたが、答えたその声が俺の声ではないことは分かった。
    「トランスは無事終了しました。」
    所員は言った。
    俺はあわてて股間に手を伸ばした。
    (何もない・・・、
    いや中心に割れ目が・・・、
    俺は女になった?)
    胸に手を当てる。
    ふくよかで柔らかい弾力を手のひらに感じた。
    顔に手を当てた。
    いつものひげ剃り跡の渇いた皮膚ではなく、みずみずしいなめらかな手触りが伝わった。
    頭は薄くなりつつあった髪ではなく、艶やかで長い髪の感触があった。
    (俺の姿、いったいどうなのだろう? 一刻も早く鏡に映した自分が見たい。)
    俺の心拍数は絶頂に達していた。
    「<立花絵里花>今日からのあなたの名前です。」
    所員がそう告げた。
    「俺の身体は・・・?」
    「<立花絵里花>の人格とともに消去しました。」
    気が動転している中、所員は事務的に答えた。

    2006-05-08 19:31:00
  • 14:

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    あぼ~ん
  • 15:

    岬 ◆rYagzMs.go

    ブラジャーを身につける。
    <クラブ>でつけ慣れているとはいえ、今の俺には本物の乳房がある。
    平らな男の胸にパットを入れてつけるのとは大違いだ。
    カップの内側の柔らかな肌触りが、まだ隆起したままの乳首に伝わる。
    カップの間には見事な谷間が形成された。
    ついに憧れの制服だ。
    <クラブ>でも着てみたいという願望はずっとあったのだが、自身の風体を考えるとどうしてもできなかった。
    白いブラウスに袖を通す。
    一番上までボタンをとめて、襟元にリボンを結んだ。
    (きちっと着ると、このヤンキーな顔つきには不釣り合い。)
    鏡を見てそう思った。
    そして、紺と赤のチェックの入ったプリーツスカートを手に取った。
    (うへぇ、思っていたより短い。)
    俺は、どきどきしながら両足を通した。
    スカートをウエストまで引き上げてホックをとめた。
    (あれ、随分とゆるいぞ。)
    俺は、コギャル達がウエストを折り込んでいることを思い出し、やってみた。
    それじゃなくても短いスカートの裾が上がる。
    (まだ、少しゆるい。もう1回)

    2006-05-08 19:35:00
  • 16:

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    あぼ~ん
  • 17:

    岬 ◆rYagzMs.go

    ようやくウエストにフィットしたものの、その丈は膝上25?以上ある。
    女装してた時だってこんなミニスカート履いた事がない。
    ちょっとかがんだだけでも下着が見えてしまいそう。
    恥ずかしいけど、そこがまた良い。
    <クラブ>ではパンストを履いていたので感じなかったが、スカートの下に何も付けていないと、下半身がスースーしてなんとなく心許ない。
    俺は、スカートの裾をつまみ上げて、可愛くポーズを取ってみた。
    それから身体を1回転させた。
    プリーツスカートが捲れ上がり、薄いブルーの下着がチラリと見えた。
    「うひょ、パンチラだ。」
    俺は、鏡に映る自身の姿を見て興奮していた。
    先ほどの余韻も手伝って、あそこがジーンと潤っているのがわかる。
    (またしたくなっちゃう。やばい、やばい。)
    俺はじっと我慢し気を取り直して、靴下を履いた。
    <ルーズソックス>というやつだ。
    1度膝の上まで伸ばして膝下で留める、それから余った部分を足首に落とす。
    最後に、白いベストを頭からかぶって着た。
    (やけにサイズがでかい。男物?)
    肩は

    2006-05-08 19:36:00
  • 18:

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    あぼ~ん
  • 19:

    岬 ◆rYagzMs.go

    教室では、摩希がすでに待っていた。
    「随分と時間がかかったわね。」
    摩希にそう言われ、俺は(何してたのかばれた?)
    「えっ、えぇ、まだこの身体に慣れていないもので・・・。」
    口ごもりながら答えた。
    「まっ、いいわ。それじゃ始めましょう。」
    「絵里花、今あなた自身を見てみてどう思う?」
    (そう、俺の名は絵里花、立花絵里花だった。)
    この部屋にはすべての壁それぞれに大きな鏡が取り付けられている。
    俺の姿が前後左右、そこに映し出されている。
    さっきまで部屋で見ていたと同じ、金髪に品のない化粧、ダブダブのベスト。
    だけど、短いスカートからでた脚は現代っ子らしく長くてきれいだ。
    「だらしなくて、みっともない格好ですね。」
    「あなたならどうする?」
    「黒髪に戻して、髪型を可愛らしく変えたい。
    化粧も落として、それから・・・、ベストもサイズの合ったものに。」
    俺は答えた。
    「それは、いいことだわ、早速そうしましょう。
    でもそのスカート、短すぎない?」
    「できれば、スカートはこのままで・・・。」

    2006-05-08 19:37:00
  • 20:

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    あぼ~ん
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