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〜運命〜夜に生まれた私
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1:
あみ◆S1rZjgcLUE
『きみどっかお店探してるの?』
東門街のローソンで声かけられた私は求人誌を手に持って、まさしくお店を探していた。
声をかけてきたのは中年の黒服さんで、その夜っぽい雰囲気に萎縮した。2007-09-06 09:50:00 -
2:
あみ◆S1rZjgcLUE
また外を歩き始め、たどりついたのはあるビルの下。
そこで何やらどこかのお店の人と交渉しているようだった。
『美幸ちゃん、(私の本名)ここのお店女の子募集してるらしいから行ってみ。あかんかったらうちで働いてもらうで笑』
そういってさっきの黒服さんは去っていった。
残った私に、
「じゃあ上で面接しよか」とさっきまでキャッチしてたボーイさんが言った。2007-09-06 10:12:00 -
3:
あみ◆S1rZjgcLUE
ウーロン茶が出されて、ボーイさんが前に座る。
名刺を出して
「ここのマネージャーです。よろしくね」
半端なギャル男だからてっきりボーイさんだと思ってたけど、マネージャーなんだ。
しばらくしてまた違う男の人が来て同じように名刺をくれた。
店長さんだった。
この店長さんはめちゃめちゃかっこよかった。2007-09-06 10:18:00 -
4:
あみ◆S1rZjgcLUE
面接を終えて、このお店で働くことになったけど続々出勤してくる女の子たちの派手さに驚く。
地元では派手だと思っていた自分が、ただの田舎モノに思えてとても恥ずかしかった。
カランッ
『1名様ご案内でーす!』『いらっしゃいませ−!!』
お客さんが入って来たようだ。
でもここにいる女の子たちはみんな無反応だ。2007-09-06 10:27:00 -
5:
あみ◆S1rZjgcLUE
『じゃ、あみちゃん席つこか』
待機席は女の子であふれていたので、私は呼ばれてちょっとだけほっとした。
ついたお客さんは、マネージャーの知り合いだったらしく、指名もいれてくれた。
3回くらい延長してくれたけど、人見知りの私は終始マネージャーとその人の会話に相槌を打つだけで精一杯だった。2007-09-06 10:33:00 -
6:
あみ◆S1rZjgcLUE
お酒もたいして飲めない私は常に素で、お客さんを楽しませる話術もなかった。
お店で働き始めて1ヶ月もすると、早上がり・待機カット・ヘルプ要員になっていた。2007-09-06 12:34:00 -
7:
あみ◆S1rZjgcLUE
その人は中原さんといって、小さいながらも建設会社の社長さんで、ちょくちょく来てくれた。
店での評価があがり、自信がつくにつれ指名客も増えてきた。
本格的に冬の空になった頃、私は1人のお客さんと付き合うようになっていた。2007-09-06 14:12:00 -
8:
あみ◆S1rZjgcLUE
中原さんじゃない。
私が付き合ったのは早見さんというお客さんで、年上だけど話が面白くて楽しかったのでなんとなく付き合うようになっていた。
まあまあ恋人らしいこともしたけど、仕事にハマりつつあった私はクリスマスもお正月も仕事にいった。
年も明け私はナンバーに近づいていた。
まさに絶好調。そんな時新しいボーイさんが入って来た。2007-09-06 14:31:00 -
9:
あみ◆S1rZjgcLUE
名前は大輔。ホストっぽい顔立ちで、私の嫌いなタイプだ。
でも、しばらく経っても店に馴染めない大輔のことが何となく気になる。
中原さんが飲みにきたときには席に呼んで紹介したりして、先輩面していた。
世話を焼くことが、何だか楽しかった。2007-09-06 14:38:00 -
10:
あみ◆S1rZjgcLUE
大輔と打ち解けた私は、仕事に行くのが段々楽しくなった。
ある夜、営業が終わりお店を締めたあと、大輔は洗い物をしていた。
私は後ろでタバコを吸いながら彼の背中を見ていて、ドキドキしている自分に気がついた。
私は恋をしてしまった。2007-09-07 10:02:00 -
11:
名無しさん
読みにくいので略なくして下さい
2007-09-07 10:05:00 -
12:
あみ◆S1rZjgcLUE
もう早見さんとは会わなくなっていた。
バレンタインが近いこともあって、私は仕事に精をだす。
店での成績は4位。
OPAのゴディバでチョコをお客さんの分とあと1つ、買った。2007-09-07 10:10:00 -
13:
あみ◆S1rZjgcLUE
バレンタインを数日後に控え、いつものように出勤していると、店の入っているビルから大輔が出てくるのが見えた。
大輔も私に気付き、近づいてくる。
『あみ、おはよー!
俺今日からミューズに異動なってん!』
『そうなん?うそー…頑張ってね』
ショックすぎて頭が真っ白だ。
系列店であるミューズはすぐ近く。けどこれで毎日会えるわけではなくなった。
しかも…大輔は前に、俺仕事やめて大阪で昼の仕事をしたいと言っていたのだ。
連絡先も知らない私は、大輔が大阪に行ってしまったら二度と会えない。
私は焦っていた。2007-09-07 10:22:00 -
15:
あみ◆S1rZjgcLUE
お客さんが誰も来ない日、大輔が異動したミューズにヘルプにいくことになった。
ヘルプに行くときはその店のボーイさんが迎えにきてくれる。2007-09-07 10:34:00 -
16:
あみ◆S1rZjgcLUE
カランッ
『女の子借りに来ました〜』
「お−大輔。どうや?ミューズは。あみ、行ってきてくれるか?」
『おお!あみかぁ〜じゃあいこか。』2007-09-07 11:38:00 -
17:
あみ◆S1rZjgcLUE
私と大輔は店を出てミューズに向かう。
無言が続く…いま2人きりのチャンスなのに…
嬢とボーイの恋愛はおろか連絡を取り合うのも禁止されている。2007-09-11 18:23:00 -
18:
あみ◆S1rZjgcLUE
けどこんなチャンスは二度とないかもしれない!
「大輔、もしこの仕事やめて大阪行くんやったら、その前に連絡先だけ教えてな」
『……ほんならいま教えてや』
まじで!!よかったぁ。
私たちは連絡を取り合うようになった。2007-09-11 18:26:00 -
19:
あみ◆S1rZjgcLUE
それから2、3日してバレンタインがきた。
お店にはお客さんがいっぱい来て、女の子はチョコを配る。
私も太いお客さんにチョコを渡した。2007-09-11 18:30:00 -
20:
あみ◆S1rZjgcLUE
その日の営業が終わり、送りの車に乗り、ミューズにも廻って女の子を乗せた。
そのとき大輔の姿が見えた。『今日バレンタインやなぁ、義理と本命どっちがいい?』メールで送った。
車が走りだし、しばらくして…ピロリ♪『もちろん本命でお願いします』
嬉しい気持ちが込み上げる2007-09-11 18:49:00