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君が笑ってくれるなら。
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1:
◆qKVw/6MKg6
君が笑ってくれるなら なんだって出来る。
少なくともあたしは あの頃―
本気でそう思っていた。2007-09-12 00:38:00 -
2:
◆qKVw/6MKg6
2007-09-12 00:39:00 -
3:
◆qKVw/6MKg6
誰かが言っていた。人を信じる事は、裏切られる為の過程でしかないなんて。
そしてまた、他の誰かも言っていた。傍にいたいなら信じるしかない。相手を想い、信じていたらいつか報われるんだと。
あたしには、その言葉のどちらも理解できなかった。2007-09-12 00:48:00 -
4:
◆qKVw/6MKg6
その結果として数年経った今でも、あたしは何も変わっていない。
あの頃のまま…
時間が止まり続けてる。2007-09-12 00:52:00 -
5:
◆qKVw/6MKg6
ただひとつ。
君が傍にいないことだけを除いたら‥――。2007-09-12 00:54:00 -
6:
◆qKVw/6MKg6
数年前。あたしは、この夜の街と呼ばれる場所で数多くいるホステスのうちの一人だった。 水商売にはもともと興味があったし、軽い気持ちで始めた18の頃。我が儘と傲慢さが癖付いていき、些細な理由でお店を変わる事も度々だった。
そんなこんなで一通りこの世界のルールや、知識が身に付いた頃には あっという間に二年の月日が経ち‥あたしは二十歳になっていた。2007-09-12 01:14:00 -
7:
◆qKVw/6MKg6
「葉月さーん。三番テーブル正吾さん案内しといたからー!すぐお願い。」
足早に動くボーイが、待機室のドアを開けたと同時にあたしに声をかける。 『はいよー。ちと待って…よしよし…。んじゃ、しばし行ってきま。』
塗りかけのグロスを適当にポーチにしまい込むと、さっきまで一緒に話していた沙織に一声かける。
「行ってらぁー。葉月ちゃん例の件は内緒やからね♪よろしくー。」
『了解。了解。』 と、一応笑顔で返事をしながらあたしはお客様の待つフロアに出た。2007-09-12 01:27:00 -
8:
◆qKVw/6MKg6
沙織は、お店の古株の女の子。当時はまだ身分証明などの規定が甘く、彼女は16の頃から水商売をしていたらしい。あたしが言うのもなんだけどなかなかのやり手だ…。今風の髪型に、今風のメイク。ドレス選びにも、やはり今時の彼女らしいセンスが表れている。
「葉月、最近沙織と仲ええらしいなー。」
水割りを片手に、席に着くなり隣に座る正吾が言う。正吾は、あたしの長年の付き合いの大切なお客様だ。『…ん?んー仲いいっちゃ仲いいんかな?最近は良く話してるかも。』
「そっかそっか(笑)まぁ、若い子に慕われるのはええことやないかー。」
慕われる―、とはまた少し違う気がする。沙織が最近やたらと懐いてくるのには理由があるからだけど…。2007-09-12 01:46:00 -
9:
◆qKVw/6MKg6
「初めましてぇー。沙織です☆お隣いいですかぁ?」
ちょうど隣のテーブルの新規二人に、沙織が着いた。派手な見た目とギャップのある愛嬌のある話し方に、席もお客様もすぐに盛り上がってるようだった。 「お願いしまぁーす!オーダーお願いしまぁす♪」 甘ったるい沙織の声に、素早くボーイが席に近寄る。「かしこまりました!」 「…お願いしまぁすっ♪」
ボーイにオーダー用紙を手渡すと、ニコニコと一段と笑顔になる彼女の表情。 心なしか、笑い声も大きくなる。内緒にしろと言われても、そこまで露骨だと…一目瞭然だ。2007-09-12 01:55:00 -
10:
◆qKVw/6MKg6
「…なんや、あの二人出来てるんか?(笑)」
正吾は、もともと水商売の人間で、ラウンジのオーナーをしていた。さすが、こういう部分では目が鋭い。『いや、ないでしょ(笑)』肯定も否定も変にする事は出来ない。まぁ、基本的に"ホステスは彼氏がいない"という決まり文句が この世界に鉄則だろうけど。
ましてや従業員同士なんてお客様からしたら、馬鹿にされてると感じるも同然。沙織と黒服の関係がどうであれ、
ご法度 甚だしいのだ。2007-09-12 02:06:00