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Dolls

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  • 1:

    もうあんたにはホンマこりごりやわ…

    男なんか信じひん

    そう決めたはずやのに…

    2007-09-20 23:47:00
  • 2:

    『愛〜!この雑誌すごくない?!この人めっちゃカッコいいねんけど!!』
    そう言って、雑誌の男を指差して私に見せてくるのは、私の親友に等しいぐらいの美香。
    私は美香と何をするのも一緒だった。
    コンビニに行っては2人でさわいで。 買い物に行っては2人で服選んで。
    いつも明るい美香が、私は大好きだった。

    2007-09-21 00:09:00
  • 3:

    だから、今日も美香と一緒に買い物に行ったんだ。でも…なんか今日はいつもと違った。
    おかしいよね。 何も変わらない毎日なのに、今日だけはなぜかいつもより特別に感じたんだ。

    そう…あれは。
    あいつに出逢えた、少し涼しい風の吹く夏の夜のことでした。

    2007-09-21 00:17:00
  • 4:

    あの日、私と美香は何気なく地元のコンビニに入った。
    美香『今日は涼しいけど、やっぱコンビニが一番涼しいわ〜♪』
    そんな美香の声が、コンビニに響いた。

    2007-09-21 00:21:00
  • 5:

    店の中のお客さんは、わりと少なかった。 立ち読みしている人が何人かと、レジに並ぶ人が何人かと…

    『ん…?』
    ある1人の男の人を見て、私は思わず声がでた。

    2007-09-21 00:26:00
  • 6:

    美香『え?愛、どした?』 愛を不思議そうに見つめながら美香は聞いてきた。

    愛『いや…あの雑貨見てる男の人、なんか笑えるねんけど』
    私はその男の人をそっと指差して美香に教えながら、クスクスと笑った。

    2007-09-21 00:31:00
  • 7:

    美香『え?どこが笑えるん?フツーじゃない?』
    愛『だってあの人、ボウズやのにワックスなに買うか悩んでるやん。笑』
    美香『あ!ホンマや!ウケる!!』

    美香はその人を見ながらいきなり大笑いした。

    2007-09-21 00:38:00
  • 8:

    その笑い声が聞こえたのか、その人がチラッと私達を見た。
    その目が合った時、私は一瞬心臓が止まったと思うぐらいドキッとした。
    そしてすぐにその人から目をそらし、私はなぜか逃げるようにその人の視界から見えない、雑誌の並べられた方へ向かった。
    自分の中で大きく鳴る胸の音。
    その場にいることが、なぜかすごく恥ずかしく感じた。

    2007-09-21 00:46:00
  • 9:

    そんな気もしらない美香は、私を後ろから追っかけてきて、まるで私の胸に釘を刺すように大きな声で…
    『愛〜?どうしたん??めっちゃ顔赤いで??』

    もぉ。マジでやめて…
    私は美香の言葉が、恥ずかしすぎておかしくなりそうだった。

    2007-09-21 00:52:00
  • 10:

    美香の声を、聞こえないフリして私は適当に雑誌を取り、雑誌を見ているフリをした。

    その時、後ろからポンポンっと肩を誰かに叩かれた。
    ドクンッ…。
    また大きく胸が鳴る。

    2007-09-21 00:57:00
  • 11:

    すごく嫌な予感がした。
    嫌な予感はするけど…私はフッと振り返ってみる。

    やっぱり…
    私の嫌な予感は的中した

    2007-09-21 01:00:00
  • 12:

    私の肩を叩いたのは、さっきの男の人だった。

    また目があって…

    私は自分でもわかるぐらいに顔が赤くなっているのがわかる。

    2007-09-21 01:03:00
  • 13:

    愛『えっ…いやっ…あの…ホンマごめんなさい!』
    私はなぜかとっさに謝ってしまった。
    自分でも訳がわからない。
    ただ私の胸は大きく鳴り響いていることは、はっきりしている。

    2007-09-21 01:07:00
  • 14:

    『は…?なんで謝ってんの??』
    その人は標準語で、私に聞いてきた。
    愛『いやっ…わからんけど…』
    私は両手で雑誌を広げたまま、とにかくその人から目を逸らした。

    2007-09-21 01:13:00
  • 15:

    『まぁ、いいや。』
    その人は左手で頭を少しかきながら、右手で私に何かを渡してきた。

    それは、すごく見慣れたケータイ。
    『あ…私のケータイや!』

    2007-09-21 01:18:00
  • 16:

    名無しさん

    頑張ってください?

    2007-09-21 01:22:00
  • 17:

    『さっきそこで落としたじゃん?俺落とした時見てたから拾ってあげたんだよ』

    愛『そーなんや…!ありがとうございます!』

    それを聞いて、私は安心した気持ちと…なぜか少しがっかりした気持ちになった。

    2007-09-21 01:23:00
  • 18:

    応援嬉しいです?
    ありがとうございます?

    2007-09-21 01:28:00
  • 19:

    すると、なぜかその人は私の顔を見て少し笑っている。 少しいかつい顔の人だったのに、笑うとすごく可愛いらしい笑顔をしている。

    ーヤバい…私こーゆーギャップに弱いねんな…

    そしてまた、胸が鳴り始めた。

    2007-09-21 01:42:00
  • 20:

    『その雑誌ずっと持って、よっぽど好きなんだな。買ってあげよっか?』
    その人は笑いをこらえようとしながら、私の両手に広げられた雑誌を指差した。

    私もフッとその雑誌をよく見てみる。

    2007-09-21 01:47:00
  • 21:

    その雑誌は…アダルト本だった。
    裸の女の人の写真が全面に載っている。

    そんなことに私は今まで全然気付かなかった。

    2007-09-21 01:51:00
  • 22:

    それを見ていた美香が、大笑いした。
    その笑い声に、その人もたまらず笑っていた。

    そのことが恥ずかしすぎて、私の顔は一気に赤くなる。
    そして思わず手を離してしまい、その本を床に落としてしまった。

    2007-09-21 01:57:00
  • 23:

    ビリッ…。
    その雑誌は、落ちた反動で少し破れてしまった。
    美香『あちゃ〜…愛、その本お買い上げやな。』
    美香のその一言に、その人は腹を抱えながらずっと笑っている。

    2007-09-21 02:03:00
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