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[儚く†.]

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  • 1:

    まお◆ddeQWSvOq6

    どんな形でもいい
    ただ君のそばに‥

    2007-10-01 02:48:00
  • 2:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [ごめん‥別れよ‥]あまりにもあっさりした別れに私は呆然と立ち尽くした。
    用意していた手作りのケーキ、バースデーカード、そしてささやかなプレゼントが少し色褪せて見えた。
    そう言われてみれば最近様子がおかしいと思っていた。電話もメール日に日に減っていた。気持ちが薄れていってる事なんて私が一番知っていたかもしれない。

    2007-10-01 03:02:00
  • 3:

    まお◆ddeQWSvOq6

    駅前のゴミ箱にすべて捨て去ると私はそそくさと電車に乗った。
    [あいつにフラれたのはちょっと気にくわんな‥せっかく女の子らしくケーキまで作ってあげたのに‥]
    あまり悲しくなかった。いや全然悲しくなかった。

    2007-10-01 03:18:00
  • 4:

    まお◆ddeQWSvOq6

    電車を下り改札をでるとすぐに公園がある。ここが私達の場所。[溜まり場]と言うものだ。
    公園に近づくほどに笑い声や人の気配を感じる。私はそれにすごく安心する。そして足が少し早くなる。

    2007-10-01 03:28:00
  • 5:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [あれ〜?今日は彼氏の誕生日ぢゃなかった?]不思議そうにみんながこっちを見た。
    [あぁ‥なんかさ、喧嘩して別れてきたった]少し強がりと苦笑い。
    [ふ〜ん‥]またか‥と言いたそうなみんなの顔を私はまともに見れなかった。

    2007-10-01 03:32:00
  • 6:

    まお◆ddeQWSvOq6

    私は一人っ子だ。母はシングルマザーで今の私の年と同じl6才で一人で私を産んだ。その後26才で今の父親と結婚した。
    [血が繋がっていない]そんなリスクさえ気にしないほどすごく仲のいい家族だった。

    2007-10-01 04:01:00
  • 7:

    まお◆ddeQWSvOq6

    一年前‥交通事故で母は死んだ。幸せだった私を変えた始まりだった。優しかった父は暴力をふるうようになった。
    そして母が亡くなって2ヶ月たった日私は父に犯された。私は[処女]だった‥抵抗する事もなくただ涙だけが流れた。

    2007-10-01 04:08:00
  • 8:

    まお◆ddeQWSvOq6

    汚いと思った。私は何回も何分も体を洗った。何回洗っても父の精子と唾液が体に染み付いているようで血が出るほど皮がめくれるほど何回も洗った。
    それから私は学校に行かなくなった。髪を染めた。ピアスを開けた。自分を傷つけた。
    父はそんな事にすら感心をもたなくなっており、そんな私に何を言わなかった。

    2007-10-01 04:20:00
  • 9:

    まお◆ddeQWSvOq6

    それから私は色んな人と性行為をした。一年間で何人もの人と体を重ねた。

    今でも私はたまに家に帰ると父に抱かれる。

    この[溜まり場]にいてるみんなは私の過去を知らない。聞かない。すごく楽だった。

    2007-10-01 04:33:00
  • 10:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [杏奈!!杏奈!!]同い年のユキが私の背中を叩いた。[あげる〜っ]ふらふらになりながら手に持っていた袋を渡した。
    私は迷わず受け取りベンチに一服した後その袋を勢いよく吸った。
    ‥シンナー。今私達の中でお金より携帯よりもなくてはならないものだった。

    2007-10-01 04:37:00
  • 11:

    まお◆ddeQWSvOq6

    すこし涼しい風がへんに心地よかった。目の前の風景がゆっくり変わっていく。
    目の前で踊っている友達がキラキラ輝いているように見えた。
    空にはあるはずもない沢山の流れ星が見えた。

    2007-10-01 04:51:00
  • 12:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [嘘嘘!(笑)フラれるわけ‥ないですよね〜?]亮は少し慌てて機嫌をとった。
    [そう!!うちが捨てたん!]私は笑いながら亮にそう言った瞬間亮が私にキスをした。
    私はためらわなかった。薬をしている時なんてみんなこんな感じだろう。

    2007-10-01 05:27:00
  • 13:

    まお◆ddeQWSvOq6

    そして亮は私の手をひっぱりトイレへと連れこんだ。
    終わった後のなんともない空気と匂い。私はこの匂いが大嫌いだ。
    [みんな所‥行くわ]私はすぐにパンツを履くと逃げるようにトイレから離れた。

    2007-10-01 05:31:00
  • 14:

    まお◆ddeQWSvOq6

    朝になってる頃には私はいつもと一緒のようにしらふに戻っていた。
    [そろそろ帰るわー]重たい腰をあげカバンを持った。深いため息をつき私は駅に歩きだした。
    止めてある自転車にまたがり家へと向かう。家の近くまで来ると私は携帯を開き時計を見た。

    2007-10-01 15:59:00
  • 15:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [もう‥おらんかな?]家の前に自転車を止め家のドアを握った。よかった‥鍵が閉まってある。私はカバンから鍵を取りだし家へと入った。
    父は仕事でいなかった。私は父がいない時を見計らって家に帰っている。
    階段をかけあがり自分の部屋に入るとカバンを捨てるように置きベッドに寝転んだ。

    2007-10-01 16:02:00
  • 16:

    まお◆ddeQWSvOq6

    天井を一時間ほど見つめた。まだ薬のせいで少し回っているように見えた。しらない間に私は眠っていた。
    [!!!!!!]飛び起きた後私は時計を見て急いで家を出た。[いつの間に寝ていたんだろう‥お風呂入りたかったな‥]
    家が見えなくなるほどまでくるとようやくカバンからタバコを取りだし火をつけた。

    2007-10-01 16:08:00
  • 17:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [溜まり場]には亮達何人かがすでに集まっていた。
    [おはよ]亮は昨日の事を覚えているのだろうか。何もなかったように私にそう言った。
    [おはよ]また私も昨日の事を忘れているフリをして少し笑ってそう言った。

    2007-10-01 16:11:00
  • 18:

    まお◆ddeQWSvOq6

    亮達がくだらない話をしてお腹を抱えて笑っている。私はそれを見てぼぉ〜と見ていた。一時間もすると溜まり場には沢山の人達がいた。
    私はこの中で知っている人なんて数えるほどしかいない。だけど私にはそれぐらいが丁度よかった。
    仲良くなればなるほど家族の話や恋愛の話を語らなければいけない日が来ると思うのが怖かった。

    2007-10-01 16:18:00
  • 19:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [派手な髪やな]私の隣に一人の男が座った。[えっ?]私は少し驚いた。
    [そのピンクのエクステ‥俺の真似?笑]意地悪そうにそういった男の髪にも私と同じピンクのメッシュが入っていた。
    [うちの真似やろ?]私は笑ってそう言った。

    2007-10-01 16:26:00
  • 20:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [なんでやねん〜笑。俺ゆーたってゆうねん。お前は?][杏奈やで][わかった!よくきてんの?ここに][毎日かな〜][そうなんや]

    人見知りする私は初めて会う人の話をするのが苦手。珍しく私は人見知りをする事なく話ができた。

    2007-10-01 16:31:00
  • 21:

    まお◆ddeQWSvOq6

    その日私は優太と朝まで薬なしで話をした。家族の話以外はすべてしたと思う。優太は私より二個上で本当に[お兄ちゃん]とゆう例えが一番合っている人だった。
    私がこんなに誰かと話をしたのはこの溜まり場では本当に初めてかもしれない。

    2007-10-02 00:22:00
  • 22:

    まお◆ddeQWSvOq6

    朝になるとだんだんと人が減っていく。私は時間を気にしながら辺りを見回した。[誰か泊めてくれる人いないかな‥]
    [どうした?]優太は私の変な行動にきょとんとしている。
    [いや‥家の鍵忘れちゃって、今日家に帰れへんくてさ‥][行く場所ないんか?][まあ‥まぁな]

    2007-10-02 00:29:00
  • 23:

    まあ◆GKBgRXcMCg

    [しょうがないなあ‥俺ん家入るとかレアもんやで?(笑)]優太は笑いながら原付にまたがり後ろをポンポンと叩いた。
    [えっ?本間に?]嬉しくて私は優太の原付の後ろに飛び乗った。
    優太の家は5分ほど走らせた所にある普通の一軒家。家に入ると優太の親はすでに起きていた。

    2007-10-02 00:33:00
  • 24:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [おじゃま‥します]ペコっと頭を下げると優太のおばちゃんは[いらっしゃい。お腹すいてない?]と笑顔で言ってくれた。
    優太のおばちゃんは優太に似ていてすぐに仲良くなれるような人だった。そして朝ご飯をよばれ私は優太が寝た後もずっとおばちゃんと話をしていた。

    2007-10-02 00:37:00
  • 25:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [えっ彼女ぢゃないの?]おばちゃんは目を丸くした。[あ‥はい]私は苦笑いをした。
    [だってほら]おばちゃんは頭を指で指した。
    [いやこの髪の色はたまたま一緒だったんです][へぇ〜なんかすごい偶然だね!てっきり彼女なんだと思ってた〜]おばちゃんは洗い物しながらそう言った。

    2007-10-02 00:41:00
  • 26:

    まお◆ddeQWSvOq6

    昼前になるとおばちゃんは仕事へ出掛けた。私はお風呂を借り、優太が寝ている部屋へと戻った。そして優太が寝ている隣に寝転んだ。
    優太がつけている香水の匂いと小さくかけられている音楽がやたら心地よかった。

    2007-10-02 00:44:00
  • 27:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [何話してた?]優太が眠たそうな声でそう言った。[べつに‥いいお母さんやな][そうか?]優太の顔は少し照れたようにみえた。
    [おやすみ。んで、今日泊めてくれてありがと]私はそう言い反対を向いた。
    そしてそのまま眠った。

    2007-10-02 00:49:00
  • 28:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [おい!]優太が私の頬をつねった。[ん〜?][飯や]優太はそう言うとタバコと携帯をジャージのポケットに入れ私を見下した。
    [あっ‥すいません]時計は7時を回っていた。私は飛び起きリビングへと向かった。優太の家には優太以外の男の人の物がなかった。靴も食器も服も‥

    2007-10-02 01:00:00
  • 29:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [すいません。なんか色々‥][いえいえ、また遊びにきてね!あっ優太気つけて遊びにいきなさいよ?]玄関さき優太のはいはいとゆう態度とは真逆に私はおばちゃんに深く頭を下げた。
    そして優太と溜まり場へ向かった。時間が遅かったせいもあり溜まり場ではすでに薬をしている人達ですごい事になっていた。
    [うちも‥こんなんなんやな‥]シラフで見ると少し怖くなかった。

    2007-10-02 01:10:00
  • 30:

    まお◆ddeQWSvOq6

    *修正
    ×:少し怖くなかった
    〇:少し怖くなった

    2007-10-02 01:12:00
  • 31:

    まお◆ddeQWSvOq6

    だけど私は迷う事なく袋に手を伸ばした。私達にとってタバコやお酒のような感覚になっていた。
    [なぁ、お前優太と付き合っとん?]亮が私の隣に座った。
    [付き合ってないで〜なんで?][いや一緒にきたやん][あ〜風呂借りただけ〜]

    2007-10-02 01:15:00
  • 32:

    まあ◆ddeQWSvOq6

    [そうか]亮は少しずつ私との距離を縮めた。そして私を押し倒した。
    [ちょ‥人おるやん!!]私は亮を振りほどこうとしたが薬のせいもあってうまく力がでない。
    周りはそれを見てケラケラと笑っていた。

    2007-10-02 01:24:00
  • 33:

    まあ◆GKBgRXcMCg

    亮はやめる事なく私の服の下に手をいれた。[一回ヤったら二回も同じやん?]笑って言った亮の目が怖かった。
    それをみんなが騒ぎたて盛り上げようとしていた。
    [本間に‥やめて‥]声がかすれた。そして涙が溢れた。この感覚とこの気持ちが[あの時]を思い出させた。

    2007-10-02 01:33:00
  • 34:

    まお◆ddeQWSvOq6

    すいません。トリップと名前間違えました。

    2007-10-02 01:37:00
  • 35:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [何してんねん!]一瞬の出来事だった。優太が亮を掴みそのまま殴った。一瞬で周りがシーンとなった。
    そして優太は私の手を取りその場を去った。原付の後ろ、私は震えていた。涙で化粧もボロボロになっていた。
    片手運転をしながら優太はしっかり私の手を握っていた。

    2007-10-02 01:46:00
  • 36:

    まお◆ddeQWSvOq6

    優太の家‥心配そうにしているおばちゃんと優太。私は二時間ほどお風呂から出てこなかった。
    あの時の感覚を思い出して何度も何度も体を洗った。そしてなぜか吐いた。
    お風呂から出た私におばちゃんは何もいわずに[おかえり]と笑ってくれた。

    2007-10-02 01:50:00
  • 37:

    まお◆ddeQWSvOq6

    優太の部屋へ行くと優太は布団に横になっていた。 私は何も言わず少し離れた場所へ座りタバコに火をつけた。
    [薬やめろよ]優太はこっちを向いて強めの口調でそう言った。
    [やめろなんてそんな簡単ぢゃない。他に何があるん?うちに]私の声が震えた。

    2007-10-02 01:55:00
  • 38:

    まお◆ddeQWSvOq6

    濡れた髪の水滴が床にポタポタと落ちた。優太は泣いてる事に気付き私に近づき私の髪を拭いた。
    そして昨日のようにたわいもない話をした。だんだんと私は普通に戻り優太が話してくる事にうんうんと頷いたり、笑うようになった。
    それが優太なりの優しさだったのだと思う。

    2007-10-02 02:01:00
  • 39:

    まお◆ddeQWSvOq6

    その日から私は家で眠り二度と溜まり場に顔を出さなかった。優太もまた溜まり場に行こうとしなかった。
    優太には[親がいない。帰る場所がない]と嘘をついた。優太は私の期待通り何も言わずに受け入れてくれた。

    2007-10-02 14:57:00
  • 40:

    まお◆ddeQWSvOq6

    私は優太の家に一緒に住む事になった。優太はおばちゃんに事情をすべて話してくれた。またおばちゃんも優しく受け入れてくれた。
    私は現場の仕事をしている優太のために朝早く起きお弁当を作った。忙しいおばちゃんのために晩御飯を作った。

    2007-10-02 15:00:00
  • 41:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [俺‥お前の事‥]いつもの様に隣同士で寝ている布団。住みはじめて一週間がたった頃だった。優太がそっと口を開いた。
    私は何も言わずに優太にキスをした。生涯初めて自分からしたキスだった。優太の体は温かくそして優しかった。
    私はその日から優太の彼女になった。

    2007-10-02 15:03:00
  • 42:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [ただいま][おかえり]私は本当に幸せだった。幸せすぎて怖くなるぐらいに‥

    2007-10-02 15:07:00
  • 43:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [杏奈!]買い物帰りに私に声をかけたのはあの溜まり場で仲良くなった岬だった。
    [元気してたん?]岬は私の顔を覗いた。私は少し戸惑いながら[うん]と頷いた。
    スーパーの下のマクドナルドで岬に亮の事も優太の事もすべてあった事を話した。

    2007-10-02 15:10:00
  • 44:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [そうなんやーじゃあ薬もそれっきり?][う、うん][へぇ〜愛の力ってやつか!]岬は少し笑いポテトを口に入れた。
    [まあね。あっそろそろ帰る!]私はスーパーの袋とカバンを持った。
    [主婦やもんな]岬は残りのポテトを口いっぱいに詰めトレーを持って立ち上がった。

    2007-10-02 15:14:00
  • 45:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [たまには顔出しなよ?亮とかも最近見かけないしさ][うん。ありがと]自転車にまたがり岬に手をふった。
    家に帰るとすでに優太は帰ってきた。ボロボロの作業着が脱ぎ捨ててある。
    [お?一緒に入るか?(笑)]お風呂のドアを開けると優太がこっちを見て笑った。

    2007-10-02 15:17:00
  • 46:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [変態〜!!]私は少し笑いドアを閉めた。しばらくすると優太のおばちゃんも帰ってきて晩御飯の時間になる。
    優太もおばちゃんも今日仕事場であった事などをそれぞれ愚痴っぽく話をした。
    私はそれを聞くのがなぜか好きだった。

    2007-10-02 15:19:00
  • 47:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [お前は汚い]私は飛び起きた。夢の中で誰かがそう言った。優太が心配そうにこっちを見ていた。汗と涙が止まらなかった。
    私はその日から毎日毎日同じ夢をみた。[お前は汚い]誰かが私にそう言った。
    その言葉と声は紛れもなく父親の声だった。

    2007-10-02 15:25:00
  • 48:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [やめて!!]思わず優太をつきたおした。優太が抱き締めようとしてくれた時だった。
    [えっ‥]優太は悲しそうな顔をしている。
    [うちは‥汚い‥]私は泣きながらそう言った。

    2007-10-02 15:34:00
  • 49:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [汚い‥?]優太はそう聞いた。私はそれ以上何も言わなかった。
    [ごめん‥今日は家に帰るよ‥]私はカバンに適当な荷物を詰めた。
    [家って‥?]ボソっと優太がそう言ったのを確かに聞いたが私はそのまま走って優太の家を出た。
    もちろん行く所のない私。優太の家からとりあえず離れたかった。

    2007-10-02 17:44:00
  • 50:

    まお◆ddeQWSvOq6

    私が持っていたプリケーには優太とおばちゃんからの数えきれない着信が残っていたが‥私は一回も出る事なく電源をOFFにした。

    [汚い‥]その言葉が何回も何回も繰り返し聞こえてきた

    2007-10-02 17:46:00
  • 51:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [何があったの?]心配そうに岬がミルクティーを差し出した。
    あの後行く場所もない友達もいない私は唯一携帯に入っていたメモリー[岬]に電話した。
    岬はすぐにかけつけてくれた。

    2007-10-02 17:49:00
  • 52:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [何もないよ。ただ別れただけ]私は岬からもらったミルクティーを一気に飲み干した。
    [別れたって‥これからどうするの?家どこやっけ?送るわ!][ううん、親いてないし、帰ってもな‥]
    [そっかぁ‥]岬は困った顔をした。

    2007-10-02 17:51:00
  • 53:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [岬いまからラウンジの仕事なんやけど‥よかったら来る?終わったら岬ん家来たらいいし][ラウンジって?][うーんスナックみたいな所かな?]
    行く場所があるならどこでもよかった‥迷わず私は岬のラウンジに行く事にした。
    店は少し繁華街の外れのビルの三階にあった。

    2007-10-03 01:13:00
  • 54:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [おはようございま〜す]元気よく岬がドアを開いた。ドアには[momo]と書いてあった。多分店の名前だろう。
    [あっママ今日電話私の友達なんですけど]岬がこっちを見た。私はママと言う人に頭を下げた。
    [あっはいはい、ぢゃあこっちに座って]ママはたばこを消してテーブルに座った。

    2007-10-03 01:21:00
  • 55:

    まお◆ddeQWSvOq6

    ママは接客の仕方や、営業の仕方を適当に教えてくれた。[岬ちやんとおなじ年よね?][あっはい]
    [ぢゃぁ今からはl8才って事にしてね?店の女の子にもゆっちゃだめよ?]ママは岬と私が未成年だって事を知っていた。

    [わかりました]

    2007-10-03 01:26:00
  • 56:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [名前変える?]ママが立ち上がってそう言った。[できれば変えたいんですけど‥何も浮かばないです]私は少し困った顔をして言った。
    [そう‥ぢゃぁ‥メイ!メイにしよう!今日私トトロ見てきたのよ。かわいいぢゃない?メイって]少し大きな声そして少しママが微笑んだ。
    私はママが言われるままに[メイ]として働く事になった。

    2007-10-03 01:30:00
  • 57:

    まお◆ddeQWSvOq6

    私はその日接客をさせてもらえなかった。岬や他の女の子が接客しているのを見て勉強したり、お酒の種類や、タバコの火の付け方、料金、バックの事などを一からすべて教えてもらった。

    2007-10-03 01:33:00
  • 58:

    まお◆ddeQWSvOq6

    [お疲れさまです〜]フラフラな岬をタクシーに押し込み隣に座った。
    岬はこの年で独り暮らしをしていた。ママが借りてくれたらしい部屋はとても生活感がなく派手な岬から対象に綺麗に片付けられていた。
    優太と普通に暮らしていた私には夜中の2時や3時でもかなりきつかった。部屋につくと着替える事もしないまま眠りについた。

    2007-10-03 01:37:00
  • 59:

    まお◆ddeQWSvOq6

    朝起きると岬はまだ眠っていた。私はなぜかあんなに悩まされていた夢を見なかった。
    [優太‥ちゃんと起きれたかな‥]その内ちゃんと連絡しよう。その内帰ろう。
    電源を入れそうになった手が止まりそのままカバンに直した。

    2007-10-03 01:42:00
  • 60:

    まお◆ddeQWSvOq6

    私は次の日もその次の日も仕事に出た。岬が休みの日でもオープンからラストまで死ぬほど働いた。
    しだいに飲めなかったお酒が飲めるようになった。お客さんへの接し方がわかるようになった。新しいドレスが嬉しくて仕方なかった。
    なぜか私は必死だった。

    2007-10-03 01:47:00
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