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Doll

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  • 1:

    一冊の黒い本。
    表紙には、金色の文字で、【黒魔術】としか書かれていない。僕は、逸る気持ちを抑え、一ページ、一ページゆっくりと捲る。そして、何十ページ目かに差しかかった時、僕の手はそこで止まった。
    【死者を生き返らせる方法。】

    2007-10-17 03:56:00
  • 2:

    一昨日、僕の最愛の女性は死んだ。青信号で、道路を渡ろうとした、彼女の所に、信号を無視した車が突っ込んできた。彼女は、打ち所が悪く、即死だったと、彼女の母は、僕に言った。その日は、付き合って二年目の、記念日だった。僕は、彼女が好きだった、薔薇の花を買い、彼女と良く飲んでいたワインを用意して、彼女が来るのを待っていた。

    2007-10-17 04:04:00
  • 3:

    霊安室の冷たい空気が、彼女が、この世を去った事を、現実なのだと僕に、実感させる。酷い事故だったと、だから、彼女を見ない方がいぃと、彼女の母親は、泣きながら僕に言った。その言葉を無視し、僕は、彼女の顔に、かかっていた白い布を捲った。その瞬間、僕はその場に、崩れた。

    2007-10-17 04:12:00
  • 4:

    僕は泣いて、泣いて、なき叫んだ。そぅしなければ、僕は言いよぅのない気持ちに、押し潰されそぅだった。

    そして―――僕は、神様を憎んだ。

    2007-10-17 04:22:00
  • 5:

    名無しさん

    2007-10-17 04:31:00
  • 6:

    「これは、これは、どぅやら驚かせてしまって、申し訳ない。」
    僕の驚きに気付いたのか、老人は少し困ったよぅな顔で僕に言った。
    「フラフラと、このビルに入っていくのが見えたものだから、つい気になってしまってね。」
    老人の、少ししゃがれた声は、何故か僕を、安心させた。

    2007-10-17 04:34:00
  • 7:

    「君は、とても悲しい眼をしているね。」
    突然の老人の言葉に、僕の眼からは、先程、流しかった涙がまた溢れ出す。そんな僕に、老人は、ただ優しく話し続ける。
    「私に聞かせては貰えないだろうか?君が、そんな眼をしている訳を。」
    僕は、この得たいの知れない老人に、彼女が亡くなった事、そして、彼女が居ない世界に、生きていても、無意味な事を話した。その間、老人はただ、頷くだけだった。

    2007-10-17 04:43:00
  • 8:

    話し終わると、何故たが先程までの、絶望が少しだけ和らいでいた。
    「死ぬ事で、君の気持ちが楽になるのなら、私は止めない。だが、君が生きると言うのであれば、私が君の絶望を、救ってあげよう」老人は、そぅ言ってマントの中から、一冊の本を取り出した。
    「この本の中に、きっと君の絶望を取り除き、君を救ってくれる事が、書いているよ。」
    僕は、老人の言った言葉の意味を、理解出来ないまま、その本を受け取った。

    2007-10-17 04:49:00
  • 9:

    「さぁ、決めるのは、君次第だ。」
    老人が、そぅ言い終わるや否や、強い風が吹き、僕は眼をつむった。そして、ゆっくりと眼を開けると、目の前にいた老人の姿はなくなり、僕の手には、さっきの本が残っていた。

    2007-10-17 04:51:00
  • 10:

    【死者を生き返らせる方法】
    僕は、そのページを、くいいるよぅに見て、ふと自分のバカさ加減に気付いた。こんな事、バカげている。死者を生き返らせるだって、そんな事、出来る訳がない。あの老人め、よくも僕をからかったな。本を床に置き、僕は煙草に火を点ける。ゆっくりと登る煙を、目で追い、そしてさっきの本を見る。

    2007-10-17 04:58:00
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