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  • 1:

    ユリ

    あぁ
    なんてあたたかい。
    赤朱アカ紅赤朱紅赤アカ朱紅。
    あたり一面の赤。あんたの体から噴き出したものだもの。この液体で溺れ死にたいくらい。 大丈夫。あたしなら世界中の誰よりもあんたのコト・大切にできるもの。 もぉ離さないからね。

    2007-10-21 02:53:00
  • 2:

    ユリ

    趣味も一緒。考え方も一緒。好きな雑誌に服装に音楽に。
    でもお互いに対する気持ちは違ったんじゃない?だからこうなっちゃったのよね?
    あんたにとってはあたしはただの重い女。
    でもあたし・重いとか言われて逃げられるの耐えられないから大分軽く振る舞ってきたのよ。

    2007-10-21 02:59:00
  • 3:

    名無しさん

    気になる!

    2007-10-21 05:01:00
  • 4:

    ユリ

    >>3サンありがとぉ??
    嬉しいデス。

    2007-10-21 14:59:00
  • 5:

    ユリ

    最初はただの友達の紹介。
    夜に浸かって身体を壊したあたしは療養ついでに実家に帰ってきた。
    懐かしいコンビニ―。。。  よくここでたむろしてたっけ(笑)
    友達との待ち合わせに使っていたコンビニに雑誌でも読もうかと入ると声を掛けられ振り向いた。

    2007-10-21 15:04:00
  • 6:

    ユリ

    『普通に元気だし!!』

    その後他愛もない世間話に花を咲かせる。
    『せっかくあったんやもん!!今度遊ぼぉや!!』 『えと。。。』     『えぇやろ?!』    押しに負けてしまいメアドを交換する。

    2007-10-21 17:24:00
  • 7:

    ユリ

    まぁどぉせ口約束みたいなもんだろ―。。。
    マナミに別れを告げて歩き出した。結局コンビニなは入らなかった。
    家に着き携帯を開くとメールが来ていた。

    2007-10-21 17:26:00
  • 8:

    ユリ

    『マナミやけど???めぇ−ちゃ久しぶりやん!!中学以来だよね?!早速登録しといてなぁ???』

    『わかった?ありがとうね。』

    基本メールは苦手。用件も電話でさっさと伝えるタイプ。無駄な世間話っていうのかなんていうのか。。。そぉいうのができないのだ。

    2007-10-21 19:59:00
  • 9:

    マナミに返事をした後ソファに座りタバコに火をつける。
    ふぅ。

    改めて久しぶりに帰ってきた我が家を見る。
    ―なかなかと言うか4人住みにしちゃぁ広いほぉだな。。。―" " "07/10/21 20:02

    2007-10-21 20:02:00
  • 10:

    ユリ

    いくつか区切られた空間。リビングしか電気はついていない。
    ちょっと奥に目をやれば真っ暗な空間。吸い込まれそう。

    ―今日も多分あたし一人だろぉな。

    2007-10-21 20:04:00
  • 11:

    ユリ

    両親は離婚した。
    父親はどこかへいなくなった。金銭的な問題はみてくれているらしい。
    母親は働いているけどたまに帰ってきてはヒステリーを起こす。
    弟はそんな両親に愛想をつかしたのか女の家を転々としたまに帰ってくるくらい。

    2007-10-21 20:08:00
  • 12:

    ユリ

    母は不器用な人。
    父のことを愛しているのに父を傷つけるコトしかできない人だった。
    ガラスが割れる。床がへこむ。家具が壊れる。
    そんな喧嘩も母にとっては父への『かまって。』と言うサインだった。    口では父を罵るがあたしの目からはわざと怒らせるようなコトをして気をひこうとするさながら問題児のように見えた。

    2007-10-21 20:13:00
  • 13:

    ユリ

    父だって馬鹿じゃない。そんな母の気持ちには気付いていた筈。
    だけどだんだんエスカレートしていく母の振る舞いにとうとう父は我慢できなくなった。そしてこの家からいなくなる。

    2007-10-21 20:16:00
  • 14:

    ユリ

    車に乗り込む父を追いかけて
    ―お母さんだって本気であんなコト言ったんじゃないよ。わかってあげてよ。
    伝えてみたが父の返事は、我慢の限界・もぅ距離を置きたい。      最後に思い出したようにこっちを振り向きあたしに伝えた。
    『母さん、悲しませるなよ。』

    2007-10-21 20:19:00
  • 15:

    ユリ

    ―お前が言うなよ。

    呆然とした心の中でそぅ呟いた。駐車場から車が発車してから釈然としない気持ちで家に入った。
    悲しませるなと告げた時の父の目には悲しみや寂しさ、頼むぞ、という気持ちではなくただ同情しかなかったからだ。

    2007-10-21 20:23:00
  • 16:

    ユリ

    玄関に入ると弟とすれ違った。
    『もぉ俺ムリ。』
    吐き捨てるよぅに言った後ドアを開け出て行った。

               上がってみると母は泣きながら笑っていた。

    2007-10-21 20:26:00
  • 17:

    ユリ

    『あのコがね〜あたしのコト気持ち悪いってゆぅのよ〜。あたしどんだけあんた達に尽くしてきたと思う〜?その仕打ちがこれなの?ねぇ?ねぇってば!!』


    あぁ、母も父も壊れてる。          棚の上に飾ってあった家族でとった写真立てはすべて割れていた。

    2007-10-21 20:30:00
  • 18:

    ユリ

    母が自分のやりたいコトを我慢して家族に尽くしてきてくれたコトは知っている。
    幼い頃から大分殴られたりと暴力を振るわれてきたがその分母を傷つけてしまったのだから仕方がないと理解している。

    『本当に親子なのかわからないよね?』    クラスメイトが言う。同情に満ちた目でみつめながら。           やめてくれ。吐き気がする。あたしの家族の何を知っているっていうの?

    2007-10-21 20:35:00
  • 19:

    ユリ

    生活の中心は自然と母になっていく。
    母の機嫌をとるように。母の機嫌を損ねないように。
    付き合ってきた男からは『歪んだ愛情』と見下された。
    友達からは『母親に頭があがらない女』と馬鹿にされた。

    2007-10-21 22:13:00
  • 20:

    最初の内は母に殴られるのが怖かった。あの人は何をしでかすかわからない人だったから。
    でもだんだん今度はあたしのほぉが自ら母に依存していっている気がした。
                                          
    ―本当は逃げ出したいくせに―" " "07/10/21 22:17

    2007-10-21 22:17:00
  • 21:

    ユリ

    母はヒステリーを起こした後決まってあたしを罵る。そしていなくならないでとすがってくる。
    ―あんたなんかいなきゃいいのに!!      ―娘じゃなかったら縁を切ってやりたい!!   ―出ていけ!!     ―あんたみたいなブスでも風俗いけば買ってくれるおっさんはいるんじゃないの?

    今でこそ慣れてしまったが最初の内はさすがに傷付いた。中でも『いらない。』というコトバが胸に突き刺さった。

    2007-10-21 22:24:00
  • 22:

    ユリ

    みんなが口を揃えて言う。
    『ユリちゃんは母親想いなんだね。』
    誰も理解しちゃいない。母親想いと見せかけて本当はあたしはただ逃げ遅れただけなんだ。
                               この家と母親から。        まるで檻のような。

    2007-10-21 22:36:00
  • 23:

    ユリ

    母も快く承諾してくれあたしは家を出た。
    これで少しはお互い依存しない人目から見ても普通の家族になれるカナ・と淡い期待を持って。
    ただ『距離を置きたい』と出て行った父の姿と自分の姿が重なった。

    2007-10-21 22:42:00
  • 24:

    ユリ

    始めの内は問題なかった。だがだんだん母からの連絡が頻繁になりとうとうまた母はヒステリーを起こし始めた。
    『何で電話出れんの?!』『はよ出ろや』    『誰のおかげでここまで生きてこられた思ってん?!』
                   『裏切り者。』

    2007-10-21 22:47:00
  • 25:

    母からの鬼電に鬼メール。
    電話に出れば罵倒される。
    あたし何の為に出て来たんだろ。。。そう思った時はっとした。
               ―あたしはただあの檻から逃げたかっただけなんだ―" " "07/10/21 22:51

    2007-10-21 22:51:00
  • 26:

    母の歪んだ愛情。束縛。
    心の中では憎みながらも結局はそれを許し受け入れる自分。
    もともと夜は向いていなかったのか心労も手伝い体を壊してしまい実家に帰る事にした。
               一年前と同じ要領で荷造りしながら思う。                         結局逃ゲラレナカッタ―" " "07/10/21 22:55

    2007-10-21 22:55:00
  • 27:

    ユリ

    実家に戻ると母は何もなかったように『おかえり。』とだけ言った。
    自分が必要としている時だけ檻に閉じ込める母は普段はあたしを必要としない。
    そんな理不尽にももぉ慣れている。
    『ただいま』とだけあたしも応えた。

    2007-10-21 22:58:00
  • 28:

    名無しさん

    …―                             ―…

    2007-10-21 23:01:00
  • 29:

    ユリ

    携帯の着信音がけたたましく鳴りビクっとする。
    時間は深夜二時。この家には相変わらずあたし一人。新着メールが一件。
    マナミからだった。

    2007-10-21 23:04:00
  • 30:

    ユリ

    『あんなぁ〜今週の土曜日暇ぁ?????遊ぼ〜やぁ?』
    ―口約束じゃなかったんだな。        『いいよ。何して遊ぶ?』
    『てかユリって??冷たない?!もっと若々しい??でいこやぁ?』    ―こぉいうのがあるからメール苦手なんだよ。              あぁ。そぉいえばあんたもメール苦手だって言ってたね。用件だけ伝えればいいんだから電話のが楽だって。       やっぱりあたし達似た者同士だったんだよね。それだけは認めてくれるでしょ?

    2007-10-21 23:10:00
  • 31:

    ユリ

    『ごめんね??じゃぁ待ち合わせはどこがいい?時間は?』
               『それがなぁ〜女二人とかめた寂しいやんっ?????だからうちの男友達二人と二対二で遊ぼぉや???この前のコンビニに16時に迎え行くからね?』

    計算したのかしてないのか。一度話に乗った以上断ることもできない。            『いいよ。』     と返信した。

    2007-10-21 23:16:00
  • 32:

    ユリ

    あの土曜日の16時。
    あたしとあんたは出会ったんだよ。
    あんたはどぉせ覚えてないだろぉけど。確かめることもできないんだけどね。
    尋ねたところであんたのその冷たい青ざめた唇は開くことはないもの。 ねぇ?そっと口付けさせて?                               ―あたしの永遠に愛しい人。

    2007-10-21 23:22:00
  • 33:

    ユリ

    普通に化粧し一応お気に入りの服を着る。髪は。。。まぁいいや。ストレートで。
    朝起きてから用意をする。何だか強引に誘われたよぉなもんだが約束した以上時間には間に合いたい。

    2007-10-22 04:17:00
  • 34:

    ユリ

    『出掛けんの?』
    振り向くと弟が立っていた。こっちに帰ってきてから初めて見る弟は相変わらず母に似た綺麗な顔をしていた。
    『何しにきたの?』  『何しにって(笑)ひどいなぁ。服とりきただけ。』
    ヘラヘラっと笑う弟に苛立ちを覚える。どうせまたしばらく帰って来ないんだからとあたしは弟を叱った。いつまでそんな生活を続けるつもりなのかと。

    2007-10-22 04:23:00
  • 35:

    ユリ

    一気にまくしたてあたしゎ喚き散らした。なぜか弟が憎かった。ある程度怒鳴った後に息継ぎをした。ただじっとだまってあたしを見ていた弟はその時に冷めた目でこぉ告げた。


    『お前あの女ソックリ。』

    2007-10-22 09:06:00
  • 36:

    ユリ

    弟はそのまま出て行った。
    呆然と立ち尽くす。あたしがお母さんと一緒。。。?まさか。
    あたしは今まで近くで母を見てきてこぉはなるまい。いやあたしはこんな風にはならないだろう。と心のどこかで思ってきたのに。。。
    でも否定は出来ない。むしろ認めざるを得ない。

    2007-10-22 09:09:00
  • 37:

    ユリ

    叱るという名目で弟をひどく罵った時、どぉにかして傷つけてやりたいと心の底から思った反面『一人にしないで。このままここにいてくれ。』と正反対の感情を持っていたからだ。
    檻の中にこれ以上一人でいるのは耐えられそうにない。一人自由な弟に対し抱く感情は嫉妬にも似た羨望。

    2007-10-22 09:14:00
  • 38:

    ユリ

    『あたし逃げたい―…。』
    そぅ呟いてみる。そしてそれは不可能だと知る。いや、本当は可能なのにあたしがやらないだけ。母のせいにしてあたしは目の前の檻の戸が開いているのに逆に隅っこで震えているよぅなもの。

    2007-10-22 09:17:00
  • 39:

    ユリ

    …―ねぇ知ってる?
               動物園の檻の中で飼われた動物はもぅあの広大な自然には戻れないんだよ。             
    例え檻が壊れていても。

    2007-10-22 09:20:00
  • 40:

    ユリ

    …遊び行きたくないなぁ―…

    こんなグチャグチャな気持ちのまま誰かと会いたくない。加えてマナミの相手だけならともかく見ず知らずの男02人の相手もしなきゃなんて。
    断りたいがもう時計は15時。諦めて家を出た。

    2007-10-22 09:23:00
  • 41:

    ユリ

    正直あの時の出会いは今となってはあまり詳しく思い出せなくなっちゃったよ。

    なんでかな?昨日まではとても鮮明に覚えていたんだよ。
                                            …―あんたの血と一緒に記憶まで流れてっちゃったのかな。          だったらあたしそれってすごく悲しい。

    2007-10-22 10:18:00
  • 42:

    ユリ

    待ち合わせ場所のコンビニに着く。時計は15時50分。マナミは―。。。まだ来ていないな。
    立ち読みでもしながら待つか。そぉ思っていたらクラクションを後ろから鳴らされた。
    『ユ−リッッ!!』

    2007-10-22 10:38:00
  • 43:

    ユリ

    『はよ乗って乗って!!』
    急かされるまま助手席にマナミが乗った見知らぬ車に乗り越む。
    『ユリさすがやな−♪紹介すんなぁ♪カズキにタイヘイやねん♪♪♪』
    よくよくマナミの友達だという男二人を見てみる。ギャル男というかお兄系というのか。。。とりあえず苦手なタイプと判断。

    2007-10-22 10:48:00
  • 44:

    隣のタイヘイと言う男を見る。目があった。
    『よろしくなぁ♪カズキうるさすぎ?』
    お兄系な感じのタイヘイ君はまぁカズキほど騒がしくはない印象を受けた。  ―タイヘイ。。。
    確かに変わった名前だな。。。―" " "07/10/22 11:04

    2007-10-22 11:04:00
  • 45:

    ユリ

    『じゃぁ早速どっか行こか〜!!なんか提案ある人ぉ−?!!』
    カズキが車を発進させる。
    マナミがワイワイ騒ぎ出す。マナミの視線はずっとカズキに夢中だ。
    あ〜。。。なるほどね。マナミはカズキが目当てなわけだ。

    2007-10-22 11:10:00
  • 46:

    ユリ

    特に提案もなくカラオケに行くことになった。まぁお決まりのパターン。
    車の中ではほとんどカズキとマナミが喋りまくりそこにタイヘイがノリよく乗っかる感じ。あたしは終始愛想笑い。
    感じ悪いだろぉな。。。思っていてもどぉこのテンションについていけばいいのかわからない。

    2007-10-22 11:13:00
  • 47:

    ユリ

    話の流れから大分掴めてきた。
    1ヶ月程前に一人で帰っているマナミをカズキとタイヘイがナンパしたらしい。
    多分マナミはカズキのことがすごくタイプなんだろう。ただカズキは根っからの遊び人って感じでそこまでマナミに執着してない印象。タイヘイはみんなで騒ぐのが好きって感じだけどカズキに付き合ってるって雰囲気。

    2007-10-22 11:20:00
  • 48:

    ユリ

    カラオケの駐車場に車を止めて降りた。
    『あたしいっちばんノリ−!!♪』
    マナミは駆け足でカラオケの入り口に向かう。続いてカズキが『マナミ待てやぁ♪』と続く。
    予め決められてたようにあたしとタイヘイが並ぶ。
    あ−。。。気まずい。何話したらいいんだろ。

    2007-10-22 11:24:00
  • 49:

    ユリ

    『えっと。。。『ごめんなぁ。ユリちゃんマナミちゃんに無理やり誘われたんじゃない?』
    いきなりのタイヘイの気遣いにちょっと戸惑った後やっばりあたしの態度悪かったんだと申し訳なくなった。
    『ごめんね。感じ悪かったんかなぁ。あたしただ初対面の人と騒いだりするん苦手なんだ。』
    『そっか。無理したらだめだよ。まぁ今日はせっかく会えたわけやし楽しもぉな。』

    2007-10-22 11:28:00
  • 50:

    ユリ

    タイヘイの意外な気遣いに変に焦りつつもあたしの中でタイヘイの好感度はあがった。
    カラオケに入るとマナミが『ちょっと!!ユリにタイヘイ遅い!!ひょっとしてタイヘイってばユリのこと気に入った?!!』と絡んできた。
    『マナミちゃんできあがってんなぁ(笑)ほらっ部屋行こっ。』タイヘイがマナミを押すように前に進める。

    2007-10-22 11:35:00
  • 51:

    ユリ

    部屋に入っても騒いだり歌ったらする中心はカズキにマナミ。
    あたしはタンバリンやマラカス係に徹する。カラオケは嫌いじゃないが基本あたしが好きな曲やら歌手はあまり有名じゃなかったり一般受けしないのでこぉいう盛り上げ命みたいな空間ではとてもじゃないが歌えない。

    2007-10-22 11:38:00
  • 52:

    名無しさん

    ×歌ったら
    ○歌ったり

    2007-10-22 11:41:00
  • 53:

    ユリ

    『ユリちゃん歌ってやぁ♪』
    カズキがあたしにマイクを向ける。
    『いや。。。あたし音痴だからさ(笑)タイヘイくんに歌わせたら?』とタイヘイにマイクの方向を変える。
    『だ−めだめっ。こいつの好きな曲ってよぉわかんねぇんだよっ。なんか一般ピーポーは知らないよぉなバンドばっか?マニア受けなんだよなぁ(笑)』

    2007-10-22 11:46:00
  • 54:

    ユリ

    『うるせぇよ(笑)俺の感性は一般人とは違うんだよ。』
    タイヘイははにかみながら答える。
    『俺トイレ行ってくるわ。』           タイヘイが席を立つ。
    『あ・あたしも。』
    さっきから飲み物ばっかり飲んでたあたしもトイレに行きたくなっていた。

    2007-10-22 11:50:00
  • 55:

    ユリ

    トイレに行きながら会話する。『タイヘイってほんと変わった名前だね。』『そぉだろな〜。天下太平の太平なんだよ。』『いいね。あたしなんかありふれた名前だからさ。』『でも名字はまじ普通なんだよ。田中ってぇの。』『なんだそれ(笑)』
    それなりにはずむ会話。

    2007-10-22 13:54:00
  • 56:

    ユリ

    『そぉいえば音楽何聞くの?』
    気になって聞いてみる。
    『言っても多分わからねぇよ(笑)○○○てグループに△△△。□□□はメジャー化してるから名前くらいは聞いたことあるんじゃないのかな。』

    『…あたし全部聞くよソレ。』

    2007-10-22 13:59:00
  • 57:

    ユリ

    『マジで?!嘘!!俺○○○知ってる人初めてみたんだけど!!』
    『○○○だっら1stアルバムから持ってるよ。あれだったらあたしは4曲めが好きだな。』

    2007-10-22 14:03:00
  • 58:

    名無しさん

    それからは二人とも当初の目的のトイレに行くコトも忘れ話に熱中していた。
    あの曲はいまいちだったとかあの曲は良かったとかそんな他愛もない話だけど。

    しばらくしてやっぱりトイレに行きたくなり二人ともトイレに行った。
    トイレから出るとタイヘイが待っててくれて二人で部屋に戻ることになった。

    2007-10-22 14:08:00
  • 59:

    ユリ

    タイヘイがドアを開けようと部屋の前に立つ。
    タイヘイのドアノブを回そうとする行動は一瞬止まりドアノブから手を離した。

                          
    『ごめん。ゆりチャン。ちょっと外の空気でも吸いいかない?』

    2007-10-22 14:12:00
  • 60:

    ユリ

    …―なるほどね。

    マナミは好きな男が出来たら簡単に寝る軽い女と中学の頃から有名ではあった。要するに部屋の中はお取り込み中なのだろう。

    『いいよ。』と返事を返す。

    2007-10-22 14:16:00
  • 61:

    ユリ

    少し肌寒くなってきた季節の夜―空の上には星が綺麗に輝いていた。藍色の布に綺麗に刺繍が施されているような。。。
                          
    『空とか眺めんの久しぶりだわ。』

    タイヘイがそぉ呟いた。

    2007-10-24 13:06:00
  • 62:

    ユリ

    『見てみ?綺麗だから。』          タイヘイが指を上に指す。

    『もぉ見てたよ。』
    『あ、ほんとに?』
    なんだか困ったように焦ったタイヘイを見て可愛く思えた。知らず知らずと互いに同じ動作をしていたコトにも愛しさを感じる。

    2007-10-24 13:14:00
  • 63:

    ユリ

    そこから色んな話を二人座ってしていた。話せば話すほど互いの趣向が似ているコトに気づく。好きなドラマに好きな漫画に好きな音楽―…考え方。
    『ここまで気が合う人初めてだし!!これって運命じゃねぇの?!』
    『え〜やだよ。あたしもっと素敵な人と運命の出会いしたいもん(笑)』
    『ひど!!』
    渇いた笑い声が外に響く。二人だけの空間。

    2007-10-24 13:20:00
  • 64:

    ユリ

    …―あんたがあの時言った『運命』という言葉。
    本当にこれが運命だったのかしら?今でもあんたはあたしたちの出会いは運命だったと言える?

    グチャグチャに壊れてしまったあんたとグチャグチャに壊してしまったあたし。
    ねぇ愛しかったの。誰よりも愛しかったの。
    声が枯れてもいいからあんたにそう伝えたかったのよ。                     …―でも本当は…

    2007-10-24 13:27:00
  • 65:

    ユリ

    (略)
    声が枯れてもいいからそう伝えたかったの。

          …―でも本当は…

    2007-10-24 13:30:00
  • 66:

    名無しさん

    あげます?

    2007-10-25 16:20:00
  • 67:

    ユリ

    69サンありがとう。
    励まされます。

    2007-10-26 10:42:00
  • 68:

    ユリ

    携帯の着信音が鳴る。
    ついさっきまで話していた二人が好きだと言った音楽。
    『本当に好きなんだね。』
    タイヘイが今更のように言うがあたしは無言で離れ急いで電話に出た。
            …―母親だった。

    2007-10-26 10:46:00
  • 69:

    ユリ

    『どこにいるのよ?』
    …―大分不機嫌だ。
    『友達とカラオケだよ。』
    『そぅ。帰ってきて。』
    こっちの返事も聞かずに電話を切られた。いつものことだ。どうせまた父親に連絡を無視されたとかそんなとこだろう。

    2007-10-26 10:49:00
  • 70:

    ユリ

    タイヘイの所に戻る。
    『ごめん。あたし帰らなきゃ。』
    『ん?あぁいいよ。俺も帰ろっかな−。どぉせカズキまだ出てこねぇだろぉし。』
    タイヘイが煙草の煙をくゆらす。         『てか彼氏?』

    2007-10-26 10:52:00
  • 71:

    ユリ

    …だったらまだマシだろぉけどね―…

    『違うよ。友達なんだ。』

    この歳にもなって母親の一声ですぐに帰る女なんてださいよね。知られたくないな。と思っての軽い嘘というかごまかし。

    2007-10-26 10:55:00
  • 72:

    ユリ

    『そぉなんや!!彼氏はいるん?』
    そぉいう質問少しだるい。
    『いないよ。』
    『ふ〜ん…。じゃあメアド聞いてい?』

    2007-10-26 10:57:00
  • 73:

    ユリ

    『ぇ…ぁ。うん。』
    突然の申し出にドギマギしてしまった。
    『え〜もしかして嫌だったりする?』
    『まさか。そんなことないよ。』       嫌な筈ない。あたしだってタイヘイの連絡先を知りたかったからだ。

    2007-10-26 11:01:00
  • 74:

    ユリ

    少しだけ温かい気持ちで家路を急ぐ。マナミは好きにすればいい。ただタイヘイを一人にしてしまったのは申し訳なかった。
    タクシーを降りドァに鍵をさす。靴を脱いで上がろぉとした瞬間怒声を飛ばされた。

    『何してたのよ!!!』

    2007-10-28 11:17:00
  • 75:

    ユリ

    『友達とカラオケ行ってたんだ。』
    『その割にはメールも返信してけないし随分楽しかったみたいねぇ。』

    母から何着もこれメールが来ていたのに気付いた5ゎ電話に出た後。カラオケの音量で気付けなかったのが本音。

    2007-10-28 18:27:00
  • 76:

    ユリ;書きなおします。

    『だから友達とカラオケ行ってたんだって。』
    『その割にはメールも返信してこないし随分楽しかったみたいねぇ。』

    母から何着もメールが来ていたのに気付いたのは電話に出た後。カラオケの音量で気付けなかったのが本音。

    2007-10-28 18:31:00
  • 77:

    ユリ

    『誰もあたしと連絡とりたくないんでしょう。だから全部無視するんでしょ。』
    ブツブツ文句を言い出す母。被害妄想だよと言いたかったが心の底からの肯定はできず黙って自分の部屋に上がった。
    タイヘイといたほんの少しだけ温かい余韻はもぉなくなっていた。
    檻の中は相変わらず冷たい。

    2007-10-28 18:37:00
  • 78:

    ユリ

    母は全部自分の檻にしまい込んでしまいたいのだろうか。あたしはちゃんと戻ってきたのに。あたしじゃ足りないんだろうか。

    携帯に目をやる。新着メール一件。タイヘイからだった。今日のお礼に謝りに無事に帰れたかと言う気遣い。
    さっきまでのあたしなら喜んだであろうメールも今は疎ましい。明日でいいやとそのまま無視してお風呂に入った。

    2007-10-28 18:41:00
  • 79:

    ユリ

    風呂からあがると電気は全て消されていた。母は朝早い。仕事はかなりでかる方。社会的な地位はしっかりしている。だから誰も母の本当の姿がわからない。
    檻にいれたら満足したのかまともに会話も交わさない母にある意味感心しながらあほらしくなって携帯の電源を落としそのまま眠りについた。

    2007-10-28 18:46:00
  • 80:

    名無しさん

    ×でかる
    ○できる

    2007-10-28 18:47:00
  • 81:

    ユリ

    起きると昼の12時半だった。携帯の電源をいれる。新着メール3件。マナミからだった。
    『ごめんね?帰っちゃったの?』『ねぇ怒ってんの?』『連絡ちょうだいよ』
    くだらない。。。全部に目を通した後携帯を閉めまた横になる。と同時に携帯がなりだした。

    2007-10-28 18:52:00
  • 82:

    ユリ

    画面をちゃんと見ずに通話ボタンを押した。
    『もしも…『やっと繋がったし!!ちゃんと帰れたん?!』
    タイヘイからだった。
    『ちゃんと帰れたよ。ごめんね。疲れてそのまま寝ちゃってたんだ。』『ならいいケド。マナミちゃんも心配してたから連絡してやって。』

    2007-10-29 11:08:00
  • 83:

    ユリ

    友達を誘っておいて男と寝るような女なんていらないな。とりあえず空返事をしておいた。タイヘイはその後また遊ばないかと誘ってくれた。今度は二人で。また誰か他人に会わないといけないのがめんどくさかったがオッケーをだした。

    2007-10-29 11:12:00
  • 84:

    ユリ

    下に降りると誰もいなかった。ただ天気はとても良くて窓ガラスから太陽の光が差し込んでくるのが気持ち良かった。
    あぁ生きてるなぁ。とか訳のわからないコトを考えながら日向ぼっこついでにタバコに火をつけた。

    2007-10-29 11:15:00
  • 85:

    ユリ

    電話が鳴った。マナミとディスプレイに映し出されるのを見てさっきまでの朗らかな気持ちもなくなる。
    この女は本当に自分のコトしか考えてないんだな。。。そう思ったがあたしが日向ぼっこをして気持ち良く過ごしてる最中なんてマナミが知るよしもないのだから本当に自分のコトしか考えてないのはあたしの方。
    通話ボタンを押し受話器を耳に当てた。
    『もしもし。』

    2007-10-29 11:19:00
  • 86:

    名無しさん

    読みやすい?引き込まれます?まってまーす???

    2007-10-29 20:34:00
  • 87:

    ユリ

    >>89サンありがとうございます。書き込みすごく嬉しいデス。

    2007-10-29 23:54:00
  • 88:

    ユリ

    『やっと連絡とれたぁ!!何してたん?!なんで帰っちゃったの?!』
    『なんでって。。。わざわざ言わないとわからないの?』
    『…ごめん。お酒入ってたしなんか雰囲気で…。』

    2007-10-29 23:57:00
  • 89:

    ユリ

    その後色々と言い訳やらなんやら聞かされたけど全て聞き流してある程度マナミも気が済んだだろう頃合いを見計らって電話を切った。
    人間関係ってこんなに疲れるものなんだな…。今更だけどそぉまた認識する。

    2007-10-30 00:01:00
  • 90:

    ユリ

    それからの一週間はほとんど家で何もない一週間だった。マナミからのメールはほとんど無視し母はあたしがいるコトに飽きたのか関わるコトもなくなっていった。多少抵抗されないと檻にいれた気もしないんだろぉな。と自分のコトを鼻で笑うしかなかった。

    2007-10-30 00:05:00
  • 91:

    ユリ

    風呂上がりに携帯を見る。タイヘイと画面上に表示されたのを見て少し嬉しくなった。はやる気持ちを抑えメールを開く。
    『明日暇?遊ばない?』
    単純かつ短い。冷たいともとれるがあたし的にはこういった無駄のないメールがちょうどいい。

    2007-10-30 00:10:00
  • 92:

    ユリ

    『暇。遊ぼうよ??』
    と送ってみる。マナミに冷たいと言われてから絵文字をメールに使うようにしてみたが今のあたしにはこれくらい。ハートとかは似合わなすぎて使えない。
    返した後にすぐタイヘイから電話が掛かってきた。

    2007-10-30 00:14:00
  • 93:

    ユリ

    『ごめん!いきなり電話して。明日の時間とか決めたくてさ。』
    『いいけど(笑)でもメールしてたんだからメールで良かっただろぉに。』
    『メールとかさぁなんかめんどくない?こぉいう風に電話でパパって済ましちゃう方が俺好きなんだ。』
    『へぇ〜…』

    2007-10-30 00:18:00
  • 94:

    ユリ

    その後明日の時間と場所を決めて電話を切る。なんだか顔がにやける。今のあたしは誰かに会いたくて檻を出たかった頃合いだったからタイヘイに誘ってもらえたのももちろん嬉しかったがタイヘイとの共通点がまた増えたコトがなぜか嬉しかった。

    2007-10-30 00:22:00
  • 95:

    名無しさん

    あげます?すみません(>

    2007-10-30 07:44:00
  • 96:

    ユリ

    >>98サン
    謝らないで下さい??
    上げてくれて嬉しいです。

    2007-10-30 15:57:00
  • 97:

    ユリ

    遠足が楽しみ過ぎて眠れない子供の気持ちがよくわかる。あたしはその日なかなか寝付けなくてそわそわしてた。朝が苦手なあたしは一応昼過ぎに待ち合わせたとはいえちゃんと起きれるかな、化粧うまくいくかなとか初めてのデートのような心配をしながらいつの間にか眠りについた。

    2007-10-30 16:00:00
  • 98:

    ユリ

    結局起きたのは朝の08時。早く起きすぎだろと自分に突っ込む。でも二度寝すると起きれなくなりそうだったからそのままベッドから出て顔を洗う。余裕があるから髪をセットしようかとも思ったが この前ストレートで行ってる分気合い入ってるみたいに思われるのもいやで化粧だけ済ませた。

    2007-10-30 16:03:00
  • 99:

    ユリ

    タイヘイがいるのを発見する。後ろから声を掛けると振り向いた彼を見てなんだか安心する。
    『すごいね。時間通りじゃん。久しぶり。』
    『久しぶりっていう程じゃないでしょ。あたし時間守らなそぉに見えた?』
    そんな会話で今日が始まる。

    2007-10-31 00:13:00
  • 100:

    ユリ

    『何しよっか−。誘ってて悪いけど俺何も考えてないんだよ(笑)ドライブでもする?』
    『何でもいいよ。付き合います(笑)』

    正直あたしは友達と遊ぶにしても何かしたいとか目的があって遊ぶんじゃない。ただ相手の顔が見たいし近況を知りたいし知ってもらいたいだけ。あたしのコトを覚えていてくれるならそれ以上に嬉しいコトはない。
    『いらない。』『忘れた。』が一番つらい。

    2007-10-31 00:18:00
  • 101:

    ユリ

    だからといって他人に依存するタイプでもない。寧ろ一人でいることを好む為昔から孤立したような存在だった。あまり深く人と関わるのを避けた。他人と関わった所でろくなコトなどないと思う。もちろん一人で生きていける程の力なんてあたしにはないから結局は他人と関わる。そんな自分にたまに自己嫌悪を感じ吐き気を催す。

    2007-10-31 00:22:00
  • 102:

    ユリ

    だからといって他人に依存するタイプでもない。寧ろ一人でいることを好む為昔から孤立したような存在だった。あまり深く人と関わるのを避けた。他人と関わった所でろくなコトなどないと思う。もちろん一人で生きていける程の力なんてあたしにはないから結局は他人と関わる。そんな自分にたまに自己嫌悪を感じ吐き気を催す。

    2007-10-31 00:22:00
  • 103:

    ユリ

    たまに第三者の目から自分を客観視しては情けなくなる。
    今のあたしは別の視点から見たらどう映るんだろう?

    タイヘイの車に乗り込む。流れる音楽は他の人なら絶対流さないようなあたしの好きな音楽。それだけでテンションが上がる。

    2007-10-31 00:25:00
  • 104:

    ユリ

    『ドライブでこの音楽流す人初めて見たから(笑)』
    『だろ−なぁ(笑)おれも一緒聞いてくれる人初めて見たわ。いつもは連れでさえ消せとか言うからさぁ。やんなっちゃうよ。』
               
    ただのドライブもあんたとのドライブは音楽も手伝って楽しかった。あたしはあの時確かに今が楽しいと感じるコトが出来ていた。同じ気持ちだったはずだよね?ねぇ違ったの?人の気持ちは確かに不確かで変化していくものだけどあの時あんたと同じコトを考えてたと確信しているあたしをあんたはそれは思い込みたいだけだと笑う?
    永遠なんてないと嘲笑うあんただけど今この時はあたしにとって永遠なのよ。             …だってあんた・もうそこから永遠に動けないじゃない。

    2007-10-31 01:15:00
  • 105:

    ユリ

    適当にドライブして観光巡りみたいなコトしてお互いのコト話して好きな漫画の話して音楽の話して。
    そんなコトしてたらもう日も暮れてた。時間が過ぎるのって早いな。時間大丈夫?と聞かれて大丈夫だよ。と答える。
    お腹すかない?ってコトで適当に店を見つけて晩御飯でも食べるコトにした。

    2007-10-31 01:21:00
  • 106:

    ユリ

    その日は食事をとった後帰るコトにした。タイヘイは運転しなきゃいけないから飲まなかったがアルコールが入ったあたしはあまりタイヘイと長くいるのは得策じゃないと判断した。
    あたしはアルコールが入るとどうも愚痴りたくなる。長い付き合いの友達ならともかく昨日今日会ったばっかりの人に自分の愚痴など聞かせて一線ひかれたくない。タイヘイには特に。
    家まで送ってもらい別れを告げてあたしは帰宅した。久しぶりに異性と二人っきりで遊んで楽しかった。

    2007-10-31 01:26:00
  • 107:

    名無しさん

    気になるっ(′・ω・`)?

    2007-10-31 07:38:00
  • 108:

    ユリ

    >>112サン
    可愛らしいコメントありがとうございます。

    2007-10-31 09:04:00
  • 109:

    ユリ

    家に帰ると母はいなかったが弟がいた。
    『遅かったじゃ−ん。』自分の弟ながらむかつく喋り方で話し掛けてくる。
    『遊んでたんだ。』
    そう応え奥に行こうとした時
    『ん〜。男?』

    2007-10-31 09:07:00
  • 110:

    ユリ

    少し驚いて振り向いた。『いやさ〜お前友達少ねぇから遊んできたって言ったっていつも誰々と〜って言うじゃん?名前言わなかったから男かな〜てねぇ?』
    にやにやしながら喋る弟は更にあたしを苛つかせる。せっかく母がいないのに今度はこいつのせいであたしの気持ちは台無しだ。無視して二階に行こうとすると            
    『気を付けろよ。お前が男と遊んでるなんて気付いたらあの女気ィ狂ったように喚きちらすぜ。』

    2007-10-31 09:11:00
  • 111:

    ユリ

    再び弟に視線をやる。弟はもうこっちを見ずに自分の携帯を見ていた。
    弟の言う通りだ。もしあたしがタイヘイと遊んでるなんて知られたら母は男好きだのなんだの言ってあたしを罵るだろう。別にあたしを心配して言ってるんじゃない。ただ適当な理由が欲しいだけなのだ。

    2007-10-31 09:14:00
  • 112:

    ユリ

    この年にもなって異性との交際一つ親の顔色伺わないといけないなんて情けなくなる。
    はぁと深い溜め息をついて横になったら携帯が鳴った。タイヘイからのメール。内容は普通に今日楽しかったよとお礼とお疲れ様の一言。お疲れ様なんてまるでタイヘイと遊んでたコトを仕事のように業務的な扱われたことがなんか嫌だったがメールが来たコト自体が意外でそんなコト気にしないコトにした。

    2007-10-31 09:20:00
  • 113:

    ユリ

    『俺さ〜友達少ねぇんだよ。』
    『は?』
    タイヘイがスープをスプーンで掬いながら言う。
    『は?じゃなくて(笑)俺基本自分から連絡とりたがらないタイプなんだよ。だからお互い疎遠になっちゃって関係がなくなってく〜みたいな。』  『へぇ。』
    『メールも自分からはよっぽど用事がない限りしないのな。あんまり雑談っていうかそんなんができない感じ。』

    2007-10-31 09:29:00
  • 114:

    ユリ

    そんなコト言っていた男からのメールだからこれは少し期待してもいいのかな?なんて思ってしまう。でも自分でフェミニストだの気を使ってしまうだの言っていた男だから今回も気を使ってのコトだろうとすぐに冷静になった。適当に返信してその日はもぅ休むコトにした。

    2007-10-31 09:33:00
  • 115:

    ユリ

    それからまた一週間後今度はあたしから誘ってみるコトにした。メールはちらほら続くが依然としてタイヘイからは誘ってもらえさそうだったからだ。
    他に気になる女でも出来たんだろうか。。。タイヘイとの出会い方があんなんだったから特に不安になる。また新しい女でも捕まえてたっておかしくない。

    2007-10-31 12:43:00
  • 116:

    ユリ

    ×誘ってもらえそう
    ○誘ってもらえなさそう
    間違えが多くてすいません;

    2007-10-31 15:16:00
  • 117:

    ユリ

    マナミが言っていたがカズキもタイヘイもそれなりにモテるらしい。あたし的には格好や雰囲気でごまかしてるだけだと思うのだが。
    タイヘイにもし他に気に入った女ができたのなら何であたしにメールを返し続けるんだろう。同情だろうか。好意でなく同情での付き合いならあたしはそんなの要らない。
    だめだ。なんか被害妄想って言うかあまりいい方向に考えが進まない。あたしは思考を停止した。

    2007-10-31 15:23:00
  • 118:

    ユリ

    どうやって誘おう。。。
    そんなコト考えてしまう。普通に遊ぼうと誘えばいいのだろうが断られた時のコトを考えるとどうしても一歩踏み出せない。
    他愛もないメールは頻度は低いとはいえきちんと続く。当たり前のコトだがメールが嫌いなあたしが返信する。メールが嫌いなタイヘイが返信する。だから連絡が取り合えている。
    あたしは多少なりとも好意がないとこんなに長くメールは続けられない。タイヘイも同じだろうか。

    2007-10-31 21:45:00
  • 119:

    ユリ

    趣味も好きなものも似ていて考え方も似ている・とはいえ全部が全部同じ他人なんている筈ないんだからあたしのタイヘイに対する気持ちとタイヘイがあたしに対する気持ちが同じだとは限らない。
    単なる暇潰しだろうか。

    2007-10-31 21:48:00
  • 120:

    ユリ

    『あぁ、もう。』
    考えてたって埒なんかあかない。こんなぐだぐだした女は嫌い。見ててイライラする。
    携帯を手に取る。電話帳から宛先を探す。
    ―『タイヘイ』

    2007-10-31 21:50:00
  • 121:

    名無しさん

    (●^∀^●)ゆりちゃんがんばっ?

    2007-11-01 08:49:00
  • 122:

    名無しさん

    大好きこの小説(・?・)

    2007-11-01 08:50:00
  • 123:

    ユリ

    >>126サン
    ありがとうございます??頑張って完結します。
    >>127サン
    大好きなんて嬉しいです。そんな127サンがユリは大好きです。

    2007-11-01 08:59:00
  • 124:

    名無しさん

    Dir en grey好きなんですか??

    2007-11-01 09:01:00
  • 125:

    ユリ

    メールを作成する。
    『明日暇?』
    本当に要件しか入っていない。マナミとか他のコならなんて送るんだろう。とりあえずもっと可愛らしいコトは違いないな。携帯の音が鳴る。断られてたらどうしよう。メールは暇だったからとかそんなんだったら。。。ドキドキしながらメールを開く。
    『暇だよ。何で?』

    2007-11-01 09:04:00
  • 126:

    ユリ

    >>129サン
    よくわかりましたね(゜∀゜)?+゚そぉなんです。Dir en greyが大好きなので曲名を借りてしまいました?
    129サンもDirお好きですか?

    2007-11-01 09:06:00
  • 127:

    ユリ

    …―なんだか拍子抜けだ。まぁまだ遊ぼうって誘ってるわけじゃないんだから。
    『タ−イヘ−イくん。あ−そ−ぼ??て感じで誘いたかっただけ。』
    さっきよりは軽い気持ちでメールを作成し送信した。なんか緊張感のヤマも越えたって感じだ。

    2007-11-01 09:10:00
  • 128:

    ユリ

    『そのフレーズ久しぶり聞いたなぁ(笑)いいよ。遊ぼぉや?何する?どこ行く?』
    なんか思った以上にとんとん拍子で話が進む。メール送る前にあんなに悩んでたんがアホらしくなってくる。
    二人で話した結果近場の水族館に行くコトになった。後はご飯でも食べたりぶらぶらすればいいだろってコトで話は終わり待ち合わせる場所に時間を決めまた明日ね。てコトになった。

    2007-11-01 09:15:00
  • 129:

    ユリ

    …―タバコに火を点ける。ふぅっと煙を大きく吸い込む。

    久しぶりにちょっとした力仕事を終えて大分疲れた。一服して床に目をやる。
    残すべきだろうか―…。赤い花火がペイントされたような床。さっきまであんなに鮮やかだったのに今では黒ずんでしまっている。

    2007-11-01 17:21:00
  • 130:

    ユリ

    別に拭き取ってしまっても構わない。いや・拭き取るべきだと思う。
    でも…
    床に横になり指でその赤をなぞる。さっきは温かい液体だったそれも今では冷たい。
    さっき担いだモノとよく似た温度。ううん。やっぱりあっちのがまだ暖かかったカモ。

    2007-11-01 17:26:00
  • 131:

    ユリ

    …―コレは後で考えよう。
    まだ温もりが残っているうちは離れないでおこうと寝室へ向かう。暗い部屋に明かりをつけソレの横に入る。抱き締めるとやっぱりまだ暖かい。

    ねぇ寒くないでしょ?もし寒いのならあたしがこうして抱き締めて暖めてあげる。随分と冷たくなってきたあんたの身体を。

    2007-11-01 17:34:00
  • 132:

    名無しさん

    アゲ

    2007-11-02 10:02:00
  • 133:

    あき

    引き込まれる?ユリさん頑張って下さい?

    2007-11-02 23:03:00
  • 134:

    ユリ

    >>137サンあげてくださってありがとうございます。
    >>あきサン?+゚
    ありがとうございます。 コメント嬉しいです。

    2007-11-03 03:00:00
  • 135:

    ユリ

    結局この前とまた同じ時間に起きる。携帯に目をやり思う・早すぎ。この前よりは余裕を持ててると思うんだがやはり心の底ではまだタイヘイと遊ぶコトに緊張してるんだろうか。同じように準備をして洗濯物でも干して同じような時間に家を出た。
    見たい雑誌があったから今度はこの間よりも近い本屋で時間を潰すコトにした。

    2007-11-03 03:06:00
  • 136:

    ユリ

    普通に雑誌を立ち読みしているとポケットにいれてた携帯のバイブが鳴りだした。開くとタイヘイからで『着いたから?』と一言。
    待ち合わせの時間の15分前。あたしがちゃんと時間を守るコだったらどぉするの?思いながらも『今行くよ?』と返信する。

    2007-11-03 03:09:00
  • 137:

    ユリ

    この前と同じ場所に同じように立って待つタイヘイ。タイヘイは相も変わらずタイヘイのままだ。
    『早かったね〜?』
    『ん〜?思ったより道すいててさ。んなら移動しよっか。』

    2007-11-03 03:12:00
  • 138:

    ユリ

    二人してタイヘイの車に乗り込む。
    『どこ行くかわかってる?』『水族館だろ?それくらい覚えてるわ(笑)でもなんで水族館なわけ?』『ん〜なんとなく?』『なんだそれ(笑)』

    水族館を選んだ理由はよくカップルがデートに使っているイメージがあったから。タイヘイとのそんな関係なんてあまり想像できないけど錯覚くらいは起こしたい。他の人間から見ればあたしたちだって恋人くらいには見えるだろうから。

    2007-11-03 03:17:00
  • 139:

    ユリ

    車の中はこの前とまた違うグループの曲が流れてる。でもやっぱりあたしの好きなグループ。二人して今度のライブ一緒行きたいね・誘ってね。なんて会話をしながら水族館にたどり着いた。
    車を降りて中に入る。少し楽しみになってくる。水族館なんてよく考えたら中学以来かも。

    2007-11-03 03:21:00
  • 140:

    ユリ

    チケットを買って中に入ると休日ということもあり結構人が入っていた。
    二人してあの魚は綺麗だとか鮫ってかっこいいよねとか小さい頃大きな亀を飼いたかったとか。
    水族館を満喫する。特にあたしは途中タイヘイを忘れ一人でもはしゃいで見て回って気付けば横にタイヘイはいなかった。

    2007-11-03 03:25:00
  • 141:

    ユリ

    …―しまった。
    来た道を引き返す。あたしは昔っから何かに夢中になってしまうと周りが見えなくなってしまうタイプだ。見失ってしまった―…。
    急ぎ足で探しているとタイヘイらしき後ろ姿を見つけた。なんて謝ろうなんて考えたながらタイヘイに近寄る。
    『タイヘイくん!!』

    2007-11-03 04:51:00
  • 142:

    名無しさん

    ×考えたながら
    ○考えながら
    誤字すいません?

    2007-11-03 04:53:00
  • 143:

    名無しさん

    Dirのパクリ

    2007-11-03 05:12:00
  • 144:

    129です

    もちろんアタシもDir好きですよ??いつもゎ書き込みとかしないんですが、思わず書いてしまいました?更新頑張ってくださいね☆

    2007-11-03 07:53:00
  • 145:

    ユリ

    >>148サン
    読んで頂ければわかると思いますが曲名をパクッた(お借りした)だけですが不快に思われたのならすいません。
    >>149サン
    お返事ありがとうございます。Dirいいですよね。更新頑張ります。

    2007-11-03 09:33:00
  • 146:

    ユリ

    『うぁっと!良かったぁユリちゃん!探してたんだよ。』
    …―やっぱり。
    『ごめんね。一人で暴走しちゃったみたいで。。。』
    『いや!全然。俺も一人夢中になってて気付いたらユリちゃんいないみたいな。メッチャ焦ったよ。俺のがごめん。でも見つかってよかったぁ。』

    2007-11-03 09:51:00
  • 147:

    ユリ

    『そいえばさっきスナメリってのみつけたんだけどさ。知ってる?スナメリ。なかなか可愛らしいよ。俺気に入っちゃってさぁ〜だったらユリちゃんも気に入るだろうなって考えてたんだよね。見にいこうよ。』
    スナメリはタイヘイの言うとおりちっちゃくて可愛らしかった。隣にいた男のコが『ボールみたい。』とはしゃいでた。確かにイルカの仲間をしたスナメリはイルカよりも小さくツルツルした感じではあるがボールに見えるのは頭部だけだと思う。

    2007-11-03 09:58:00
  • 148:

    あき

    あげます?うちも昔Dir聞いてたからcageは知ってる?最近のはわからないんだけど…?ユリさん頑張ってね?

    2007-11-04 10:44:00
  • 149:

    ユリ

    あきサンあげてくださってありがとうございます。
    自分も昔聞いてたので今は詳しくないんですが?
    今からまた書いていきます。

    2007-11-04 13:48:00
  • 150:

    ユリ

    ただそんな表現をする男の子を可愛らしく感じ横目で見ていた。
    『子供好きなん?』  タイヘイが聞いてきた。タイヘイに視線を戻す。
    『うん。好きっちゃ好き。』
    本当は子供が好きで好きで仕方がない。ただいつも周りに意外だとか似合わないとつっこまれてしまうのでこんな言い方をしておいた。

    2007-11-04 13:54:00
  • 151:

    ユリ

    『そぉなんや!俺とか子供すっごい好きでさ〜よく姪っ子とか預かったりしてんの。』     意外だ。子供好きには見えない。
    『意外だね。』
    と一言返す。     『いや。それ言うなれユリちゃんもでしょ。』
    結局はお互い様ってところか。スナメリの水槽から離れイルカのショーを見てもう一回中をぐるっとまわりお土産屋サンでも見るコトにした。

    2007-11-04 13:58:00
  • 152:

    ユリ

    お土産屋サンにはアザラシやイルカのぬいぐるみが置いてあってその中にスナメリもあった。実物の方が可愛いな。。。そう思いながら手にとった。
    『欲しいのソレ〜?』
    『いやなんとなく。』
    『こっちのがよくね?』 渡されたのはペンギンのぬいぐるみ。中に手を入れるパペット人形になっている。

    2007-11-04 14:03:00
  • 153:

    ユリ

    この年でソレはないだろ。ペンギンの人形を受け取りながら思う。中に手を入れ親指をペンギンの右の羽根の所に入れる。
    『右ストレート。』
    そう言ってタイヘイの腕に親指を当てた。
    『あ〜そぉくるか〜。』
    変に感心した様にタイヘイを無視しペンギンを手から抜き取り元の場所に戻した。

    2007-11-04 14:07:00
  • 154:

    ユリ

    ×変に感心したように
    ○変に感心したような

    2007-11-04 14:09:00
  • 155:

    ユリ

    結局お土産は二人とも買わなかった。水族館から出る。時間は夕方。思ったていたよりも時間が潰せた。
    『さて・これからどうしようかね?』
    タイヘイが尋ねてきた。
    『別にどこでもいいよ。』
    『出たよ・人任せ。マジ適当やな〜。』

    2007-11-04 14:13:00
  • 156:

    ユリ

    『あたしO型だからねぇ。』
    『血液型関係ないだろ(笑)まぁ俺もO型だけど。』
    …へぇ、そぉなんだ。今日1日だけでもタイヘイとの共通点がまた見いだせる。不思議だなぁ。ここまで気が合うというか同じ考え方を持っているというか。そんな人に出会ったのは初めてだ。

    2007-11-04 14:17:00
  • 157:

    ユリ

    『とりあえずまたドライブでもしてくか〜。』
    田舎だし他に見るところもなかったり。あまり異性と昼間遊ばないもんだからこういう時どうすればいいのかわからない。普通の恋人なら買い物したりするんだろうがあたしは買い物とかは一人でするタイプ。相手に付き合うコトはあっても付き合わせるコトはほとんどない。

    2007-11-04 22:54:00
  • 158:

    ユリ

    試しに提案してみるか―…。
    『ねぇ?欲しいモノとかないの。買い物とかしたいんなら付き合うよ。』
    『ん?いや〜。俺基本買い物とかは一人でするタイプなんだわ。ツレに付き合うコトはよくあるケド。』
    なんとなくそんな感じがしていたのであたしの唯一の提案も虚しく却下され結局ドライブでもすることに。

    2007-11-04 23:00:00
  • 159:

    ユリ

    前の彼氏とは実家に帰ろうと決めた時にあたしから別れを切り出した。相手はあまり納得してくれなかったし遠距離恋愛をしていくつもりだったらしく随分ともめたが最後にあたしを罵りいなくなった。
    遠距離…しても良かったが母のそばで男の電話に頻繁に出るなんて耐えられない。あたしは母に対して嘘をつくのが下手な上な母はあたしに対してすごくするどい。

    2007-11-05 13:35:00
  • 160:

    ユリ

    ×下手な上な
    ○下手な上に

    2007-11-05 13:36:00
  • 161:

    ユリ

    『タイヘイは?』
    先に知っておきたい。
    『質問返しですか。そだな〜。一年くらい〜?』
    カズキの連れだからとか見た目で偏見を持つつもりはないが『彼女』がいないのは一年くらいなんだなとなんとなく思った。
    あたしもそんなんばっかりだから。

    2007-11-05 13:39:00
  • 162:

    ユリ

    『ユリちゃんは?』
    『三ヶ月前かなぁ。。。』
    本当は一ヶ月前。ただタイヘイの答えた期間に男と別れてものの一ヶ月で他の男にすぐにいく女の印象を与えたくなかった。
    『へ〜そぉなんだぁ。』
    なんか気まずい雰囲気。あたしだけがそぅ感じているんだろうか。

    2007-11-05 13:44:00
  • 163:

    名無しさん

    気になる(゜∀゜)?

    2007-11-05 15:50:00
  • 164:

    ユリ

    >>169サンありがとうございますヾ(゜∀゜?)ノ??+゚
    ちょこちょこ更新していきますネ(・∀・)

    2007-11-05 16:00:00
  • 165:

    ユリ

    話変えよう。
    『なんかお腹減らない?何か食べたいものある?』
    『それ普通男が言う台詞ぢゃね(笑)そだな〜肉食いたいカモ。肉。ドンキでも行く〜?てかお腹減ってんの?』
    『…実はそこまでお腹減ってない。』

    2007-11-05 16:08:00
  • 166:

    ユリ

    『だよな〜。俺も。まぁ適当に時間潰すかぁ。』
    CDを取り替えて来た時と違った音楽を流す。それはあたしも知ってるし好きではあるが最初流してくれた音楽に比べるとそこまで聞くわけでもない。

    2007-11-05 16:15:00
  • 167:

    名無しさん

    アゲ?待ってます?

    2007-11-06 20:04:00
  • 168:

    ユリ

    >>173サンありがとうございます。

    2007-11-07 10:59:00
  • 169:

    ユリ

    ある程度車を走らせた後タイヘイは車を止めたいと言った。ずっと運転しっぱなしで疲れたのだろう。近くに波止場みたいな場所がある。目の前には海が広がり船が泊まる。
    そこだと車を構わず止められるだろう。そこに移動し駐車した。
    相変わらず車を流れる音楽はあたしがそこまで好きではない曲ばかり。

    2007-11-07 11:08:00
  • 170:

    ユリ

    朝の慣れない早起きに1日中移動していたせいか急に眠くなってきた。あくびをするとタイヘイが寝てていいよ・と言ってきたがそれは悪いと思ったあたしは頑張って会話し起きていた。ただどうしてもうとうとしてしまう。タイヘイが携帯を取り出してパチパチとボタンを押す。メールかと思いきやアプリのゲームをしていた。

    2007-11-07 11:12:00
  • 171:

    ユリ

    『なんのゲーム?それ。』『うぁっと。びっくりしたぁ。寝てていいのに〜。飯の時間なったら起こしたげるからさ。』   …質問に答えろよ。携帯を覗き込む。…あぁ。
    『テトリス?』    『そ。懐かしいでしょ?』

    2007-11-07 11:18:00
  • 172:

    ユリ

    暇だけど会話をするにしてもネタがないしゲームをしだしたことから無駄に話しかけてうざがられるのも嫌だったから黙ってずっと覗き込む体勢で携帯を見ていた。
    『疲れるっしょ?肩にでも寄りかかっていいよ。』
    お言葉に甘えタイヘイの肩に頭を乗せる。眠気も手伝ってかすごく安心できた。

    2007-11-07 11:23:00
  • 173:

    ユリ

    ただ安心とは裏腹に肩に頭を乗っけながらの体勢は少々首にはきつい。頭を持ち上げ膝枕をしてもらうことにした。
    うん。これで寝やすくなった。
    タイヘイは相変わらず携帯をいじる。たまに頭を撫でてくれる。その動作がまた居心地よくて眠ってしまいそうになった時。タイヘイがあたしの顔を自分の方に向け頭を持ち上げ唇を重ねた。

    2007-11-07 11:27:00
  • 174:

    ユリ

    ―…やっぱりこうなるか。
    膝枕を自分からしてもらったことがオーケーだととられたのだろうか。嫌ではなかったがあたしは本当に疲れていたし大体タイヘイとそういう関係になることは想定外だった。ただ舌を絡ませられれば舌を絡ませる。
    なんだかなぁ―…。どこか冷めた目でその行為を繰り返す。

    2007-11-07 11:32:00
  • 175:

    ユリ

    頭を乗っけたのが誘ってると勘違いされるのも仕方がないことだ。タイヘイとキスするなんて想像すらしなかったけど。
    好意を持っているからってそういった関係になりたい訳じゃない。男と女の考えの違いだとか甘かったとか思っていた。

    唇を離す。

    2007-11-07 13:20:00
  • 176:

    ユリ

    体を抱き締められる。できればこのままで・と願う。
    このままで・どうかこのままで。
    最後までしてしまえばもうあんな思いは味わえないかもしれない。タイヘイのたった一言で不安になったり安心したり。たった一通のメールを待ち遠しく感じたり。まるで恋する少女のような感覚。
    タイヘイとやるコトはその感覚にそぐわない。

    2007-11-07 13:36:00
  • 177:

    ユリ

    汚いものも見てきた方だと思う。身内とでさえこんなにもわかり合えないのに他人となんて決してわかりあえない。わかりあえる筈がない。
    だけどタイヘイは…音楽に読む本に漫画に行動に。似てるだけだけど通じ合えるものがあるんじゃないかって。
    だからこそ大切にしたかったのに。

    2007-11-07 23:23:00
  • 178:

    ユリ

    『さすがにここでヤるんはまずいよな〜。』
    タイヘイがつぶやく。やっぱりヤるんだ。断るのも面倒くさい。もぉあたしなんて好きにすればいい。『確かにここじゃいやだね。』
    ここじゃなくても嫌だよ。もっとお互いのコトたくさん話そうよ。もっとお互いのコト知ろうよ。あたしはあんたのコト嫌いじゃない。寧ろ好きなんだよ。

    2007-11-07 23:28:00
  • 179:

    ユリ

    好意を抱いてたのはあたしだけだったっていう訳か。。。タイヘイは他の女と同列にしか見てくれてなかったんだろう。
    『ここじゃって言った?いいコト聞いちゃったなぁ。』
    タイヘイが笑う。無神経に。『ちょっと場所移動するよ〜。』
    車を出す。他愛のない話を繰り返しながら思う。

    2007-11-07 23:34:00
  • 180:

    ユリ

    タイヘイから見ればあたしは誘いに乗った軽い女ってとこだろう。ヤる為だけの女。
    だったらあたしもヤるだけの男だとタイヘイのことを割り切るのみだ。


    車の中を流れる音楽はいつの間にかあたしがあまり聞かない曲ばかりが流れる。

    2007-11-07 23:40:00
  • 181:

    名無しさん

    めっちゃ引き込まれました?読みやすいしおもしろそうなので更新待ってます?

    2007-11-08 03:48:00
  • 182:

    ユリ

    187サンありがとうございます(・∀・`)?+゚
    また更新していきマス。

    2007-11-08 14:10:00
  • 183:

    ユリ

    『の・前にどっか飯食いいっとくか〜。一回入ったら出るんめんどいしな〜。』

    近くにダイニングバーがあるコトを伝えた。タイヘイはそこに行こうと言った。近くの駐車場に止めて中に入る。中は繁盛していて10分程待たされた。

    2007-11-08 14:15:00
  • 184:

    名無しさん

    ??????????????????????

    2007-11-09 07:51:00
  • 185:

    名無しさん

    この小説スゴクすきです(・∀・?)
    頑張ってください??

    2007-11-09 21:52:00
  • 186:

    ユリ

    >>190サンありがとうございます。
    >>191サン頑張ります??+゚ありがとうございます。

    2007-11-09 23:08:00
  • 187:

    ユリ

    お酒で誤魔化したい。アルコールに酔ってしまいたい。そしたら多分この後起こるコトだって何も感じずに割り切れる。やり遂げられる気がする。

    …―今日で会うのは最後にしよう。
    そう心に決めてグラスを飲み干す。

    2007-11-09 23:12:00
  • 188:

    ユリ

    多分ここでやっぱりタイヘイとは友達でいたいからとでも言うのが正しいんだろうな。でも遅かれ早かれこうなってしまった気がしてならない。結局タイヘイにとってあたしは遊び。共通点を一つ見つける度に喜んでた自分が情けない。



    …―吐き気がするんだ。

    2007-11-09 23:15:00
  • 189:

    ユリ

    『飲むね〜。まぁ酒強そぉだもんねぇ?』
    タイヘイは車だから・というか酒は弱いらしい。烏龍茶でお願いしますだとか言っていた。
    もぉいいかと思いこれで最後ならとあたしは両親が離婚してるコトやあまり母親とうまく行ってないコトをぶっちゃけた。

    2007-11-09 23:20:00
  • 190:

    ユリ

    タイヘイは笑いながら聞いていた。軽く流すタイヘイを見て本当にあたしに興味がないんだなと感じる。
    ただタイヘイもそれなりに語ってくれた。彼女がいないのは確かに一年だが女と寝なかったのは一年じゃないらしい。

    2007-11-10 00:24:00
  • 191:

    ユリ

    やっぱりね―…。
    でも今更そんなコト知った所でどぉでもいい。二人して食事を済ませバーから出た。少しばかり外が寒い。
    『適当に場所選んでもいい?』
    タイヘイが聞いてくる。どぉぞ。あなたのお好きな様に。
    『いいよ。』

    2007-11-11 13:40:00
  • 192:

    ユリ

    タイヘイが車で向かう。手慣れた印象。いつも使ってるんだろう。
    車庫に車を止めて降りる。何でこんな場所って無駄に色とりどりのライトが多いんだろぉね。
    適当に部屋を選んで鍵をとって階段を上がる。
    この部屋にいる人間たちはみんな本当に心から愛し合っているんだろうか。

    2007-11-11 13:44:00
  • 193:

    ユリ

    部屋に入った途端後ろから抱きつかれた。
    『先にシャワー浴びておいで?』
    タイヘイが後ろから囁く。言われなくても。
    シャワーを浴びて髪を乾かしている間に今度はタイヘイがシャワーを浴びる。
    上がってきたタイヘイを椅子に座らせて髪を乾かしてあげた。この時が一番心穏やかだった。

    2007-11-11 13:49:00
  • 194:

    ユリ

    今度はあたしから抱きつく。どうせ最後なんだろうから甘えるだけ甘えとこうと思っただけ。



    そのままベッドになだれ込んだ。

    2007-11-11 13:51:00
  • 195:

    ユリ

    目覚めると既に外は明るかった。カーテンの隙間から光が差し込んでいる。この部屋は時計がなかった。―携帯。どこだったっけ…?
    携帯を枕元から取り出して開く。07時08分…。そろそろ帰らなきゃ…。ていうか帰りたい。ボサボサの頭を手ぐしで整え化粧を直す。寝起きに化粧はほぼとれかけ。笑えない不細工。

    昨日のコトはあまり覚えていない。

    2007-11-11 20:27:00
  • 196:

    ユリ

    ただ抱き合っている時にタイヘイが言った言葉。
    『似たもの同士って身体の相性いいんかなぁ…?』
    タイヘイもあたしたちのコト似ているって思ってくれていたんだね。それだけでもぅ十分だ。
    『ん〜?もぉこんな時間〜?』
    後ろからタイヘイの声が聞こえた。

    2007-11-11 20:34:00
  • 197:

    ユリ

    間一髪ってところだろうか。ある程度は見える顔に直っている筈。
    『あ〜ねみぃ〜。え・何?ユリちゃんもぉ帰っちゃうの?』
    『うん。帰りたい。』
    そぉ伝えて自分が着てきた服に着替える。
    タイヘイを待つつもりはない。これ以上一緒にいたらそばから離れられなくなりそう。タクシーでも呼べばいいか・そう思いながら荷物をまとめる。

    2007-11-12 11:57:00
  • 198:

    ユリ

    『ちょっと待ってよ。オレ送るからさ?』
    タイヘイが慌てて起き上がり着替える。その姿をみて申し訳なくなりゆっくりしてていいよ・と告げあたしはベッドに腰かけた。
    『時間とか大丈夫なの?急いでるんじゃないの?』
    『うぅん。そんなんじゃないから。』

    2007-11-13 11:03:00
  • 199:

    ユリ

    タイヘイが着替えるのを待ちながらぼぉっとしていた。
    ヤッちゃったんだなぁ…と今更ながらの放心状態。

    金を払い部屋を出て車に乗り込む。他愛のない話をしながら家の近くのコンビニまで送ってもらった。

    2007-11-13 11:10:00
  • 200:

    ユリ

    『ありがと。』
    そぉ伝えて車を降りた。
    『ねぇ?また連絡するからさ。俺ヤリ逃げとか嫌いだから。また色々話しよぉや。』

    あたしは振り向き・コレで最後なんだよ。あたしとあんたが会うのは。と思う。思うだけじゃなく言ってしまえばいいのに。たった一言それが言えれば。。。

    2007-11-13 16:18:00
  • 201:

    あき

    あげ?

    2007-11-13 16:35:00
  • 202:

    ユリ

    あきサンありがとうございます。

    2007-11-14 13:14:00
  • 203:

    ユリ

    『そぅ。』
    結局言えたのはこの一言だけ。自分で勝手に終わりだと決めつけて完結して逃げなくてもいいんじゃないかと甘い考えまで出てきた。ダメだダメだダメだダメだダメだダメだ。
    ヤリ逃げしたくないって言ったのだって今ちょうど遊ぶ女がいないからってコトで繋ぎとめようとしているだけかもしれない。必死に自分に言い聞かせる。
    他人に期待したってろくなコトなんてない。

    2007-11-14 13:18:00
  • 204:

    ユリ

    『オレさ〜今彼女とか欲しくないんだわ。でももしユリちゃんと付き合うんならきちんとした形で付き合いたいからさ。』
    タイヘイが頭をかきながら言う。それを聞いて変な言い訳だと思いつつも面倒くさくて突っ込まない。
    『そぅ。ばいばい。』
    またね・と言わなかったのがせめてもの反抗。

    2007-11-14 13:24:00
  • 205:

    ユリ

    あの時ちゃんとあたしはわかっていたよ。
    あんたとあたしがきちんと付き合う日がこないコトくらい。あたしは恋にうつつを抜かすよぅな少女なんかじゃないんだからね。期待すらできなかったんだ。
    それはあんたも一緒でしょう?

    でもまさかねぇ?こんな終わりを迎えるなんて正直あたしも予想していなかったの。

    2007-11-14 13:29:00
  • 206:

    ユリ

    感覚がないあんたに横に寄り添いながらあえて尋ねよう。楽しいコトあったかって言われたら正直人生考えると言うようなあんたに。

    あんたは幸せだった?

    楽しいと感じたり幸せだと感じたりできる一つ一つの出来事はたくさんあってもなぜかうやむやにしてしまう霧が心にあって・その霧がすぐに全てを覆い隠してしまうから『幸せ。』だと胸をはって言えない。その霧はこれからの人生への不安だったり明日が見えない恐怖だったり。

    2007-11-14 13:36:00
  • 207:

    ユリ

    最愛だと信じたあんたを壊した自分にも尋ねよう。

    今アタシは幸せを感じれていますか?

    正直わからないんだよ。本当は声が枯れる程にあんたに愛していたと伝えたいんだ。けれど本当はこれっぽっちもあんたのコト愛してないんじゃないかとさえ思ってしまう。

    2007-11-14 20:57:00
  • 208:

    ユリ

    結局はあたしのコトを忘れて欲しくない・一人にして欲しくないが為にとった行動なんだね。
    でもそれって悲しいじゃない。
    だからあたしはあんたを愛するの。だからあたしは世界中の誰よりもあんたを愛せるの。
    愛しているからそばにいてほしいの。決してあたしの我が儘なんかじゃないからね。
                       …あんたの胸にナイフを突き刺したのは。

    2007-11-14 21:02:00
  • 209:

    ユリ

    家に帰ると時計は昼前。家には誰もいなかった。調度いい。。。今この檻の中で誰かに会ってしまうと平静を保てなくなりそうだから。
    昨夜のコトを忘れたくて服を全て脱ぎ捨て洗濯機に放り込む。シャワーを浴びて体を必要以上に洗った。風呂から上がり化粧水をつけ髪を乾かしそのままベッドで眠りについた。

    2007-11-14 21:07:00
  • 210:

    ユリ

    起きると階下に人の気配を感じた。
    珍しい…。この時間に人がこの檻にいるなんて…。時計は夕方の06時過ぎを刺す。
    目をこすりながら下に降りた。

    2007-11-15 21:40:00
  • 211:

    名無しさん

    2007-11-16 00:49:00
  • 212:

    ユリ

    下に降りると弟がテレビゲームをしていた。珍しいな。。。
    『最近よく家にいるんだね?』
    弟が少しだけこっちを見てすぐにテレビに視線を戻した。
    『今日あの女帰ってこないぜ?』
    あらどうして。別に珍しくもなんともないけれど弟がどうしてそのことを知っているのか。

    2007-11-20 15:24:00
  • 213:

    名無しさん

    あげ?

    2007-12-15 03:44:00
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