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見えない未来
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1:
匿名
今こうして生きている自分をあなたは幸せだと感じていますか?
食べる物があって衣服だってある。眠りにつく場所も。やろうと思えば仕事もあるし平和なこの国に守られてる。
でも考えてみて…?本当に確実な未来なんてこの国にはないんだよ…2006-05-09 09:29:00 -
2:
匿名
【第一章】真っ赤な空2006-05-09 09:32:00 -
3:
匿名
「ほんじゃ給料日あけやし焼肉でもいこか。とりあえずオレ喉カラカラやわ。生飲みたい」
「絵里も!はよ行こ」
圭介(22)と絵里(20)は、付き合って一年二ヶ月のどこにでもいる普通のカップル。2006-05-09 09:45:00 -
4:
匿名
「ここでいっか」
「暑いーはよ入ろや」
二人はそうして焼肉屋へと入った。満席とまではいかないが店内は大盛況。外が暑いせいかみんなうちわ片手に顔を扇いでいた。
二人は注文を済ませ、先に運ばれてきた生をそれぞれ軽く飲んだ。2006-05-09 09:50:00 -
5:
匿名
バァーン!!!
「えっ…なに…」
二人がジョッキを置こうとした時、聞いたことのないほどのものすごい音がして店内がグラグラと揺れ、同時に電気が全て消えた。
本当に真っ暗で何も見えない。絵里は手さぐりで携帯を探した。2006-05-09 09:54:00 -
6:
匿名
あった!ようやくかばんから見つけ、携帯を開くとわずかな明るさが絵里の顔を照らした。
それを見て圭介や他のお客たちも次々に携帯を開いたり携帯のライトをつけたりした。
「停電かなぁ…雷でも落ちたとか?」2006-05-09 09:57:00 -
7:
匿名
「そうちゃうかぁ」
でもそれから何分待っても電気は一向につかない。店員さん達もあわてている。焼肉の炭火は赤く光っていた。
「おなかすいた…」
「まだ電気つかんのか」
「どないなってんねんこの店は」2006-05-09 10:01:00 -
8:
匿名
周りのお客さんたちから次々に不満な声が響き渡っていた。それにしてもほんま遅いな…結局20分以上たった頃、違う席のお客さんが怒って帰っていったのをきっかけに、みんな次々にお店を出て行く。
「なぁ絵里、俺らも出よや。ばり暑い」2006-05-09 10:04:00 -
9:
匿名
「停電してるからエアコンもきれてるもんな…いーよ。出よう」
絵里と圭介は他のお客さんに混じりながらお店を出た。焼肉屋は地下にあり、来た時にはエレベーターでおりたけど、停電で動かないせいで非常階段で上がった。2006-05-09 10:07:00 -
10:
匿名
「ばり暗ない?てゆうか何でこんな人おんねん」
人がいっぱいで階段がなかなか進まない。そして外に出れた頃には圭介も絵里も汗だくになっていた。
二人は変に思った。
ミナミって…こんな暗い街やったっけ?2006-05-09 10:11:00 -
11:
匿名
二人の目にはほとんど何も見えなかった。みんなが携帯を片手に光を求めている姿だけが見える。
夜のミナミを照らすものは月の光だけだった。
「なぁ圭介なんか…くさくない?火事?」
絵里と圭介は手をつないではぐれないように人ごみをゆっくり進んだ。2006-05-09 10:15:00 -
12:
匿名
ようやく御堂筋だと思われる場所に着いた時、二人の目には真っ赤な空が映った。
「な…にあれ」
「あっちのほうって梅田方面かな?なんなんやろ」
北の方角を見ると真っ赤に染まった空が見えた。そしてそれはどんどん大きく広がっていく。2006-05-09 10:18:00 -
13:
匿名
「あ、そや絵里。携帯でテレビつけて」
「うん」
携帯のテレビを付けた。すると真っ暗な大阪の街がテレビに映っていた。なにこれ?二人はテレビの音を上げて近付いて見た。
『大阪市北区を中心に爆弾テロが発生しました』2006-05-09 10:23:00 -
14:
匿名
そして画面が切り替わり北区周辺というテロップが表示されると真っ赤に燃え上がる梅田の街が映っていた。
「うそ…やろ…」
「ありえへん…」
圭介も絵里も現実とは思えなかった。まさか大阪が…テロの標的になるなんて…2006-05-09 10:26:00 -
16:
匿名
じゃあさっきの音は?この停電は?全部その爆弾のせいってこと…?
「絵里!とりあえずすぐ家に電話しろ!俺も家にかけるから!」
圭介と絵里の家族は淀川区に住んでいた。北区の隣…。信じられない惨劇だった。2006-05-09 10:31:00 -
17:
匿名
「くっそぉ…あかん」
「絵里も…繋がらへん」
二人の携帯はなかなかつながらなかった。回線が込み合っているからだろう。二人は不安でたまらなかった。
「大丈夫なんかな…お父さんたち」2006-05-09 10:34:00 -
18:
名無しさん
2006-05-09 17:55:00 -
19:
名無しさん
続き楽しみ???
2006-05-09 17:56:00 -
20:
名無しさん
2006-05-10 14:59:00 -
21:
名無しさん
あげとく?
2006-05-11 22:14:00 -
22:
匿名
圭介も絵里もしばらくその場から動けなかった。
そして二人はただ携帯のテレビだけを黙って見続けていた。
「臨時ニュースです。今入ってきた緊急ニュースをお伝えします」
アナウンサーが繰り返しニュースを伝えている。2006-05-16 00:29:00 -
23:
匿名
「大阪市北区を中心に爆弾テロと思われる事件が発生しました。ほぼ同じ時刻に16ヵ所で爆発が起きており、北区、港区、西区、淀川区では今もなお火災が続いています。繰り返しお伝えします。大阪市北区を中心に爆弾テロと思われる事件が発生しました…」
2006-05-16 00:33:00 -
24:
匿名
「圭介…淀川…区って今ゆったやんな…」
「…」
「お父さん達…どうしよ…なんかあったらどうしたらいいん?なぁ!」
「落ち着けって絵里!大丈夫や。絶対大丈夫やから。とりあえず落ち着け」2006-05-16 00:37:00 -
25:
匿名
動揺して気が動転している絵里を見て圭介はそう言った。でも、言っている本人さえもが顔が真っ青になっていた。
まさか自分の身近でこんなことが起こるなんて…想像もできなかった。
安全な国だと…誰もが錯覚をしていたからだ。2006-05-16 00:40:00 -
26:
匿名
安全な国?その根拠は何?いつ起きてもおかしくない惨事なはずなのに、私達みんなはそれが信じられず、現実と受け止めることができるまで少し時間がかかった。
電車も止まり、電気もない。真っ暗な夜の御堂筋はたくさんの人で溢れていた。2006-05-16 00:45:00 -
27:
匿名
「ほんま暑いってー。クーラーがんがんのとこないんかな」
「アイス食べたーい」
圭介達の近くにいた若いカップルの声だった。
クーラーやアイス。今私達にとって、日常では当たり前なもの。2006-05-16 00:48:00 -
28:
匿名
でも当たり前じゃないものだった。すごく贅沢なものだった。
それに少しずつ気付いていく。みんなが…気付いていく。自分がどれほどまでに幸せな生活をしていたのか、どれほどまでに甘えていたのか。
やっと気付くことになる。《戦争》という闇の中で…2006-05-16 00:55:00 -
29:
匿名
「まだ1時過ぎか…明るくなるまであと3〜4時間かかるな…」
「明るくなったらとりあえず歩けるようになるしもうちょっとだけ頑張ろ」
真夏の熱帯夜だったこの日、二人は暑さも忘れてただお互いの手を握り続けた。2006-05-16 00:59:00 -
30:
匿名
ピピッピピッ・・・
「あ…充電切れた」
絵里の携帯はテレビをつけっぱなしにしていたせいか、充電が切れてしまった。圭介の携帯にはテレビがついていない。
情報網は圭介の携帯のラジオのみになったけど、周りにはテレビ付きの携帯を持っていた人がいたし、時々様子を聞いたりして情報を集めたりした。2006-05-16 01:03:00 -
32:
名無しさん
おもろい?
2006-05-16 17:39:00 -
33:
名無しさん
2006-05-17 18:40:00 -
34:
名無しさん
?
2006-05-18 01:51:00 -
35:
名無しさん
2006-05-18 11:27:00 -
36:
名無しさん
あげとこ?
2006-05-23 00:51:00