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私の色
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1:
八重
何にも染まらない黒・・
何にでも染まる白・・
私は、透明になりたい・・2007-12-08 16:09:00 -
2:
八重
誰だって
自分なりの色・・持ってるよね?
それは、愛する人に染められたり自分なりに染めたり。
あなたは、何色ですか?2007-12-08 16:12:00 -
3:
八重
『美帆〜!!仕事終わったら遊び行こうよ!!』
横で私に話しかけてくるのは、親友の葵。いつもこんなかんぢで出勤前に遊びの誘い。
『うーん。酔ってなかったらねっ』
2007-12-08 16:17:00 -
4:
八重
適当に答える私。キャバクラで働きだして2年のグライの普通のどこにでも居るキャバ嬢。
『まっ考えてて〜!』
葵は、そう言うとたっかいヒールをカツカツならしてホールに向かった。
正直めんどくさい・・これが私の本音。2007-12-08 16:21:00 -
5:
八重
恋愛は、それなりにしてきた。ただいまフリー。だけどいつでも恋してたい乙女でもなく
それなりにフリーな毎日を楽しく過ごしてた。ただ極度の面倒くさがり。
『美帆さん、お願いします』
ボーイに呼ばれ今日も私の1日が始まる。2007-12-08 16:24:00 -
6:
八重
・・。
『この子が美帆で!!あたしが葵〜!!』
あれから仕事が終わり葵に連れられボーイズバーとやらに来た。
『2人共かっわいいやん!!俺、司〜!何飲みますか〜?』
2007-12-08 16:27:00 -
7:
八重
『え〜ぢゃあ!司くんが飲みたいの降ろしちゃおう!!』
葵は、このヒョロヒョロなホストまがいな司をどうやら気に入ったみたい。
『美帆ちゃんは?』
『合わせるよ。』
2007-12-08 16:29:00 -
8:
八重
葵とこのヒョロ・・ぢゃなかった司君は、楽しくおしゃべりしてる様子。
『美帆〜!携帯なってるよ?』
携帯のディスプレイを見ると店のボーイの透真からだった。営業が終わって2時間以上たつのに何の電話やろ・・
『ちょっと電話してくるっ』2007-12-08 16:33:00 -
9:
八重
『はい。美帆やけど?』
『あっ、ごめん。こんな時間に電話して・・今いける?』
いけるもなにもどちらかというと外に出る口実が出来てありがたかった。
『大丈夫2。どないしたん?』
透真は、私と同じ時期に入ってきてよく仕事の相談したりしていた。2007-12-08 16:36:00 -
10:
八重
『あー実はさぁ・・電話もなんやし店戻ってこれる?』
『え・・今から?』
『うん。頼むわぁ』
ここで飲んでいても楽しくないし透真がここまで頼むのなんて珍しく
私は、わかった。と返事をして電話を切った。2007-12-08 16:40:00 -
11:
八重
『葵〜!!ごめ〜ん。店長が話あるらしく店戻るわ!!』
店長ってのは、透真の事。
『えぇーっ!店長が言うなら仕方ないね・・また連絡ちょうだい!』
あっさりしすぎだろ・・このヒョロ・・ぢゃなかった司君に夢中な訳ね。
お金をテーブルに置き私は、ボーイズバーを出た。2007-12-08 16:45:00 -
12:
八重
私が店を出る瞬間。見逃さなかった。司君が葵の肩を抱き始めたのを・・
あのヒョロヒョロなかなかやるなぁ!!っと1人で突っ込みながら店に向かった。
少し鼓動が早く感じた。早歩きしているから?アルコールのせい?多分それはきっと・・2007-12-08 16:49:00 -
13:
八重
私と透真は、元恋人同士。たった一ヵ月しか付き合ってなかったけれど 透真は、本気で愛してくれた。
私は、その愛から
逃げ出した。
2007-12-11 18:17:00 -
14:
八重
『透真〜きたよ〜』
店のドアを開け店内を見渡した。透真は、ボックス席で横たわっていた。
『ごめんなぁ。呼び出して。』
そう言って透真は、起き上がりまっすぐ私をみた。
『何事かと思ってたやん。どないしたん?』2007-12-11 18:21:00 -
15:
八重
透真は、まっすぐで素直で感情が豊かな人。私は、怖かった。貴方の目が・・気持ちが。
眩し過ぎて私には、耐えられなかった。
『また葵と飲んでたんかぁ?』
『うん、で、話は?』2007-12-11 18:25:00 -
16:
八重
淡々と話す私に、寂しそうに笑って・・
『俺らやり直さん?』
すごく短い言葉でだけどまっすぐ私を見ながら透真は、言った。
『私達、終わったやん?なんでなん?』
確かにまだ私は、透真が好きだったかもしれない。だけどわざと突き放す発言。私って可愛くないなぁー・・2007-12-11 18:30:00 -
17:
八重
『本間お前って可愛くないなぁ・・』
そう笑った透真がすごく愛しく思えた。
もしこの日に戻れるなら私は、きっと貴方に会いに行かない。
だけどこの時の私は、貴方が欲しかった。
『俺、お前がほしい』2007-12-11 18:33:00 -
18:
八重
自分の気持ちを見透かされてる様でドキッとした。
『よしっ』
そう言って私の手を握り透真は、歩き出した。
『ちょっ!!どこいくん!!』
透真は、勝手。だけどその勝手さにいちいちドキドキする私がいる。この手をずっと離したくない・・なんて声に出して言えない。2007-12-11 18:37:00 -
19:
八重
着いたのは、透真の一人暮らしの部屋。3週間ぶりぐらいにくる透真の部屋は、何も変わっていなかった。
『美帆。きて』
そう言って抱き寄せられた。貴方は、やっぱり勝手。
『もう離さん』
私は、一度逃げ出した事を後悔した。だけど透真なら本当の私を愛してくれる。もう私は、逃げない事にした。2007-12-11 18:41:00 -
20:
八重
それから穏やかな日々が続いて私と透真は、同棲を初めて五か月が過ぎた。
私は、仕事を辞め毎日透真の帰りを今か、今かと待っている。
この頃からかな・・
歯車が崩れだした。やっぱり私は、透明になれない2007-12-11 18:44:00 -
21:
八重
『葵〜!!透真まだ帰ってこえへんねんけどまだ仕事終わらんっぽい!?』
時々こんな風に葵に店の状況やどんな女の子が入って来ているのかを聞いていた。
『えー!!葵もう家やで?店長何してるんかなぁ・・』
私は、嫌な予感がして電話をきり透真に電話した。2007-12-11 18:47:00 -
22:
八重
依存・・その頃の私は、きっと貴方に依存していた。初めて人を心から愛して初めて愛された。
私の不安は、的中・・
『直留守とかまぢありえへん・・あのあほ・・なにしてんねん!!』
言葉では、強気で言っていたつもりでも頬に流れるこの涙は、私の揺れている不安の現れ。
それから三時間程たって・・2007-12-11 18:52:00 -
23:
八重
『ただいま〜』
何事もなかったかように透真が帰ってきた。私は、なるべく冷静に透真に話かけた。
『おかえり。電話したのに・・。何してたん?』
透真の背広をハンガーにかけ目をあわせず確信にせまった。
ー。貴方は、私を本当に愛してくれていましたか?今になって全てわかった気がする。貴方は、私ぢゃなく誰をみてたの?2007-12-13 17:30:00 -
24:
八重
『酔って店で寝ててん、携帯の電池きれてたし。風呂入ってくるから充電してて。』
この時きっと透真より私が透真に惚れていた。貴方しかいない。狂った感情だった。
『わかったぁ』
透真の携帯を充電器にさして、ぼぉぉーとディスプレイを見ていた。
ー着信 小百合ー2007-12-13 17:34:00 -
25:
八重
どうせ店の女の子やろ・・。と嫉妬を抑えたが鳴りやまない様子。やっと鳴りやんだ時、私は、透真の携帯に触れた。
携帯は、お互い見んどこうなっ
そう決めていた。だけど気になる。それが女の子やん?期待と不安とモヤモヤする気持ちで受信メールを開いて見た。
小百合・・。
『なんでこの子のメールばっかなん・・』2007-12-13 17:38:00 -
26:
八重
イラッとした。
だけどメールを開いて見た瞬間、戸惑った。
ーとーまは、小百合の事 本間に好きなん?ー
・・意外に冷静な自分がいて送信メールをみてみた。
ーあたりまえやん。好きぢゃなかったらヤらんわ!!ー2007-12-13 17:42:00 -
27:
八重
その瞬間、透真がお風呂から上がった音が聞こえた。とっさに携帯を戻してテレビを見てるフリをした。
『美帆〜』
そう言って抱き着いてくる透真。
『ちょっ髪の毛、乾かし〜や!!』
そう言って笑ってみせた。精一杯の作り笑い。うまく笑えたはず。でも透真が憎たらしくてたまらなかった。・・・あいつ本間ありえへん・・・2007-12-13 17:46:00 -
28:
八重
次の日、葵に電話した。
『葵〜、小百合って子、店にいる?』
葵は、スパイに使える、笑。
『小百合?あー!!いるよ。体験だけど。その子がどうかした?』
2007-12-13 17:49:00 -
29:
八重
いや〜実は、透真がその子とヤってるみたいやねん。なんて言えない・・
『いやっ。特に。ちょっと気になっただけ〜』
まぁ、葵の事だから何かあると思ったのだろう。
『今日、出勤していたら話かけてみるわ!!葵、小百合って子と話した事なかったし!』2007-12-13 17:52:00 -
30:
八重
『わかったわかった。仕事がんばってね〜』
電話を切り、考えた。普通ならあんなメールみたらキレて別れるよね。それが出来ない。今の私は、透真から離れられなかった。これから起こる最悪な出来事などしらずに・・。
ねぇ、透真、この時に私達が離れていればよかったよね。お互い。この傷を塞ぐには、貴方でしか塞げないと思っていた。でもそれは、ただの勘違いだったよ。2007-12-13 17:57:00 -
31:
八重
その日の営業終了後に葵から電話がかかってきた。
『小百合ちゃんと話したよ〜接客も見てみた。あの子だいぶ色使いながら接客してたわぁ。ゆうたらニャンニャン系?』
『まぢで!!ふーん・・で!!顔は?』
『うーん。微妙・・笑。』2007-12-14 13:20:00 -
32:
八重
いちいち気にする自分が嫌になった。だけど不安でどうしたらいいのかわからなくて冷静に葵の電話を切った後、声を殺して泣いた。
まだ確信なんてないのに・・いわゆる女の勘。透真は、今日は、早く帰ってくるのだろうか・・そんな不安との葛藤。
『う・・気持ちわるっ』
トイレに駆け込んで、できるだけ吐いた。2007-12-14 13:25:00 -
33:
八重
『あ〜気持ちわるかった。今日変なもんでも食べたかな・・』
これは、君からの小さなサインだったよね。
『ただいま〜』
帰ってきた透真は、酒の匂いがプンプンする。透真は、キャバクラにくるお客様によく気に入られて浴びる程 酒を飲んで帰ってくるのが多々あった。
『う・・』2007-12-14 13:29:00 -
34:
八重
透真の酒臭い匂いでまた私は、トイレに駆け込んだ。トイレから出る頃には、透真は、スーツのままベットで寝息を立てていた。私は、息をひそめて透真の寝顔をみていた。そして小さな声で・・
『おつされさん。あんたは、私だけやんな?』
消えるような声で・・。
私の気持ち悪さは、なかなか消えず寝不足のまま今日も仕事に行く透真を見届けた。2007-12-14 13:33:00 -
35:
八重
気持ち悪さやだるさや立ち暗み・・妊娠した事ない私でも 勘づいた。それから生理がまだきてない事に気付きこれを透真に言うべきなのか迷った。
小百合ってこの事もまだ何もわかっていない。こんな状態で・・。素直に喜べない自分がいた。
つわりは、日に日に私の体力を奪っていた。
『美帆?お前なんか乳でかなってない?』
『え?本間に?え〜なんでやろ〜』2007-12-14 13:38:00 -
36:
八重
もう透真も勘づいてきているはず・・私は、病院へ行った。
『おめでとうございます。7週目です。』
『えっ?7週目ですか?』
びっくりした。妊娠していた事ぢゃなくもう7週目に入っていた事。なんでもっと早くこなかったのだろう・・。
『ぢゃあ、この用紙に来週までにどちらか書いていてくださいね。』2007-12-14 13:43:00 -
37:
八重
中絶・出産
用紙に二択の選択が書いてある所だけ空白だった。正直私は、産みたいとおもった。付き合い始め透真とよく子供が出来たらこんな名前にしようだとか双子がいいだとか口論していたのが頭によぎった。
『大丈夫だよね・・』
この言葉は、きっと自分に言い聞かせるように何度も何度も家に着くまでの道で呟いた。
・・私は、この時、貴方に染まっていた。貴方とゆう真っ黒で何も見えない貴方色に・・2007-12-14 13:48:00 -
38:
八重
『透真・・話あるねん』
『んー?なにー?』
ゲームをしていた透真は、私を見ずそう言った。
『私・・妊娠してん。』
動揺したのかゲームのコントローラーを落とした透真・・。わかりやすすぎやし・・2007-12-14 13:51:00