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DEAR〜
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1:
アイ◆hsF3gEfPG6
これは、愛の16の時の実話です。
よかったら読んでください。2007-12-20 01:13:00 -
690:
愛◆hsF3gEfPG6
荷物をまとめ部屋を雑巾で拭いていたら気付けばすっかり夜中になっていた。窓の外から聞こえてくる虫の鳴き声…窓を開けて外の景色を見る。 そういえばここに来てから、愛は空を全く見上げてない――たくさんの星が弱く…でも強くキラキラと輝きを放ち、今にも消えてしまいそうな細い三日月が静かな夜に空を輝かせている。
もっと見上げればよかったな――こんなにここの夜空は澄んでいて星がいくつも見えるなんて、全く気付かなかったよ―――
まぁくんと出会ってあと3ヶ月足らずで一年になるんだ――長かったような短かったようなそんな時間だね………初めて出会ったのは7月7日だった。あの日は七夕で、こうやって二人で空見上げたっけ……2008-02-05 14:07:00 -
691:
愛◆hsF3gEfPG6
……ズキンズキン……胸が痛むや……早く忘れなきゃ………もう過ぎた事やもんね……もぅ繋がらないんだよ…どんなにまぁくんを想ったって
まぁくんはもう、とっくに前に進んでる……
キュッ。雑巾を握る手に力が入る。愛はため息を1つ吐き、窓をしめた。2008-02-05 14:12:00 -
692:
愛◆hsF3gEfPG6
……ジリリリ……枕元に置いてある目覚まし時計がやかましく鳴り響く音で目が覚めた。「ん…」目蓋を開けて時計の音を止めてゆっくり起き上がり、部屋を見渡す。 綺麗に片付けられた部屋。いくつかの荷物。
あぁそうか…愛は今日帰るんだね…
結局朝になってから眠りについた。すっかり夕方になっていて、空はオレンジ色。愛は服を着替えて着ていたパジャマをカバンに入れた。2008-02-05 14:18:00 -
693:
愛◆hsF3gEfPG6
ガチャ。 ドアを開けてリビングに出るとユキの部屋のドアが開いていて、そこにはユキの姿もサユリの姿もなかった。
きっと、もう行ってしまったんだ……
今日愛帰るのに……きっとユキは愛なんかどうでもよくなっちゃったんだね……仕方ないね…2008-02-05 14:21:00 -
694:
愛◆hsF3gEfPG6
ピンポーン チャイムが鳴り、ドアを開けるとサトシがいた。 「ユキは?」「いないで?」「さっきベルにメッセージ送ったんだけど……サユリは?いる?」頭を左右にふるとサトシは、そうかとだけ話した。
愛はサトシに荷物を渡すとサトシがそれを持って車へと急いだ。愛は来た時もっていたカバンだけ持ち、部屋を見渡す。
たった1ヶ月だったけど、もっと居た気がする…リビングでユキとご飯食べたりトランプしたり、朝まで話ししたりしたっけ……そういえば、ユキの髪を染めた事もあったなぁ……2008-02-05 14:26:00 -
695:
愛◆hsF3gEfPG6
もう…きっとここには戻って来ない――靴を履いてドアを閉め、鍵をかけてドアを眺めた。
このドアの向こうは、愛にとってたまらなく楽しい時間を過ごせたそんな居場所があったよ………ありがとう……
愛は頭を少しだけ下げて心の中でお礼を言ってから歩き始めたんだ。2008-02-05 14:30:00 -
696:
愛◆hsF3gEfPG6
一歩歩くたびに後ろ髪が引かれるような気分になる。やっぱりここに居たい…… でも、もう前に進まなきゃ……
寮の外にエンジンをかけたままのサトシの車が、夕日に照らされキラキラして見えた。愛は駆け寄り勢いよく車に乗り込みドアをしめる。2008-02-05 14:33:00 -
697:
愛◆hsF3gEfPG6
「ったく…ユキは…ちゃんとメッセージ送ったのにな!愛が今日地元に帰るから五時に迎えに行くからって ……もっかいメッセージ送る…」 愛「いいよいいよ(笑)大丈夫。これユキに渡しといて?」サトシに寮の鍵を手渡す。「じゃあ、行こうか…」少しずつ進む車。愛は、小さくなっていく寮を、ただ眺めていた。
ユキとの思い出がいっぱいつまったこの場所……たくさんの思い出………2008-02-05 14:42:00 -
698:
愛◆hsF3gEfPG6
車は寮がある場所から離れて、細い道をぬけて大きな通りへと出た。ユキとバイクに乗って通ったっけ…ユキがふかしてくれて愛が大声で歌って……暖かな風を浴びながら走ったんだよね……
あの道で、ジュース飲みながら、ユキと休憩もしたりした………
ユキ………ユキ…………2008-02-05 14:48:00 -
699:
愛◆hsF3gEfPG6
この田舎町で一番大きな通り。四車線の道路には夕方で車が結構いて少し混雑している。両側の道には、学生や人が歩いていてみんな自分の行くべき場所へと足を進めるんだ。
みんなそれぞれの場所へ向かって……
信号が赤に変わり、車が止まる。サトシはタバコに火をつけ窓を開けたとき2008-02-05 14:55:00 -
700:
愛◆hsF3gEfPG6
ヴァンヴォォォォン!!爆音が後ろから響き渡る。愛はびっくりして後ろを見たけど後ろには何も見えない。けど、ものすごい爆音がどんどん近づいてくるのが聞こえてくる音で分かる。
「……ったく!こんな時間にぃ!」サトシが呆れ返ったような声。 「何?何の音なん?!めっちゃうるさい!」信号が代わりサトシが車を走らせ道に車を寄せてとめた。 爆音はどんどん大きくなってくるんだ。2008-02-05 15:00:00 -
701:
愛◆hsF3gEfPG6
「ユキだよ!ったく!」サトシがそう言って車から降りたから愛も急いで車から降りた。道端にいる人みんなが後ろを見ている。
ユキが――?!なんで?!――――愛は後ろをみた時――
車なんて気にせず爆音をたてながらすごい数のバイクが走ってくるんだ。みんな色んな色の特効服を来て派手なバイクでどんどん近づいてくる。2008-02-05 15:04:00 -
702:
愛◆hsF3gEfPG6
ねぇユキ……いつか………愛ここに戻ってくるよ………その時は愛も親友をみつけて、ここに連れてくる。それまでは、何があっても
逃げへん!
絶対逃げへん。いつか、この町にやってくるよ……自分の弱ささえも受け入れるようになったら。必ず必ず来るから!………
ありがとう2008-02-05 15:23:00 -
703:
愛◆hsF3gEfPG6
最終章DEAR
2008-02-05 15:25:00 -
704:
愛◆hsF3gEfPG6
車を走らせながらサトシは愛に、そんな言葉を話しはじめたんだ。”結果がよければ、それまでの道は間違えてない事になる“ 今の愛には、まだその言葉の意味はよく分からない。けれどいつか分かる日がきた時にきっと愛は今よりもきっと成長してるんだよね…
「離れてるけど、いつでも会いに行くよ……いつでも電話してこいな?」 愛はその言葉に頭を左右にふったんだ。 「いつか愛が大人になった時に、必ず親友つれて会いに行くねん!それまでは頑張る!」愛がそう言うとサトシは愛の頭をぽんって撫でたんだ。
きっとまた甘えてしまうから……だから尚更会わない方がいい。……愛頑張りたいんだ……2008-02-05 15:51:00 -
705:
愛◆hsF3gEfPG6
車は大阪から神戸へ入り、懐かしい景色が広がるんだ。空はすっかり暗くなった。
これから、きっとまたしんどい毎日が始まるね…楽しい事なんてなんにもないかもしれない……また、たくさん悲しい出来事とかあるだろう………不安がないっていえば嘘になるけど、今はそれ以上に
父さんに会いたい……
謝りたい。母さんにも。どんな嫌みを言われたって、もう愛は言い返さない。謝りたい。2008-02-05 15:56:00 -
706:
名無しさん
書き込みレスの>>90
まじに失礼?????
レス来たら荒れるから来るなとか何様やねん?
うざいんじゃお前のせいでスレ荒れるかもな????2008-02-05 16:08:00 -
708:
愛◆hsF3gEfPG6
愛、いつか笑ってこの一年の出来事を話せる日がくるのかな……二十歳になって、父さんや母さんと仲良くお酒飲んだりできるようになるのかな………
愛の夢は、まぁくんと一生を共にすることだった……
ねぇ……神様…?あんたの存在がもし本当にあるのなら、愛はあんたに頼みたい事がある。
まぁくんを幸せにして……愛はもう、まぁくんとは繋がらなくていい。守るべき人を見つけたから。2008-02-05 17:01:00 -
709:
愛◆hsF3gEfPG6
守るべき人っていうのは、一番近くにいて気付かなかった。。愛の誕生をきっとずっと待ち望んでいた父さんとお母さん。 誰よりも何よりも愛を大事に思ってくれるのは、まぁくんでもなければ他の誰でもない…
近くにいすぎて、うざったいとばかり思っていた父さん。離れてからずっと会いたかったお母さん。父さんは不器用だから言葉よりも暴力をしてでも愛が間違えた道に進む事を引き止めようとしていた。 愛はそれをうざったく感じた。
でも、分かったんだ。気付いたんだ……愛は愛されてるって。この上なく愛されてる。だって……だから名前が『愛』なんだよね?2008-02-05 17:07:00 -
710:
愛◆hsF3gEfPG6
愛は、これから恩返しをいっぱいしたい。名前に負けないように愛される人になる。もちろん、愛される以上に愛したい。
だから神様?あんたに頼みたいんだ……まぁくんを幸せにしてください。絶対…絶対幸せにしてください。
相手がリサだとしても、構わない。それがまぁくんの幸せなら……愛は、その現実を受け入れるから。2008-02-05 17:10:00