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■聞こえない愛詩■

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  • 1:

    こずえ◆nvqN.Vmk9o

    彼と出会ったのは、中学2年生の時。その時のあたしは、いわゆる田舎ヤンキーみたいな奴で、どうしようも無い馬鹿な女だった。軽い男にしか相手にされない、尻軽女。薬中で、まともな奴なんて周りにいなかった。だけどそんなあたしに、美容師という夢を与えてくれた人がいる。あたしは、あの日、恋に落ちた。

    2007-12-20 22:40:00
  • 2:

    こずえ◆nvqN.Vmk9o

    そんなあたしを、イツキは喜んで受け入れてくれたんだ。『美容師にならん?俺の店で働けや。』あたしは即答した。中学を卒業して、通信制美容学校を行きながら、イツキの美容院で働く。お洒落が大好きだったあたしには天職に思えた。それからイツキと付き合うまで、時間はかからなかった。イツキとは、仕事のパートナーで、恋のパートナーだった。

    2007-12-20 22:56:00
  • 3:

    こずえ◆nvqN.Vmk9o

    イツキは、25歳で独立し、今の店の経営を始めたばかりだった。だからあたしは支えてあげたかったし、ずっと傍にいるつもりだった。だけどイツキは、ルックスも良く、八方美人な性格で、女はたくさんいた。嫉妬の嵐で、毎日喧嘩をした。そのうちあたしは、イツキが仕事で客の髪を触り、話ているだけで、耐えられないようになった。

    2007-12-20 23:01:00
  • 4:

    こずえ◆nvqN.Vmk9o

    別れを切り出したのは、イツキからだった。『お前ガキすぎるわ。俺も遊びたいし、お前が大人になったらもっかい付き合おーや。』あたしはイツキの店を辞めた。イツキと連絡も取らなくなった。――――――――――新しい出会いを探そう..そう思った。それから何人もの男と付き合った。だけど、いつでもイツキを想っていた。

    2007-12-20 23:06:00
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