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愛という名のもとで。

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  • 1:

    ◆L4qEdfFlNA

    愛は 儚く 
    何よりも脆い。

    愛なんて
    所詮は目に見えないもの。

    2008-01-06 06:47:00
  • 2:

    ◆L4qEdfFlNA

    だけど、あたしは  
    まだ今だに


    それ以上に綺麗なものを 見た事がない…―。

    2008-01-06 06:52:00
  • 3:

    ◆L4qEdfFlNA



    2008-01-06 06:53:00
  • 4:

    ◆L4qEdfFlNA

    ねぇ、覚えている?   

    あの頃、あたし達が生きていたあの街は
    まだ、あの頃と同じ景色をしているだろうか…。

    2008-01-06 06:58:00
  • 5:

    ◆L4qEdfFlNA

    偽善と偽悪    
    嘘で塗りたくられた世界。   
    あたし達は 
    ただがむしゃらに    必死で生きていました。    
    失ったものは      きっと数えきれない。

    2008-01-06 07:05:00
  • 6:

    ◆L4qEdfFlNA

    だけど、たった一つの  真実だけを求めて       
    あたしは、その全てをも 犠牲に出来ると  


    今だに思うのです…。

    2008-01-06 07:10:00
  • 7:

    ◆L4qEdfFlNA

     
    ━scene1━

    2008-01-06 07:11:00
  • 8:

    ◆L4qEdfFlNA

    誰もが一度は踏み入れた事があるだろうこの街は、この辺りじゃ有名な繁華街。昼間は買い物客や学校帰りの学生などが目につく人混みも、夜になれば一転して変わる。 

    仕事帰りのサラリーマンや、居酒屋から出てくるおじさん、それらに声をかけるボーイ。煌びやかに着飾り、綺麗に髪をセットし終えたキャバクラ嬢。ホスト。   
    街は、昼間よりさらにたくさんの人々で溢れ返る。

    2008-01-06 07:19:00
  • 9:

    ◆L4qEdfFlNA

    そしてあたしも、その内の一人。
    行きつけの美容院にセットをしにいき、それが終わると急ぎ足でこのネオン街を歩いていく―…。        
    「…はよーっす。」       
    『おはよ。』           
    店の前に立つボーイに挨拶を交わす。入って三ヶ月目の2つ年下のボーイは、入店当初からあまり愛想が良くなくて、あたしはあんまり好きじゃなかった。

    2008-01-06 07:57:00
  • 10:

    ◆L4qEdfFlNA

    接客業は、愛嬌が大事…とあたしは思うんだけど。 まぁ、いつになっても人手が足りないこの業界では そんな初歩的な事も目を瞑ってしまうんだろう。      
    「椎奈、おはよ。」       
    更衣室でロッカーに荷物を詰め込んでいると、後ろから声をかけられた。声の主は、振り返らなくても一瞬で分かる―…。          
    『…おはよ。』        
    「何?…風邪ひいた?声ちょい鼻声。」

    2008-01-06 08:10:00
  • 11:

    ◆L4qEdfFlNA

    黒地に細いストライプのスーツが、スタイルのいい彼の体格を、引き立たせている。不自然なくセットされた髪。品のあるほのかな香水の香り…。

    『んー、…そいえば若干喉痛いかも。風邪かなー』     
    「インフルエンザ流行ってるみたいだし、早めに病院行っとけよ。んー…熱は」   
    彼の大きな手の平が、あたしのおでこに触れる。触れた手の平は、少しひんやりしてて気持ちがいい。

    2008-01-06 08:32:00
  • 12:

    ◆L4qEdfFlNA

    「熱は、まだ出てないな。あんま無理すんなよ。しんどかったら早めに言えよ」     
    心配そうに、あたしの顔を覗きこむ。近くで見れば見る程、整った顔立ち。       
    『ありがと…ユウ。』       
    そう言うと、優しく微笑む目の前のユウ。ユウこと、佑青(ユウセイ)は、あたしが働くキャバクラの店長。        
    そして、…あたしの恋人。

    2008-01-06 08:45:00
  • 13:

    ◆L4qEdfFlNA

    いや、正確に言えば、恋人のような――…、と言った方が
    正しいかもしれない。

    「…じゃあ、後でな。」   
    ポケットに入れた彼の携帯が狭い空間に鳴り響くと、ユウはその場から離れて電話に出に行った。

    2008-01-12 05:28:00
  • 14:

    ◆L4qEdfFlNA

      
    あたしは、彼を干渉しない。彼もまた、あたしを何一つ干渉する事はない。    
    好きでそうしてるわけじゃない。 

    それが、あたしとユウが一緒に居れる…最低限のルールなのだ。

    2008-01-12 05:36:00
  • 15:

    ◆L4qEdfFlNA

    ユウとあたしの出会いは、二年前の冬だった。友達の紹介でたまたま入った今のお店。店長だと挨拶をしてきたユウは、今より少しだけまだあどけなかった。 あたし自身、この仕事は初めてじゃなかったからすぐに店にも慣れた。       
    「椎奈ってさ、妹か弟いるやろ?」           
    仕事以外の会話で、初めてユウに話し掛けられた台詞。今でもなぜか覚えてる。なんで?って答えたら     
    「いや、しっかりしてるから。…なんか長女っぽいし。違った?」           
    当たってるよ!って答えたら、ユウは「やっぱり」って笑ってた。

    2008-01-12 05:55:00
  • 16:

    ◆L4qEdfFlNA

    たまたま担当になった彼とシフトや、同伴連絡、仕事の内容だったメールから、なにげないメールのやり取りをするようになった。    
    「今日は寝過ぎて頭がイタイ」だとか、「昨日のドラマ録画してる?」だとか、   
    「次の休み、何してる?」      
    だとか。

    2008-01-12 06:04:00
  • 17:

    ◆L4qEdfFlNA

    メールで打つ名前が、電話で呼び掛ける名前が、店長から“ユウ”に変わったのは彼と出会ってちょうど1ヶ月頃。受信メールが、着信履歴が、ユウの名前で埋まってゆく…。 

    それを見るたびに、なんだか心温まる自分がいたりして。着信音を変えてみる。着信ライトを、自分の好きな色に変える。

    それだけで、嬉しくなる。

    2008-01-12 06:17:00
  • 18:

    ◆L4qEdfFlNA

    初めての彼の私服姿は、想像以上にお洒落でビックリした。…本当に雑誌から飛び出してきたみたいな今風な服装とセンス。

    『めちゃかっこいい!』     
    思わず素直に口から出てしまった言葉。ユウはキョトンとした後、照れ笑いしてたけど…。一緒に歩くのが不安になるくらい、あたしはドキドキしてた。

    2008-01-12 06:23:00
  • 19:

    ◆L4qEdfFlNA

    ユウがいるから、仕事に行くのも毎日楽しくなった。頑張ろうって思うようになった。比例して、指名本数もあがる。

    「椎奈、最近頑張ってるなぁ〜!俺も頑張るわ!」 
        
    ユウが誉めてくれると嬉しい。笑ってくれると、あたしも笑顔になれる。

    2008-01-12 06:31:00
  • 20:

    ◆L4qEdfFlNA

    好きなんだと、気付く。 あたしは、彼に恋をしてしいる。仕事をしていても、何をしていても、自然と目で追ってしまう…。      
    「俺のこと好き?」     
    『好きかもしんない。』   
    出会って3ヶ月。冗談混じりで聞いてきた彼に、冗談混じりなフリをして答えたら、
    あたしとユウは、恋人のような―… そんな関係になっていた。

    2008-01-12 06:42:00
  • 21:

    ◆L4qEdfFlNA

    ねぇ、本当はね        
    最初から知ってたんだ。    
    この世界は 
    偽物ばかりが
    溢れ返るから…、

    2008-01-12 06:47:00
  • 22:

    ◆L4qEdfFlNA

    そこから本物を  
    見つけ出すのは     すごくすごく      難しいということ…。       
    だけどね、  

    あなたがくれたものは

    2008-01-12 06:50:00
  • 23:

    ◆L4qEdfFlNA

    歪んでいたけど   
    それでも輝いていた。  
       
    あたしには       他のどんなものよりも      
    輝きに満ちていたの―…。

    2008-01-12 06:54:00
  • 24:

    ◆L4qEdfFlNA


      
    …あなたが好きでした。 
       

    2008-01-12 06:59:00
  • 25:

    ◆L4qEdfFlNA

      
    ━scene2━  

    2008-01-12 07:02:00
  • 26:

    ◆L4qEdfFlNA

    「椎奈?なんか具合悪そうじゃない?…大丈夫?」   
    待機中、声をかけてくれたのはお店でも一番の友達である ナナだ。       
    『んー、なんか風邪っぽくて。寒いし頭痛い…。』   
    ナナとは、前に働いていたお店で知り合った。今のお店を紹介してくれたのも、先に辞めた彼女だった。

    2008-01-12 07:09:00
  • 27:

    ◆L4qEdfFlNA

    この店に務めて二人とも約二年。ナナとも、もう三年近くの付き合いになる。 あたしが唯一、何でも話せて、何でも相談できる相手かもしれない…。          
    「えー…やばいやんか!早退させてもらったら?めちゃ顔色悪いし。」       
    『うーん…。店暇やしね。一回言ってみてくる…。』    
    心配そうに顔を覗き込むナナに返事をして、あたしはリストに向かう。なんだか本当に体調が悪い…。

    2008-01-12 07:18:00
  • 28:

    名無しさん

    あげ

    2008-01-12 13:02:00
  • 29:

    名無しさん

    ?

    2008-01-12 17:04:00
  • 30:

    名無しさん

    きもい

    2008-01-12 17:37:00
  • 31:

    名無しさん

    あげ?

    2008-01-14 06:57:00
  • 32:

    ◆L4qEdfFlNA

    あげてくれてありがとうございます?
    きもいですか???
    すいません???

    2008-01-15 00:01:00
  • 33:

    ◆L4qEdfFlNA

    リストに行くと、さっきまでキャッチに出ていたボーイが立っていた。      
    『あのさ…、ちょっと具合悪いから早退出来る?』    
    タイマーで伝票の時間を確認しながら、ボーイがあたしの顔を見た。        
    「店長に聞いてみないと分からないっす…。」     
    相変わらず無愛想。

    2008-01-15 00:07:00
  • 34:

    ◆L4qEdfFlNA

    『んじゃ、聞いてみてもらえるかなぁ?…とりあえず今は待機させて。』

    あたしはそれだけ言って、もう一度ナナのいる待機室に戻った。戻るなり心配そうな顔をしているナナ。

    「どうなった?大丈夫?」

    2008-01-15 00:13:00
  • 35:

    ◆L4qEdfFlNA

    『んじゃ、聞いてみてもらえるかなぁ?…とりあえず今は待機させて。』

    あたしはそれだけ言って、もう一度ナナのいる待機室に戻った。戻るなり心配そうな顔をしているナナ。

    「どうなった?大丈夫?」

    2008-01-15 00:14:00
  • 36:

    ◆L4qEdfFlNA

    『んー今、ユウに確認とってもらってるとこ…。なんせ帰る準備しとこっと…』   
    あたしは、ナナにそう伝えるとロッカーから着替えを取出し着替え始めた。周りに誰もいない、ナナと二人だけの時は彼の事をユウと呼ぶ。やっぱり他の女の子には、知られてはいけない…。初めはなんだか複雑な心境だったけど、そんな環境にも少しずつ慣れた。   
    「ナナさん、お願いします。」
    その時、ナナがボーイに呼ばれ接客にいってしまった。

    2008-01-15 00:24:00
  • 37:

    ◆L4qEdfFlNA

    誰もいなくなった待機室で熱くなった頭でぼーっとしていると、ドアが開きユウが入ってきた…。      
    「おう、椎奈大丈夫か…?綾人から聞いたで。やっぱりキツイ?顔色悪いな…」   
    『うん…。ちょっとぼーっとするし…仕事出来そうにないから帰っていい?』    
    着替えを終えてもう帰る気満々なんだけど。とりあえず、聞いてみる。―…ユウの返事は決まっている。    
    「送るから待ってて。」

    2008-01-15 00:35:00
  • 38:

    ◆L4qEdfFlNA

    車のキーを渡され、彼はもう一度フロアに出ていった。  

    ユウは優しい。

    あたしに何かあったら、いつも心配そうにしてくれる。心配そうに…。

    2008-01-15 00:41:00
  • 39:

    ◆L4qEdfFlNA

    だけど、


    彼の目はいつだってあたしを見ていない。
    その手はすごく…冷たい。

    2008-01-15 03:50:00
  • 40:

    ◆L4qEdfFlNA

    『ねぇ、この曲良くない?今、ハマってるんやけど☆ユウはどんなん好き?!』     
    ―付き合い初めの頃、あたしはユウにたくさんたくさん聞きたい事があった。学校はどこだったとか。何人兄弟だとか。好きなタイプはどんな子だとか…。    
    とにかく、彼の事を知りたくて、どんなに細かい事でも。それを知るたびに、どんどんユウを好きになっていく自分がいて。       
    毎日がワクワクしてた。

    2008-01-15 04:01:00
  • 41:

    ◆L4qEdfFlNA

    ユウの好きなタイプに近づきたい。そう思う一心だったと思う。だけど、いくら聞いてもユウは好きなタイプを教えてくれなかった。   
    「タイプとかないで…ただ俺の事好きな子が好き。」     
    何度聞いても、彼の答えはこれだけだった。━自分を好きになってくれる子が好き―…━ 

    その本当の意味を、当然あたしは理解できなかった。

    2008-01-15 04:09:00
  • 42:

    名無しさん

    書き方うまいね

    2008-01-15 04:11:00
  • 43:

    ◆L4qEdfFlNA

    ありがとうございます??読んでくれてる人いて感動です???

    2008-01-15 04:16:00
  • 44:

    ◆L4qEdfFlNA

    付き合っていくうちに、少しずつユウの事を知っていく。クールに見えて、本当はちょっとシャイなとこ。笑った時に、右側だけ八重歯が見えること。卵焼きには、マヨネーズをつけるとこ。寝る時は絶対に、左側を向くこと……。       

    「なぁ…俺の事好き?」     
    そして、――…彼の口癖。

    2008-01-15 04:28:00
  • 45:

    ◆L4qEdfFlNA

    たいていの事は、答えてくれたと思う。だけど、答えてくれなかった事がもう一つだけあった。       
    家族の話。…―親の話。    
    ユウはいつも曖昧な答えだった。聞かれたくない事なのかも知れない。だからあたしは、それ以来は二度と聞かなかった。

    2008-01-15 04:34:00
  • 46:

    ◆L4qEdfFlNA

      

    悲し過ぎる過去は   
    君をどれだけ… 
    苦しめただろう

    2008-01-15 04:36:00
  • 47:

    ◆L4qEdfFlNA

    捉われないで 
    縛られないで… 
     
    裏切ったりしない。  
    過去は現在を

    2008-01-15 04:41:00
  • 48:

    ◆L4qEdfFlNA

    追い越すなんて 
    出来ないんだよ…        
    あたしは君の 

    光になりたい…―。

    2008-01-15 04:43:00
  • 49:

    ◆L4qEdfFlNA

      
    ━scene3━

    2008-01-15 04:45:00
  • 50:

    ◆L4qEdfFlNA

    「…コンビニ寄らんでいいか?薬飲む前になんか食べた方がいいし。」       
    ―広い車内。ハンドルを握る彼の横顔を、見上げる。   
    『んー…そやね。そんじゃローソン寄って欲しい。あ、そこ角曲がったとこ。』    
    あたしは、指を差しながら運転するユウに説明する。ユウとは家が結構遠いからお互い相手の地元には、あんまり詳しくない。

    2008-01-15 04:54:00
  • 51:

    名無しさん

    ?おもんな

    2008-01-15 04:59:00
  • 52:

    名無しさん

    >>42は応援してるよ
    頑張って

    2008-01-16 01:59:00
  • 53:

    名無しさん

    ???

    2008-01-19 20:22:00
  • 54:

    名無しさん

    かいてほしい

    2008-03-11 08:55:00
  • 55:

    名無しさん

    うまい

    2008-03-11 18:32:00
  • 56:

    名無しさん

    頑張って!!

    2008-03-11 19:01:00
  • 57:

    ◆B7/GcXfAJ6

    2008-03-12 04:39:00
  • 58:

    ◆L4qEdfFlNA



    2008-03-12 04:40:00
  • 59:

    ◆L4qEdfFlNA

    駐車場に車を停める。『降りる?』と聞いたら、「いや、俺はいいわ。」と答えたユウを残してあたしは車を降りた。
    痛いノドに効きそうなノド飴をひとまずカゴに入れ、コンビニで適当に買い物をして…あたしは車に戻る。    
    「ちゃんと買ったか?他に寄るとこある?」       
    『…ううん。もうないよ、ありがとう。』          
    あたしは笑顔で運転席のユウに答え、車はもう近くのあたしの家へと向かった。

    2008-03-12 04:47:00
  • 60:

    ◆L4qEdfFlNA

    家に着くと、鍵を取り出し部屋に入る。「お邪魔します。」と、ユウは慣れたように部屋にあがり置いてあるスウェットに着替えた。【彼専用】に、あたしが買ったスウェットだ。   あたしは、袋からポカリを取り出してユウに渡す。    
    『…お店は?戻らなくて大丈夫なん?』

    「うーん、ちょい休憩。今日店暇やしなー。集計あるから閉店までには戻る。」     
    そう言いながら、ポカリを受け取り、…彼はタバコに火を点けた。

    2008-03-12 04:53:00
  • 61:

    ◆L4qEdfFlNA

    タバコを吸う、ユウの横顔を見る。やっぱり綺麗だ。あんまり寝てないのかな…少しだけ、目の下に隈が出来てる。そんな目線のあたしに、彼が気付く。      
    「ん?何見てるん?病人は早く寝なさいよ。ちゃんと薬飲んだかー?」        
    ユウは笑顔で、座り込んだままのあたしを見て言う。なんだか頭が痛いのも一気に吹っ飛ぶ瞬間。

    …彼とあたしだけの時間。

    2008-03-12 05:03:00
  • 62:

    ◆L4qEdfFlNA

    あたしは、ユウの近くに座り直し…背中から軽く抱きつく。普段は甘えたりなんかしないあたしが、ユウの前だけは勝手に体が動く。    
    「タバコ危ないやん。」     
    『…ん、ごめん。』        
    吸いかけのタバコを灰皿に押しつけると、ユウはお腹に巻き付くあたしの手をそっと握る―…。
    この瞬間が好き。仕事を忘れて、彼と二人で過ごせるこの時間が何よりも好き。

    2008-03-12 05:10:00
  • 63:

    ◆L4qEdfFlNA

    ユウのキスは温かい。ユウの体は温かい。彼の声が好き。彼の仕草が好き。彼の口癖が好き。

    「なぁ…好き?」    
         
    好きだよ。大好きだよ。 あたしはあなたを一人になんかしない。だからー…

    2008-03-12 05:18:00
  • 64:

    ◆L4qEdfFlNA

    だから、 
    あたしを好きになって。   

       
    あの人より       あたしを好きだと言って…

    2008-03-12 05:20:00
  • 65:

    ◆L4qEdfFlNA


    2008-03-12 05:21:00
  • 66:

    ◆L4qEdfFlNA

    ━scene4━

    2008-03-12 05:22:00
  • 67:

    ◆L4qEdfFlNA

    なんとなく、気付いてた。初めから出会った時から。あなたはいつも、―…  淋しい目をしていた。      
    『今でも好きなん?その人のこと…』

    「好きじゃないよ。昔の話やから、気にすんな。」    
    ユウはいつもと変わらない口調で話す。

    2008-03-12 05:28:00
  • 68:

    名無しさん

    続き楽しみにしています

    2008-03-14 00:17:00
  • 69:

    名無しさん

    書いて欲しい

    2008-03-19 01:50:00
  • 70:

    ◆L4qEdfFlNA

    ありがとうございます? ゆっくりですいません。 頑張って完結させます?

    2008-03-19 08:42:00
  • 71:

    ◆L4qEdfFlNA

      
    出会った頃、たぶん彼には“彼女”がいた。
    ユウは、別れたと言っていたけど。女の勘ってやつかな…なんとなく気付いた。    

    だけど、その彼女とはうまくいってなかった事も事実なんだろう。彼は、頻繁にあたしを誘ってくれたし、あたしが休みの日は必ず泊まりに来てくれた。

    2008-03-19 08:48:00
  • 72:

    ◆L4qEdfFlNA

    だから、あたしはあえて聞かなかった。たくさんの質問をしたけれど…《彼女がいるかどうか―》の質問はしなかった。いや、そこで聞いていたとしてどっちの答えが返ってきたとしても    
    …あたしの不安が晴れることはないと思ったから。


    彼との始まりにまだ嘘は必要ないと信じていた。

    2008-03-19 08:58:00
  • 73:

    ◆L4qEdfFlNA

    だけど、その“彼女”と別れた頃ユウの口から初めて《元カノ》の話を聞いた。    
    何の気なしにそういう話題になったけど、あたし自身過去と分かれば知りたいのが本音だった。

    彼の彼女だった人は、―…どんな人だったのだろう。

    2008-03-19 09:15:00
  • 74:

    ◆L4qEdfFlNA

       

    最初から 
    最初から気付いてたの。    
    あたしはきっと

    2008-03-19 09:21:00
  • 75:

    一生 
    あの人にはかなわない。     

    一生  
    あなたは手に入らない…―" " "08/03/19 09:24

    2008-03-19 09:24:00
  • 76:

    ◆L4qEdfFlNA


    2008-03-19 09:24:00
  • 77:

    ◆L4qEdfFlNA

     
    ━scene5━ 

    2008-03-19 09:26:00
  • 78:

    ◆L4qEdfFlNA

    「…椎奈、聞いてるか?俺そろそろ帰るで?店閉店なったし集計出しに行かないと。一人でいけるか?」     
    ―…抱きついたままいつの間にかうとうとしていたあたしは、ユウの声で目が覚めた。
    『…ん、ごめん…寝てた?時間、遅くなってごめん。大丈夫?』   

    あたしは、壁にかけてある時計を見てユウに謝る。

    2008-03-19 09:30:00
  • 79:

    ◆L4qEdfFlNA

    「大丈夫やで。ちゃんと着替えて暖かい格好して寝とかなあかんでー?また起きたら連絡して。」       
    ユウはあたしの頭をポンポンとすると、自分の携帯をもう一度確認してから玄関に迎う。…この瞬間が、とてつもなく寂しい。       
    『…ありがとう。気を付けてね。』

    玄関までついていき、靴を履くユウの後ろ姿を眺める。

    2008-03-19 09:35:00
  • 80:

    ◆L4qEdfFlNA

    「んじゃな?ゆっくり寝ろよー?おやすみ。」      
    ユウは、そう言うとノブに手をかけ笑顔で振り返る。         
    『……ユウ、』  

    「ん?どしたん?」

    2008-03-19 14:10:00
  • 81:

    ◆L4qEdfFlNA

      
    『……なんでもない、おやすみなさい。』         

    あたし本当は知ってるの。   

    2008-03-19 14:13:00
  • 82:

    ◆L4qEdfFlNA

    だけどあなたからまだ  離れるのが 恐いの…。     
    「なんやねんそれー。冷えるから閉めるで?ゆっくり寝なさいよ!おやすみ。」     

    だから、傍にいさせて―。

    2008-03-19 14:18:00
  • 83:

    ◆L4qEdfFlNA


    ユウが帰ったあと、部屋に戻ると携帯のランプが点滅している事に気付く。あたしはそれを確認すると、再びベッドに潜り込み、かけ直す。…‐… 
    『…もしもし?』       
    《もしもし?おー寝てた?おはよっ。》         
    『ごめん、さっきまでユウと一緒だった。…今から仕事??』

    2008-03-19 14:23:00
  • 84:

    ◆L4qEdfFlNA

    《そっ、バリバリ今から仕事ー。同伴待ちよーん。んで…聞きたい事ってなに?っつか、お前あいつとまだ付き合ってんの?》      
    電話ごしに、タバコに火を点けるジッポの音と…、少し呆れたような声が響く。    
    『……、あのさ、隼人ってユウの元カノ知ってるんやんね??』            
    質問にはあえて触れずに、あたしは確信に話を逸らす。

    2008-03-19 14:30:00
  • 85:

    ◆L4qEdfFlNA

    《元カノ…?あー、なんで??》

    やっぱり隼人は知ってる。ユウの過去も、あの冷たい目の理由も…―。          
    《つかさ、前から言ってるやろ?あいつだけはやめとけって……。あいつはお前が思ってるようなやつとちゃうから!な、椎奈?》      
    隼人は、彼の何を知ってるというのだろう。

    2008-03-19 14:36:00
  • 86:

    ◆L4qEdfFlNA

    隼人、職業ホスト。この街でこの仕事をして五年。 代表とかいう肩書きを持つ、完全にこの街の色に染まった男。いや、本人いわく「街を俺色に染めてやる」くらい自信家のこの男は、   
    あたしの…【元彼氏】。     
    元彼と言っても、学生時代の話だからもう三年以上前だ。水商売をあたしが始めたくらいに、お互いに価値観が変わってしまって別れた。まぁ、別れた理由は他にも積もり積もったものだったかも知れないけど。

    2008-03-19 14:44:00
  • 87:

    名無しさん

    書いてくれてありがとうございます!続き楽しみにしています

    2008-03-21 01:36:00
  • 88:

    ◆L4qEdfFlNA

    ありがとうございます??書き込みあると、かなり励みになります。 
    今から頑張ります!

    2008-03-21 02:42:00
  • 89:

    ◆L4qEdfFlNA

    《…んで、あいつの元女がどうしたって?柄にもなく嫉妬か?》  
    『……そうじゃなくて、』    
    これはただの強がり。本当は、気になって気になって仕方がない。ユウの付き合っていた人が。彼の愛した人が―… 
    だって、彼はきっと今も。    
    《とにかく、あんま深入りすんな。それがお前の為やねん、…まぁ分かれや?》

    2008-03-21 02:47:00
  • 90:

    ◆L4qEdfFlNA

    『…どんな人だった?見た目とか、雰囲気とか。それくらい教えてくれてもいいんやない?』
    こんな事聞いて、何になるんだろう。格好悪い…。 だけど、昔の男にすがって聞き出したいほど、あたしはユウの事なら知りたい。   
    《……見た目なぁ、見た目は普通の子かな。黒髪で化粧もほとんどしてないような、まぁ、言っても俺が見たのも…二年くらい前の話やからな。》

    普通の子。煌びやかなこの世界で、彼が選んだ女の人…。

    2008-03-21 02:57:00
  • 91:

    名無しさん

    .

    2008-03-23 03:19:00
  • 92:

    ◆L4qEdfFlNA

    《…とりあえず、俺仕事やからまた話聞くわ。お前の事は心配やからな!》  『……心配されるような事はないけどね。ま、忙しい時にありがと。仕事頑張ってね。』            
    隼人の電話を切り、携帯を見るとディスプレイにメールのマークが。受信boxには、【ユウ】の名前…― それだけで、胸が熱くなる、
    あたしは… 病気なんかな。  
    隼人の心配なんて、耳に入らない。ううん、耳になんか入れたくない。

    2008-03-23 06:23:00
  • 93:

    ◆L4qEdfFlNA

      
    【おやすみ。愛してる。】    

    彼の言葉だけで、温もりだけで、あたしは 

    2008-03-23 06:25:00
  • 94:

    ◆L4qEdfFlNA

     

    生きていける…――。

    2008-03-23 06:26:00
  • 95:

    名無しさん

    おもんな

    2008-03-23 06:27:00
  • 96:

    ◆L4qEdfFlNA



    2008-03-23 06:28:00
  • 97:

    ◆L4qEdfFlNA

    「椎奈、五番行くで!場内入ったから、二番と七Aと三席交互に回すから。」 『…了解ー。』          
    今日は、花の金曜日。開店と同時に店もそれなりに忙しい。あたしも慌ただしく席をクルクル回ってた。     
    そこで着いた新規のお客さん。若い…20代前半くらいかな?あたしは、どうもおじさんうけはいいらしいけど若いお客にはあまりうけない。
    だから、こんなお客さんからの場内なんて珍しい。

    2008-03-23 06:35:00
  • 98:

    ◆L4qEdfFlNA

    長い髪の毛に、大げさに入ったさまざまな色のメッシュ。…髪はサイヤ人みたいに、立っている。典型的な、ギャル男って感じで、あたしが一番苦手なタイプ。   
    気づけば、省吾は二時間も延長していてあたしの疲れも徐々に出てきていた…。会話も途絶えがち。このままじゃもたへんな…。      
    そんな事を考え始めた時。

    2008-03-23 06:55:00
  • 99:

    ◆L4qEdfFlNA

    省吾の口から出た言葉に、あたしは一気に体が反応する――。
    「あ、そういや店長今日はおらへんの!?!」   『…え、?店長は、今姉妹店に行ってるらしいけど…なんで?』       「そうなんやー。安してもらおうと思ったのに(笑) あ、俺ユウセイと同級生やねん!」            
    ………同級生って。

    2008-03-23 07:00:00
  • 100:

    ◆L4qEdfFlNA

    さっきまでのしんどさが、一気に吹き飛ぶ…。   『そ、そうなんやー。仲良かったん?』      「仲良かったで!こっちで店やってるて地元の連れに聞いたから、わざわざ来たったのに(笑)電話してから来たら良かったなー」     
    笑いながら話す、ほろ酔いの省吾に、あたしは焦る気持ちでいっぱいだった。 聞きたい事は、たくさんある。だけど… 聞いてしまえばあたしは         
    きっときっと後悔する―。

    2008-03-23 07:05:00
  • 101:

    ◆L4qEdfFlNA

    モヤモヤした気持ちが嫌で、目の前にあるグラスに入ったカクテルを胃に一気に流し込んだ。         
    「あいつ今もヤンチャしよるん??昔ひどかったからなー(笑)」           
    あたしは、ユウの過去を緊張しながら聞いていた。 聞きたくない。聞きたくない。聞きたい。聞きたくない。聞きたい。聞きたい…    

    「あいつ…まだ、咲優ちゃんと付き合ってるんかなー??」

    2008-03-23 07:12:00
  • 102:

    名無しさん

    待ってます

    2008-03-23 23:09:00
  • 103:

    ◆L4qEdfFlNA

    ありがとうございます??

    2008-03-24 22:42:00
  • 104:

    ◆L4qEdfFlNA

    『…咲優ちゃんって?店長の彼女??』
    「そやでぇ、咲優ちゃんって子がおってな。俺ら三人同級生やったからなぁ、」  
    そうなんだ、ユウの元彼女は同じ年の人

    「やけど……まぁ、あんな事があったんやし別れてるやろな。…咲優ちゃん今病院やし。」

    2008-03-24 22:58:00
  • 105:

    ◆L4qEdfFlNA

    え、病院って…? 

    『病院って…彼女…さん病気なん、??』         
    「……いや。まぁそんな話はえーやんか!せっかく楽しい酒やねんし、ユウセイもおらんわけやし今日は普通に楽しもうや!」   そう言って、ほろ酔いの省吾は一気にテーブルの上の焼酎ロックを飲み干した。   
    ―…あたしは、なんだか胸がざわざわしていくのを感じた。自分が考えていたことより、何かすごくすごく嫌な予感がした。

    2008-03-24 23:04:00
  • 106:

    ◆L4qEdfFlNA

    え、病院って…? 

    『病院って…彼女…さん病気なん、??』         
    「……いや。まぁそんな話はえーやんか!せっかく楽しい酒やねんし、ユウセイもおらんわけやし今日は普通に楽しもうや!」   そう言って、ほろ酔いの省吾は一気にテーブルの上の焼酎ロックを飲み干した。   
    ―…あたしは、なんだか胸がざわざわしていくのを感じた。自分が考えていたことより、何かすごくすごく嫌な予感がした。

    2008-03-24 23:05:00
  • 107:

    ◆L4qEdfFlNA

    え、病院って…? 

    『病院って…彼女…さん病気なん、??』         
    「……いや。まぁそんな話はえーやんか!せっかく楽しい酒やねんし、ユウセイもおらんわけやし今日は普通に楽しもうや!」   そう言って、ほろ酔いの省吾は一気にテーブルの上の焼酎ロックを飲み干した。   
    ―…あたしは、なんだか胸がざわざわしていくのを感じた。自分が考えていたことより、何かすごくすごく嫌な予感がした。

    2008-03-24 23:06:00
  • 108:

    ◆L4qEdfFlNA

    え、病院って…? 

    『病院って…彼女…さん病気なん、??』         
    「……いや。まぁそんな話はえーやんか!せっかく楽しい酒やねんし、ユウセイもおらんわけやし今日は普通に楽しもうや!」   そう言って、ほろ酔いの省吾は一気にテーブルの上の焼酎ロックを飲み干した。   
    ―…あたしは、なんだか胸がざわざわしていくのを感じた。自分が考えていたことより、何かすごくすごく嫌な予感がした。

    2008-03-24 23:07:00
  • 109:

    名無しさん

    すいません、接続悪くて失敗しました

    2008-03-24 23:08:00
  • 110:

    名無しさん

    楽しみ

    2008-04-01 22:59:00
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