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涙の跡

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  • 1:

    今日、いつもの帰り道。思いもしない事が起きた。

    2008-01-10 01:58:00
  • 2:

    あたしは工藤奈々。
    付き合って1年になる大好きな彼氏がいた。生まれて初めてこんなに人を愛した。彼氏の名前は小林冬耶【トウヤ】。喧嘩しながらも仲良く変わらない毎日を過ごしていた。
    -…電話が鳴った…-

    2008-01-10 02:05:00
  • 3:

    ディスプレイを見ると冬耶からの着信だった。
    奈々『もしもし?今、バイトの帰りやで-』冬耶『…奈々ちゃん?』
    -女の声であたしの名前が呼ばれる-
    【えっ?なんで?】あたしは思いもしない出来事にただうろたえていた。

    2008-01-10 02:09:00
  • 4:

    奈々『え?誰ですか?冬耶は?』○○『冬耶のお姉の春香。冬耶が…奈々ちゃん?落ち着いて聞いてな?実は冬耶が…』

    嫌な予感がした。奈々『何ですか?』春香『冬耶が事故に遭って病院に運ばれてん。今から第一病院まですぐきて?』
    頭が真っ白になった。
    奈々『すぐ行きます。』あたしはタクシーを拾い病院に向かった。

    2008-01-10 02:16:00
  • 5:

    タクシーに乗ってる間【大丈夫、大丈夫】と自分に言い聞かせた。

    病院に着き走ってナースステーションまで行った。奈々『あの…救急車で運ばれた小林冬耶は?』ナース『今、手術中なので手術室の前でお待ち下さい。』
    あたしはまた走って手術室に向かった。

    2008-01-10 02:23:00
  • 6:

    手術室の前に着くと冬耶の家族がみんないた。みんな泣いている。【え?そんなに大変な手術なん?】春香さんに聞いた。奈々『冬耶どうなんですか?』春香『トラックが対向車線から出てたみたいで、冬耶の車に接触してそのまま電柱に衝突したらしいねん。危ない状態らしい…』春香さんはそう言うとまた泣きだした。

    2008-01-10 02:31:00
  • 7:

    頭が真っ白になった…。涙は出ない。信じられなくて、あたしは妙に冷静だった。
    奈々『冬耶の友達にも連絡取ってきます。』あたしは、そう言いその場から離れた。受付の所であたしが電話番号を知っている唯一、冬耶の友達の尚樹に電話をした。寒くもないのに手が震えていた。
    -プルルルルー
    尚樹『どうした?』奈々『実は、さっき冬耶が事故に遭って今第一病院に運ばれて手術してる。』尚樹『はっ?』奈々『だから早く来て。』尚樹『嘘やろ?』奈々『ほんまやから。早く来て!』尚樹『わかった。すぐ行く。』

    2008-01-10 02:39:00
  • 8:

    しばらくして尚樹と冬耶が仲の良い涼太と優斗が走ってきた。深刻な空気を察知したのか3人共、ただうろうろしていた。
    あたしはずっと心の中で【大丈夫。】と呟いていた。

    2008-01-10 02:45:00
  • 9:

    病院に着いて1時間半が経った。手術室のランプが消えお医者さんが出てきた。みんなお医者さんに歩み寄った。
    春香『冬耶は?』お医者さんは本当に残念な顔をして『最善は尽くしたのですが…』とだけ言い俯いた。
    家族はみんな泣き崩れていた。あたしは呆然として、何がなんだかわからなかった。

    2008-01-10 02:51:00
  • 10:

    冬耶が部屋に運ばれて、冬耶の顔を見た。いつもの綺麗な冬耶の寝顔だった。ただいつもとちがうのは冬耶が暖かくない。だんだん冷たくなっていた。
    みんな冬耶にしがみついて泣いている。あたしはただ冬耶の手を握っていた。

    2008-01-10 02:54:00
  • 11:

    みんなが泣いているのと冬耶の顔をしばらく見ていると、あたしは何かの線が切れたかの様に泣き叫んだ。奈々『冬耶!起きて!はよ家帰ろ?眠いんやったら家で寝よ?とうやぁ!』あたしは狂ったかの様に泣きながら冬耶にしがみついた。奈々『嫌や…嘘や…奈々の事、ほってどこ行くん?嫌や…冬耶…』

    2008-01-10 03:02:00
  • 12:

    尚樹があたしの横にきて、体を引き寄せられた。あたしは子供の様に声をあげて泣いた。尚樹にしばみつくように。尚樹も泣いていた。

    2008-01-10 03:07:00
  • 13:

    名無しさん

    ?

    2008-01-12 13:39:00
  • 14:

    それから何時間が経っても、あたしは冬耶のそばから離れなかった。尚樹『奈々ちゃん。ちょっと休み?』奈々『嫌や。冬耶、起きて奈々おらんかったら不機嫌なるもん。』尚樹『…。』

    奈々『冬耶?早く起きて…。』
    冬耶がいなくなったなんて思いたくないあたしは、ひたすら冬耶に話しかけていた。

    2008-01-13 04:56:00
  • 15:

    尚樹『奈々ちゃん…。冬耶もうおらんねん…。』奈々『…。冬耶は寝てるだけやで?もうすぐ起きるから。』あたしは、この時頭がおかしくなってたのかもしれない。冬耶が死んだなんて思いたくないのに、勝手に涙が溢れてくる。

    奈々『冬耶な、いつも奈々が泣いたらな、泣き虫!子供か!って怒るねん。でも、涙拭いてくれて…抱っこしたるからもう泣くなっていつも言うねん。』

    2008-01-13 05:02:00
  • 16:

    奈々『冬耶が寝てる時、奈々が声殺して泣いてても気付いて抱きしめてくれるねん。』尚樹『…。』奈々『冬耶ぁ。奈々今泣いてるのに…。今日は気付いてくれやんの?抱っこしてくれやんの?…。』

    2008-01-13 05:05:00
  • 17:

    あたしはまた泣きじゃくった。


    それから3日間の記憶はあまり覚えていない。
    ただわかった事は冬耶がいなくなった事。冬耶がいなくなってあたしは仕事も辞め毎日泣いているだけだった。

    2008-01-13 05:09:00
  • 18:

    冬耶がいなくなって1週間が経った。誰とも話したくない。何も食べたくない。眠れない。あたしは1週間で本当にやつれた。みんなが心配してくれて毎日、電話やメールがきた。でも電源を切った。


    冬耶がいない世界で生きていけない。あたし何の為に生きてるの?つらい…。冬耶の声が聞きたい。冬耶に会いたい。抱きしめてもらいたい。

    2008-01-13 05:14:00
  • 19:

    2週間が経った。あたしは病院に通い始めた。母親のすすめで点滴をうちカウンセリングを受けに行っていた。その病院からの帰り、あたしの家の前に尚樹と涼太と優斗がいた。奈々『どうしたん?』尚樹『よっ!奈々ちゃん、ずっと電源切れてるから心配でみんなで会いにきた!』奈々『そっか…。ごめんな、心配かけて…。』尚樹『奈々ちゃん?飯食ってるん?痩せすぎやろ…』

    2008-01-13 05:21:00
  • 20:

    奈々『…。ごめんやねんけど、もう帰って。誰にも会いたくないねん。』
    涼太『…。俺らな、3人共めちゃくちゃ泣いてな…話し合ってん。冬耶がな、好きになった奴俺ら尚樹と優斗と3人で冬耶の代わりに守って幸せにしてあげよって。冬耶が途中でできひんくなった事、俺らでしてあげたいねん。』奈々『奈々は、冬耶じゃないと意味がない。冬耶じゃないと幸せじゃないから。そんなんいらん。』

    2008-01-13 05:28:00
  • 21:

    それから毎日、3人はあたしの家にきた。もちろんあたしは会っていない。母親に会ってお菓子や果物を持ってくる。
    母『また今日もきてくれたで。みんな奈々の好きな食べ物知ってるん?』奈々『…。なんで?』母『あんた食べやんけど、いつも奈々が好きな食べ物ばっかり持ってくるで?』奈々『…。たまたまやろ。』母『そう…。今日はなんか食べれそうか?』奈々『何もいらん。』母『いい加減なんか食べて!適当に持ってくるから。』

    2008-01-13 05:43:00
  • 22:

    たくさんのあたしの好きな果物があった。あたしは一口だけ食べてまた眠りについた。起きたら『お前、寝すぎじゃ!はよ用意しろ!』って冬耶が言ってくれそうな気がして…。

    2008-01-13 05:47:00
  • 23:

    しばらくしてあたしは、起きた。冬耶はいない。寝て起きて泣いて寝て…の繰り返しだった。

    立ち直れない。前に進めない。

    2008-01-13 05:48:00
  • 24:

    そんな生活が2ヶ月続いた。相変わらず毎日3人のうちの1人は家にきていた。みんな仕事しているし、時間がある人だけ来てくれていた。女友達も3日に1回は会いにきてくれていた。

    2008-01-13 05:51:00
  • 25:

    そして、日曜日なった。尚樹・涼太・優斗3人が家に来た。母親がいつも家に入れる。だからあたしは部屋でいつも会わない様にしてた。でもこの日は…
    尚樹『奈々ちゃん?体調どない?今日な、冬耶んち掃除しに行かん?』奈々『…』涼太『冬耶のおかんに鍵借りたから行こ?』

    あたしは部屋のドアを開けた。

    2008-01-13 05:55:00
  • 26:

    奈々『行く…。』
    みんな驚いていた。会いたくないとずっと拒んでいたあたしが出てきた事と、骸骨の様ながりがりのあたしを見て。

    でもみんなすぐ笑顔になって冬耶の家へ向かった。

    2008-01-13 05:58:00
  • 27:

    あたしは車に乗ってる間も何もしゃべらずただ外を見ていた。冬耶の家の近くになるにつれて、涙は止まらなくなっていた。

    冬耶と見た風景。冬耶と通った道。何も変わっていないのに、冬耶がいない。

    2008-01-13 06:00:00
  • 28:

    冬耶の住んでいたマンションに着いた。あたしはすでに泣きじゃくっていた。鍵を渡され開けて、中に入った。

    冬耶がいなくなる前と何も変わっていない。冬耶の匂いが染み込んでいる部屋。あたしは泣き崩れた。

    2008-01-13 06:02:00
  • 29:

    尚樹・涼太・優斗の3人もただ部屋に座っている。あたしはベッドに顔を付けて泣いていた。

    尚樹『さぁ!掃除しよか-。』優斗『うん!』奈々『…。洗濯はしやんとこな。冬耶の匂い消えるの嫌や。』 涼太『おっけ-っす!』
    みんなで掃除を始めた。あたしはテレビの横の台を拭いていた…。その台にはプラスチックの箱があった。その中には沢山の紙が入っていた。

    2008-01-13 06:08:00
  • 30:

    あたしは冬耶といた間、部屋を漁ったりした事がなかった。
    その紙を見てみた。

    そこには、あたしが記念日や冬耶の誕生日に書いた手紙全てが入っていた。

    2008-01-13 06:10:00
  • 31:

    また泣けてきた。いくら泣いても涙は止まらない。
    尚樹がそれに気付いて…『泣かせるつもりないけどな冬耶、奈々ちゃんから手紙もらう度に俺に自慢してきてたわ!』あたしはまた声をあげて泣いた。

    2008-01-13 06:13:00
  • 32:

    そこには書いたのに喧嘩をして渡せなかった1ねん記念の手紙もあった。渡す前に喧嘩をしてぐちゃぐちゃに丸めてあたしが捨てた。冬耶はごみ箱に入ってるのを見つけたらしい。尚樹『その手紙な、冬耶がキレててん。なんで捨てるんやって。気付かんかったらゴミなってたってスネててんで!笑』あたしはもう泣いてばかりだった。

    2008-01-13 06:17:00
  • 33:

    こんなに愛しいのになんで?なんで冬耶はおらんくなったん?あたしは掃除どころじゃなくなり、いつの間にか眠っていた。

    2008-01-13 06:21:00
  • 34:

    冬耶のベッドで寝ていると夢を見た。

    冬耶『よっ!久しぶり!奈々お前、痩せすぎ!そんなん抱き心地良くないからあかんわ!飯くえ!じゃないと抱っこしやんぞ!』奈々『冬耶ぁ。奈々に会いにきてくれたん?』冬耶『お前が心配ばっかかけるからやんけ。約束したらまた会いにくる。』奈々『何を約束するん?』冬耶『ちゃんと飯くって尚樹らの言う事聞く事やな。』奈々『…。わかった!約束守ったらまた絶対会える?』冬耶『くる、くる。来たるから約束守れよ!』そう言って笑いながら冬耶は消えていった。

    2008-01-13 06:28:00
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