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正しいコトをしようか
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1:
口◆e5fjrax.NA
例えば、このチョコの中にさ、1個だけ変なモンが混ざってたとするじゃん。
そしたら、他のヤツは大丈夫かな?って
誰だって不安になるよね。
2008-01-20 02:39:00 -
2:
口◆e5fjrax.NA
第一話 大の告白
2008-01-20 02:42:00 -
3:
口◆e5fjrax.NA
「いつから?…」
それ以上、円(マドカ)は言葉が浮かばなかった。鼓動が速くなることもなく、妙に心はシーンとしている。
ただ、耳が尋常じゃなく熱かった。静かに興奮している。
「いつからだろ。わかんないけど…別にいつからでもいいじゃん。今、こうして女になりたいのは事実なんだから。」
「…よくないだろー…」
唇が、脳からの思考停止の信号を受け、古いKトラみたいにプルプル震えた。
2008-01-20 02:43:00 -
4:
口◆e5fjrax.NA
大(マサル)のまっすぐな瞳が(俺は悪くない。円ならわかるでしょ?)と、自分に訴えてるみたいで、円はそれに気付かないフリをした。
それでも、双子のせいなのだろうか、空気から大の気持ちが自分の中に入ってくる。
耐え切れなくなって下を向いていても、大がこっちを見つめているのは気配でわかった。
2008-01-20 02:44:00 -
5:
口◆e5fjrax.NA
一卵性双子の二人は、小室哲Yが歌謡会に旋風を巻き起こした年に姓を受ける。
幼い頃は取っ組み合いのケンカもしたものの、年頃になってからは、二人で買い物に行ったり、お互いの彼女、彼氏を連れてダブルデートをしたり、両親が温和な性格の事もあって、結構仲良しな姉弟として生きてきた。2008-01-20 02:45:00 -
6:
口◆e5fjrax.NA
円も大には、恋愛相談をしたり、クラブを辞める時の口実を、口ベタな自分の変わりに、徹夜で考えてもらったりと、色々助けてもらっているもんだから、
「いつか、大が困った時は言ってね」
なんて…その度に言ってきたけれど…まさかこんなヘビーな内容とは…
2008-01-20 02:45:00 -
7:
口◆e5fjrax.NA
円は、まだ下を向いている。
そんな円を見てやれやれと苦笑いした大は、円から目を逸らし、分かり易く外を見ながら話し始めた。
2008-01-20 02:46:00 -
8:
口◆e5fjrax.NA
「正直、円は気付いてるかなぁとか思ってたけどね。服とか、色使い結構女趣味じゃん俺」
「…そんなことないよ。…ただオシャレなだけだと思ってた」
「まぁ…別に今すぐどうこうする気ないけどね。ただ父さん達に言う前に円には言いたかった。色々…これから相談にも乗ってもらいたいじゃん。」
2008-01-20 02:46:00 -
9:
口◆e5fjrax.NA
「父さん達に言うの!?」
団地の角部屋は音の響きがいい。換気パイプに響く程の円の大きな声を、大がシーと口の前に一本指を立てて制止した。
「だって、まだ調べてないから分かんないけど、ホルモンとかも打っていきたいし、最終的には完璧な女になりたいし」
2008-01-20 02:47:00 -
10:
口◆e5fjrax.NA
「???」
目を白黒させる円に、大は顔をクシャっとさせて笑った。大は大抵何かを諦めてしまう時、いつもこんな顔をする。自分勝手な平和主義の所がある大は、
(はいはい、もーいーよ。これで終ろう。)と表情だけで円に伝えてしまうのだ。
2008-01-20 02:47:00 -
11:
口◆e5fjrax.NA
「まぁまた今度話すよ。父さん達も帰ってくるし、俺、ダマシ達いるからコンビニ行ってくる。」
「澤田君達は知ってるの?」
聞いた瞬間に、バカな質問だと口をつぐんだが、
「知ってる訳ねーじゃん。バーカ。カムったの円が第一号だよ。」
という大の言葉が、ビックリする位早く戻ってきた。
2008-01-20 02:48:00 -
12:
口◆e5fjrax.NA
ケロっとしている様に見えても、やはりこれは大にとって、思いつきの告白ではなく、人生を変える第一歩だったようだ。
動揺している自分を悟られたくないのか、まるでコマ送りの様に、玄関の壁で体を支え自分の靴に足を突っ込むと、靴箱の上の原チャの鍵を手探りで探して、大はさっさとノブに手をかけた。
2008-01-20 02:49:00 -
13:
口◆e5fjrax.NA
「…あ、ごめん」
円はこの後に帰ってくる言葉が予想出来た。
「何が?(笑)」
それが的中したと同時に、自分は味方だからと伝えたかったものの、瀬戸家のマグネットだらけのドアの間に、大は消えていった。
2008-01-20 02:50:00 -
14:
口◆e5fjrax.NA
立て付けの悪い玄関のドアがゆっくり閉まり、つーんと鼻の奥で血の味がした。
いつもの様にベットの中で少し泣いたが、まだ15の円には、それが何の涙か分からなかったが、泣かずにはいられなかった。2008-01-20 02:51:00 -
15:
口◆e5fjrax.NA
自分の双子の姉弟が男だけど女になりたくて…それはまだ私しか知らない事で…状況を整理しようとすればする程、円の頭の中はこんがらがっていく。
特に、今まで見たり聞いたりしてきた大のマセた恋愛遍歴が、女になりたいという事実を、真っ向から否定する。遊んでいただけならまだしも、一年以上続いた子もいたのに…
さっきは思考停止状態で言葉が続かなかったけど、二時を過ぎる頃には、大に聞きたい事、言いたい事で、私の心は爆発しそうになった。
2008-01-20 02:54:00 -
16:
口◆e5fjrax.NA
メールをしようか迷ったけれど、そう思うと気持ちが溢れ過ぎて、今度は言葉が選べない。
色々考えている間にスズメが鳴き始め、ようやく眠りについた。
大は、今何を考えているのだろう。
初めてそんなコトを思いながら・・・・
2008-01-20 02:55:00 -
17:
口◆e5fjrax.NA
第二話 円の苦悩
2008-01-20 03:53:00