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†執事†
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1:
主
カランカラン…
『いらっしゃいませ。』 黒いスーツを綺麗に着こなした若い男が近付いてくる
『こちらのお席へどうぞ』1番近くにあるテーブル席に案内される。 優は椅子に座り部屋の中を見回す。
(何かアジアンな感じ…というか…暗いな…) 部屋の暗い雰囲気に少し戸惑う。2008-01-30 23:30:00 -
2:
主
男は白いカップにコーヒーを入れて優の前に差し出した。
『ありがとうございます』軽く頭を下げて一口飲む。『おいしい…』 とても自分の口に合う味だったのでつい言葉が出てしまった。 『そうですか?こちらとしても嬉しいですね』 男は優に微笑みかけながら正面の椅子に座る。2008-01-30 23:37:00 -
3:
主
『はぃ。こんなおいしいコーヒー初めて飲みました』男は優しく頬笑んだまま、『おかわりならまだありますよ?』
優は軽く頭を下げて 『ありがとうございます。でも大丈夫です』 男は頷いて手の平を組む。『本日はどのようなご用件で…?』
優はある紙をカバンの中から取り出して男に見せる。『こちらは…?』 『このお店の壁に貼ってあったんですけど…電話番号の方が書かれてなかったんで…直接聞いてみようと』 バンッ! 男はいきなりその紙をテーブルに叩きつけるなり怒鳴りながら店の奥へと歩いていく。 『皐月さん!どうして私に何も言ってくれないのですか!!?』 『何怒ってんだよ…』 男はその言葉で更に熱くなり、更に声がでかくなる。優はどうしていいのかわからなくなり椅子から立ち上がり、男のいる方へと歩いていく。2008-01-30 23:54:00 -
4:
主
『アルバイトを雇うなんて…3人もいるんですよ?』男は腕を組ながら目の前の皐月という男に聞いてみる 『人数が多い方がこっちも助かる。…ていうか人数が多い方が楽しいだろ?』 部屋の奥で皐月という男がクスクスと笑っている。 優は最初の男に向かって声をかける。 『あの…どうしても働きたいんです!お願いします!』 優は頭を深く下げる。 男は目を丸くして優の肩を掴んだ。 『頭を上げて下さい!』 男がそう言った瞬間、部屋の奥から皐月が出てきた。
2008-01-31 00:04:00 -
5:
主
その皐月という男は優の前にしゃがみこみ優の顔を覗き込む。 『顔あげな。俺はあんたを雇う。文句ないでしょ?』優はその言葉で顔を上げる。 目の前には綺麗な顔の小柄な少年が立っている。 中学生に見える。 皐月は優に頬笑んでいる。まるで妖精の様な可愛らしい顔でこちらを見ている。 するとその姿を見ていた男がまた怒鳴りだす。 『皐月さん!私はまだ良いとは言っていない!しかもこの方中学生位の若い女性じゃないですか!』 皐月は男を見上げて男の襟を掴む。 『誰に命令してんだ…? 俺が決めた事だ。文句つけるな……』 その言葉で男は下唇を噛みしめながら口を閉じた。
2008-01-31 00:15:00 -
6:
主
2人共落ち着いて椅子に座る。 『あんた名前は?』 皐月はテーブルに腕をつきながら聞く。 『優です』 優は面接の時の様に腕は膝の上に置いてある。
『優かぁ…。良い名前だな。俺は皐月。綾里 皐月』皐月はテーブルを拭いている楓を指さし、 『こいつは楓。俺の執事』楓は優しそうな顔をして優にお辞儀をする。 『宜しくお願いします』 優は軽くお辞儀して皐月に聞く。 『執事って…あの執事ですか?』 皐月は窓の外を見ながら 『おぅ。あと2人ココで働いてる奴らがいるんだけど…。楓?あいつらいつ帰ってくる???』 楓は腕時計を見て、 『もう帰ってくると思いますよ?買い物にしては長いですし…。寄り道じゃないですか?』2008-01-31 14:15:00 -
7:
主
そうこうしてる間に窓ガラスがガタガタと揺れ始めた。『地震ッ…?』 優はテーブルにしがみ付く 『地震なんかじゃないですよ?ワラ』 楓は優を見て笑っている。皐月は不機嫌そうにブツブツと呟いている。 『あいつ等が帰って来たんだろーょ…。』 皐月が言った瞬間…窓が勢い良く開いた。
2008-02-01 01:17:00 -
8:
主
『たっだいまぁー♪遅くなっちゃった?ゴメンね?』窓から勢い良く入ってきた男性。ブーツをコツコツと言わせながら皐月の下に歩いていく。 『ただいまッ…!ごめんねッ!でも林檎買ってきたよ』もう1人窓から入ってきた。今度は小学1〜2年という感じのオレンジの髪の色をしたチェックのズボンを履いた可愛らしい少年。目がクリクリと動いている。 『お前等おっせーんだょッ!!どんだけ待たせる!?客が来てるんだ!座れ!早くッ!!!』 皐月は椅子に座りながら貧乏揺すりをしている。
2008-02-01 01:25:00 -
9:
主
『お客さん…?』 ブーツの男性はこちらを見てボーッとしている。 『こんにちわッ!』 もう1人の少年は可愛くお辞儀をする。 優は軽く2人にお辞儀をして皐月の方をみる。 『こっちのデカイ方が春人。チビが日向』
2008-02-01 01:37:00 -
10:
主
日向は優の向かい側の席に座る。春人は皐月の後ろに周り、皐月の身体に手を回す。
優はとりあえず立ち上がる『あっ!優って言います。宜しくお願いします』 春人は優の顔を見ながら、『宜しくお願いしますッ!今日はどーゆーご用で?』春人が喋った瞬間、楓の平手が飛んできた。 『痛ッたいよー!楓!頭は苦手なんだよー!』 ほっぺたを膨らませながら自分の頭を撫でる。2008-02-02 01:02:00 -
11:
主
楓は人数分の珈琲を入れてきたようで、テーブルに乗せていく。 『まずは椅子に座りなさい…』 春人は何も文句は言わずに椅子に座る。 楓も椅子に座り、人数がそらった所で皐月が口を開く
『今日から優がここの店で働く事になった。こいつの事はお前らに任せるからな?キチンと仕事は教えるように…』2008-02-02 01:13:00