-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
愛のかたち
-
1:
名無しさん
僕の名前はケンタ。
どこにでもいるような、ブルドッグ。
2008-02-21 23:00:00 -
2:
名無しさん
自慢は足が速いこと。
僕が本気を出せば、車だって追い越せる。
それから食欲旺盛。
食べっぷりがいいって、いつもご主人様は褒めてくれる。
2008-02-21 23:03:00 -
3:
名無しさん
彼女と散歩に行きたくて、
彼女に頭をなでてもらいたくて…2008-02-24 21:45:00 -
4:
名無しさん
いつも僕は彼女のことを想っているんだ。
朝起きてから夜寝るまで。
そして夢の中でさえも…
2008-02-24 21:47:00 -
5:
名無しさん
僕たちは、この大きな一軒家に、
たった二人だけで暮らしている。
飼い主の名前は「愛」
この世で一番ステキな名前だ。
2008-02-24 21:51:00 -
6:
名無しさん
愛は、2年前のあの忌まわしい事故で両親二人を同時に失った。
それは、本当に一瞬のできごとだった。
2008-02-24 21:54:00 -
7:
名無しさん
不意に電話が鳴ったかと思うと、今まで聞いたこともないような叫び声がリビング中に響き渡る。愛は、泣き崩れていた。
2008-02-25 00:35:00 -
8:
名無しさん
「うそでしょ?ねぇ、なんで?うそ…うそよ…。」
2008-02-25 00:37:00 -
9:
名無しさん
愛は、泣き叫びながら、ずっとこの言葉を繰り返し、
立ち上がることができずにいた。
2008-02-25 00:37:00 -
10:
名無しさん
立ち上がって病院に行くと
「うそ」ではない「現実」が待っている。
2008-02-25 00:39:00 -
11:
名無しさん
受け入れられるはずがない現実。
両親は、二人で食事に行った帰りに車で正面衝突事故に遭ったんだ。
2008-02-25 00:40:00 -
12:
名無しさん
愛を優しい子に育ててくれた、
愛情深い両親だった。
2008-02-25 00:40:00 -
13:
名無しさん
その夜、愛は、一晩中泣いていた。
2008-02-25 00:42:00 -
14:
名無しさん
そして、泣き疲れて意識を失うように深い眠りについたようだった。
2008-02-25 00:43:00 -
15:
名無しさん
あの日ばかりは、僕がそばに駆け寄っても頭をなでて抱きしめてくれなかった。
2008-02-25 00:43:00 -
16:
名無しさん
いつもは、僕の気配を感じると、すぐに愛のほうから近づいてきて、天使のような優しい微笑みを見せてくれる。
僕だけに見せてくれる表情だ。
それから、いかにも愛しいものを扱うように柔らかく頭をなでて、
いっぱい抱きしめてくれるんだ。
2008-02-25 00:45:00 -
17:
名無しさん
僕は、この瞬間を味わうために生まれてきた生き物だと思う。
「幸せ」という単純な言葉じゃ表せないような気持ち。
2008-02-25 10:43:00 -
18:
名無しさん
だけど、あの日は違った。
2008-02-25 10:44:00 -
19:
名無しさん
僕は、「一人にして。」
と愛が心でつぶやいたのが聞こえた気がした。
この家に来てから、片時も離れることなく一緒にいた僕たちだけど、人間には、「孤独」を必要とするときがあるということを、僕は初めて理解した。
2008-02-25 10:44:00 -
20:
名無しさん
僕がこの家に来たのはちょうど4年前。愛は19歳だった。
僕のお母さんは、愛の親友、リカのお家で飼われていて、僕は、生まれてすぐに愛の家に引き取られた。
2008-02-25 10:48:00 -
21:
名無しさん
だから、生まれたときから僕らはずっとずっと一緒なんだ。
愛が両親を失った事故から2年がたった今では、世界で一番愛のことをよく知っているのはこの僕。
2008-02-25 10:49:00 -
22:
名無しさん
愛は、本当に心がキレイだ。
人を疑うことを知らない。
純粋すぎて、ときどき怖くなる。
2008-02-25 10:49:00 -
23:
名無しさん
ガチャッ
ドアが開くと同時に、愛が帰ってきた。
2008-02-25 10:50:00 -
24:
名無しさん
帰ったらすぐにケンタとじゃれあうのが愛の日課。
今日も、バイトから帰ってきた愛は、即座にケンタの元にきてくれる。
2008-02-26 23:34:00 -
25:
名無しさん
「ケンタァァァァァー!!寂しかったね。遅くなってごめんごめん。
今日は忙しくて店長に頼み込まれて残業することになっちゃったの。」
2008-02-26 23:35:00 -
26:
名無しさん
愛に抱かれている瞬間の胸がドキドキするキモチ。
これを、どう表現したらいいんだろう…
人間の世界でいうと、こういうのを「恋」っていうのだと思う。
2008-02-26 23:37:00 -
27:
名無しさん
僕は、生まれてからずっと、愛に恋をしているんだ。
愛のどんなところが好きかって?
そんなこと言葉にできるはずがないよ。
彼女のすべてが愛しくて恋しくてたまらない。
2008-02-26 23:40:00 -
28:
名無しさん
がんばりやさんの愛は、21歳の若さで両親を亡くしてからというもの、保険金や国からのわずかな生活補助金と昼間のウェイトレスのバイトで必死に生計を立てている。
つらいときも、苦しいときも…辞めずに働き続ける。
一つの夢が、愛の心の真ん中にあるから。
その夢が、愛を支えるすべて。
2008-02-26 23:42:00 -
29:
名無しさん
華やかな舞台に立ち、歌い、踊る。
浴びるのは、まばゆいばかりのスポットライトと割れんばかりの拍手・賛嘆の声。
ひと目見た瞬間、男は恋をし、女は憧れのため息をもらす。
そう、愛の夢は「女優」になることなんだ。
2008-02-26 23:43:00