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‡消えた日本‡
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1:
サン
車が走っていて 人が歩いていて みんな恋をしていて 仲の良い友達とバカをして遊んでいたのは いつの事だろう… あと2時間で僕は消える。僕だけじゃなくて 僕等が生きてきた足跡も消えてしまう…。 最後は空を見上げて 過ごそう。 もう少し待ってて… 僕もそっちに行くから…
2008-02-27 18:17:00 -
2:
サン
『バイバーイ…』 生徒の声が響く学校。 僕は靴箱の前で靴を履き変えていた。 ドンッ… 『痛て…』 いきなり背中を叩かれた。 『何?』 『一緒に帰るでやー』 こいつは変わった喋り方をする真人。 幼稚園にいる時からの幼なじみ。
2008-02-27 18:25:00 -
3:
サン
僕はタバコは吸わなかった。見た目は今時の男子だったけどだからってタバコは吸わなかった。 『いらない』 『ふーん』 実際の所昔からの幼なじみがタバコ吸ってたりするのって複雑なんだよな。 家も2分あればいけるような距離。 親どうしも仲がよかった。 『お前今日何かあった?』真人が俺の顔色を気にしてる。 『別に』 そのまま無言の時間が流れた。 今思うと悪いことをした。
2008-02-27 23:30:00 -
4:
名無しさん
この糞板にあっては珍しく期待できる内容
支援age2008-02-28 00:08:00 -
5:
サン
5さんありがとうm(__)m これからも頑張って 書いていくんで 宜しくお願いします。
2008-02-28 00:18:00 -
6:
サン
家に帰るとパートから帰って来た母がいた。 『今日ご飯何?』 昔から子供と母親の会話といったらコレだ。 『あら?もー帰ってきたんかぁー』 まるで残念そうな顔。 『バイトやからすぐ行く』冷蔵庫からお茶を出してコップに注ぐ。 『そー』 母はご飯を作っていた。 この後ろ姿も2度と見ることは出来ないな。
2008-02-28 00:24:00 -
7:
サン
僕はパンを少し食べていく事にした。 少し急げば間に合う。 『行ってくる…』 玄関に立って後ろを振り返る。 『頑張ってきや!』 何故だかその時母は僕の頭をワシャワシャと手の平で撫でてくれた。 『うざ』 そんな言葉を言ったケド、本当は嬉しかったんだよ。 母さん。ありがとう。
2008-02-28 00:28:00 -
8:
サン
いつもと同じで耳にイヤホンを着けたまま自転車にまたがってバイト先に向かう (ポカポカしてるな…) 春は好きだった。 暖かくて…。 懐かしい気持ちになれた。 いつも見ていた景色が何だかその時はとても大切なような気がしたんだ。 何故だかもう2度と見ることが出来ないような…。 心の奥に焼き付けておきたいような…。 こんなにもあっけなく消えてしまうんだな。
2008-02-28 00:32:00 -
9:
サン
バイト先に着く。 (……誰もいない) いつも皆いるはずのこの時間に誰もいない。 (定休日でもないのに…)僕が働いていたのはお好み焼き屋さん。 食堂を見に行くと蛇口から水が少しずつ出てる。 (………ッ) 何だかもの凄い鉄臭い。 (……何) 思わず目を疑った。 テーブルの影に隠れて見えなかったけど確かに人が倒れているのが見えた。 店が暗くて見えない。 ピチャンッ…ポタ… 足元がヌルヌルしてる。 (……誰だ…) 電気を着けた瞬間… 心臓の鼓動が物凄い速くなっていくのがわかった。
2008-02-28 00:40:00 -
10:
サン
店の中に倒れていたのは1人ではなく 4人…5人と沢山の人が倒れていた。 吐き気がした。 皆グチャグチャに切り刻まれていたから。 首がパッカリと開いている人 頭が割れて脳ミソが見えている人 腕が切断されている人 この店で唯一僕だけが生きているんだ。
2008-02-28 00:44:00