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「ホントはね…」
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1:
優香
言えなかったコト…言いたかったコト…
今になって言葉にしても仕方ないけれど、それでも貴方に伝えたい…
「ホントはね…」2008-02-27 22:46:00 -
2:
優香
出逢いはいつもみたいに突然。
友達に連れて行かれたホストクラブ。
もうホストなんて嫌だって思ってたのに…2008-02-27 22:50:00 -
3:
優香
「暇やなぁ、ホスト行こうや」
杏奈の口癖はいつもこれ。
あの日もそうだった。
杏「なぁ、優香ぁ。一緒に行かん??」2008-02-27 22:53:00 -
4:
優香
優「またそれぇ?優香ホスト行かん言ってるやん」
杏「でも聞いてやぁ?杏奈最近めっちゃ男前見つけてん?たまに行くんよぉ」
優「へぇ…で?」
杏「だから優香に見て欲しいねん?初回安いし行こうよぉ」2008-02-27 22:58:00 -
5:
優香
杏奈は悪い子じゃない。
ただちょっと純粋過ぎて騙されやすい、そんな売れてない寂しがり屋な風俗嬢。
そんな私も風俗嬢だけど…
私は杏奈が好きだった。2008-02-27 23:01:00 -
6:
優香
だからあの日、「いいよ」って言ったんだと思う。
杏奈がいいなら「いいよ」
初回が安いなら「いいよ」
暇だしたまには「いいよ」2008-02-27 23:07:00 -
7:
名無しさん
もお書かへんの?
2008-02-29 02:28:00 -
8:
優香
杏奈寒くはないかい?
お前を包むコートは無いけど、この手で手マンしてあげたい…2008-02-29 03:10:00 -
10:
優香
>>6の続き
私の「いいよ」って言葉を聞くと同時に、杏奈はその"男前ホスト"に電話をした。
杏「もしもしぃ☆杏奈やけど?今から枝つれて行くからぁ?」2008-02-29 04:37:00 -
11:
優香
杏「寒いし早く行こっ?」
優「…そやねぇ。」
貴方に出逢った日…
それはクリスマス前の寒い真夜中で…サンタクロースなんて信じなくなった私に、ほんの少しだけど素直になるコトを教えてくれた日…2008-02-29 04:47:00 -
12:
優香
杏「優香、ホスト行くんいつぶりなぁん?」
優「…一年半くらいかなぁ」
杏「ホンマに良かったん?いつもなら断るのに、逆に杏奈がびっくりしたわぁ」
優「何か杏奈が嬉しそうやったから…あと、杏奈の好きな人見たいし(笑)」2008-02-29 04:54:00 -
13:
優香
軽く冗談を言うと、照れたみたいに笑う杏奈を横目にふと考える。
…一年半前…19歳の夏からもぅそんなに経つのか…そう言えばもうすぐ21歳になるんだっけ…
杏「なぁっ!聞いてる?」2008-02-29 05:01:00 -
14:
優香
優「あ…何て?」
杏「ホンマ優香マイペースやなぁ…大丈夫?って聞いたんよ」
優「何がなん?」…わざと惚けてみせる。
すると杏奈は「もぉええわ」と少し怒った。2008-02-29 05:06:00 -
15:
優香
素直な杏奈がとても可愛らしくて、何だかちょっと心が落ち着いた。
大丈夫…じゃない…?
昔の想い出が突然洪水みたいに押し寄せる…
忘れたい。
消したい。2008-02-29 05:11:00 -
16:
優香
想いとは裏腹に、私達は杏奈の好きなホストくんがいるビルにたどり着いた。
杏「電話するから待ってなぁ☆
………
あっもしもし?杏奈やけど着いたから下来てぇ☆」2008-02-29 05:13:00 -
17:
優香
すぐだよ、って言いながら杏奈は可愛い笑顔で電話を切る。
杏「すぐ来るって?」
優「そっか。男前登場楽しみやね(笑)」
杏「…優香、取ったら嫌やでぇ?」
優「友達の好きな子なんか取らんよ(笑)心配しぃな(笑)」2008-02-29 05:18:00 -
18:
名無しさん
読んでるよ
2008-02-29 05:20:00 -
20:
優香
悪戯そうに笑いながら杏奈はエレベーターのランプを見つめた。
一つずつ、確実にこちらに向かってくるソレはたぶん"男前クン"だろう。
――チーン――2008-03-02 23:42:00 -
21:
優香
「杏奈ごめんなぁ、お待たせ?
あ、初めまして。海斗です」
杏奈の片思いの相手、海斗クン。そういえば私、名前も知らなかったんだっけ…2008-03-02 23:46:00 -
22:
優香
男前…というよりは綺麗な男の子、に見えた。
何か笑顔があどけない子供みたいで、弟にしたい感じ。
杏「かっこよくない?」
杏奈が小声で耳打ちしてくる。2008-03-02 23:53:00 -
23:
優香
優「杏奈好みって感じ。綺麗な子やねぇ」
杏「せやろ?」
私達がコソコソ話しているのを不思議そうに海斗クンが見つめる。
海「俺の顔…変?」2008-03-03 18:04:00 -
24:
優香
杏「ちゃうよぉ。今日も海斗は男前やって思ってるだけやで(笑)」
ホンマかよ、と言いながら海斗クンは9階のボタンを押した。
そんな彼のスーツの袖口を掴む杏奈と、そんな杏奈を横目で見ながら頭を撫でる海斗クンを見ながら、昔聞いた言葉を思い出した。
――「酒が好きとか、店おもろいからとか、みんな色々言うて店に通うけど、結局は口座が好きやねん。酒もホストも腐るほどあるねんから」――2008-03-03 18:16:00 -
25:
優香
その通りだ…。
どんなかは人それぞれだろうけど。
――チーン――2008-03-03 18:18:00 -
26:
優香
エレベーターが9階に止まり、扉が開く。
海斗クンと杏奈は当然のことみたいに降りていくから、私も後に続いた。
そこには重そうな黒い扉があって、海斗クンがそれを開けると、大音量の音楽と賑やかな話し声が聞こえた。
「いらっしゃいませぇ!」2008-03-03 18:26:00 -
27:
優香
海斗クンがそう言うと、従業員も同じ言葉を繰り返した。
薄暗くて、うるさい店内の奥の席に通される。
海「優香ちゃん何飲む?うち、初回二時間は1500円で飲み飲ませやし!」
優「じゃぁスカイブルー」
海「了解。ちょっと待ってな。」2008-03-03 18:38:00 -
28:
名無しさん
気になるから あげ?頑張って書いて下さい
2008-03-04 04:49:00 -
30:
優香
>>27の続き
そう言って立ち去る海斗クンを見つめる杏奈はちょっと不機嫌気味。
さっきまではご機嫌だったのに、感情の起伏が激しいのは出会った頃から変わらない。
優「どうしたん?」
とりあえず聞いてみないと、余計に拗ねてしまうのも杏奈の悪い癖で、だけど寂しがり屋な杏奈の精一杯の主張。2008-03-04 17:27:00 -
31:
優香
杏「ん?」
優「何かあったの?」
杏「何もないけど何かあった…」
優「喧嘩してそうには見えんかったけど…」
杏「そんなんじゃなくてっ…」2008-03-04 18:17:00 -
32:
優香
斜め前らへんのボックス席を見る杏奈。
私が振り返るとそこには綺麗な女の人が一人、そしてその前にはホストが一人…
前に座るってことはヘルプなんだろう。
杏「あの人なぁ…海斗の本カノな気するねん」2008-03-07 00:02:00 -
33:
優香
優「…何で?」
杏「見た目と雰囲気」
優「大丈夫、あんたの方が可愛いよ。女の子っぽい」
適当なコトを言うのは面倒臭がりな私の癖で、杏奈よりその女の人の方が綺麗なコトくらい誰が見てもわかるのに…杏奈はそれで少し機嫌が良くなった。2008-08-29 03:09:00 -
34:
優香
海「ただいまー☆」
海斗くんのお帰りにたちまち笑顔の杏奈。
「お疲れ様ぁ」と私達が言い、「いただきますー!!」と海斗くん。
あぁ…ホストクラブっぽくて落ち着かないなぁ、なんて思っていると…海斗くんからお決まりの一言。
「どういう子がタイプなん?」2008-08-29 03:16:00 -
35:
優香
優「あんまわからへんし、適当にっ☆」
海「はいよー!!!ほな、ちょっと待っててやぁ。」
私のわざとらしい声色にも気付かない海斗くんにほっとするのも束の間…2008-08-29 03:25:00 -
36:
優香
「失礼しまぁぁす!!!!」
若そうな新人くんが3人程お出まし。
━早っ…なんのナイスコンビネーションやねん━
何て心の中で突っ込んでいると、質問質問質問質問…終わらない…2008-08-29 03:28:00 -
37:
優香
ホストクラブに来る度、首から名札でも下げておいてやろうか…なんて考える。
それだけ書いていれば、聞きたくても聞けないことまで答えてるんだし十分なんじゃないかな、って。2008-08-29 17:02:00 -
38:
優香
新人クンたちの質問を適当に答えながらそんなことを考える。
━優しさと冷たさは紙一重やねん。似てるけど全然違う━
━必要以上に干渉したら自分が潰れんで━
━…何のために一緒におるん?━2008-08-29 17:09:00 -
39:
優香
「失礼します、また着かして下さい」
上の空で話ていると、交代の時間なのか新人クンたちが去って行った。
海「どぅ?楽しんでる?」2008-08-29 17:13:00 -
40:
優香
優「うん、ちょっと酔ってきたかも(笑)」
海「そっか!!杏奈も酔ってるわぁ(笑)」
杏「んなことにゃいぃ」
どう見ても酔ってるやん!!、と2人で突っ込んでいると、豪華な笑い声がした。2008-08-29 17:19:00 -
41:
優香
「あ、失礼しますぅ。俺、こういうもんですぅ」と言って、笑い声の彼が名刺を差し出してくる。
[代表補佐++如月 薫]
…気の抜けた話し方、低めの声、右手の傷跡、左手のアクセ…2008-08-29 17:35:00 -
42:
優香
冷静になろうと 私は差し出された名刺を受け取り、目の前のグラスを空にした。
薫「おぉぉ!!飲むねぇ(笑)あ。お名前聞いてもいいですか?」
優「…優香です」
そう言いながら顔をあげる私を見て、彼は…2009-07-21 17:32:00 -
43:
優香
一瞬戸惑った表情をしたけれど、何事もないかの様に笑顔を作った。
薫「優香ちゃん!よろしくねぇ。杏奈ちゃんも既に酔っ払いやし、俺も一緒に乾杯しちゃっていいですかぁ?」
私が返答する間もなく、目の前の酔っ払い「杏奈酔っ払いちゃうけど薫さんも一緒に飲もっっ」って絡み出したから
彼は苦笑いしながらテーブルにあったお酒を丁寧に作る。2009-07-21 17:38:00 -
44:
優香
何でいるん?何してるん?
その丁寧な指先を見ていると一年半前の記憶が襲ってくる。
━大人にならんでいいから素直になりなさい━
あれが最後の言葉だった。2009-07-21 17:43:00 -
45:
優香
薫「はい★ていうわけで乾杯★いただきます」
杏奈は嬉しそうに飲みながら
杏「薫さん男前思わん!?」なんて言うから
「そりゃ薫さんは男前やけど、お前は誰でもええんかい」って海斗くんに茶化される。2009-07-21 17:47:00 -
46:
優香
そんなやりとりを笑って見てるけれど、私はそれどころじゃなかった。
ちらっと横に目をやると薫も私を見た。
薫「どうしたん?あ。飲みやぁ(笑)」
優「…ごめん。ちょっとトイレ(笑)」
薫「おっけぇ★」2009-07-21 17:52:00 -
47:
優香
席を立つ私に「はよ帰って来てなぁ」と言う杏奈に頷いてみせる。
薫「こっちやでぇ」
優「…」
薫の方を見ると、さっきまでの笑顔はなかった変わり自分の耳朶を触って無表情にどこかを見ていた。2009-07-21 18:02:00 -
48:
優香
これは彼の昔からの癖で、何かを考えている時はいつもそうしていた。
私はトイレの中で冷静になろうと冷たい水で手を洗って、前髪を整えた。落ち着ききらなかったけれど…
━寂しくなったら言えばいいやん━
あの時そう言われたけれど、確かに最近寂しかったけど…こんな再会の仕方って有り得ない。2009-07-21 18:13:00 -
49:
優香
扉を開けるとお絞りを持った薫が立っていた。
薫「お帰りぃ。早いなぁ(笑)」
優「そうかなぁ?いつもこんなもんやで」
私がそぅ答えると、「ふっ」と彼は笑った。
優「ん?」2009-07-21 20:35:00 -
50:
優香
すぐに聞き返したけれど、流れる音楽のせいで私の声は薫に届かなかった。
席に戻る途中、杏奈が言ってたの方に軽く目をやると、いつの間にかそこには海斗くんがいて二人で静かに話していた。
(そりゃそう思わんでもないかぁ…女の子だいぶ綺麗やし)
なんて考えてしまう自分が何となく気持ち悪かった。2009-07-21 20:46:00