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ほしいものはひとつなのに
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1:
あげは
あなたの横に大切な人はいますか?
ただ生きるだけじゃなく、今幸せですか?
PCで繋がった彼と私の話を書いてみようと思います。
2008-02-28 00:54:00 -
2:
夜の歓楽街、どこにでもあるようなキャバクラ。
そこが私の職場、そこで愛想をふりまくのが私の仕事。
私の名前はあみ。
夜の仕事をしだして、もうすぐ一年。少しだけ裕福な生活がしたくて飛び込んだこの仕事だけど、あまり向いてなかったみたいww
2008-02-28 00:59:00 -
3:
もともと顔つきが派手な私。キッチリメイクを決めると、少しキツイみたいで…そんなに明るくない性格とのギャップがマイナスに出ているみたい。
もっと明るく、もっとキャピキャピと話せばいいんだけど…そういうの苦手みたい。2008-02-28 01:02:00 -
4:
今日も常連の西川くんからご指名。
私が23歳だから、西川くんは8歳年上の31歳。ビジネスホテルのフロントをしている冴えない男性だ。
「あみちゃん、今日もかわいいね」
嘘つけっ!西川くんの優しい言葉はアフターの何かをいつも期待している言い回し。
手が膝に伸びる。2008-02-28 01:07:00 -
5:
「そういえば、この前話してた映画どうだった?」
膝に伸びた手を、両手で包んで持ち上げる。
「すごい恋愛モノなんでしょ?観てみたいなぁ」
普段は絶対しないような上目遣いで微笑んでみる。
「え?じゃあ一緒に行く?」
…
あーあ…一難去ったらまた一難。なんて言おうかなー?2008-02-28 01:12:00 -
6:
たいして人気もない私。
指名がかぶることなんてないし、こんな西川くんでも貴重な指名客。
ここは気分よく延長していただきたい。
そんな事を考えながら、少なくなったグラスにお酒を足す。
「あみちゃん、来週いつがいい?」
もー、いいって西川くんww2008-02-28 01:16:00 -
7:
返答に困ってマドラでアイスをカラカラかき混ぜる私の横に、めずらしくボーイがやってきた。
「あみさん、1番です」
1番=どこかで指名が入っている…誰だろ?ま・いいタイミングだ!
「西川くん、ちょっとだけ行ってくるね」
私はグラスに自分の名刺を置き、席を立った。2008-02-28 01:22:00 -
8:
ボーイに指示されるまま、薄暗い店内を移動する。
今日は平日、待機のキャストも何人かいる。
こんな日に指名は、やっぱりありがたいな!と少しの優越感にひたる。2008-02-28 01:25:00 -
9:
案内された奥ばったお席には、こぎれいな男性3人とプライベートでも友達のゆうがいた。
「あみちゃーん、ここ、ここ!」
一番年上に見える男性が、自分の横の空いたソファーをポンポンとたたいた。2008-02-28 01:28:00 -
10:
「ゆうちゃんが、絶対あみちゃんがいいって言うから!」
なるほど!ゆうが指名をつけてくれたんだ。私は、ゆうをチラッとみて「アリガト」と小声で言った。
3人の男性は、オシャレなスーツの着こなしで、歳は30代後半から40代半ばくらい。普通のサラリーマンじゃないな?服飾?宝飾?
私は瞬時に相手を品定めした。2008-02-28 01:34:00