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ありがとうを伝えたい。

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  • 1:

    age

    初めて書きます。更新ゆっくりですが、よかったら見て下さい。       ありきたりな話で退屈されるかもしれませんが頑張ります。

    2008-03-18 01:03:00
  • 2:

    age

    ――――――――――――            「…………明日香!!」               あたしの名前を呼ぶ、声。                        神様の気分がバツグンに良かったかのような、からからと晴れた日。                  あたしの右手を握りしめた彼氏、俊だけが、後ろからの声に反応して振り返った。

    2008-03-18 05:08:00
  • 3:

    名無しさん

    カレーにコーヒー入れるのってほんまに美味しいんかなあ…なんて訳の分からない事が頭をよぎる。               「お前のツレ?明日香って叫びよったで」     俊が隣りで話すのが遠くに聞こえた。

    2008-03-18 05:13:00
  • 4:

    age

    日曜日。街は親子やカップルでごった返している。 じっと立ち止まるあたし達に、周りは怪訝な顔をしながら通り過ぎていく。              「………明日香…」   さっきより小さいけれどはっきりと、声の主はあたしの名前を呟く。

    2008-03-18 05:19:00
  • 5:

    名無しさん

    あ…雨が降ってきた…。             あたしが見つめる地面の先に、ぽつぽつと雫が落ちてきた。                     こんないい天気なのに…変やなあ…                    「あー…お前が無視するから、可哀相に行ってまうやん。てかあいつ誰やねん」

    2008-03-18 05:30:00
  • 6:

    age

    ふいに顔をあげて俊を見た。           「…なんで泣いてんの?」            頬に手をやると、涙で濡れていた。                    ああ…さっきの雨やなくてあたしの涙かあ…                ぼんやりとそんな事を思った。

    2008-03-18 05:34:00
  • 7:

    age

    気配なんて読める訳がないけれど、声の主はだんだん遠ざかって行っていると思った。                     去っていく後ろ姿とあたしを交互に見つめながら  「誰やねんあいつ…」  困惑と嫉妬の入り混じった声で俊は言う。

    2008-03-18 05:39:00
  • 8:

    age

    「…っ。おい!待てや!」繋いでいた手を離し、俊は後方へと駆け出した。              なんで…?       なんで悠紀が…                 振り向く事なんかしなくても、声で分かるよ…   あんたの声を忘れるはずがない。                     いつかの日に閉じ込めた想いが、涙と共に溢れた。

    2008-03-18 05:46:00
  • 9:

    age

    あの頃を思い出す。   もう3年以上経ってんなあ。                       あの頃、どうしても伝えたい言葉があった。                けれど、どうしても伝えられなかった。                  あんたと切れた日にもう一度戻れるなら…                                                                 ありがとうを伝えたい。

    ――――――――――――

    2008-03-18 05:52:00
  • 10:

    age

    今日の更新終わります

    2008-03-18 05:53:00
  • 11:

    名無しさん

    頑張って?

    2008-03-18 07:35:00
  • 12:

    なつこ

    気になります?
    更新まってます??

    2008-03-18 11:37:00
  • 13:

    age

    レスありがとうございます!うれしいです?よかったらご覧下さい!

    2008-03-19 00:41:00
  • 14:

    age

    あたしが悠紀と出会ったのは、短大を卒業した年だった。                      あたしの母親は税理士事務所を開業していて、あたしは後を継ぐために、卒業と同時に専門学校に通い始めた。

    2008-03-19 01:12:00
  • 15:

    age

    進路は決まっているのに短大へ行かせて貰ったのは、ただ遊ぶ為。      決められた将来を受け止める代わりに、2年の猶予期間を与えられた。                もちろん学費は自分持ち。一人暮しのための家賃も光熱費もすべて自分で払った。           援助は一切無し。母親との約束だった。

    2008-03-19 01:17:00
  • 16:

    age

    学生時代のバイトはキャバクラ。         上位ナンバーにこそ入れなかったが、学費を支払い、友達と遊び、自分を着飾るに十分の給料を頂ける程には稼いでいた。

    2008-03-19 01:23:00
  • 17:

    age

    人間って…こうゆう商売の人は特に、入れ代わりが激しく淡泊な人間関係になりがちだ。

    それだけ皆、対人関係に疲れ果てていると…
    そう思う。

    2008-03-19 01:32:00
  • 18:

    age

    「怜香もまだまだいてるし、いつでも遊び来いよ!」            「うん…」                   「そんなしんみりしたらあかんよ明日香ぁ!明日香辞めてもずっとうちら仲良しやん」         この店で1番仲のよかった怜香があたしの頭を小突く。

    2008-03-19 01:34:00
  • 19:

    age

    「せやなっ。また遊び来るからな!ほなあたし行くわ!またね」       明るく手を降って、きらびやかな装飾で飾られた店を出た。         もうここでドレスを身に纏い、笑顔を振り撒くことはない。                     淋しいな…                   黒地にゴールドの文字で書かれた、CLUB ANGELの文字を見上げた。                     まだ肌寒い夜。     コートを羽織った人達は足速に歩いて

    2008-03-19 01:37:00
  • 20:

    age

    ↑すみません?下三行間違えました。

    2008-03-19 01:39:00
  • 21:

    age

    なんやろう。このからっぽなかんじ。       もう立ち止まれないのに、走りたくなくなるねんな。            ゆっくり歩けばいいなんて言われても、そんな風になんて生きられへんのに。             走ってなあかん気がする。生き急ぎたくなんてないのに。

    2008-03-19 01:43:00
  • 22:

    age

    まだ肌寒い夜。                 からっぽな自分の内側に、無理矢理何かを詰め込むように、ANGELを後にした。            コートを身に纏い、顔をしかめて急ぎゆく人達。  貴方は幸せですか?   そう聞きたくなるような人達ばかりだ。                  《自分は違う。》    幸せと言わなければならないような、圧迫感を感じた。

    2008-03-19 01:49:00
  • 23:

    age

    足速に歩く人達を横目に、とぼとぼと足を前に出す。            あたしは今から勉強頑張らな!大丈夫や!一人じゃないしな!                    …一人じゃあ                       …ないよ…ね?

    2008-03-19 01:52:00
  • 24:

    age

    ふとコンビニに立ち寄り、灰皿の前で煙草に火をつけた。                      「…さん?」                  「お姉さん?」                 声をかけられていた事に気付く迄に時間がかかった。

    2008-03-19 01:55:00
  • 25:

    age

    「だから何が?」    うっとーしい。ホストなんて興味もないし、行きたいとも思わない。     正直、ホストは好きではなかった。        地元で仲の良かった男友達が、ホストになって豹変してしまったし、怜香は好きなホストの為にキャバクラで働き、貢ぐ為に客と寝ていた。                     嫌悪感を抱きながらも、自分も同じ事をしているのだという事くらい、分かっていたけれど。

    2008-03-19 02:08:00
  • 26:

    age

    「泣きそうな顔してたから…」          男は言う。                   泣きそうなんかじゃない。寂しくなんかない。   一人なんかじゃない。  いやむしろ、人なんか皆一人やんか。                   「やから」「一人ちゃうで!」          発しようとした言葉を遮り男は続ける。      「一人ちゃうねんで!一人や思うから一人やねん!」

    2008-03-19 02:16:00
  • 27:

    名無しさん

    「はっ…あははっ」   なんだか笑えてきた。意味不明だけど、彼が必死だったから。        「はは」        男も笑う。                   「名前、なんてゆうん?」男に聞いてみた。                            「悠紀。」       「ゆうき?」      「そうやで。悠紀。よろしくな」

    2008-03-19 02:24:00
  • 28:

    age

    ――――――――――――一人ぽっちになる事を嫌がりながら、人間なんて所詮一人ぽっちなんだと思いながら、あたしは生きた。             あんたやって、一人やったやろ?                     なあ悠紀。                   ごめんという謝罪も、  あの時こうしていたらなんていう後悔も、     今はもうどうでもいいんや。                       自分勝手でごめんやで。 ――――――――――――

    2008-03-19 02:35:00
  • 29:

    age

    今日の更新終わります。

    2008-03-19 02:42:00
  • 30:

    リな

    なンか切ない…?
    更新楽しみ??あげ??

    2008-03-19 12:31:00
  • 31:

    age

    レスありがとうございます?今から更新します。

    2008-03-21 01:21:00
  • 32:

    age

    「はぁっ…」      朝からずっと学校に缶詰で、無意識に溜息が零れた。            煙草を吸いたくなって、うーんと背伸びをして、から席を立った。      教室には、硬い長机と冷たいパイプ椅子がきちんと整列している。                  ガリガリ、パチパチ、ペラペラ…         鉛筆の音と電卓の音、ページをめくる音しかこの教室には響かない。

    2008-03-21 01:27:00
  • 33:

    age

    さすがに10時間学校にいると疲れるな…                 ちらほらとお喋りをする廊下を抜け、突き当たりに確保された喫煙室のトビラを開けると、煙草の臭いが鼻をつく。                    「おっ。真辺やん」               「お疲れー瀬戸内」   あたしに向けられた挨拶に軽く手をあげて答えた。

    2008-03-21 01:33:00
  • 34:

    age

    「自習中。今日授業ないからそろそろ帰るけどな」             「お疲れやなあー」               軽く会話をしながら携帯で時間をチェックすると、白のライトが着信を表示していた。                     誰やろ?怜香かなあ。  あいつ最近病んでるしな…            ピコっとボタンを押して履歴を確認…
    「…えぇ〜」

    2008-03-21 01:45:00
  • 35:

    age

    「携帯見ながら独り言かよ!笑っ」                    「えっ。声に出てた?」             「バリバリな笑」    煙草を消して瀬戸内は目を細めて微笑む。     「彼氏ー?」                  いやいや…彼氏な訳あるか。           「や、どうでもいいやつ」「ひでえ笑」                  履歴の受信先は悠紀だった。

    2008-03-21 01:51:00
  • 36:

    age

    なんで悠紀が…     一週間前に会って以来、なんとなく連絡先は交換したものの連絡は取っていなかった。                     間違えかもやしなあ…かけ直しせんでいいよなあ。 キャッチしてきたのに連絡無しとかウケるけど…ボンクラホストやー笑                「にやにやすんなやー」 瀬戸内が言う。     「してへんわ!」                「してたしなっ。ほな授業行くわ!またな!」

    2008-03-21 01:57:00
  • 37:

    age

    にやにやなんかしてへんし。なんなんや瀬戸内っ。どーあーほー!                  ドアを開ける後ろ姿にひそかに悪態をつき、携帯をもう一度見た。                  ブーブー                     ―――着信  悠紀―――                        「ええ〜」       また電話か…なんでやろ?今更営業電話?笑                ブーブー                     コール長いな…     …とるか。                   「はい、明日香ですけど」電話を取った。

    2008-03-21 02:04:00
  • 38:

    age

    今日の更新おわります。
    読んで頂いた方ありがとうございます。

    2008-03-21 02:06:00
  • 39:

    名無しさん

    .

    2008-03-23 03:20:00
  • 40:

    age

    今から更新します。

    2008-03-24 01:51:00
  • 41:

    age

    「もしもし?」     「はい。聞こえてんで」 ぶっきらぼうに答えた。             「今何してるんー?」              なんかめちゃめちゃ普通やなあ汗。長い間お互いを知ってるみたいやん。               「学校にいてる。」   空気を読もうとあたしも普通に返した。      「学校?て大学生?」  「いやー大学生ちゃうよ。資格とるための専門学校」            「すごいなあーそんなん行ってるんやあ!」                別に凄くないけど…。てか世間話しに電話かけてきたんかなあ?

    2008-03-24 01:59:00
  • 42:

    age

    「てか…どうしたん?」             「あ。そーや!今から飯食い行かん?」                  ええ〜?!って、さっきからええ〜ばっかしゆうてるわ。          ご飯なあ…うーん…               煙草をもう一本取り出して、キーンと音を鳴らして火を付けた。                   返事に悩んで黙っていると「もうご飯食べたん?」と悠紀が聞く。

    2008-03-24 02:05:00
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