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もしも願いが叶うなら?
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1:
ヌシ
もしも願いが叶うなら‥って。みんな思うよね? もしあの人を手に入れられるなら。 もしあたしがもっと可愛くなれるなら。 もし大金が手に走るなら‥ なんでもするのに。 他の何を犠牲にしても。
2008-03-26 21:46:00 -
2:
ヌシ
何かを犠牲にしても叶えたい夢ってある?欲しいものってある? …もし現実に叶えられるなら、手に入れるなら……… あなたは何を犠牲にしますか?
2008-03-26 21:49:00 -
3:
ヌシ
………………………………
2008-03-26 21:51:00 -
4:
ヌシ
【タカラ】と呼ばれる女がいる。 年齢不詳。住所不明。いや…そんな細かい事よりも、存在自体が謎な女。 わかる事と言えば、絶大なる美貌と莫大な財産を持っているという事。 そして、夢を叶える力を持っている。
2008-03-26 22:16:00 -
5:
ヌシ
政界のパーティーや富豪の催すイベントに時たま現れる。 仲親しげに話す人間もいるが、彼女について述べようとしても「何も知らない。」と口を揃えて言うという。
2008-03-26 22:21:00 -
6:
ヌシ
夜空に咲く花のような彼女を見た人は言う。 「あんな風になにもかもを手に入れられたら。」 と。
2008-03-26 22:29:00 -
7:
ヌシ
「……………って言う噂があるらしい!見てみたいよなあ?!」 何か新しいおもちゃを見つけた子供のように、目を輝かせながら昭人(アキト)は言った。 「でもそれ本当なん?嘘っぽいよ」 はあ、と溜息をついたのは昭人と仲のよい秀信(ヒデノブ)。
2008-03-26 22:34:00 -
8:
ヌシ
「いやっ、絶対嘘じゃないって!」 「お前の自信はどこからくんだよ。」 秀信は、昭人に返事をしながら椅子から立ち上がった。 「わからんけど本当だって!てかお前何処行くんだよ!授業もう始まるぞ!」
2008-03-26 22:41:00 -
9:
ヌシ
階段上になっている広い大教室の中を通り抜けようと、長机と長椅子の間を横歩きで進みながら秀信は言った。 「煙草吸ってくる。」 「…これだからジャンキーはっ。」 整った顔の秀信にキッと睨まれて、昭人はしまったと思った。
2008-03-26 22:46:00 -
10:
ヌシ
(なんで秀信はあんなクールなんだ) 秀信が出て行った扉を見つめていると、頭のハゲかかった教授が教室に入ってきた。 ザワザワしていた教室が少し静かになり、マイクを通して声が響き渡った。 「えー。それではマクロ経済の授業をはじめます。前回は52ページまで進んだのでー……………」 昭人は机に突っ伏した。
2008-03-26 22:54:00 -
11:
ヌシ
秀信は教室を出た後、階段を駆け降り灰皿の設置してある隣の建物に歩いた。 (何が夢を叶えられる力を持っている…だ。そんな力あったら努力なんかいらねーじゃん) 煙草に火をつけながら、さっきの昭人の話を思い返した。
2008-03-26 22:58:00 -
12:
ヌシ
学内の敷地に植えてある桜は満開。ピンク色の花びらが春の暖かい風に誘われて舞い落ちる。 (いー天気だ。) 青い空に漂う白い雲を眺めながら、同じように白い煙草の煙を吐き出した。 「ひーでー!」
2008-03-26 23:03:00 -
13:
ヌシ
「授業サボってなぁにしてんのっ」 春香は秀信の腕をつつきながらはにかむ。 「一服してんのー」 「見たらわかるよー笑。あれ?昭人は?」 「しらねー」 (なんで俺に昭人の事聞くんだよ) ぶっきらぼうに言った。
2008-03-26 23:11:00 -
14:
ヌシ
「聞いたけど…」 「会ってみたくない?!」昭人と同様目をキラキラさせながら言う。 「だから本気にすんなよ」「なんでひではーっもう。大学生なんだから夢持とうよ、もっと!あたしいっぱい欲しいもんあるよ!シャネルの新作バックも欲しいしー欲しいものたくさん」 「それが夢かよ笑」 ははっと秀信は笑った。
2008-03-26 23:21:00 -
15:
ヌシ
「へへっいーでしょ?」 春香ははにかむ。 (ひでの笑った顔見るの、やっぱり好き) 「あ、お前こそ瑠璃は?」秀信は教室に戻ろうと教室を指さして歩きだした。 「瑠璃は今日用事あるから学校休むって!取ってる講座今日あんまないしね、あの子。」
2008-03-26 23:26:00 -
16:
ヌシ
「ふーん」 そうか、と納得した顔をして秀信は授業中の教室に入っていった。 ぴょこっと秀信の後ろに着いて、春香も教室に入ると、机に突っ伏して寝ている昭人が見えた。 (まだ授業始まって10分くらいなのに、もう寝てるよ…)
2008-03-26 23:30:00 -
17:
ヌシ
平和で穏やかな春の午後。 彼らは幸せだった。 寂しさややるせなさを押し殺しながらも、笑いながら暮らしていた。 望まねばなにも手に入らないけど、望まねば失わなかっただろう…幸せな日常。
2008-03-26 23:35:00 -
18:
ヌシ
「深刻な顔してどうしたのお兄ちゃん。」 瑠璃(ルリ)は、兄である由良(ユラ)とカフェテリアにいた。 「突然呼び出してごめん。学校大丈夫なのか?」 「うん。大丈夫だけど、どうかしたの?お父様とまた喧嘩?」 深刻そうな兄の顔色を伺いながら、ミルクティーを口にした。 「………勘当された。」
2008-03-26 23:43:00 -
19:
ヌシ
ガシャン カップが手から落ちた。 「…え?!」 「お客様大丈夫ですか?」机に広がった液体をふきながら店員が言った言葉など耳に入らない。 (勘当?!どうして?!) 「大丈夫ですすみません、片して同じのもうひとつ」瑠璃の兄は瑠璃の代わりに店員に答えてから、はぁっと溜息をついた。
2008-03-26 23:50:00 -
20:
ヌシ
「金澤コンツェルンの令嬢をはらませた。」 「はあ?!お兄ちゃん婚約者いるじゃん!」 「………」 頭を抱えて呻く。 「一回だけだったんだ。金澤さんにも婚約者はいるし、お互い承知で一回だけ…」 「そんなの、許されるわけないじゃん!!」
2008-03-26 23:56:00 -
21:
ヌシ
「ああ…わかってたよ…けど愛しあってたんだ。」 「………」 (愛し合ってたって…) 「とにかく、それで、金澤さんは、その…婚約者とまだ性交渉してなかったらしくて、父親は誰だって、金澤社長が。」 「うん。」 「俺とわかって、金澤コンツェルンと揉めて。うちは提携関係だから。」 「うん…。」 春香は泣きそうになってきた。
2008-03-27 00:02:00 -
22:
ヌシ
「堀川財閥の面汚しだ、出ていけ、って親父に言われた。」 「そんな…」 「後継ぎは…。瑠璃がいるって。」 「あたし?!」 「ああ。」 「そ、そんな。あたしはお兄ちゃんが後を継ぐからって、大学出て好きにしたらいいって…あたしに堀川財閥なんて背負えないよ!」(ありえないありえないありえない!自由に生きられると思ってたのに!)
2008-03-27 00:08:00 -
23:
ヌシ
「…悪い。瑠璃。」 「お、お兄ちゃんはどうするの?」 「金澤さんも婚約解消されて勘当だ。お腹には子供がいるし、二人で海外に飛ぶつもりだ。」 「海外って…」 「今日…発つ。」 「今日?!」 「ああ。本当にすまない瑠璃。俺は…お前にすべてを押し付けて逃げてしまうカタチになった…。これは幹部会での決定事項だ。副社長の俺でも覆せない。…いや、もうそんな肩書ないけどな。本当に…ごめん。」
2008-03-27 00:16:00 -
24:
ヌシ
「………………」 展開の早さに追いつけず、瑠璃は口をパクパクさせた。声は出なかった。 「今日は謝りにきた。俺は…行く。」 ガタガタっと席を立った。放心状態の瑠璃を見つめ、頭を下げた。 財布から5千円札を抜き、机に置いて言った。 「もし、もしどうしてもこの現状を変えたければ、ここに行け。」 白い紙に走り書きされた地図を置き、彼は行ってしまった。
2008-03-27 00:23:00 -
25:
名無しさん
長い間状況が飲み込めず、瑠璃はカフェテリアのソファーに座り混んでいた。 新しく運ばれて来た、まだ口を付けていないミルクティーは冷え切っていた。 机の上には白いメモ。地図の上には、【もしものときはタカラに会え】と、兄の字で書いてあった。 また、【契約する内容には、万全の注意を払え】とも書かれていた。
2008-03-27 00:28:00 -
27:
ヌシ
痛烈なミスです?すみません?>>15と16の間のレスが更新出来てませんでした?
春香「だっていっつも昭人といるじゃん」 秀信「あいつがくっついてくるんだよ」 「犬みたいだもんね、昭人って。あ、それより、昭人から聞いた?」 「…何を?」 にやっとして春香は続けた。 「夢を叶える力を持つ美女の話!!」2008-03-27 00:42:00 -
28:
ヌシ
運命の歯車はまわる。くるくる、くるくると。 【タカラ】と呼ばれる女は、歯車をくるくる逆回転させる。 にこやかな笑みを浮かべ、紅いルージュを乗せた薄く吸い寄せられそうな唇でこう呟く。 「あなたは何を得たいの?得るために何を捨てるの?契約は、私の納得出来る代償を支払わないと成立しないわ。」
2008-03-27 01:07:00 -
29:
ヌシ
「かっこいー!やっぱり会いたーい!」 カシスオレンジを飲みながら、春香は昭人の話に絶叫する。 「だろだろ?!夢を叶える力を持つ女、かっこよすぎるだろ!」 昭人は自分の話に食いつく春香を見て満足そうだ。 「だからさー」 「秀信は「ひでは黙ってて!!」」 秀信の言葉を掻き消して、二人は騒ぐ。 「ねっ、瑠璃はこの話初めて聞いたんでしょ?信じるよね?」 「えっ…あ。うん。」 昭人の話を、上の空だった瑠璃はきちんと聞いていなかった。
2008-03-27 01:18:00 -
30:
ヌシ
「夢を叶える力を持った…女?かっこいいね!」 瑠璃は、話を思い返して昭人と春香に同調した。 「瑠璃、お前まで…」 「ほらー批判派ひでだけ!諦めなさーい!」 「そうだそうだー!秀信は夢がない!」 「昭人お前なあ」 「あっでも、瑠璃はお嬢だし、シャネルのバックもなんでも買えるし、可愛いし彼氏いるし、叶えて貰う事なくない?」 「だからどんだけ夢小さいんだよ笑」 「小さくない!秀信、やっぱりお前は夢がない!」
2008-03-27 01:36:00 -
31:
ヌシ
ぎゃあぎゃあと口論する。そんな3人を見て瑠璃は微笑んだ。 (やっぱりこの4人落ち着くなあ…壊したくないよ…) 兄が家を出た今、なんとなく来たこの大学を辞める事になるだろう事は容易に想像出来た。 きっと、いや必ず堀川財閥を継ぐための教育を受ける事になる。 (卒業まで後1年…一緒に卒業したいよ…)
2008-03-27 01:42:00 -
32:
ヌシ
「…瑠璃?どした?」 秀信が話しかける。 「なんでも…ないよっ」 悲しそうに微笑む瑠璃に、秀信は気付いていた。 「………」 (なんか…あったな) 「んでさんでさ、もし俺そのお姉様に会ったら、何叶えて貰うと思う?」 昭人はから揚げを頬張りながらみんなに聞いた。
2008-03-27 01:48:00 -
33:
ヌシ
「んーあっ!世界中の美女を俺のものに!」 春香がけらけら笑う。 「昭人ならありえるよね」瑠璃がクスッと笑う。 「うーんそれもいいね!けど俺は、シンプルに、金持ちになりたいです!」 いえーいっとビールを掲げた。 「…あっそ」 「秀信っどーしてお前は俺にそんなに冷たいんだ!笑ちなみに秀信は何叶えて貰う?」
2008-03-27 02:00:00 -
34:
ヌシ
「だから…」 「仮定の話だよ秀信くんっ!」 「そうそう!ひでは?聞きたいっ」 「あーもう。俺は…」 少し考え込む。 「「俺は?」」 「お前らハモりすぎ。じゃあ…外資企業に就職で」 そう言ってビールを流し込んだ。
2008-03-27 02:04:00 -
35:
ヌシ
「夢ねえなあ…」 昭人がぼやく。 秀信に睨まれて笑いながら手で口を押さえた。 「…瑠璃は?」 秀信は話を瑠璃にふる。 「あたしは…」 「「あたしは?」」 ブーブー 瑠璃の携帯が鳴った。 「今のままでいられますように、かな」 携帯の画面を見て、瑠璃は微笑んだ。
2008-03-27 02:09:00 -
36:
ヌシ
ピッ 「はい、瑠璃です。はい、今帰ります。え?いえ、タクシー拾いますから。はい。それでは」 ふうっとため息をつき、かばんを持った。 「お父さん?帰るの?瑠璃」 残念そうに春香が瑠璃の腕を掴む。 「うん、ちょっとね…ごめんね、また明日学校で」 「瑠璃ーまた明日な!」 「気をつけろよ」 昭人と秀信にも別れを告げ、瑠璃はタクシーを止めた。
2008-03-27 02:19:00 -
37:
名無しさん
ぉもしろぃッ?期待ァゲ?
2008-03-27 10:45:00 -
38:
名無しさん
続き読みたい?
2008-04-01 05:42:00 -
39:
ヌシ
ありがとうございます??更新遅れてすみません?
少し更新します?2008-04-01 11:52:00 -
40:
ヌシ
>>40から
瑠璃が先に帰った後、春香たちも会計を済ませ、早々に解散しようとしていた。 「じゃあ俺こっちやからー!!」 昭人は酔っ払ったのか、顔を赤くしながらフラフラした足どりで手を振った。 「おう、気をつけろよ」 「また明日ね!昭人!」 春香も赤い顔をして機嫌よく手を振った。2008-04-01 11:58:00 -
41:
ヌシ
温かい夜風を感じながら、春香は幸せな気分でいっぱいだった。 (ああーいい気分!ひでと二人っきりだしっ) 「何にやついてんの」 「えっ?!に、にやついてなーいよーっ」 秀信に突然指摘されて、嬉しい気持ちが顔に出ていた事に気がついた。 「にやついてたからー。キモいぞ」 秀信は、ははっと声に出して笑った。
2008-04-01 12:03:00 -
42:
ヌシ
「キモいって酷いよっひでキラーイ!」 (…なんて、嫌いな訳ない。ひでの笑った顔やっぱり大好き) ごめんって、と秀信に髪をくしゃくしゃっとされて、春香はさらに顔が赤くなったのを感じた。
2008-04-01 12:06:00 -
43:
ヌシ
「ねえっひでと二人で帰るの久しぶりだね!」 「そういや、そうだな。いつも瑠璃も同じ方面だからな。…あ、今日瑠璃おかしくなかったか?」 「うん…少し…」 瑠璃の異常な雰囲気に、春香も気がついていた。 「なんか聞いた?」 「ううん…瑠璃、自分の事あんまり話さないから…」「……」 返答が返ってこず、秀信をちらっと見ると、秀信は真剣な顔付きをしていた。
2008-04-01 12:16:00 -
44:
ヌシ
「…心配?」 春香はなんだかモヤモヤとした気持ちになり、わかりきった事を秀信に尋ねた。「…友達だしな。」 困ったように眉を下げて秀信は小さく笑う。 (…友達だけど…あたしだって心配だけど…。あたし以外の女の子の事でそんな顔しないで!) 「…え?」 秀信は驚いたように春香を見た。
2008-04-01 12:20:00 -
45:
ヌシ
「え?ど、どしたの?」 春香も驚いて秀信を見た。 「…いや。なんでもない。」 知らず知らずのうちに、小さく声に出てしまったことに春香は気付かなかった。秀信には、春香の気持ちが分かってしまった。 「春香、駅着いたぞ。」 聞こえなかった事にしようと、秀信は駅を指さした。
2008-04-01 12:23:00 -
46:
ヌシ
「ひで。」 改札の前で立ち止まった春香は、ジャケットの端を掴んだ。 「…どした?」 「もうちょっと遊んでこ?」 「でもお前終電…」 「オールしよオール!」 「な、ちょ…」 秀信は春香に引きずられるようにして、駅を後にした。
2008-04-01 12:27:00