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「 罪と罰 」
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1:
◆nc5vQ9UrVg
行かないで、
お願い…
側にいてよ…
2008-03-28 08:23:00 -
2:
◆nc5vQ9UrVg
誰にも認められない恋、 そんなのもう
疲れちゃったよ…
解放して… 全てから
解放して欲しいのに
あなたから まだ 離れられない2008-03-28 08:27:00 -
3:
◆nc5vQ9UrVg
あなたのいない
世界なら
あたしは呼吸さえ 苦痛でしかないの…――
2008-03-28 08:29:00 -
4:
◆nc5vQ9UrVg
2008-03-28 08:30:00 -
5:
◆nc5vQ9UrVg
「……もしもし?千穂…?聞いてる?」 『……ん、ごめん。んで、今回は誰が見たん?』 「理子と皐月やで…。なぁ千穂、友達やから言うてるねんで?あの人はもうやめときって…」 『……』
電話越しに聞こえる心配そうな、親友の声に、胸が痛む。何も言い返せないあたしに、親友マキはもう一度あたしに呼び掛ける。
「な、千穂…?あんたが好きなんは分かる。やけど、一体あんな人のどこがいいん?友達の好きな人悪くは言いたくないけど…」2008-03-28 08:41:00 -
6:
◆nc5vQ9UrVg
『うん…』
「……今回は理子と皐月がミナミで見たんやて。子供と三人で歩いてたって―…」
“子供と三人で――”
『そうなんや……でも、悠司の子供とは限らへんし…それに女の人やって、お姉ちゃんとか…ただの友達かもしれへんやん?』2008-03-28 08:49:00 -
7:
◆nc5vQ9UrVg
支離滅裂な事を言ってるのは、分かっていた。だけど、馬鹿な強がりでも、矛盾した言い訳でも、今は言っていないと… あたしは自分自身が壊れそうだった。
2008-03-28 08:53:00 -
8:
◆nc5vQ9UrVg
一年前、あたしは専門学校に行きながら地元のレンタルビデオ屋で働いていた。だけど、自分が考えていた夢と、現実とのギャップに行き詰まり…専門学校を中退、それからはビデオ屋とたまに入るコンパニオンの仕事を掛け持ちして毎日を過ごしていた。
ある時、派遣会社で知り合った由歌という女の子に 自分が働くスナックに来ないかと誘われ…あたしは、コンパニオンを辞めてスナックを掛け持ちする事になった。2008-03-28 09:05:00 -
9:
◆nc5vQ9UrVg
「千穂ちゃん、最近仕事も慣れてきてええ感じやな!今日も頑張ろなぁ!」 テーブルセットをしながら開店準備をしていると、ママが、カウンターから声をかけてくれた。 『はい!頑張ります!!』
水商売に関しては、右も左も分からなかった当時のあたしに、ママを筆頭に、由歌や、お店の女の子達はすごく良くしてくれた。 お店にもすぐに馴染めた。2008-03-28 09:09:00 -
10:
◆nc5vQ9UrVg
スナックでバイトをする事が楽しくなって、毎日すごく充実した日々を送っている、そんな時だった―…。
あなたに
出会ったのは――…。2008-03-28 09:15:00 -
11:
◆nc5vQ9UrVg
ママに指示されて、たまたま着いた新規のお客さん。BOX席に、六名ほどで来ていたスーツの団体さんだった。『…失礼します!』 まだ若干緊張が取れないあたしは、先陣をきって席に着いてくれた由歌を追い掛けるように、ゆっくりと席に着いた…。
話を聞いているとお客さんは、不動産屋関係の仕事の集まりらしい。みんなかなりお酒が入ってるようで、一時間もすれば、カラオケが始まったり、ゲームが始まったりで…テーブルは大騒ぎだった。2008-03-28 09:21:00 -
12:
◆jTutx5Ak0Y
水割りを作ったり、灰皿を変えたり、あたしはとにかくあたふたしながら席に着いていて…会話もおろそかになっていた時。たまたま隣に座っていた、若いお客さんに話し掛けられた。
「自分、めちゃくちゃ必死やん(笑)そんな必死にならんでもみんな酔ってるし適当でええでぇ。」 ストライプのスーツが、体格のいい彼のスタイルをひき立て、いたずらっぽい笑顔からは、幼さが残るような印象を受けた―…。
―悠司との出会いだった。2008-03-29 07:18:00 -
13:
◆nc5vQ9UrVg
『あはは…そうですね。でも、仕事だし!一応働かないと(笑)』 あたしは悠司のグラスに氷を足しながら、笑顔で答えた。
「なるほどな(笑)いい心がけやな!あ、自分名前なんてゆーん?」 『千穂です!ってゆうか、最初に名刺渡しましたよ…(笑)』
「あっ、ほんまやな!俺酔ってるな!ごめんごめん」
悠司は、またいたずらっぽく笑った。歳は何個か上だろうと思っていたけど、意外にも二つしか違わなかった。悠司は運転があるからと、途中からはウーロン茶しか飲まず…
酔い潰れる周りの中で一人だけまともな彼と最後まで話していた。2008-03-29 07:30:00 -
14:
◆nc5vQ9UrVg
帰りぎわに番号とアドレスを聞かれ、なんとなく交換した。もちろんの事、あたしはこの時はまだ…悠司の事なんてなんとも思っていなかった。
そう、同じように 彼だって…
たかがホステスと客の どこにでもある
出会いだった―……。2008-03-29 07:36:00 -
15:
名無しさん
気になる?
文章きれいやし?読みやすい?2008-03-29 12:11:00 -
16:
◆nc5vQ9UrVg
それから、家に帰ったあと一応悠司にお礼メールを送った。彼からは、
「はいよ!お疲れさん!」と、いかにも男っぽい淡白ともとれる返事が返ってきただけで、あたしも返事は返さずに眠りに就いた―。
その晩は、仕事で疲れていたせいか… 良く眠れた。2008-03-30 07:27:00 -
17:
◆nc5vQ9UrVg
それから2週間が過ぎていた。あたしは相変わらず、あたふたと接客をこなしながら、給料で久しぶりに新しいドレスを新調した。 悠司とは、あれ以来連絡を取っていない。彼から連絡が来ることもなかったし、あたしもあえて自分からもしなかった。
悠司の存在自体を忘れかけていた頃、仕事が終わり携帯を見ると、メール受信のマーク。中を確認すると、あれ以来ぶりの、彼からのメールがきていた―…。2008-03-30 07:34:00 -
18:
◆nc5vQ9UrVg
「久しぶり!覚えてる?」
相変わらずな淡白な文章に、あたしはすぐに返事を返す気すらおこらなかった。家に帰ってから返そ…… なんて気軽に考えて、携帯を閉じた。
30分後、ようやく家に着きお風呂に入ってベッドに潜り込み疲れた体で携帯を開きさっきの返事を返す。2008-03-30 07:38:00 -
19:
名無しさん
新しくスレ立てて、また書いてるのか知らないけど、
ほぼ同じ話を読んだことがある。同じ作者?2008-03-31 02:59:00 -
20:
◆nc5vQ9UrVg
「久しぶりぃ☆覚えてるよんw(°0°)w今、仕事終わったねんよぉ(´ω`)」
この当時はまだ、他社の携帯に絵文字が入らない頃…。適当に選んだ絵文字を付けて、あたしは、自分なりに愛想のあるメールを、送った。
悠司は寝ているらしく返事は、―…次の日の朝だった
「昨日はごめん、寝てた。いつが休みなん?一回飯でも行こうや。」2008-03-31 04:02:00 -
21:
◆nc5vQ9UrVg
目が覚めて携帯を手に取り、再び返事を返す気が失せる内容を見る。お客さんからの《定番文句》である、《飯でも行こうや》。 寝ぼけまなこで、適当に流す返事を送信した―…。
お客と遊ぶ気なんて、さらさらない。あたしは、はっきり言って男にあまり興味がない。変な意味じゃなくて…
三年前に別れた、名字も、名前の漢字さえうる覚えのような元カレと別れてから彼氏どころか、好きな人さえ出来ていなかった。2008-03-31 04:09:00 -
22:
◆nc5vQ9UrVg
“恋愛なんてしない方が、きっとラク―。”
(忘れかけの)元カレ先代の記憶から、なんとなく、そんな定義のようなものが あの頃、あたしの中で少なからずあった気がした。2008-03-31 04:13:00 -
23:
◆nc5vQ9UrVg
2008-03-31 04:14:00 -
24:
◆nc5vQ9UrVg
『おはようございます!』「千穂おはよー!今日は花金やし頑張ろうなぁ!」
今日は、水商売が一番活気溢れる給料日後の金曜日。あたしも、いつもより念入りにへアセットをした。ちょっとした、…意気込み。
『9時頃に、田中さんが三名で、10時頃に、吉本さんが二名で来ます!』 入店して約2ヶ月、あたしもようやく客呼びというものが出来るようになり、 「了解!了解!!☆」 ママも、由歌も、喜んでくれた。あたし自身も努力が身になった事が、素直に嬉しかった。2008-03-31 04:22:00 -
25:
◆nc5vQ9UrVg
バタバタしながらもお店は盛況で、あたしも馴染みのお客さん達にだいぶ飲まされるはめに。。
気分ワル……
閉店の頃には、しっかり泥酔していて、いつもは終電で帰っていたけど、今日ばかりはママに送ってもらう事になった…。2008-03-31 04:25:00 -
26:
◆nc5vQ9UrVg
「千穂〜、しっかりしぃやぁ、大丈夫かぁ!?ほらほら、帰るでぇ!起きて!」『す…いません〜もぅ飲めませ〜ん…。』
ママに手を引かれながら、ママの車の元へ歩く。 完全に千鳥足…なあたし。
「もう飲まんでええから安心しぃ!(笑)あとは帰って寝るだけやからもうちょい頑張り!…ほらっ、足元気ぃつけて!!」2008-03-31 04:29:00 -
27:
◆nc5vQ9UrVg
ようやくママの車にたどり着いて、あたしは倒れこむように、助手席に乗る。 「千穂、家どこやったっけ!?麻衣の近くやった?」『はぁい〜…すいません。麻衣さんの近くです…!』ママに行き先を告げて、シートベルトを着け車は発進。
車内は、まるでアロマのような穏やかな薫りが漂っていて、あたしはうとうとと…―…眠りに就いてしまいそうだった。2008-03-31 04:34:00 -
28:
◆nc5vQ9UrVg
「千穂!携帯鳴ってるで」
ママの声と、爆音で流れた浜崎あゆみの着メロに…一気に現実に引き戻される。
『あ、すいません……。』こんな時間に誰やろ。。 携帯を開くと、メールを 受信していた。2008-03-31 04:38:00 -
29:
◆nc5vQ9UrVg
目を擦り、中を確認する。あ。。。。
メールは、悠司からだった…。
悠司からは、あれ以来なぜか頻繁にメールが来るようになった。一度流してからは、ご飯は誘われなくなったものの、他愛もない内容のやり取りや…“おはよう”や“おやすみ”など、意外とこの人暇なんやろか…と、思うくらいの内容のメールをちょくちょくしていた。2008-03-31 04:42:00 -
30:
◆nc5vQ9UrVg
受信
何してるん?仕事終わった?
2008-03-31 04:44:00 -
31:
◆nc5vQ9UrVg
だいたいいつも仕事終わる時間にメールを返していたせいか、最近はこんなメールも良く来る。
送信
今帰ってるとこだよ☆今日は飲み過ぎたぁ(οдО;)疲れたしぃ↓↓
2008-03-31 04:46:00 -
32:
◆nc5vQ9UrVg
ありきたりなやり取りをするのは面倒臭かったけど、あたしも意外と寂しがり屋な面があるらしく…女の一人暮らしの退屈しのぎには、このくらいの淡白な文面が調度いい気がした。
受信
お疲れさん。俺も今仕事終わったとこ。今どこ?
2008-03-31 04:49:00 -
33:
◆nc5vQ9UrVg
受信
めちゃ近くおるやん。家、送ったろか?
2008-03-31 04:51:00 -
34:
◆nc5vQ9UrVg
2008-03-31 04:52:00 -
35:
◆nc5vQ9UrVg
お酒でテンションが上がっていたせいもある。家の場所が逆方向のママに、気兼ねしていたせいもある…。とにかくとにかく、あたしは尋常じゃなかったんだ。
「久しぶりやなぁ!覚えてたか?うわっ酒クサ(笑)」
あたしは今、顔すらほとんど覚えていないような男の助手席に座っている…―。2008-03-31 04:56:00 -
36:
◆nc5vQ9UrVg
久しぶりに見た悠司は、やっぱりストライプのスーツが良く似合っていて、さっきまで酔っぱらいオヤジ達の相手をしていた、酔っぱらいの目には、
少なからず初対面の時よりは、数倍…格好よく見えた。
悠司はこの日の事を、全く覚えてないと笑った。 そりゃそうかぁ…と隣でメールを打つ彼に、あたしも笑ってみせたけど―…、 やっぱり自分だけが好きなような気がして、あたしはなんだか胸が痛んだ。2008-03-31 05:03:00 -
37:
◆nc5vQ9UrVg
あれから、もう
2年も経つんだね…―
覚えていなくても 仕方ない……か。
2008-03-31 05:07:00 -
38:
◆nc5vQ9UrVg
送ってもらう途中、お腹すかへん!?って事で…悠司とファミレスに入り、ひたすらしゃべった。気付いたら、二時間くらい経っていたと思う。
『あははは!お腹痛い!』「あなた声デカイ…(笑) 酔っぱらいめ(笑)」
彼の軽快なトークに、自然と笑いが絶えない。おちゃらけた事を言いながら、 たまにふと見せるムードのある表情に、セブンスターの煙が被る。2008-04-01 04:49:00 -
39:
◆nc5vQ9UrVg
「…ん?どないしたん?俺顔なんか付いてるか?」 あたしの視線に気付いた悠司が、不思議そうにあたしに聞く。
『別に何もない!…タバコ吸ったら出よっかぁ!』
「なんやねん、そんなに早く俺とバイバイしたいん?(笑)」
イタズラっぽく笑いながら悠司が言う―…。あたしも笑いながら、その場を適当にごまかした。2008-04-01 04:54:00 -
40:
名無しさん
読んでます
2008-04-01 05:35:00 -
41:
名無しさん
age
2008-04-02 00:13:00 -
42:
◆nc5vQ9UrVg
ありがとうございます??
2008-04-02 19:46:00 -
43:
◆nc5vQ9UrVg
車に乗り込み、一度離された手は、家に着くまでの間ズット自然にまた繋がれていたー―…。
「んじゃな!ゆっくり寝なさいよ!また連絡して☆」
『うん…送ってくれてありがと!!』
あたしはお礼を言って車を降りた。ファミレスで話尽きたのか、帰りに車内ではとくに会話もないままだったけど…不思議とそんな空間でも落ち着いていた。2008-04-02 19:57:00 -
44:
◆nc5vQ9UrVg
さりげないボディタッチとか、話好きなのに意外と聞き上手なところとか、 普段、お客との接し方しか知らないあたしには―…、
彼の"女慣れした"行動は
忘れかけていたドキドキを取り戻すのに十分だった。2008-04-02 20:02:00 -
45:
◆nc5vQ9UrVg
2008-04-02 20:02:00 -
46:
◆nc5vQ9UrVg
「なんやー今日はえらい派手な髪型してるやん(笑)」
彼は、目の前に煙をもくもく漂わせる焼き鳥を掴みながらあたしに言う。 『…ほっとぃてー。今日昼間セット行ったから…!』あたしは、気にしてるところを”やっぱり”つかれて…目を合わさずに、なみなみに注がれたビールに一口口をつけた。
「あはは、たまにはいーやん。ぐるんぐるんも(笑) 何しても可愛い可愛い!」
からかうように、またお皿の上から焼き鳥を選びながら、悠司は笑った。2008-04-02 20:09:00 -
47:
◆nc5vQ9UrVg
今日は、出勤前にご飯を食べに来ていた。もちろん、同伴なんかじゃない。悠司とは、あれから週に一度か二度こうして会っている…。
2008-04-02 20:24:00 -
48:
◆nc5vQ9UrVg
あの日もたまたま付き合いで来ていたという彼は、一人で店に来る事なんてまずないし、《店に来ない》=《客じゃない》という変な固定 観念を持っていたあたしは…水商売で生まれた小さなプライドで《客じゃない》悠司と会う事を―、 許している自分がいた。2008-04-02 20:27:00 -
49:
◆nc5vQ9UrVg
『ほんまうるさいしー!仕事行く気なくすやんか・・(笑)』
久しぶりに美容院に行ってセットをしてもらった髪型は、なんとも言えない…当時流行っていた水商売特有のバカデカイ頭になっていた。そりゃ笑うわな…
「もともとなぃやん(笑)」彼はチクチクと、あたしを見ながら笑っている。
悠司はきっとSやと思う…。2008-04-02 20:32:00 -
50:
◆nc5vQ9UrVg
「うそやんか。千穂は、可愛いから大丈夫やて。」 さっきまで馬鹿にしてたと思えば―、急にこんな事を恥ずかしめもなく言う。
『…思ってなぃくせに。』タバコの煙をゆっくり吐きながら、優しい目をする悠司の目から顔を背け、 あたしは下を向いた。
2008-04-02 20:36:00 -
51:
◆nc5vQ9UrVg
「んじゃぁな、仕事頑張れよ!また連絡してな☆」 『うん…じゃあね。』 店の近くに車を止めて、周囲を気にする悠司に、あたしはすぐにドアに手を掛けた。
――!?
『え……何よ!?』
「なんなんそのそっけない感じ?どないしたん?」2008-04-02 20:43:00 -
52:
◆nc5vQ9UrVg
後ろから腕を捕まれ、彼は優しい声で聞く。―…力を入れれれば簡単に振りほどける程度だけど、なんとなく捕まれた腕をそのまま動かさずに顔だけ悠司に向けた。
「なんやねん(笑)そんなに仕事行きたくないんか?」『……別に。』
焦れったい気持ちに、なぜだかイライラが増す。周囲を気にする悠司に、じゃあね、という悠司に、なぜだかそっけなく当たりたい気持ちにでいっぱいになる。2008-04-02 20:48:00 -
53:
◆nc5vQ9UrVg
一瞬の沈黙に耐え切れず、こんな空気を作ってしまった事を後悔した……。 『仕事行くわ。ごめんね』あたしは、今度は笑顔でそう言うともう一度ドアのノブに手を掛けた。
…その時。今度は腕じゃなく悠司の大きな手が肩に触れる――…。力のままに彼の方を向かせられると、 悠司は優しく優しくあたしにキスをした。2008-04-02 20:54:00 -
54:
◆nc5vQ9UrVg
「…お前、可愛いな。そんなに俺と離れたくないん?(笑)」
悠司は、今までに見た事ないくらい優しく笑った。
『うん、離れたくない…』あたしも、自分でも驚く程今までに言った事ないくらい素直な言葉が自然に出ていた。2008-04-02 20:59:00 -
55:
◆nc5vQ9UrVg
悠司はあたしの頭をポンポンとすると、
「次の休み泊まり行っていい?」 と言った。
週末に会う約束をして、あたしは胸いっぱいの気持ちで店に向かった―‐。2008-04-02 21:03:00 -
56:
ゆん
悠司に恋をするのは、偶然なんかじゃない。必然だったんだよ。あたし、今でも思うんだ…
あたし達二人に、先と呼べる運命はなくても あたしはきっと その運命から逃げたりはしないから2008-04-02 21:07:00 -
57:
◆nc5vQ9UrVg
いつか本当の
あなたの本当の気持ちを 聞かせて…―
2008-04-02 21:08:00 -
58:
◆nc5vQ9UrVg
それからは、自然と悠司との時間が増えていった。 一人暮らしのあたしの家に泊まる事も増えていき、あたしの部屋には彼のスウェットや雑誌や、ゲームなどがいつのまにか定着して置いてあるようになった。
「千穂、これ洗っとぃて」『もぉー。。これこの間洗ったやん…これ手洗いやから大変やねんで!』 そんな会話をしながら、テレビの前でゲームに熱中する悠司の横を通り過ぎて、バスルームに向かう。
こんな会話も、今はすごく幸せに感じる―…。。2008-04-02 21:21:00 -
59:
◆nc5vQ9UrVg
悠司は仕事が忙しいらしく、不動産屋関係に休みが多い水曜日の前日の夜と、その他平日に仕事が早く終わった日には、必ず家に来ていた。
だけど…――、なぜだか土曜日の夜と日曜日だけは、一度も家に来る事はなかった。
2008-04-02 21:24:00 -
60:
◆nc5vQ9UrVg
まぁ、実際週末も仕事があるようだったし、あたしも土曜の晩は相変わらずスナックのバイトが忙しくて特に気にもしていなかった。
日曜日は、あたしは家でのんびり時間を過ごす―…、バイトだけしていた日々は毎日一人で居たから自分の時間なんて考えていなかったけど、悠司といる日々が増えるにつれ、こうしてたまに一人でのんびりする時間は、"淋しさ"よりも "幸せに浸る時間"のような気がして――…なんだかプラス思考になれた。2008-04-03 05:10:00 -
61:
◆nc5vQ9UrVg
「千穂〜!二番着いて!!新規二名様やからねー!」『は〜い!!』 ママの威勢のいいハスキーボイスが響く。今日は土曜日。お店も盛況だった。 「…千穂さん、あたしアイス持っていきます!」 新人も増えて、あたしもいつの間にか"先輩"という立場になっていた―。 『うん、よろしくね!!』あたしは笑顔で、答える。
2008-04-03 05:16:00 -
62:
◆nc5vQ9UrVg
悠司も今頃、
まだ仕事中かなぁー…?
土曜日は、たいてい仕事が終わるのが遅いらしく、仕事場で寝てしまったり、家に帰ってそのまま疲れて寝てしまったりするらしく、夜はあまり連絡が取れなかった。
早く会いたいなぁ…2008-04-03 05:36:00 -
63:
◆nc5vQ9UrVg
「千穂、愛してるで。」 悠司は優しい。意地悪な笑顔は相変わらずだけど、 キスをする時、あたしを抱く時、必ず愛してると言ってくれた。
なんでこんなにも彼にハマってしまったのかは自分でも分からないけど…なんだか《目を離したらすぐどこかに行ってしまいそう》な自由奔放な彼に、あたしは今までには感じた事のない魅力を感じていた。
2008-04-03 05:41:00 -
64:
◆nc5vQ9UrVg
自分で無意識のうちに過剰評価していた悠司に愛される事で、あたしはいつの間にか自信に満ち溢れる感覚になっていた―ー…。
2008-04-03 05:44:00 -
65:
◆nc5vQ9UrVg
2008-04-03 05:44:00 -
66:
◆nc5vQ9UrVg
全てがあなたの 【計画】だったとしても
あたしは
怒ったりなんかしない。
全て知った上だって その【計画】に
のってあげる―…。2008-04-03 05:48:00 -
67:
◆nc5vQ9UrVg
そこにあたしが
欲しいモノがあるのなら
2008-04-03 05:50:00 -
68:
◆nc5vQ9UrVg
そこに 愛が
あるのなら…―ーー。
2008-04-03 05:51:00 -
69:
◆nc5vQ9UrVg
悠司と知り合って、3ヶ月が過ぎた。彼は相変わらずあたしの家に週に二、三回は来ていた。だけど最近、少しばかり気になる事があった。悠司の携帯だー…。
少し前までは、普通に無造作にその辺りに置いていたのに…最近では必ず自分の足元に置く。着信音が鳴らずランプが光るところを見たら、【サイレント】にしているんだと分かる。2008-04-03 05:54:00 -
70:
◆nc5vQ9UrVg
『…なぁ悠司、次の休みどこ行くー??』 テレビに夢中の彼に、さっき入れたばかりのホットココアをすすりながら話しかける。
「んー?ん…なんて?休み?あーどこにしよっ?どっか行きたいとこある?」 『USJ行ってみたい!!』
最近、お店の子が行って来たらしく、話を聞いていて絶対に連れて行ってもらおうとワクワクしていた。2008-04-03 05:58:00 -
71:
◆nc5vQ9UrVg
「USJかぁ〜…あっこ人めちゃくちゃ多いで!?」 『悠司行った事あるん?』出来たばかりのUSJに行った事あるなんて。。 前の彼女と行ったんかな―… なんか一気にテンションが下がっていく。
「…いや、ないない!同僚が言っててんやん!俺人多いの苦手やからなー。」
なんやぁ…行った事あるわけじゃなかったんや!!2008-04-03 06:02:00 -
72:
◆nc5vQ9UrVg
『大丈夫やって!平日やもん!人多いアトラクションは避けたらいいやん!』 あたしはテンションを取り戻して、必死に悠司を押した。
「そんなに行きたいん?しゃあないなー(笑)じゃあ、連れてったるわ!火曜日一緒に寝て水曜日な☆」 あたしは嬉しくて、子供みたいに喜んで悠司に抱きついた。
楽しみがまた一つ増えて、携帯の事なんてすっかり気にならなくなっていた。2008-04-03 06:06:00 -
73:
◆nc5vQ9UrVg
そして、楽しみにしていた火曜日がやってきた。
『これと〜、これとぉ〜、悠司は何食べたい!?』 あたしは明日のUSJの為にコンビニでお菓子コーナーを物色していた。悠司は、少々呆れ笑いをしながらあたしを見ている―…。 「俺はええわ…(笑)甘いもん嫌いやから。」『あ、そっかぁ!んじゃあたしは、ポッキーとガムと〜♪』 「ほんまお前は子供やな…どこで食べんねん(笑)」 『車の中やんかぁ!』
そんなやり取りをしながら大量のお菓子と飲み物、もちろんカメラも買って、あたしは心待ちにしていた明日に胸を膨らませていた。2008-04-04 04:57:00 -
74:
◆nc5vQ9UrVg
家に帰って、今度は明日着ていく服を悠司に相談する。悠司が、「そりゃパンツの方がいいやろ。」って言うから、お気に入りだったmoussyのスキニーデニムを履く事にした。 『なぁなぁ、USJって怖いジェットコースターとかあるんかなぁ?!』 絶叫マシーンに目がないあたしは、ワクワクしながら悠司に聞いた。 「……」
そういえば、さっきから悠司は携帯ばっかり触っている―…。。
『…なぁ、聞いてる?!』2008-04-04 05:03:00 -
75:
◆nc5vQ9UrVg
「……ん?何か言った?どないしたん?!」
悠司は携帯の画面から目線を慌ててこっちに向けると、同時に携帯を閉じた。 『……』
あたしは、少しイライラした。あたしはこんなに楽しみにしてるのに、悠司は楽しみやないんかな…―
あたしが黙り込んでいると、悠司が近くに来てあたしの首に腕を回してきた。 「俺も楽しみやで。」
なんか、全部見透かされてるみたいで悔しい―…。2008-04-04 05:08:00 -
76:
◆nc5vQ9UrVg
仲直りのキスをして、その日は二人して早めに寝た。
翌朝、寝起きの悪い悠司を機嫌をそこねないよう慎重に起こして…、さぁいざ出発!!平日だったせいか、運良く道がすいてたおかげで、予定よりも早めに着いた。
『うわぁ〜!めちゃくちゃすごぃ!!感動!(笑)』 あたしは、初めてみるUSJの建物や、アトラクションに感動してはしゃぎまわっていた。
「ほんまやなぁ!天気もいいし良かったやん!!」 悠司の言う通り、天気予報では曇りだった予報は見事に外れ、遊園地日和の快晴だった―。2008-04-04 05:14:00 -
77:
◆nc5vQ9UrVg
「千穂ちゃんおいで(笑)」悠司は大きな手を差し出して、からかうように言う。『子供扱いして〜!!』 あたしは、怒る素振りを見せながらも笑顔で彼の元に走り手を握った。
USJに来れた興奮と、久しぶりに悠司とデートらしいデートが出来る嬉しさで、あたしは幸せの絶頂だったと思う…―。2008-04-04 05:19:00 -
78:
◆nc5vQ9UrVg
これが、一瞬で
幸せが崩れ落ちる 前兆に過ぎなかったなんて
あたしは 気付いていなかったんだ…
2008-04-04 05:22:00 -
79:
◆nc5vQ9UrVg
2008-04-04 05:27:00 -
80:
名無しさん
あげ
2008-04-10 18:22:00 -
81:
名無しさん
面白い?
2008-06-27 07:33:00 -
82:
茶
気になる気になる?メチャ面白い?
2008-06-29 16:48:00 -
83:
名無しさん
ちょっとだけ似てて、気持ちわかります??
あげ☆2008-07-03 07:51:00