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明日への光

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  • 1:

    ひかる◆iQc6tVdR/2


    どうして
    生まれてきたんだろう。

    2008-04-04 01:47:00
  • 2:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「おかあさん行ってきます」

    慣れないランドセルを背負いながらも足取りは軽い。
    小学校に入学してから3ヶ月の月日が過ぎ
    仲良しの友達も沢山増えた。

    2008-04-04 01:54:00
  • 3:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    毎日新しいことに囲まれ未来への期待も大きく膨らんでいた。
    そんなまだ幼い少女の名は ごく普通の家庭に生まれ、ごく普通の小学生として生活していた。

    2008-04-04 01:59:00
  • 4:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    今日も元気に学校へ行く。下駄箱で靴を履き替えていると後ろからひかるを呼ぶ声が聞こえた。 仲の良いグループの祐子だ。 勢いよくひかるの元へ駆け寄る。

    2008-04-04 02:04:00
  • 5:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    幼稚園の頃から一緒に遊んでいた祐子と それからあやとゆきの4人でグループになっていた。放課後は学校のすぐそばのあやの家でみんなで遊ぶのが日課だった。

    2008-04-04 02:08:00
  • 6:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    今日もいつも通り学校から帰ってあやの家でみんなで宿題をしながら遊んでいた。 あやとひかるが一緒に計算ドリルを解いていると祐子が急に部屋を出ていった。

    2008-04-04 02:12:00
  • 7:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「あれ?祐子ちゃんどうしたんかな?」
    部屋から急に黙って出たものだからトイレにでも行ったのだろうと思い3人とも気にしなかったけれど、もう15分は戻ってこない。
    3人はあやの部屋を出て家の中を探したけれど祐子はどこにもいなかった。

    2008-04-04 02:16:00
  • 8:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「祐子ちゃん帰ったんかなぁ?」 「ランドセルないもんね」 
    どうやら祐子は家を出て行ったようだ。3人は宿題をやめ、居間でテレビを見ていた。
    [ピンポーン]

    2008-04-04 02:19:00
  • 9:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    ―[ピンポーン‥ピンポーン]

    家のチャイムが鳴り響く。

    2008-04-04 02:21:00
  • 10:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「はぁい」 あやが返事をしながらドアを開けるとそこには祐子の母親が立っていた。
    「あやちゃん。ひかるちゃんいてる?」無愛想に言いながら祐子の母親は玄関先まで上がりこんできた。

    2008-04-04 02:24:00
  • 11:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「ひかるちゃん 祐子ちゃんのお母さんが呼んでる〜」 ひかるはテレビを見るのをやめ、玄関先に向かった。
    「おばちゃん、なに?」

    2008-04-04 02:26:00
  • 12:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    ひかるが尋ねると祐子の母親は物凄い剣幕でひかるを怒鳴りつけた。
    「あんた何?ちゃうわ!うちの祐子ひかるちゃんにビンタされたって泣きながら帰ってきたんやで!なんでそんな意地悪すんの!祐子が何したの!」

    2008-04-04 02:29:00
  • 13:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「え?そんなんしてない…」 身に覚えのないひかるは困ったように言った。 「嘘つくんか!ほか祐子きてみ!叩かれたんやろ!この子に!」 否定するひかるに更に腹を立てたように怒鳴りつけ、隠れていた祐子を引っ張り自分の隣に来させた。 祐子は手で右の頬を押さえていた。

    2008-04-04 02:34:00
  • 14:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「ほら祐子ほっぺた痛いからずっと押さえてるやんか。あやちゃん達見てたやろ?ひかるちゃんが祐子のこと叩いてたやろ?」 「あの…ひかるちゃん何もしてないよ!祐子ちゃんが勝手に帰ってん。」あやがそう言ったが祐子の母親は信じなかった。

    2008-04-04 02:39:00
  • 15:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「あんたらまで一緒に嘘ついて!祐子可哀想でしょう」ひかる達には身に覚えがないし混乱するばかり。だが祐子の母親は怒り狂ったように怒鳴り続けた。祐子は黙ってみているだけだった。 あやの両親は共働きで家にはいなかったので仲裁できる人もいなかった。

    2008-04-04 02:44:00
  • 16:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「ひかるちゃん 警察いきましょう! 悪いことしたんやから当然やね!」 祐子の母親はそう言いながらひかるを無理やり引っ張った。 「悪いことした子はちゃんとお巡りさんに話聞いてもらわなダメやからね!行きたくなかったらちゃんと祐子に謝りなさい!」

    2008-04-04 02:49:00
  • 17:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    『警察に連れて行かれる…』 ひかるは怖くなった。何もしていないとは言え、今謝った方がいいんじゃないか。幼いながら混乱した頭で考えた。
    「ご… ごめんなさい」ひかるは祐子に向かって謝った。

    2008-04-04 02:53:00
  • 18:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    「ひかるちゃん、あんた悪いと思ってないやろ?祐子は痛い思いしたのに。何 その態度は」 ひかるの謝り方が気に食わなかったらしく祐子の母親はまた怒鳴りだした。

    2008-04-04 02:56:00
  • 19:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    ひかるは怖さで涙が溢れ出た。親以外の大人にこんな剣幕で怒鳴りつけられたことはなかった。 あや達も後ろで様子伺いするだけ。祐子の言葉を完全に鵜呑みにしている母親。ひかるの味方は誰もいなかった。

    2008-04-04 02:59:00
  • 20:

    ひかる◆iQc6tVdR/2

    ひかるは泣きながら何度も「ごめんなさい」と言った。言うしかなかった。土下座し頭を下げ ようやく祐子の母親の怒りはおさまった。「あんた今度祐子にこんなことしたら絶対許さんからな!分かったな!」 そう言い残し家を出て行った。その時祐子は 少し笑っているように見えた。

    2008-04-04 03:02:00
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