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†Last dear†

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  • 1:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    白い雪が 
    今年も空を舞う。      
    君といた歌が      あたしはまだ聞けないよ。     

    2008-04-23 08:59:00
  • 2:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    今思えば、君と出会った事は“運命”だったのかなって思うんだ。こんな事言ったら、君はまた     『お前少女マンガ見すぎ』って、いつもの笑顔でバカにするんだろうなぁ…。

    2008-04-23 09:07:00
  • 3:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    だけど、だけどね、世界中にはこんなにもたくさんの人がいるのに。あたし達二人が出会えた奇跡って… すごい事だと思わない?

    だから、あたしは    今でも信じてるんだ。…

    2008-04-23 09:09:00
  • 4:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    例え違う形でも     また君と巡り逢えるって だから、君も   
    願っていて―?         
    それまでどうか…    忘れないでいてね。     

    2008-04-23 09:13:00
  • 5:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    scene1…出会い        

    2008-04-23 09:14:00
  • 6:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夕花ぁ〜!!おはよっ!聞いて聞いてぇ!!』    
    その大声に、教室中の生徒がちらほら振り返る。満面の笑みとハイテンションで近づいて来たのは、あたしの中学時代からの大親友、"ナナ"だ。   

    『ナナおはよう!!そんな急いでどうしたの?』

    2008-04-23 09:34:00
  • 7:

    ◆VirGwxRhbQ

    息を切らしながら走ってきてあたしの机の前に座り、ようやく落ち着いたところでナナは言った。       
    『…実はねぇ〜!!!じゃじゃーんっ!これ見て!!STYLEのライブチケット会員席一列目ど真ん中当たっちゃいましたぁ〜!!』     
    ナナの手元には、ライブのチケットが二枚握られていた。"STYLE″というのは、インディーズだけど一部のファンの中では絶大な人気を誇る― 今人気上昇中の若手バンドだ。ちなみに、あたし達も大ファンだった。

    2008-04-23 09:42:00
  • 8:

    ◆VirGwxRhbQ

    『わぁ〜〜…うんうん!ありがとう!あたしも嬉しくて眠れないよ!!』      
    ナナからチケットを受け取ると、あたしたちは顔を見合わせて、もう一度二人ではしゃいだ。          
    ライブは、来週の日曜日。家に帰ってから念入りにSTYLEのCDを聞く。ずっと行きたかったライブ。あたしは胸がいっぱいだった。

    2008-04-23 10:23:00
  • 9:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    そして、日曜日。    『夕花ぁ〜!!ごめんっ!待たせたぁっ…!?』  あたしが待ち合わせ場所に着いてから10分後くらいに走って現れたナナ。   『全然大丈夫だよ!だってほら、時計……☆』   付けていた腕時計をナナに見せると、その時間は、決めた待ち合わせ時間より30分も早い時間だった。    
    あたし達は、自分たちの気合いのいれっぷりにまた笑ってしまった。

    2008-04-23 10:29:00
  • 10:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夕花は学校卒業したら、ファッション系に進むんだよねー?』
    『うん…まぁ一応行けたらなぁとは思ってるカナ☆』 『大丈夫!大丈夫!夕花なら絶対行けるよぉ!将来はナナと未来のベィビーの洋服デザインしてねっ♪』 
       
    ナナってば気が早いなぁ…なんて思いながらも、  自分が将来デザインした洋服をそうやってナナや周りの人たちが着てくれるようになったら…― きっと、すごく幸せなんだろうな。  
    まぁ夢はおっきくだよね☆

    2008-04-23 12:58:00
  • 11:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    ようやく会場に到着したあたしとナナ。その大きさに圧倒してしまった。。  『STYLEって・・いつの間にこんなにビッグになったの?』
    『あたしも…クラブハウスくらいかと思ってたぁ…』   
    着いた会場は、野球やサッカーでも行えそうなくらいひろーいところだった。   
    『いやぁ〜!ナナのSTYLEがぁ・・!!ビッグにならないでぇー(泣』    ナナは嘆いていたけど、あたしは初めて見るライブがこんな大迫力な場所で見れて少しワクワクした。

    2008-04-23 13:04:00
  • 12:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    ここはね、       君と初めて       出会った場所だから     
    あたしには今でも    特別な場所なんだよ…     

    2008-04-23 13:10:00
  • 13:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-04-23 13:11:00
  • 14:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…花!夕花!!チケットは??早く出さなきゃ♪』チケット確認の列でナナに言われて、慌ててカバンを探した。。         
    《あれ……?おかしいな…確かにカバンに入れたのに……財布かなぁ!?》  財布の中を捜すけど、見当たらない――。。。     
    『夕花……?次うちらの番だよ!見当たらないの?』   
    『う…うん』
    《どうしよう…どうしよう―…なんで。。確かに入れたのにっ…》

    2008-04-23 13:18:00
  • 15:

    ◆VirGwxRhbQ

    『チケット拝見しまーす』チケット確認の男の人が、あたしに言う。。ナナは心配そうに隣で見ている…。なかなかチケットを出さないあたしに、後ろに並ぶたくさんの行列の人々もイライラした様子。
      
    《なんでないの―……もぅやだよ。。。》     泣きそうになりながら、戸惑っていると
    『……ポケットになんか見えてますけど。』    と、男の人が言った。

    2008-04-23 13:23:00
  • 16:

    ◆VirGwxRhbQ

    『えッ!!!?』    《……あっ!!!そぅだ!さっき並んでる時に席確認しようと思って一回出してポケットに……》       
    『良かったぁ〜。。夕花ぁビックリさせないでよ!』ナナはため息混じりに、あたしに言う。      『ごっ…ごめんねナナ!あっ、すいません…!!ありがとうございます!!』  あたしは深々と、その男の人に頭を下げて謝った。 『全然いいですよ。』  そう言ってくれたから顔をあげると
    君と…― 目が合った。

    2008-04-23 13:31:00
  • 17:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夕花!夕花!今の人カッコよかったねっ!!』  待っていたナナがすぐにあたしに言う。
    《やっぱりナナも思ったよねっ―ー。。。》        
    『う、…うん!そうだね!優しそうだったし☆』  《楽しんで来て下さいって言ってくれたし、笑顔が何より優しかったーー…》    
    『まっ、ナナはレン一筋だけどっ!!!』     レンと言うのは、STYLEのボーカル。ナナはレンの、大ファン。レンに会えるのが本当に嬉しそうだった。

    2008-04-25 07:01:00
  • 18:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしはと言うと、メンバーというよりはこのバンドの曲が好きだった。もともとはナナの影響で聞き始めて、歌詞が心に響くーー…そう思う曲が多く、あたしも一気にファンになった。だから、もちろん今日のライブはあたしもすっごく楽しみ。          

    『夕花!!ここだよっ!…やばーい!ステージ超近いよっ!!!』    興奮気味のナナに言われた席からステージを見ると、さすが一列目ど真ん中…!目と鼻の先がステージだった。

    2008-04-25 07:09:00
  • 19:

    ◆VirGwxRhbQ

    『すごーいっ!!大迫力だね♪!あ……ナナ、始まる前にちょっとあたしトイレ行ってくるね!!』   トイレ行っとかないとライブ中に行きたくなったら嫌だしね。。          
    『了ー解♪待ってるから早く戻ってきてね!!』  『はーい!』          
    ナナに荷物を見てもらう事にして、あたしは足早に席を離れていったん館内を出た。
    早いとこ行って早く戻らなきゃーー。。。

    2008-04-27 13:18:00
  • 20:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    トイレまでなんとか辿り着いて、元来た道をさっそく戻ることに。

    ―――ーあれ。。。。?   『あたしどこから出て来たっけー………?』        
    この会場は、円になっていてA〜Eの入り口が何メートル起きかに並んでいる。。出てきたところからトイレに行くまでに、何個か入り口を通り過ぎたはずー… やばい。。。。       完全に迷ってるっ。。。 どうしよう――…

    2008-04-27 13:24:00
  • 21:

    ◆VirGwxRhbQ

    ナナに連絡しようにも、荷物をおいてきてしまったせいで携帯がないし。。    
    『どうしよう……こんな広い会場一つ一つ回ってたらライブ始まっちゃう……』あたしは、パニック状態ですでに泣きそうだった。


    その時、目の前から歩いてくる人影が見えた。   あ――ー…!      目の前から歩いて来たのはさっきのチケット確認の男の人!!助かったぁ…!

    2008-04-27 13:28:00
  • 22:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あ…あの!!!すいませんっっ…!!』      この人なら、会場のスタッフの人だし案内してくれるよね!!          
    『……何か。』        
    『あのっ…実はどこから来たのか分からなくなっちゃってっ……案内してもらえないですか??』      
    さっきより正面からちゃんと見る君の顔ーー…。  やっぱりすごくキレイ。

    2008-04-27 13:35:00
  • 23:

    ◆VirGwxRhbQ

    なんだろう……。変なドキドキが止まらない…。    
    『席のブロックは?』     
    『……あっ、ブロック…?えっ……あ。。。席にチケットも置いてきちゃって分からないんです…… ブロック分からなかったら意味ないですよね。。どうしようーー…』

    2008-04-27 13:40:00
  • 24:

    ◆VirGwxRhbQ

    でも、一列目だしとりあえず真ん中辺りって言えば伝わるのかな…??       


    『……どんくせぇ女。』     

    2008-04-27 13:42:00
  • 25:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あっ…そうですよね… 本当に!!って・・・・・えー―…???????』    
    い…今、この人“どんくせぇ女″って言ったよね……。しかも、ものすごい冷たい声で。。。          
    『……あ、あの?』

    2008-04-27 13:46:00
  • 26:

    ◆VirGwxRhbQ

    『……Dブロック』   『え……え!あ、D!?な、なんで・・・』        
    『チケ確認する時に見えたから。』 あ―ー…そっか、この人さっき入る時に。。。。 『す、すいません…ありがとうございます!!』
    あたしが頭を下げてお礼を言うと、君は無言でスタスタと歩いていく…―。    それにしても、なんて無愛想なんだろう。。

    2008-04-30 05:21:00
  • 27:

    名無しさん

    あげ

    2008-04-30 19:32:00
  • 28:

    ◆VirGwxRhbQ

    ありがとうございます??

    2008-05-02 03:57:00
  • 29:

    ◆VirGwxRhbQ

    さっきは優しい人だと思ったのに―ー。。。。 

    男の人は、あたしのお礼に返答もないままスタスタと歩きだしてしまった。

    《まるで別人だよッッ!!!》 一瞬でも心トキメイテしまっただけにあたしは、ショックだった…。

    2008-05-02 04:01:00
  • 30:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしもDブロックに向かって歩きだしていると、男の人はなぜかDブロックの前で止まりドアを開ける…。なんでーー。。。。?     
    そのまま着いていくと、一列目まで辿り着き、ようやくナナの姿が見えた。    

    あれーー。。。。      もしかしたら、案内してくれたのかな…ー??

    2008-05-02 04:05:00
  • 31:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『勘違いすんなよ。俺の席ここだから。』         
    あたしがそんな事を思っていると、冷たい声でそう言われ男の人は三つとなりの席に座った…。         
    やっぱり最低ーーー。。。。

    2008-05-02 04:07:00
  • 32:

    ◆VirGwxRhbQ

    『もー!!夕花遅いよ!何してたの?ライブ始まっちゃうよ…!!!』   『う、うん!ちょっと迷っちゃって。。。間に合って良かった!!』          
    はぁ―…。感じ悪いなぁ。まぁ、あんな人もう二度と逢うワケじゃないし…気にしないでいっか! 
    とりあえずせっかく来たんだからライブを楽しむしかないよねっ。

    2008-05-02 04:11:00
  • 33:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    ライブが始まると、さっきのイライラなんか一瞬で忘れちゃうくらい盛り上がってて、本当に興奮してしまった。・・生STYLEカッコよすぎるよっ!!!       
    ライブも後半になり、ここからは一転してバラード系でしんみり聞かす…。     
    あたしは、STYLEのバラードが特に好き。悲しいメロディーに切ない歌詞。  何度聞いても泣きそうになってしまう。

    2008-05-02 04:15:00
  • 34:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしが一番好きな曲が流れだして、込み上げる何かをごまかすようにふと隣を見た。


    あーー―…。。。。。

    2008-05-02 04:16:00
  • 35:

    ◆VirGwxRhbQ

    どこか遠い目をした君の目から、流れ落ちる涙ー。     
    ……。


    君は、なんて綺麗に   涙を流すんだろうーー…。

    2008-05-02 04:19:00
  • 36:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-05-02 04:19:00
  • 37:

    ◆VirGwxRhbQ

    あの時、        君が想っていた人に  
    あたしはなんだか      
    一生かなわない気がしたの   

    2008-05-02 04:22:00
  • 38:

    ◆VirGwxRhbQ

    意地悪で冷たくて       
    だけど優しくて     あったかーい君が…       

    あたしは大好きでした。   

    2008-05-02 04:24:00
  • 39:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    ライブから、1週間が経った。以前よりもSTYLEが大好きになったあたしは、CDやDVDをたくさん買い揃えてしまった。      執着しやすい性格は、昔から治んないなぁ…。。     
    なんて自分で笑ってしまいそうになるけど、今まで以上にSTYLEネタで盛り上がれる事にナナは喜んでいた。

    2008-05-02 04:27:00
  • 40:

    ◆VirGwxRhbQ

    『んじや、夕花また明日ねっ!!またメールするねぇ♪』
    『うん!!また明日ね♪』   
    ナナと駅で別れて、あたしはふと本屋に立ち寄る事にした。ファッション誌は一通り買い揃えてしまうくらい、あたしは洋服が好き。    
    子供の頃からの夢のファッションデザイナーに向けていろいろ勉強中。。

    2008-05-02 08:13:00
  • 41:

    ◆VirGwxRhbQ

    適当に雑誌を手に取り、眺めていると、音楽誌が目に入った。 
    《あ……表紙STYLEだ!!》表紙につられて、その音楽誌を思わず手に取った。

    中を見ると、この間見たLIVEについてのインタビューなどが書かれていた。

    2008-05-02 08:17:00
  • 42:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    まさかこんな所で    君に再会するなんて      
    やっぱり        あたし信じちゃうよ…        

    2008-05-02 08:18:00
  • 43:

    ◆VirGwxRhbQ

       


    “運命″だってーー…。    

    2008-05-02 08:19:00
  • 44:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『…それ買うの?買わないの?どっち?』     突然、背後から声をかけられて驚いて振り返った。 
    『え?……あっ!!!』  振り返ると、そこに立ってたのはこの間LIVEで会った感じ悪い男の人だった。。。
    な、なんでいるの…?!

    2008-05-02 08:22:00
  • 45:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『か、買い…ません!!』 思わず、慌てて雑誌を棚に戻してしまった。         
    『なんだよそれ(笑)』  イタズラっぽく笑いながら『じゃあ、俺買う。ラスト一冊だし。』
    と言って、男の人は雑誌を手に取った。。          
    覚えてないのかなーー…。

    2008-05-02 23:33:00
  • 46:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…じゃあ。』     雑誌を持って立ち去ろうとする君に、思わず声をかけてしまった。      なんでかな―ー。。。。  
    『あ……あの!!!         

    覚えて…ますか!?』       

    2008-05-02 23:36:00
  • 47:

    ◆VirGwxRhbQ

    君はまたイタズラっぽく微笑んで答えた。 
    『どんくさい子だろ?覚えてるから。』          
    『……どんくさいって!!』     
    そんな印象やだ・・・  だけど、覚えてくれてたんだ!!!…ーあたしは、なんだか少しだけ嬉しかった。

    2008-05-03 10:20:00
  • 48:

    ◆VirGwxRhbQ

    レジに向かい、本屋を出ていく君を追い掛けるように店を出ると・・・・       
    『・・・えーー。』        
    さっきまでは全く降ってなかったのに、外はどしゃぶり………。な、なんでぇ!!
    傘なんか持ってないし…

    2008-05-03 10:22:00
  • 49:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『天気予報見てないんだ?やっぱヌケてんね(笑)』     
    そう言いながら、傘立てから傘を取り出す君。 

    あーあ。。。。       今日雨だったんだ。近くにコンビニもないし…家まで走って帰るしかないかな。恥ずかしい…

    2008-05-03 10:26:00
  • 50:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あははっ…朝寝坊しちゃって!!テレビすら見る時間なかったから…』    こんな言い訳、この人に言ってなんになるんだろ。。。 

    そんな事より、今ここで別れたら
    もう会えないのかなーー。。

    2008-05-03 10:29:00
  • 51:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あ、あの……!!!この辺りに住んでるんですか?』黒い大きめの傘を広げる君に、あたしは聞いた。     
    『…そうだけど?何?』     
    『えっ……と、あたしもなんです!!すごい偶然だなぁーって思って。。』

    ああ。。。。 あたし何言ってるんだろ。

    2008-05-03 10:33:00
  • 52:

    名無しさん

    続き読みたいです!

    2008-05-10 05:46:00
  • 53:

    ◆VirGwxRhbQ

    ありがとうございます??

    2008-05-11 00:01:00
  • 54:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『…何?送ってくれって言ってんの?』         
    『え!!…え?ち、違います違います!!!』    そ、そんなつもりで言ったんじゃないのにー―…  

    なぜだか沈黙が流れる。 なんか、気まずい雰囲気になっちゃったな。。   話しかけなきゃ良かったー…

    2008-05-11 00:05:00
  • 55:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…じゃ、じゃあ!!!呼び止めてごめんなさい。さよなら!!』
    沈黙に耐え切れず、あたしは買った雑誌を頭に乗せて雨の中走っていった。 


    あ―あ。。。      せっかくの再会にちょっと嬉しかったになーー…

    2008-05-11 00:08:00
  • 56:

    ◆VirGwxRhbQ

       


    『……おい!!!』   ――えっ……。。。。

    2008-05-11 00:10:00
  • 57:

    ◆VirGwxRhbQ

    ビックリした……。   目の前には、君が傘を持って立っていたから。      
    『え…なんですか??』 

    『……本気で、そのまま帰る気?迎えかなんか来るんかと思ったから。』        

    2008-05-11 00:14:00
  • 58:

    ◆VirGwxRhbQ

      


    『……家ドコ?』       
    『………西学校の近く。』     
    ―ーー時間が、

    2008-05-11 00:18:00
  • 59:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    周りの時間が、全部。ー…止まったみたいだった。 濡れた君の前髪からは、雨の雫がポタポタと落ちていて、首にかかったシルバーのネックレスが、…鈍く輝いていた。

    2008-05-11 00:21:00
  • 60:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『マジで…ちけぇな。ビックリしたし。』       
    『……はい、あたしも。』   
    二人並んで、雨道を歩く。家は本当にすごく近くて、驚いた。地元は田舎でコンビニがなくて、傘を買う場所がもうどこも閉まっていた…

    2008-05-11 00:26:00
  • 61:

    ◆VirGwxRhbQ

    まかさ…こんな事になるなんてーー… どうしよう。腕が触れそうになる。  ドキドキが止まらないよ…    
    『…ってか、敬語じゃなくていいから。たぶん年近いっしょ?』       『あ…、えと19です。』 『んじゃ二個下か…、学生?』          『専門学生…』         
    『専門学校?なんの?』

    2008-05-11 00:30:00
  • 62:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…美容系です。』   『ふーん。美容師になりたいんだ?』       『いぇ、あたしはファッション科なんで…!!小さい頃からファッションデザイナーになるのが夢で。』  『……へぇ。』         
    あ・・・また沈黙だ。  あぁ……こんな話しない方が良かったかな。あたしの夢とか興味ないよね。。    
     
    『夢、叶うといいな。』

    2008-05-11 00:34:00
  • 63:

    ◆VirGwxRhbQ

    え―ー…        『ちゃんと学校卒業して、夢叶えて立派なデザイナーにならなきゃな。親孝行、親孝行。』             

    雨の中、出会ったばかりの君は少し笑ってそう言ってくれた。

    2008-05-11 00:38:00
  • 64:

    ◆VirGwxRhbQ



    ねぇ、夢…叶ったよ。  君が応援してくれたから。   
    ありがとう。         

    2008-05-11 00:40:00
  • 65:

    ◆VirGwxRhbQ

    だから今度は、     代わりにあたしが…     
    君の夢を叶えるから。      

    聞こえる?       ちゃんと聞いていてね…。   

    2008-05-11 00:42:00
  • 66:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『本当にありがとう!!あの、傘、どうしたら…。』 先に君の家に着いて、送ると言ってくれた君に申し訳なくて、傘だけ借りてあたしは一人で帰る事にした。   
    『あーあ。。別にどっちでもいいよ、傘くらい。』   
    『…いぇ、返します!!何があっても絶対!!』

    2008-05-11 00:45:00
  • 67:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…そっか(笑)じゃあ、これ俺の携帯言っとくな。』  
    う、うわー……なんかこの流れじゃ、携帯番号知りたいから言ったみたいに。。。。    
    『……はい。』        
    気まずいなぁ。。。

    2008-05-11 00:49:00
  • 68:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしがためらいながら番号を登録していると…それを察してか、 
    『この傘兄貴のだから、返してくれた方が助かるし。』  
    と、…君は笑った。        

    『あ……あの、名前…』

    2008-05-11 00:52:00
  • 69:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『リョウ、佐久間 凌。…そっちは?』          
    『…綾瀬 夕花…。』       

    2008-05-11 00:56:00
  • 70:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    リョウとの二回目の再会は本当にこんな感じで、まるで【運命】みたいな…     
    リョウは、『バーカ』って笑ってたけど。。       
    これからこんなにも悲しい想いをするんて、二人とも気づくはずなかったよね。

    2008-05-11 01:00:00
  • 71:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    scene2… 彼女     

    2008-05-11 01:01:00
  • 72:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『ゆーかぁ!!ちょっと聞いて聞いて!!!』   慌ただしくあたしの机に走ってくる、ナナ。ナナはいつも元気で明るい。      
    『どーしたのぉ??』     
    あたしが笑顔で聞き返すと、満面の笑みでナナが言う。     
    『実は、ナナ!!!彼氏ができちゃいましたぁ!!!!』

    2008-05-11 01:05:00
  • 73:

    ◆VirGwxRhbQ

    え、え、えぇぇ。。。!! 『ナナ…!!ほ、本気で言ってるのぉ???』     
    あたしは、ビックリして声が裏返ってしまった。だってだって、ナナとそんな話一度もしたことがなかったし。。。ナナはレン以外興味がないのかと思ってたから…   

    『えへへ☆本当だよーん!!じゃじゃん!!☆これが彼氏の写真です!!』

    2008-05-11 01:11:00
  • 74:

    ◆VirGwxRhbQ

    そう笑顔で言ったナナの手元には、一枚の写真が。 中には、ナナと同じくらい明るい笑顔で映る優しそうな男の人が映っていた…。   
    なんかこの人―ー…。。。     
    『お兄ちゃんの友達なの!前からね、良く家に遊びに来てて三人で遊んだりしてるうちに仲良くなっちゃって!!』

    『…レンに似てるって思った??』

    2008-05-11 01:15:00
  • 75:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…うん。』      レンに、雰囲気がすごく良く似てる―…

    『だから付き合ったわけじゃないよ!!本当にジュンはいい人だし…。夕花、応援してくれる??』       
    ナナは、不安げにあたしに聞く。初めての彼氏、初めての告白に、ナナ自身もいろいろ心配なんだと思う。

    2008-05-11 01:18:00
  • 76:

    ◆VirGwxRhbQ

    『もちろんだよ!!あたしは、ナナの親友だもん!!彼氏できておめでとう☆』あたしが笑顔でそう言いと、ナナは顔を少し赤くして嬉しそうに笑った。


    『。。。ところでさ、夕花は好きな人とか気になる人とかいないの!?』

    2008-05-11 01:21:00
  • 77:

    ◆VirGwxRhbQ

    『えっ…。。あたし??あたしは……』         
    ナナに突然話を振られて、動揺してしまう。気になる人ーー……           

    『…いないよ☆いるわけないじゃんー!!』

    2008-05-11 01:23:00
  • 78:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしが笑いながらそう言うと、『なぁーんだぁ!期待したのにぃ!』と、ナナは頬をふくらまして笑っていた。   


    リョウとは―ーー…   あれ以来、会っていない。あの雨の日から、もう二週間以上経っていた。傘を返すために勇気をふりしぼって一度電話をかけたけど、リョウは電話には出なかった…。              
    単なる社交辞令だったのかな。きっともう会う事はないんだろうなぁ…。

    2008-05-11 01:29:00
  • 79:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『じゃあねー!夕花!またメールするね!気を付けて帰ってね〜☆』     『うん!ナナもね〜!!』    
    学校が終わり、あたしとナナは駅で別れた。今日は週末なのに、あいにくの雨…。雨の日は、まっすぐ帰る学生が多いらしく、駅は帰宅途中の学生で溢れ返っていた。

    人が多いのやだなぁ…。

    2008-05-11 01:33:00
  • 80:

    ◆VirGwxRhbQ

    憂鬱な電車をやっと降りて駅を出ようとした時、カバンの中の携帯電話が振動していることに気づく。     
    《あれ―ー。。。誰だろ…。 ナナかなぁ??》 
        

    2008-05-11 01:35:00
  • 81:

    ◆VirGwxRhbQ


      
    【着信】佐久間 リョウ 

    2008-05-11 01:37:00
  • 82:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    え………ーリョウくん? なんで。。。

    『も…もしもし???』    
    あたしは、驚きで声が上ずるのを必死で押さえながら電話に出た。

    2008-05-11 01:39:00
  • 83:

    ◆VirGwxRhbQ





    【………ゆうか?傘が…いるんだ。傘…が。今日は、雨だから…な】

    2008-05-11 01:42:00
  • 84:

    ◆VirGwxRhbQ

    え―ー…。。。。    『…リョウくん!?今ドコ??ドコにいるの…!!?』   


    【………西校の近く。】      
    ―ープチッ…プープー

    2008-05-11 01:44:00
  • 85:

    ◆VirGwxRhbQ

    電話を切ったのは、リョウではなくあたし…。あたしは無我夢中で、リョウのいる場所まで走っていた。    
    なんでここまで必死になれるんだろう―ー…。わからない。体が勝手に動いてたんだよ。。。。


    『リョウくん……!!!』

    2008-05-11 01:47:00
  • 86:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…ゆ…うか?』       
    西学校の近くに着くと、壁にもたれかかって座りこんでいるリョウがいた。  こんな雨降ってるのにー…   
    『リョウくん何してるの…!?こんなとこいたら風邪ひいちゃうよっ…!!!』 あたしは慌ててリョウに自分の傘をー…、かざした。

    2008-05-11 02:10:00
  • 87:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『……なぁ、…なんで…夢を追っちゃいけねーんだろな。』


    リョウは、力なくそう呟いた。濡れた服や髪はもうびちゃびちゃで、俯いた顔から落ちるその雫は、―ー‥涙なのか雨なのかもう分からなかった…。

    2008-05-11 02:13:00
  • 88:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    一本しかない傘で、あたし達はリョウの家まで歩いた。歩いてる間の二人に、会話なんてなかった…。あたしは、ただリョウがこれ以上濡れないように必死でリョウを傘の中に入れた。

    2008-05-11 02:17:00
  • 89:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『夕花…ごめんな。家汚ねーけど、あがってく?』   
    リョウの家は、少し古びたアパートみたいな感じのとこだった。リョウはここで、一人暮らしをしているらしい。

    今は、リョウを1人にしたくない…。そんな気持ちでいっぱいだったあたしは、家に入ることにした。なぜだか、リョウに対して警戒心なんて全くなかった…。

    2008-05-11 02:21:00
  • 90:

    ◆VirGwxRhbQ

    『お邪魔しまーす…。』   
    リョウの部屋は、意外と綺麗にしてあって、リョウのイメージとピッタリな黒でほとんどの物が統一してあった。
    すごい…。。男の人の部屋なんて初めて入った!      
    妹しかいないあたしは、男の人にほとんど面識がなかったせいか、そんな事でドキドキしてしまっていた。あんまりソワソワしてたら、変に思われちゃうなーー。。。

    2008-05-11 02:25:00
  • 91:

    ◆VirGwxRhbQ

    『はい、これ。コーヒーとタオル。髪びちゃびちゃだから…ドライヤーもあるし。』

    リョウは、テーブルにコーヒーを置いてくれた。

    2008-05-11 02:31:00
  • 92:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『あ、ありがとう…!!!』
    あたしは、リョウの渡してくれたタオルで顔と腕を軽く拭いた。

    2008-05-11 02:35:00
  • 93:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    コーヒーにも手をつけずなかなか本題に入れず戸惑っているあたしに…リョウの方から口を開いてくれた。  
    『さっきは…ごめんな、意味わかんねー電話して。まさか本当に来ると思わなかったから。』          
    あたしは胸がチクチクしながら、『うん…』としか言えなかった。

    2008-05-11 02:38:00
  • 94:

    ◆VirGwxRhbQ

    『俺、…ミュージシャンになるのが夢でさ。』      
    えっー―… あ。。。。。  気付いていなかったけど、リョウの部屋には音楽関係の雑誌ばかり。部屋の片隅には、ギターが立て掛けてあった。 

    『そうなんだ…!!!』  驚いたけど、なんだかリョウにピッタリですごくカッコいいと思った。

    2008-05-11 02:42:00
  • 95:

    ◆VirGwxRhbQ

    『実は、俺も学生。音楽の専校。基本は、楽器屋でバイトしてんだけど…たまに休みの日はあーやってライブ会場のスタッフやったりしてる。ま、そっち関係のバイトばっかだけどな。』      
    リョウも…、学生だったんだ!!雰囲気が大人っぽいから社会人かと思ってた。なんだか嬉しい。。      
    『すごいね!!!…カッコいい!!リョウくんの夢も叶うといいね!!』      
    あたしは思った気持ちを素直にリョウに言った。

    2008-05-11 02:46:00
  • 96:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    『……サンキュ。だけど、難しいわ…現実はさ、やっぱ。時々こーやって全部投げ出したくなる。』

    リョウは、悲しそうに呟いた。

    2008-05-11 02:49:00
  • 97:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夢を追うために何かを犠牲にしたり、大切なもんの為に夢を捨てなきゃいけなかったり… 世の中はそんなに甘くねぇよな。』     
    『リョウくん……諦めちゃダメだよ!!』          

    『夢追ってる夕花にこんな事言って、俺最低だな…ごめん。』

    2008-05-11 02:53:00
  • 98:

    ◆VirGwxRhbQ

     


    君があの日言った    “大切なもの”に    あたしは なりたかった。   

    2008-05-11 02:55:00
  • 99:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    代わりに        君の夢を叶えるから。     
    あたしは歌う…        
    君の想いを       空に向かって歌ってるよ。 

    2008-05-11 02:57:00
  • 100:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-05-11 02:59:00
  • 101:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    あの後リョウは、自分のいろんな話を聞かせてくれた。兄弟は、兄と年の離れた妹が一人ずつということ。実家で犬を飼っていて、名前は柴犬なのに『ジェームズ』ということ。
    STYLEに憧れていて、デビュー当初からのファン。偶然にも、一番好きな曲があたしと一緒だったこと…。   

    2008-05-11 06:51:00
  • 102:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『あれ、彼女さん…?』    

    CDケースの上に飾られた写真たての中で、リョウと楽しそうに笑う女の人―…。     

    2008-05-11 06:54:00
  • 103:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『…いや、元カノ。』     
    リョウはそう言っていたけど、部屋を見渡せば、ところどころにある女の人がいた形跡…。髪どめだとか、化粧水だとか。       
    胸が、チクチク傷んだーー…。彼女くらいいて当たり前だけど、やっぱりショックだった…。

    2008-05-11 06:59:00
  • 104:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あ、あたし…帰るね!!タオルとコーヒー、ありがとう!!!じゃあ…お邪魔しました!!』   

    そう言って、そのまま部屋を飛び出してきた。。  リョウはもちろん追いかけてもこなかったし、連絡もなかった。            
    あたしは、急いで家に帰ってなんとなくSTYLEのCDを聞いた。一番好きなバラードを聞くと、なんだか泣けてきてしまった―ー。。。

    2008-05-11 07:03:00
  • 105:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あはっ…いきなり失恋しちゃったぁ…ー。。』     
    せっかく出会えたのに…。あまりに早い恋の終わりが悲しくて、あたしはその日泣き疲れて寝てしまっていた。  

    2008-05-11 07:05:00
  • 106:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    それから1週間が過ぎた。リョウから連絡もないまま、あたしもコンクールが近づくにつれて学校も忙しくて…リョウの事も考えないようにしていた。    
        
    『夕花〜!!昨日ジュンとケンカしてさぁ。。。もぉーほんとムカつくの!!!!』    
    ナナは、彼氏ができてから更に綺麗になった気がする。前にも増して、お洒落でメイクも上手になった。 ナナは、メイク科だからいつもメイクが可愛くて上手だったけど。。

    2008-05-11 07:11:00
  • 107:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あはは、またケンカしたのぉー?ダメだよぉ!早く仲直りしなきゃ☆』      
    ふてくされたナナをなだめながら、あたしはコンクールに向けてのデザイン画を書いていた。

    『わぁ〜。。。相変わらずセンスいいね!夕花は!!!その服超可愛いしっ!!』    
    ナナはあたしの手元の絵を見ながら、誉めてくれた。

    2008-05-11 07:13:00
  • 108:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ありがとう!!ナナがそう言ってくれると、頑張りがいがあるよぉ。ナナも今日のメイク可愛いー☆』     
    『…本当!!?ジュンがね〜メイクが派手だ!!って言うの。俺は薄化粧が好きなんだぁ〜って!!ひどいでしょぉ!』           
    『ナナは、すっぴんも可愛いから大丈夫だよ☆ジュンくんは、飾らないナナが好きなんだよきっと!』

    2008-05-11 07:17:00
  • 109:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしがそう言うと、ナナは『…そぅかなぁ〜。。ジュンに謝りのメール入れてみよぉっと…。』と、携帯をいじりだした。        
    あたしが『うんうん!』と言うと、ナナは『…夕花ありがとう☆チャイム鳴ったから行くねぇー!!』  と、笑顔で教室を出ていった。

    2008-05-11 07:20:00
  • 110:

    ◆VirGwxRhbQ

    ナナ、幸せそぅだなぁ…   
    なぁーんて、微笑ましい気持ちになっていると、ポケットの携帯が振動してる事に気づく。
    こんな時間に誰だろー。。。     
    今は自習時間だったから、あたしはポケットから携帯を取り出して、ディスプレイを見た。

    2008-05-11 07:23:00
  • 111:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    【着信】佐久間 リョウ     


    リョウくんーー。。。?  なんの電話だろう。。。 あたしは慌てて教室の後ろに行き、電話に出た。

    2008-05-11 07:24:00
  • 112:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…もしもし?リョウくん?』

    【おう、久しぶり。あ…わりぃ、学校だったか?俺、今日休講でさ。あのさ、今日空いてる?】         
    『今日…?学校終わってからなら大丈夫だけど…』

    2008-05-11 07:27:00
  • 113:

    ◆VirGwxRhbQ

    【んなら、終わってから…駅前来れる?連絡くれたら迎え行くし。】         
    『う、うん…わかった。』     

    ディスプレイを見て、電話が切れたのを確認すると 『はぁぁあ〜。。。。』と、大きなため息が出た。緊張で手が震えてる…。。     
    リョウくん…彼女がいるのに、何考えてるのかな。。

    2008-05-11 07:30:00
  • 114:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしは、学校が終わるまでの間、ドキドキが止まらなかった。。…その日一日は、時間が経つのがすごく遅く感じた。


    『夕花!!こっちこっち!早く乗って!』        
    駅前に着くと、リョウはすでに待ってくれていたみたいで…あたしは窓の中から叫ぶリョウの声に、慌てて車に乗り込んだ。

    2008-05-11 07:33:00
  • 115:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『お疲れー。わりぃな、急に呼び出して!』       
    運転席のリョウは、すごくカッコ良くてあたしは体がカチカチになりそうだった…。 

    『ううん!!…大丈夫!どうしたの?どこか行くの?』

    2008-05-11 07:35:00
  • 116:

    ◆VirGwxRhbQ

    『んー、ちょっとな!!まぁ、着いてからのお楽しみ♪ゆっくりしといてー。』リョウはそう言うと、車の音楽のボリュームを少しあげた。車からは、なんとも言えない切ないメロディの曲が流れていた。


    『……すごいいい曲。』

    2008-05-11 07:38:00
  • 117:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしは、思わず呟いてしまった。悲しい旋律に、胸が痛くなるような純粋な歌詞。歌う男の人の声は、少しハスキーで… 気持ちがすごく伝わる気がした。     
    『……気に入った??』    
    リョウが、あたしに聞く。

    2008-05-11 07:41:00
  • 118:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『これ、歌ってんの俺。音あんま良くねーけど、曲も歌詞も…俺自作の曲。』      

    ―ー…。。。うそ…ー。   
    あたしは、驚きですぐに言葉が出なかった。リョウが作ってリョウが歌っている曲―ー…。。。。    すごいーー…。

    2008-05-11 07:44:00
  • 119:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…リョウくんすごいよ!すごい才能!!!!…絶対プロになれるよっっ!!!』    
    あたしは思わず大声を張り上げてしまった…。   リョウは笑いながら、     
    『サンキュー。そこまで誉めてくれると思わんかった。』と、言ったー…。       

    あたしは、こんなにも綺麗な歌を歌うリョウが、前よりももっと好きになった。

    2008-05-11 07:47:00
  • 120:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウが連れて行ってくれた場所は、海の近くのお洒落なバーだった。バーなんて来た事がなかったあたしは、またまたドキドキの嵐…。     
    『ここ、俺の行きつけ。アイデア思い詰まったりしたら、良く来るんだ。なかなか雰囲気いーだろ?』    
    リョウはそう言うと、慣れたようにマスターを呼び 『俺、いつもので。夕花…何飲む?』       と、あたしに聞いた。

    2008-05-11 07:52:00
  • 121:

    ◆VirGwxRhbQ

    お酒なんてほとんど飲んだ事なかったあたしは、メニューを見ながら戸惑っていると…、 
    『マスター、この子にノンアルコールでなんか作ってやってくれますか?』  と、言ってくれた。       
    『了解!今日は可愛い子連れてどうしたん〜(笑)ごゆっくり♪』

    マスターはそう言うと、キッチンの方へ入っていってしまった…。

    2008-05-11 07:55:00
  • 122:

    ◆VirGwxRhbQ

    か、可愛いって―ー。。。 そんなお世辞にも、いちいち動揺してしまうあたし…。。。 

    『未成年は、ノンアルコールで我慢しろよ(笑)』    
    リョウは笑顔で、そう言った。あたしはお酒なんて好きじゃないけど、今はもうお酒で酔っぱらいたいくらい浮かれた気分だった。。

    2008-05-11 07:57:00
  • 123:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    リョウと乾杯を済ませて、あたし達はまたいろんな事を話した。『今度は、夕花の話聞かせて!』というリョウに、あたしは自分の話をたくさんした…。    
    家族の話や、学校の話、もうすぐコンクールがあること。ナナっていう親友がいて、最近ナナに彼氏ができたこと…。リョウは、一つ一つ、退屈な表情全く見せず楽しそうに聞いてくれた。

    2008-05-11 08:02:00
  • 124:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    帰りぎわの車の中で、リョウに聞いた…。     『ねぇ、リョウくん!!なんで…今日誘ってくれたの?』
    ドキドキが止まらなかった    
    『この間の、お礼…もあるけど。今日、兄貴が車貸してくれたしどっか連れて行ってあげたいなーって思って。夕花、嫌やった?』     

    2008-05-11 08:06:00
  • 125:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…ぜ、全然!!!まさか!すっごく楽しかったっ!!』    
    思わず声を荒げてそう言うと。。。、 

    『そんなら良かった、また行こな。』
    と、リョウは笑った。

    2008-05-11 08:09:00
  • 126:

    ◆VirGwxRhbQ

      


    彼女がいるかもしれない…だけど、それでもいい。   
    リョウの側にいたいよ…。

    2008-05-11 08:11:00
  • 127:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    あたしは、今もリョウの胸元に光るシルバーネックレスが、写真の中の彼女も付けていた事に気づきながらも―ー…、          
    リョウが好きだと思った。   

    帰りぎわ自然と車の中で繋がれた手を、振りほどく事は出来なかった…。。

    2008-05-11 08:15:00
  • 128:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
    何もかもリョウが    初めてだったの。      
    こんなに苦しい想いも  こんなに幸せな想いも 

    2008-05-11 08:17:00
  • 129:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    リョウとだから…      
    君がいてくれたから…  感じれたんだね。        

    2008-05-11 08:20:00
  • 130:

    ◆VirGwxRhbQ



    #scene3…キス 

    2008-05-11 08:21:00
  • 131:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『リョウくん!!ちょ、待って待って〜…!!!』  あたしは慌てて、足の早いリョウの後を追う。      
    『夕花、おせぇ。相変わらずどんくせぇなぁ(笑)』    
    リョウはそんな意地悪を言いながら、息を切らしてようやく追いついたあたしの手を引っ張る。。。         
    『ほら、迷子なるなよ!』

    2008-05-11 08:30:00
  • 132:

    ◆VirGwxRhbQ

    『う、うん……!!』  あたしは手を繋いでくれた事が嬉しくて、笑顔で返事をした。           
    今日は、リョウと二人でインディーズのライブハウスに来ている。リョウの先輩が出るらしい…。


    リョウとは、あれ以来こうやってちょこちょこと会っている。気紛れで猫みたいな性格のリョウは、約束が苦手みたいで、いつも突然だったけど… あたしはそれでも、リョウに誘われたら嬉しくて誘いを断る事は一度もなかった。

    2008-05-11 08:34:00
  • 133:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夕花、こっちこっち!!先に先輩に挨拶行くからー。』
    リョウに手を引かれて、あたしは楽屋に連れていかれた。うわぁ―…。。。 楽屋なんて来るの初めてだよ。緊張するーー…。。。。。      

    『おー♪リョウ来てくれたんかぁ!サンキューな!』  
    中に入ると、今日のライブに出る先輩らしき人がリョウに近づいて言った。

    2008-05-11 08:38:00
  • 134:

    ◆VirGwxRhbQ

    『久しぶりっす!はい!!聞いてるんで頑張ってくださいよー!』  
    リョウも、嬉しそうに挨拶を返していた。         
    どうしたらいいか分からずに戸惑っていると…   その先輩が言った。       
    『……あれ?怜奈ちゃん?雰囲気変わった!?』      

    2008-05-11 08:41:00
  • 135:

    ◆VirGwxRhbQ

    え―ー―。 。 。 

    『あっ…いや、この子怜奈じゃないっすよ(笑)俺の、友達の夕花っす。』      
    リョウが慌ててそう言うと、先輩は【しまった!】というような表情をした後…    
    『あー…。。ごめんごめん!!!夕花ちゃん初めまして!わざわざ来てくれてありがとうなぁ!ゆっくり楽しんでってなぁ♪』   と、苦笑いしながら言った。

    2008-05-11 08:45:00
  • 136:

    ◆VirGwxRhbQ

    楽屋を出た後、リョウがすぐに、 
    『夕花…ごめんな!気にすんなよ!』       と、あたしの頭をポンポンとした。


    あたしは、胸が張り裂けそうだった―ー。。。。    【怜奈さん】は、間違いなくリョウの彼女だーー…

    2008-05-11 08:47:00
  • 137:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    その後の事はもう、あまり良く覚えていない。。  あたしの頭は、先輩の言葉ばかりがぐるぐる回っていて、…ライブどころじゃなかった。

    リョウの彼女は…どんな人なのかな。でも、じゃあどうしてここにあたしを連れてきたの……。。。。

    2008-05-11 08:50:00
  • 138:

    ◆VirGwxRhbQ


      
    手を繋ぎながら、家までの帰り道。あたしは、一言もしゃべらなかった…。    
    痺れを切らしたリョウが 『夕花…あんまり楽しくなかったか?』
    と、聞いてきた。

    2008-05-11 08:51:00
  • 139:

    ◆VirGwxRhbQ

    『そんなことないよ…!!』  
    あたしは、必死に平気なフリを装って答えた。。      
    『……やっぱ怜奈の事、気にしてんのか?』        
    リョウの口から一番聞きたくなくて、でも…一番聞きたかった言葉。。。

    2008-05-11 08:54:00
  • 140:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしが黙って俯いていると、リョウは握っていた手にギュッと力をこめて     
    『怜奈は、…元カノ。本当に今は別れてるから。』    
    と、笑顔で言った。   胸元には、相変わらず鈍く光るネックレス…。。      
    だけど、あたしはリョウを信じたかった。リョウの言葉を、信じたかった。。

    2008-05-11 08:57:00
  • 141:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『リョウ……あたし…!!』    
    『夕花、夕花が好きだ。…俺と、付き合って。』       

    2008-05-11 08:59:00
  • 142:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    リョウに突然、抱きしめられて…あたしはもう、何が何だか分からなかった。    
    ただ、【好き】という言葉を先に言われてしまったこと…。リョウが、あたしを好きだったこと。リョウの彼女になれること―…。。   

    あたしの目からは、涙がポロポロと零れ落ちていた。

    2008-05-11 09:02:00
  • 143:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『あたしも……リョウが好き。』     

    あたし達は、道の真ん中でキスをした。初めてのキスの味は、優しくてあったかぁ‐くて。。。すごくすごく幸せなものだった。

    2008-05-11 09:05:00
  • 144:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    空を見上げると、白い雪がパラパラと降っていた。 まるで、二人を祝福してくれるように―ー。。。

    2008-05-11 09:07:00
  • 145:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    scene4…嫉妬

    2008-05-11 09:08:00
  • 146:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    リョウと付き合って、1ヶ月が経った。付き合ってから初めてリョウの部屋に行った日、あの写真立てはなくなっていた…。

    もちろんのこと、怜奈さんの物であろう持ち物などは全部なくなっていた。  怜奈さんが、取りに来たのかもしれない―ー…。

    2008-05-11 10:09:00
  • 147:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夕花〜、お前嫌いなもんある?野菜とか!』     
    リョウが、キッチンから叫んでいる。今日は、あたしがコンクールに入賞したお祝いらしくて、リョウがご馳走を作ってくれるらしい。。

    『え…!!?えーと。。。グリンピースとか!!』    
    あたしは咄嗟に答える。

    2008-05-11 10:11:00
  • 148:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ぷっ…グリンピースてお前、ガキみてぇ(笑)』    
    リョウがバカにしたように、こっちを見て笑う。     
    『う、うるさぃなぁ…!!!嫌いなもんは嫌いなんだもん!!』
    あたしは、ほっぺたを膨らませながら言った。        
     
    リョウは、いつごろ怜奈さんと別れたんだろうー… どのくらい付き合ってたのかな。。

    2008-05-11 10:14:00
  • 149:

    ◆VirGwxRhbQ

    こんなこと、考えてても仕方ないのに…あたしって自分が思ってたより、嫉妬深いのかなぁ。。。        
    そんな自己嫌悪に陥っていると、リョウに呼ばれた。   
    『夕花ぁ〜!…出来たから皿取って!皿!皿!』  『あぁ〜…はいはい!』

    2008-05-11 10:17:00
  • 150:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウの作ってくれた料理は、中華料理だった。  チャーハンに、酢豚に、麻婆豆腐……     

    『きゃあ〜ぁ!美味しい!リョウ天才だよ…!!!!』    
    料理は全部本当に美味しくて、あたしは感動した。 リョウって何でも出来るんだなぁ―ー。。。。     ますます惚れなおしちゃうよ♪

    2008-05-11 10:20:00
  • 151:

    ◆VirGwxRhbQ

    『うまいか?(笑)良かった良かった!!うち、ちっちぇ頃に親父が死んで代わりにオカンが働いてたからさぁー、料理は子供の時からやってて自信あるんだ!』   
    『そうなんだ…。』      
    リョウ、お父さんいなかったんだ…。。。      家族の話とか、しない方が良かったかなぁ。。       
    『おかわりあるからじゃんじゃん食えよ!今日は夕花が頑張った祝いだからな♪』
    リョウは笑いながらそう言った。

    2008-05-11 10:24:00
  • 152:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    二人で仲良くリョウの手料理を食べていると、突然、リョウの携帯が鳴った。    
    リョウはディスプレイを確認した後、一瞬こわばった表情を見せ…      

    『…ちょっとごめんな、電話してくるわ。』    と言って、部屋を出ていってしまった。。

    2008-05-11 10:27:00
  • 153:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    誰だろう―ー。。。。 


    あたしは、なぜだか不安で仕方なかった。部屋に跡形もなく消えた怜奈さんの影が、どうしても脳裏にちらついて、胸が張り裂けそうだったーー…

    2008-05-11 10:29:00
  • 154:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    十分後、リョウは何事もなく部屋に戻ってきた。  『ごめんな〜!うわぁ〜冷めてるしっ、さっ食べよ食べよ♪夕花食べてるかぁ〜??』       

    『う…うん、食べてるよ!!リョウも早く食べなよ☆』    
    電話の事は、聞けなかった。。。

    2008-05-11 10:33:00
  • 155:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    その晩、次の日が日曜日だった事もあって、初めてリョウの家に泊まった…。    
    お風呂に入って、リョウの前で素顔も初めて見せた。

    2008-05-11 10:34:00
  • 156:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夕花……可愛いなお前。そっちのんが絶対いいって!!』

    リョウはニコニコしながら、お風呂あがりのあたしをギュゥッーと抱きしめた。    
    リョウのブカブカのスウェットを着たあたしは…、リョウの大きな腕の中にすっぽりおさまって、胸のドキドキが聞こえないように息を潜めていた―。。

    2008-05-11 10:38:00
  • 157:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『夕花……好きだ。』     

    その日、あたしとリョウは初めて一つになった…。 あたしにとったら、初めての体験で、なんだか痛いけど切なくて苦しくて優しくて…
    とにかく言い表わせないほどの、幸せだった。。

    2008-05-11 10:41:00
  • 158:

    ◆VirGwxRhbQ

     


    リョウとずっとずっと  一緒にいれますようにー… 

    2008-05-11 10:42:00
  • 159:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-05-11 10:43:00
  • 160:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    朝目が覚めて、隣にいる上半身に何も着ていないリョウを見て、顔が真っ赤になってしまうー。。。      
    うわぁ〜。。。      あたし……ついにリョウとしちゃったんだ!!!!      

    なんだか、昨日の事が嘘みたいで体全身があつくなっていくのを感じた。

    2008-05-11 10:46:00
  • 161:

    ◆VirGwxRhbQ

    急いで自分の服を整えて、洗面所に向かい、顔を洗ってキッチンに向かう。。    
    昨日の余った材料で、昨日のお礼にリョウに朝ごはんでも作ろう…♪

    あたしは《なんだか新婚さんみたい♪》なんてワクワクしながら、簡単に二人分の朝ごはんを作った。

    2008-05-11 10:49:00
  • 162:

    ◆VirGwxRhbQ

    料理が完成して、冷めないうちにリョウを起こす。   
    『リョウ〜リョウ!!ご飯出来たから起きてぇ!』     
    『ん〜…ん。。』        
    寝坊けた様子のリョウ… 寝癖がピンピンはねていていつも大人びているリョウがなんだか、すごく可愛いく見えた。。

    2008-05-11 10:51:00
  • 163:

    ◆VirGwxRhbQ

    『リョ〜ウ!リョウってばぁ!!』


    『…ん〜。。。怜奈待って…あと五分だけ……。』

    2008-05-11 10:53:00
  • 164:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    えー―ー。。。。。


    今、怜奈って言ったよね…リョウ、怜奈さんと間違えてるんだ…ー。。。

    2008-05-11 10:54:00
  • 165:

    ◆VirGwxRhbQ




    脱力したあたしは、リョウを起こすのをやめて…  そのまま部屋を出て、一人家に帰った。
    起きたリョウからは何度も着信があったけど、出る気が起きなくてあたしはフトンの中で携帯の電源を切った。。

    2008-05-11 10:57:00
  • 166:

    ◆VirGwxRhbQ

    最近まで付き合ってたんだから、間違えたって仕方ない。リョウが悪いワケじゃないっ。。。 

    わかってる―ー…。わかってるのに……          

    時折見せるリョウの寂しそうな表情に、あたしは気づいていたから。リョウ…あたしはあなたの過去を、どうしても拭いきる事が出来ないの……。。

    2008-05-11 11:00:00
  • 167:

    ◆VirGwxRhbQ

     


    リョウ…        あなたは今誰を想うの?

    2008-05-11 11:05:00
  • 168:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    2008-05-11 11:06:00
  • 169:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    scene5… 不安 

    2008-05-11 11:07:00
  • 170:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    次の日、あたしは足取り重く学校に向かった。学校なんて行く気分じゃない。。。だけど、やっぱり休むわけには行かなかった。


    『夕花〜、何かあった??なんか元気ない。。』

    2008-05-11 22:26:00
  • 171:

    ◆VirGwxRhbQ

    ナナが心配そうに、あたしの顔を覗き込む。       
    『…ううん〜なんでもないよ!!大丈夫大丈夫☆』    
    『本当〜。。??』       
    リョウの事は相談したいけど、ナナには心配かけたくない…。
    あたしは、風邪気味のフリをしてごまかしたけどその日は1日学校の授業なんて耳に入らなかった。。

    2008-05-11 22:31:00
  • 172:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    ようやく学校が終わりナナと駅で別れて…、あたしは家までの道程を歩く。      
    『夕花…!!!!』       
    聞き慣れた声に、胸がチクリと痛んだ…。。       
    『……リョウ。』

    2008-05-11 22:34:00
  • 173:

    ◆VirGwxRhbQ

    家の近くに、立っているリョウを見つけた。    『良かった……連絡つかないからさ!学校そろそろ終わるかと思って。』      
    『…リョウ、バイトは?』    
    『今日は…休んだ。夕花が心配だったから!昨日起きたら飯だけあって急にいねぇーし…電話も出ねぇーし心配したんだからな!!』     
    リョウ―ー…
    『…ごめんなさい。』

    2008-05-11 22:39:00
  • 174:

    ◆VirGwxRhbQ

    『いや、それより夕花…何かあったのか??』      
    『…。』

    リョウが、心配そうにあたしの顔色を伺う。        
    『…なんでもないよ!!』

    2008-05-11 22:42:00
  • 175:

    ◆VirGwxRhbQ

    『本当か……?もしかして夕花……嫌だったか?』    
    あ―ー。。。。
    そっかぁ、リョウはあの夜の事をあたしが気にしてると思ってるんだ。。。

    『…違う違う!!そんなわけないよ☆本当になんでもないから…気にしないで!』

    2008-05-11 22:45:00
  • 176:

    ◆VirGwxRhbQ

    『本当か……?もしかして夕花……嫌だったか?』    
    あ―ー。。。。
    そっかぁ、リョウはあの夜の事をあたしが気にしてると思ってるんだ。。。

    『…違う違う!!そんなわけないよ☆本当になんでもないから…気にしないで!』

    2008-05-11 22:46:00
  • 177:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしが大袈裟なくらい笑顔で言うと、リョウは少しホッとした様子で    『そっか…なら良かった!今日どうせ休みだしデートしようぜ!デート!!』 と、笑って言った。 


    リョウは優しい…。   リョウを信じなきゃ。   
    あたしは、こんなにも心配してくれた優しいリョウに申し訳ない気持ちでいっぱいになった―ー…。

    2008-05-11 22:52:00
  • 178:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    あれから1ヶ月、リョウとはその後も仲良くあたし達二人は円満に過ごしていた。お互いコンクールや、発表会に向けて学校も真面目に行って、夢に向かって支え合いながら一歩一歩二人で歩んでいった…      

    あたしは幸せだった…。。

    2008-05-12 03:58:00
  • 179:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    幸せだったのにーー…。

    2008-05-12 04:00:00
  • 180:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    ガチャ―ー…
    『お邪魔しまーす。。。』    
    今日は、待ちに待った週末。リョウがバイトから帰ってくる前に家でご飯を作って待っておく約束で鍵を預かっていたあたしは、学校帰りにスーパーに寄って早速リョウの家に着いた。    
    《何作ろうかなぁ…♪リョウ和食が食べたいって言ってたから、肉じゃがでも作ろっかな!!!》

    2008-05-12 04:04:00
  • 181:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしはウキウキ気分で、キッチンに立った。   リョウの喜ぶ顔、早く見たいなぁ―ー。。。。 

    じゃがいもの皮を向きながら、そんな事を考えていた時だった。。。         

    【ピンポーン―ー…】

    2008-05-12 04:07:00
  • 182:

    ◆VirGwxRhbQ

    えっ―ー。。 
    誰か来た!!?お客さん…?ど、どうしよう。。   あたしが出たらおかしいよねっ―ー…            
    【ピンポーンピンポーン】   
    あたしが戸惑っている間も、チャイムは鳴り止まない。。   
    【ガチャガチャッ―ー…】

    2008-05-12 04:10:00
  • 183:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    えっ―ー。。。リョウ…?まだバイトのはずじゃ… 【ガチャン―ー…】
    ドア…… 開いたッッ!!!!      

    『あ・・・・。』

    2008-05-12 04:12:00
  • 184:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    『リョウの……彼女??』

    2008-05-12 04:13:00
  • 185:

    ◆VirGwxRhbQ




    時間が―ー… 止まってしまったのかと思った。    
    ドアから入って来たのは、リョウではなくて女の人。

    2008-05-12 04:15:00
  • 186:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    一目で、【怜奈さん】だとわかった―ー……

    『あ……はい。』        
    『そっか…突然ごめんね。タイミング悪い時に来ちゃったな、あたし。』

    2008-05-12 04:17:00
  • 187:

    ◆VirGwxRhbQ

    そう謝った初めて見る怜奈さんは、写真で見るよりもずっとずっと細くー…  折れそうなくらい華奢で、キレイな人だった。。     
     
    『あ…初めまして、あたし怜奈って言います。実は部屋に忘れ物しちゃってて、それを取りに来たんだけど…入ったらまずいかな?』     
    呆然と立ち尽くしたままだったあたしは、怜奈さんの質問にやっと我に返りー…   
    『いえ…どうぞ!!!』  と、慌てて答えた。

    2008-05-12 04:23:00
  • 188:

    ◆VirGwxRhbQ

    入ったらダメなんて、あたしに言える権利もなければ怜奈さんの想像を超える綺麗さに… あたしは、その場から逃げ出したい気持ちでいっぱいで胸が張り裂けそうだった…ー。。       
    怜奈さんはタンスの引き出しを開けると、     『あー良かったぁ…。あったあった。あ、保険証をね…忘れちゃってて。』      
    と、中から自分の保険証を取り出した。

    2008-05-12 04:28:00
  • 189:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…あ、ごめんね。こっちで歯医者行った時にうっかり忘れてっちゃって…リョウにね、これも郵送でいいって言ったんだけど…さすがに保険証は郵送では送れないっていうから…。』      
    リョウ、怜奈さんの荷物は郵送で送ったんだー…       
    『いえ…、あの、リョウはまだバイトで…帰ってきてないんです。。』         
    あたしは、呟くように彼女に言った。

    2008-05-12 04:33:00
  • 190:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…あ、いいのいいの。どっちにしろ…ね、これを返しに来たかったし、リョウが居ないうちに忘れ物だけ取ってポストにでも入れて帰るつもりだったんだけど…。』 

    と、テーブルの上に怜奈さんは鍵を置いた。    この部屋の鍵だ―ー…。。    
    『…伝えておきます。』     
    あたしは、精一杯答えた。

    2008-05-12 04:37:00
  • 191:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ありがとう…。』     
    そう笑った怜奈さんの表情は、なんだかとても切なそうだった。。 


    『リョウは…優しい?』

    2008-05-12 04:39:00
  • 192:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    え―ー……?      なんで急にそんな事。。   
    『は…はい。……優しいです。』

    『…そう、良かった。』

    2008-05-12 04:41:00
  • 193:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『リョウは、不器用だけど真っすぐで一生懸命な人だから…。強がってるけど、本当はすごく弱くて脆い人だから……。幸せにしてあげてね、夕花さん。』

    2008-05-12 04:44:00
  • 194:

    ◆VirGwxRhbQ

    え。。なんで名前…   あっ……        引き出しの上に立て掛けてあるコルクボードには、リョウと撮った名前入りのプリクラが貼られていた。      

    『じゃあ…お邪魔しました。リョウによろしくね。』   
    怜奈さんはそう言うと、体のラインと同じくらい細い細いヒールを履いて、ゆっくりと玄関のドアを閉めたー…。

    2008-05-12 04:48:00
  • 195:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    2008-05-12 04:50:00
  • 196:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『え…!?怜奈が来た??マジかよ……あいつ…』    
    リョウがバイトから帰ってきて、あたしはすぐに怜奈さんが来た事を伝えた。      
    『うん…なんか、保険証取りに来て、あと…これを返しに来たって。。』        
    あたしはテーブルの鍵を指差して、リョウに言った。

    2008-05-12 04:53:00
  • 197:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あー…そっかそっか!悪かったなー夕花。。いや、電話かかってきてさぁ…保険証忘れたから送ってくれってゆーんだけど、さすがに保険証はまずいと思って会って渡すって言ったんだよ。来る時電話入れてって言ったんだけどな…。』     
    『そっか……。』        

    なんだか、もう、いろんな事が一気に起こりすぎて。あたしの頭のなかはぐちゃぐちゃだった。。

    2008-05-12 04:57:00
  • 198:

    ◆VirGwxRhbQ

    『なんだぁー?夕花、また気にしてんのかぁ??(笑)大丈夫大丈夫!!ホントそれだけだから!でも…まぁ嫌な思いさせたんは悪かったし、ごめんな?』       
    リョウが、俯いたままのあたしの頭をポンポンとする。リョウ…あたしー…      
    『ねぇ、リョウ…』

    2008-05-12 05:01:00
  • 199:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    『怜奈さんと……どうして別れたの?』

    2008-05-12 05:02:00
  • 200:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    聞きたかった。聞けなかった。最初からずっと気になってた―ー…。。       

    『…夕花、そんな話聞きたいんか??』

    2008-05-12 05:03:00
  • 201:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしが無言で頷くと、リョウは『はぁ〜』とため息をついたあと、

    『夕花…こっちおいで。』  
    と、ソファーに座りあたしを隣に座らせて話しはじめてくれた。。

    2008-05-12 05:06:00
  • 202:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウは、おかしいと思ったらしい。当然だった。 怜奈さんの両親とは、何度も顔を合わせていたし、付き合いが長い事もあってわりと仲も良かった。嫌な印象を受けるような事をした覚えもなかった。       
    リョウが問い詰めると、今度は怜奈さんが言った。 『リョウ…夢をあきらめて…夢をあきらめてあたしと一緒にいれる?』    その言葉に、リョウは驚きとショックを隠せなかった。一番近くで支えてくれた、一番の理解者だった怜奈さんからの…、まさかの言葉だったから。

    2008-05-12 05:24:00
  • 203:

    ◆VirGwxRhbQ

    どうして怜奈さんが突然そんな事を言ったのか、リョウには全く分からなかった。ただ、将来一緒にいるのにやっぱり夢だけに生きるこんな不安定な職業の男は不安だったんだろう…  リョウは、そんな風に思うしかなかった。
     

    だけど、あきらめきれなかったリョウは、何度も怜奈さんの家に行った。電話も繋がらず直接会いにいくしかなかった。とにかく、彼女と話がしたかった…。

    2008-05-12 05:29:00
  • 204:

    ◆VirGwxRhbQ

    だけど、それ以来怜奈さんがリョウの前に姿を現す事は一度もなかった。   何度家に行っても両親に会わせてもらえず、門前払いをくらうだけだった―…。   


    『ま、そんな感じ…だな。夕花に初めて会った日… 覚えてるだろ?』

    2008-05-12 05:32:00
  • 205:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしとリョウが初めて出会った、あのライブ会場での日……
    怜奈さんとリョウは、5年の付き合いに終止符を打った。


    ―ー……

    2008-05-12 05:35:00
  • 206:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『おい…おい、夕花!?なんで泣いてんだよ!だぁー…!!だから、聞かなきゃ良かっただろ?あ〜もう…』   
    リョウ…違うの…        
    『ごめんな…こんな話聞きたくなかったよな。っつかもう過去の話だし…怜奈に未練なんてないし。今は、マジ夕花だけだから!!』   

    2008-05-12 05:39:00
  • 207:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    君はあの日泣いていた。   
    初めて出会った日    あのライブの中で…        

    2008-05-12 05:41:00
  • 208:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    そしてあの 
    雨の日も…         
    あれは痛いくらい    零れ落ちる       君の涙だったんだ       

    2008-05-12 05:42:00
  • 209:

    ◆VirGwxRhbQ

     


    リョウ、リョウ、リョウ…  

    2008-05-12 05:43:00
  • 210:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    怜奈さんの首元には…     
    今もまだ君と同じ輝きが 残っていたよ…ー?  

    2008-05-12 05:45:00
  • 211:

    ◆VirGwxRhbQ




    2008-05-12 05:45:00
  • 212:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    あたしの胸の痛みなんて 誰にも分からない。     
    だけどきっと… 

    2008-05-12 05:47:00
  • 213:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    君の痛みにも      あたしは最後まで     
    気づいてあげる事が   出来なかったんだ…  

    2008-05-12 05:48:00
  • 214:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    scene6… 真実 

    2008-05-12 05:49:00
  • 215:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    ネックレスの事は、リョウには言わなかった。   あたしって嫌な子だよね…  
    だけど、言ってしまえばリョウが怜奈さんのところへ行ってしまう気がして…  
      
    あたしは、恐かった。

    2008-05-12 06:08:00
  • 216:

    ◆VirGwxRhbQ

    怜奈さんは、きっとすごく優しい人。リョウに別れを告げた理由はあたしには分からないけれど、あんなにキレイな人にあたしなんかが勝てるわけないよ…


    あたしを慰めるのに疲れて眠ってしまったベッドのリョウを、呆然と眺めるー…   

    2008-05-12 06:11:00
  • 217:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ん…んー…ゆう…か…』   
    リョウ―……。。。

    ごめんね。       ごめんなさい…。         
    あたしは零れ落ちた涙をすぐに拭って、キッチンに行き二人分の朝ご飯を作った。

    2008-05-12 06:14:00
  • 218:

    ◆VirGwxRhbQ

     



    『……ん、んん……んー!なんだぁ…いい匂いする…』

    2008-05-12 06:16:00
  • 219:

    ◆VirGwxRhbQ

    『りょーぉ!あっ!!やっと起きたぁ!?良かった良かった☆早く顔洗ってご飯食べちゃってよー』       
    『夕…花?お、おう!お〜超うまそう。オムライス??』 

    『そーだよぉ!!特製オムライスでーす☆』         
    テーブルを片付けながら寝呆けまなこのリョウに、あたしは笑顔で言った。

    2008-05-12 06:19:00
  • 220:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ケチャップ……(笑)』    
    リョウが苦笑いしながら見ているその先には、あたしが書いた努力の賜物!! ぐちゃぐちゃのハートマークらしきもの。。        
    『もぉ〜。。そこはつっこまなぃで!!!早く早く!顔洗ってきて〜!』        
    あたしがほっぺたを膨らませながら言うと、    『はいはい☆』と笑いながらリョウは洗面所に向かった。

    2008-05-12 06:23:00
  • 221:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    あたし決めたんだ。   怜奈さんの事は、    もう気にしないって…!!    
    ウジウジしてても仕方ないもんね。。           

    あたしが元気になっているのを見て、オムライスをがっつくリョウは心なしか嬉しそうだったー―…。

    2008-05-12 06:26:00
  • 222:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-05-12 06:26:00
  • 223:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    この頃、リョウと付き合って一年が経っていた。。 ナナとジュンさんも順調みたいで、あたしはようやくナナにリョウの事を話した。ナナは驚いていたけど、すっごく喜んでくれた!!     
    リョウとあたしも相変わらずで、リョウは次の演奏会に向けての曲づくりが拍車をかけて忙しそうだった。

    2008-05-12 06:30:00
  • 224:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『う"ぁぁ〜あっ。。!!』  
    突然の奇声を発するリョウに、あたしは思わず飲みかけのココアをこぼしてしまった。

    『リョ、リョウ…!?どうしたの?!』

    2008-05-12 06:33:00
  • 225:

    ◆VirGwxRhbQ

    『なんか違う…なんかイメージと違うんだよな……』  
    ぶつぶつと何か言いながら、ギター片手にリョウはテーブルの楽譜をまじまじと見ている。

    『…アイデア、行き詰まってるの??』         
    不安気に、あたしはリョウに聞いた。

    2008-05-12 06:35:00
  • 226:

    ◆VirGwxRhbQ

    『アイデア…は、出てるんだよ!!もう完璧にっ!!だけどなぁ〜…なんか違う。なんか足んねぇだよなぁ』   
    『そっかぁ…』          
    難しそうな顔をするリョウに、あたしはそれしか言えずに、テーブルの上にあるリョウが書いた歌詞を眺めていた。

    2008-05-12 06:37:00
  • 227:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    『…なんか、その歌詞って、女の人目線から書いたみたいな歌詞だよね。』 

    2008-05-12 06:38:00
  • 228:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしのその何気ない一言に、リョウは一瞬の沈黙のあと―…、

    とんでもない事を言った。    

    『……そうだ!!!!』

    2008-05-12 06:40:00
  • 229:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『夕花…歌ってみて!!』    


    ー―え…えぇぇえぇ?!?

    2008-05-12 06:42:00
  • 230:

    ◆VirGwxRhbQ

    ビックリして何も言えないあたしに、リョウは無理矢理楽譜を握らす。。   『無理ムリ無理ムリ!!』必死で抵抗するも虚しく、リョウはギターでメロディを弾いている。。。 

    『これ、サビのメロディだからそのまま歌詞つけて歌ってみて?』

    そ、そんなの出来るわけないよ…

    2008-05-12 06:45:00
  • 231:

    ◆VirGwxRhbQ

    ♪〜♪〜♪ 

    …そう思いながらもリョウのギターに合わせて、あたしも自然と声が出ていた。   

    すごい―。。。あたし…  今リョウの曲を歌ってるんだ…。。。

    2008-05-12 08:17:00
  • 232:

    ◆VirGwxRhbQ

    『……リョウ?』       
    歌い続けても何も言わないリョウに不安気に尋ねる。   
    『……。』            
    『……夕花、お前って』

    2008-05-12 08:19:00
  • 233:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    『すっげぇーいい声してるな!!マジ…ビックリした!!!鳥肌たった!!!(笑)』

    2008-05-12 08:20:00
  • 234:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウの一言に、あたしもビックリしたけど……ー リョウがあまりにも嬉しそうな顔をしていたから、あたしは一気に嬉しくなった。 

    大好きなリョウの奏でてくれるメロディに、あたしの声が重なる―ー…。。。         

    ねぇリョウ、幸せだよ…。

    2008-05-12 08:24:00
  • 235:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-05-12 08:24:00
  • 236:

    ◆VirGwxRhbQ

    夏は海に行って、日焼け止めを塗らなかったリョウは真っ黒に日焼けして…  家に帰ってお風呂に入れば『痛い〜!!』って、嘆いてたっけ。。 

    線香花火をしながら、『どっちが最後まで長持するか!』なんて真剣に勝負していたあたし達。結局リョウが勝って、あたしがスネて膨れてたら… 屋台に走って、リンゴ飴を買ってきてくれた。 

    2008-05-12 08:36:00
  • 237:

    ◆VirGwxRhbQ

    秋は、なんだかお互い学校のコンクールが忙しくて会えなかったりでケンカが増えたりしたよね。。。  だけど、いっつも先に謝ってくれるのはリョウで…   
    『夕花…ごめんな!!仲直りしよっ!!』        
    って、泣いてるあたしをおっきな腕で抱き締めてくれた。あたしはすぐに機嫌が直っちゃうんだー…

    2008-05-12 08:40:00
  • 238:

    ◆VirGwxRhbQ


      
      
    いつの間にか、リョウと出会って二年が過ぎていた。  
    そしてまたこの季節…  リョウと出会った冬が  やってきた。

    2008-05-12 08:42:00
  • 239:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『メリークリスマスっっ!♪』   
    『えっえぇぇ…!?リョウ!?何それぇぇ〜!!』     
    ☆今日はクリスマスイブ☆ 
    リョウといつも通りのデートをしたあと、家に戻ってきて二人きりのクリスマスパーティ♪

    2008-05-12 08:45:00
  • 240:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウが突然サンタクロースの格好しながら出てきたから、あたしは目を真ん丸にして驚いていた。。      
    『これいーだろ??(笑)バイト先の先輩に貰ったんだ!!』

    リョウって意外とこういうの好きなんだ。。。!!      
    あたしは、なんだか急に子供みたいにはしゃぐリョウが可愛く見えた。

    2008-05-12 08:49:00
  • 241:

    ◆VirGwxRhbQ

    『リョウ〜でも…そりじゃぁ丈ちょっと短いよ!!(笑)』

    足の長いリョウには、足りてないズボンの丈…。。あたしが笑いながら言うと   
    『いーのいーの!!なんでもありだろ♪(笑)』     
    と、リョウは更に笑って言った。

    2008-05-12 08:52:00
  • 242:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしが作った料理を食べて二人でクリスマスケーキを食べて、一緒にろうそくを消した。。     
     


    『……夕花、好きだ。』

    2008-05-12 08:53:00
  • 243:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    リョウがしてくれた優しくて甘いキスと同時に、  あたしの左手の薬指には…   

    シルバーのリングがはめられていた―ー…。。。。

    2008-05-12 08:55:00
  • 244:

    ◆VirGwxRhbQ

    うそ―ーー…      リョウ…リョウ……       
    あまりのサプライズに嬉しすぎたあたしの目からは、涙がボロボロと零れていた。

    『ったく…(笑)ホント夕花は泣き虫だなっ!!』

    2008-05-12 08:58:00
  • 245:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウが優しく、あたしを抱き締めてくれる。。     

    『りょおぉ…ありがとう。あたしも大好きぃー。。』     
    リョウの背中に手を回してあたしもリョウにぎゅうっと…抱きついた。

    2008-05-12 09:00:00
  • 246:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    『夕花…これからもずっと一緒にいような。』

    2008-05-12 09:02:00
  • 247:

    ◆VirGwxRhbQ

       
     

    あの日のリョウの    言葉が         決して嘘じゃなかったと

    2008-05-12 09:03:00
  • 248:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    あたしは        信じていたの…     
      
    リョウ、        君は永遠を信じてたー?    

    2008-05-12 09:06:00
  • 249:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-05-12 09:06:00
  • 250:

    ◆VirGwxRhbQ


      
    神様は、この世にいないのかもしれない。         
    それとも…あたしに味方してくれないだけなのかな?

    2008-05-12 09:08:00
  • 251:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    リョウ…           
    ずっとずっと一緒にいたかったよ… 

    2008-05-12 09:09:00
  • 252:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      

    ―ー今日は、あたしの  二度目の【誕生日】。

    2008-05-12 09:11:00
  • 253:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『夕花ぁ〜!待ってろよ!激ウマのお前の好きなチーズ入りハンバーグ作ってやっからなっ♪』        
    キッチンに立つリョウは、相変わらず楽しそうに料理を作ってくれている。  今日は、あたしのバースデーだから…リョウがあたしの好きなものたぁ‐くさん作ってくれるんだって。    
    リョウの手料理は大好きだから、楽しみだなぁ♪

    2008-05-12 09:15:00
  • 254:

    ◆VirGwxRhbQ

    ようやく美味しそうな料理が完成して。。     二人でシャンパン持って 『『かんぱーい!!♪』』   
    『夕花もいつの間にかお酒の飲める年になったかぁ〜…(笑)』 

    しみじみ言うリョウに、 『大人だもん!もうバカにしないでよねぇ♪』      
    と、イタズラっぽく舌を出して笑ってみせた。

    2008-05-12 09:19:00
  • 255:

    ◆VirGwxRhbQ

    食事が終わるとすぐに用意してくれていたおっきなケーキが出てきて、あたしはまた嬉しくて、リョウに抱きついた。。         
    『今日は、夕花が1人で消すんだぞ♪』 

    と、リョウはろうそくに火を点けてくれた。

    2008-05-12 09:22:00
  • 256:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『夕花、誕生日おめでとう!!!』

    『リョウ…ありがとう!!』 

    2008-05-12 09:23:00
  • 257:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウの優しさが、あっかさが全部嬉しくて嬉しくて―…。。。。


    あたしは、リョウと一緒にいれて本当に幸せ……。

    2008-05-12 09:25:00
  • 258:

    ◆VirGwxRhbQ

     


    …。

    2008-05-12 09:25:00
  • 259:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
      
      
    『……あ、夕花ごめん!!ちょっと電話だわ。すぐ戻るから待ってて!』

    2008-05-12 09:27:00
  • 260:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『…うん!!』        

    この一本の電話ですべてが変わっていってしまうなんて…。 。 。  
    この時はまだ、誰も気づくわけなかったね…。

    2008-05-12 09:31:00
  • 261:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    2008-05-12 09:32:00
  • 262:

    名無しさん

    更新早いのー?
    楽しく読ませて頂いてます?

    2008-05-12 09:34:00
  • 263:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    リョウ遅いなぁ……   リョウが電話に出に行ってから、もう30分は経つ。いくら部屋が狭いからって外でわざわざ話さなくてもいいのに…。。。        
    風邪ひいちゃうよ。

    2008-05-12 09:34:00
  • 264:

    ◆VirGwxRhbQ

    268さん、ありがとうございます?
    誰も読んでないかと思ってたので嬉しいです!!!?    
    絶対完結させますので完結までハイペースで頑張ります??

    2008-05-12 09:36:00
  • 265:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    あ―ー…        そんな事を考えていると、テーブルの下の自分の携帯が震えている事に気づく。   

    【着信】佐久間 リョウ  …

    2008-05-12 09:38:00
  • 266:

    ◆VirGwxRhbQ

    『もしもし…?リョウ?』   
    あたしは、電話をかけてきたリョウに不思議に思いながらも慌てて電話を取った。。


    【……夕花?ごめん!!!ちょっと急用が出来たんだ…ホントにごめん!遅くなるかもだから先に寝てて!…ホントごめんなっ…!!】

    2008-05-12 09:41:00
  • 267:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『え―ー…。。。。。』     

    急用って………     だって、今日は…        
    あたしの誕生日だよー…?

    2008-05-12 09:42:00
  • 268:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    『……分かった!!』

    2008-05-12 09:44:00
  • 269:

    ◆VirGwxRhbQ

    電話ごしで慌ただしく謝り倒すリョウに、あたしはそれしか言えなかった。      

    ろうそくを消したばかりのケーキを目の前に…   あたしは涙が溢れてきた…。

    ねぇ、リョウ…     どうしてー―…。。?

    2008-05-12 09:46:00
  • 270:

    ◆VirGwxRhbQ

    急用ってなんだろう…    
    考えたりもしたけど、そんなこともうどうでも良かった。あたしは、ケーキには口をつけずただただ暗い部屋の中で涙を零した。。   
     
     
    ……リョウの部屋での一人ぼっちの誕生日だった。

    2008-05-12 09:50:00
  • 271:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
     
    ー…泣き疲れていつの間にか眠ってしまっていた。

    2008-05-12 09:52:00
  • 272:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    ねぇ、リョウ…     あたし夢を見たの。      

    2008-05-12 09:52:00
  • 273:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    真っ暗な闇の中に    あたしは一人ぼっち。     
    リョウの声がしたから  振り返ったら… 

    2008-05-12 09:53:00
  • 274:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    夕花ごめんな…          
    そう言って 

    2008-05-12 09:54:00
  • 275:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
     
    君は消えてしまったんだ…   

    2008-05-12 09:55:00
  • 276:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    2008-05-12 09:56:00
  • 277:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    目が覚めると、部屋の中の景色は昨日のまんま。。 リョウは、まだ帰ってきていないみたいだった。  慌てて携帯を確認するけどリョウからのメールも着信もなかった…。        
    リョウ何かあったのかなぁ…。。?      

    急に心配になったあたしは、すぐさまリョウに電話をかける。

    2008-05-12 10:06:00
  • 278:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    《おかけになった電話は、電波の届かないとこに…》   
    圏外のアナウンス……。 リョウ、電源が切れちゃったのかな。。。  

    あたしは、一気に不安になっていた。

    2008-05-12 10:08:00
  • 279:

    ◆VirGwxRhbQ

    結局、リョウからの連絡はないまま…夜になった。   
    あたしはとにかく心配で心配で何も手につかなくて、学校を休んだ…。。


    リョウ…どうして帰ってこないのー―。。。。?

    2008-05-12 10:10:00
  • 280:

    ◆VirGwxRhbQ

    電気も点けずに暗い部屋の中で、呆然としていると…携帯のライトが光った。    

    【着信】佐久間 リョウ

    2008-05-12 10:11:00
  • 281:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウからだ…!!!   あたしは慌てて電話をとった。。 
    『もしもし…!?リョウ?今どこにいるの……!!?』    

    嫌な胸騒ぎを必死に取り払うように―…、あたしは 精一杯にしゃべった。

    2008-05-12 10:14:00
  • 282:

    ◆VirGwxRhbQ

       
      


    【……うか、ごめ…ん。】

    2008-05-12 10:15:00
  • 283:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    消えてしまいそうなリョウの声が、普通じゃない事にすぐに気づく…。

    『……リョウ?大丈夫…?今…どこ??』

    2008-05-12 10:16:00
  • 284:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
    少しの沈黙のあと、リョウは…擦れた声をいっぱいいっぱいに言った。

    2008-05-12 10:18:00
  • 285:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
     
    【……病…院。怜奈が……怜…奈が…死ぬかもしれないんだ……。あいつ…白血病なんだっ……て。】 

    2008-05-12 10:20:00
  • 286:

    ◆VirGwxRhbQ



    2008-05-12 10:20:00
  • 287:

    ◆VirGwxRhbQ





    2008-05-12 10:21:00
  • 288:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
     
    時間が、止まってしまえばいいと思った。       

    2008-05-12 10:22:00
  • 289:

    ◆VirGwxRhbQ

     
      
    どうせならこのまま   今のまま        止まってしまえば…  

    2008-05-12 10:23:00
  • 290:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
      
    あたしはまだ      笑っていれたかなぁ …      

    2008-05-12 10:25:00
  • 291:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    神様はいじわるだ。   あたしどころか     み‐んなを苦しめるんだから…   

    だけど、        これが運命ってものなんだね。  

    2008-05-12 10:26:00
  • 292:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    真実は…           
    こんなにも悲しくて   残酷なものだったんだ   
     

    2008-05-12 10:27:00
  • 293:

    ◆VirGwxRhbQ

     

    scene7… 別れ

    2008-05-12 10:28:00
  • 294:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    リョウからの電話を切った後、あたしは暗い部屋の中でもう何にも考えれなかった。
    ただ、間違いなく今、リョウは怜奈さんの傍にいるんだとか… いつの間にか終わってしまったあたしの誕生日だとか…      時計を見ながらそんな事が虚ろに思えて。。 

    あたしは、一人ぼっちのこの部屋が、怖くて寒くて…ガチガチと震えていた。

    2008-05-13 04:27:00
  • 295:

    ◆VirGwxRhbQ

    ねぇ、どうして…

    いったいこれから    どうなっていくんだろう。     

    リョウからの連絡はそれからまた途絶えて、あたしは傍観者のようにただただ時間が流れていくのを待つしかなかった。。

    2008-05-13 04:31:00
  • 296:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      

    『……うか、夕花…!! おい……大丈夫か??』

    2008-05-13 04:33:00
  • 297:

    ◆VirGwxRhbQ

    気づけばいつの間にか眠ってしまっていて、    窓の外の景色はもう真っ暗で… 帰ってきたリョウの声でようやく目が覚めた。     

    『………リョウ』         

    1日しか経っていないのに、もう何日も会っていないような… そんな目の前のリョウを見て再び涙が零れそうになる。

    2008-05-13 04:36:00
  • 298:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『……うか、ごめんな…、昨日はお前の誕生日だったのに……。』          
    リョウは申し訳なさそうに俯いて、あたしに言った。    
    言いたい事とか、聞きたい事とか、ホントはいっぱいあったのに……     なんだか一晩で一気にやつれたような気がするリョウを見たら、言葉が出なかった。。  

    2008-05-13 04:39:00
  • 299:

    ◆VirGwxRhbQ

    『……。』         
    何も答える事の出来ないあたしに、リョウが続ける。   

    『……それで…な、夕花…ごめん。俺、しばらくバイト休んで……学校終わったら怜奈のとこに行ってやるつもりなんだ…。』

    2008-05-13 04:41:00
  • 300:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    え―ー―…。。。。。      

    あたしは、リョウの言葉に一気に現実から突き落とされた気がした。

    2008-05-13 04:45:00
  • 301:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ど……どうして?バイト休んでって…ま、毎日行くってこと………?』        
    しどろもどろになりながらあたしは、必死に話す。      
    『……出来る限りは…な。昨日、電話で言った…だろ?怜奈は……病気なんだよ。今も病院で一人で……戦ってるんだ。』           
    ………。

    2008-05-13 05:03:00
  • 302:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『でも…!!!!でもっ……、リョウと怜奈さんは…2年前に別れてるよね?どうして…?どうして今更……リョウが…ッ?』         

    涙が、どんどんと溢れてくる―ーー… 止められない止められないんだ。        

    2008-05-13 05:07:00
  • 303:

    ◆VirGwxRhbQ

    だって、彼女は…          

    『………夕花、ごめ…ん』      

    怜奈さんは―ー……

    2008-05-13 05:09:00
  • 304:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
        
    ずっとリョウを想ってたっって事―ー―………? 

    2008-05-13 05:10:00
  • 305:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    自分が病気だと分かったから、リョウに別れを告げたってこと……?        
    一番近くで支えていた彼女なら夢と天秤にかければ、リョウがあきらめてくれるって知ってたから、   《夢を捨てて…あたしと一緒にいれるー…?》   あんな事言ったってことー…??

    2008-05-13 05:15:00
  • 306:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
      
    彼女の細い身体と、胸元に光るシルバーの鈍い輝きが脳裏に霞む―ー―。 。 。  

    2008-05-13 05:17:00
  • 307:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『いやだよっ…!!!!リョウ…ッッ……どうしてッ……?あたしは…?夕花は…もういらないの・・・ッッ??』    
    あたしはボロボロと涙を零しながら、必死にリョウのシャツにしがみついた。。       
    いやだよ―ー……        
    どうして―ーーー…?

    2008-05-13 05:20:00
  • 308:

    ◆VirGwxRhbQ

        

        
        
    『……夕花、ごめん。ホント俺…最低だな。こんな…中途半端な……気持ちで、お前と付き合っていけねぇ…ごめん…ごめんな……』

    2008-05-13 05:22:00
  • 309:

    ◆VirGwxRhbQ

         
      
        
    リョウ………。 。 。

    2008-05-13 05:23:00
  • 310:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
     

    2008-05-13 05:24:00
  • 311:

    ◆VirGwxRhbQ

     
      
    ねぇ… どうして?      
       

    2008-05-13 05:25:00
  • 312:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    どうして……      あたしじゃダメなの…?     
        
    3年の差って      そんなに大きいもの?

    2008-05-13 05:27:00
  • 313:

    ◆VirGwxRhbQ

       
      
       
    《リョウはね…不器用だけど真っ直ぐで……強がってるけどホントは弱くて… 優しい人だから…。》

    2008-05-13 05:29:00
  • 314:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『……分かった…。別れよう……リョウ…バイバイ』     
         

    2008-05-13 05:30:00
  • 315:

    ◆VirGwxRhbQ

      


    2008-05-13 05:31:00
  • 316:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
    ホントはね、最初から気づいてたんだ…         
    だって…        リョウの胸元には    2年経った今でも    いつも変わらずあの輝きが残っていたから。 

    2008-05-13 05:33:00
  • 317:

    ◆VirGwxRhbQ

    あたしはズルイ     それを分かってて    リョウの傍にいたんだから…   

       
    だけどね、       怜奈さん―ー…

    2008-05-13 05:35:00
  • 318:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
        
    あなたもズルイ。        
    あなたもズルイよ―ー……

    2008-05-13 05:36:00
  • 319:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      

    2008-05-13 05:36:00
  • 320:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    リョウと出会って、2年。あたし達二人はこんなにもあっけなく幕を閉じてしまった。初めからかなうわけもなかったんだ…    なんて、自分に言い聞かせてみてもやっぱり悲しくて    
    たった2年でもリョウとの幸せな思い出が多すぎて…      
       
    あたしは、まだ実感がわかない。リョウが、あたしではなく彼女の元へいってしまったことに…。

    2008-05-13 05:40:00
  • 321:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    【白血病】       怜奈さんの、病名。     
     
    あたしは無知で、この病気がどんな病気かなんて全然知らなくて。。       
    ただ、リョウが言っていた怜奈さんが死ぬかもしれないって言葉だけが    頭の中をぐるぐる回っていて…

    2008-05-13 05:43:00
  • 322:

    ◆VirGwxRhbQ

    これから今なんかより  もっとも‐っと        
        
    深い傷を負う事になるなんて…          知りたくもなかったんだ。  
      
    …。

    2008-05-13 05:46:00
  • 323:

    名無しさん

      
      
    scene8… 命
       

    2008-05-13 05:48:00
  • 324:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
       
    ………あれ。。     今日何日だっけ。。。。    

    2008-05-13 06:51:00
  • 325:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    あれから、あたしは別れたショックもあってか熱を出してしまって学校を休んでいた…。寝ぼけながらベッドの脇に置いてある携帯を確認する。。。         
    リョウからの連絡はない代わりに、全く学校に行っていないあたしを心配したナナからのメールがたくさん入っていた。           
    ナナ―…。。      心配かけちゃってるよね…

    2008-05-13 06:55:00
  • 326:

    ◆VirGwxRhbQ

    ナナに、【明日は学校へ行くね】とだけメールを返して、あたしは再び眠りについた…。
     
     
      
    ものすごく、ものすごく、昔のことのような

    2008-05-13 06:57:00
  • 327:

    ◆VirGwxRhbQ


     
    まだ、きっと一週間も経っていないのに…。。      
      

    2008-05-13 06:58:00
  • 328:

    ◆VirGwxRhbQ

    リョウと最後に会ったのが    
        
    遠い遠い昔のことのように感じる…  
        

    2008-05-13 07:00:00
  • 329:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
       
    リョウ…        やっぱり寂しいよ―ー…     

    2008-05-13 07:02:00
  • 330:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
      

    2008-05-13 07:03:00
  • 331:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    SIDE… リョウ         

    2008-05-13 07:04:00
  • 332:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
     

    2008-05-13 07:05:00
  • 333:

    ◆VirGwxRhbQ

        
      

    お前は…        永遠を信じてたかー…?

    2008-05-13 07:08:00
  • 334:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      

    2008-05-13 07:08:00
  • 335:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『リョウ〜!!おかえり♪聞いて聞いてっ!お兄ちゃんに頼んだらさっ、楽器屋で働いてる友達がいるらしくてそこで働いてみないかって!!』  
      
    ー…今日もお前は、学校から帰る俺よりも早く俺の家にいて、上手そうな匂いと一緒に嬉しそうに俺を迎えてくれる。            
    『…え?マジかよ?あの楽器屋……?うそ!!すげぇじゃん!!』

    2008-05-13 07:13:00
  • 336:

    ◆VirGwxRhbQ

    『でしょでしょ〜!!?なんか今ちょうど人が辞めたらしくてさぁ…リョウがバイト探してるってお兄ちゃんに言ったら、うまい事話進めてくれたんだぁ♪』       
    ニコニコ嬉しそうに笑うお前に、俺もつられて笑顔になる。  


    『マジかぁ〜!!助かる!!サンキューな、怜奈!!』

    2008-05-13 07:17:00
  • 337:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
    『どういたしまして〜♪バリバリ働いて、次のライブも絶対成功させようね!!』

    2008-05-13 07:20:00
  • 338:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    … 
    俺はこの頃、学校の仲間とバンド活動をしていた。 地元のちっちぇクラブで行う半年に一回程の、小さなライブ。その為に、俺は1日中朝から晩まで曲作りや歌の練習をしていた。 

    2008-05-13 07:24:00
  • 339:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    怜奈の夢は…ピアニスト。
        
    偶然にも、俺らのバンドにはキーボードってもんがいなくて…俺からしたら  天の助けのように見えた。 
    出会ったばっかりの胡散臭い俺の誘いに、最初は露骨に警戒していた怜奈も  一ヵ月後にはなぜだかOKをしてくれた。

    2008-05-13 07:36:00
  • 340:

    ◆VirGwxRhbQ

    疑問に思った俺は、怜奈に聞いた。すると怜奈は     
    『んーなんとなく。っていうのは嘘で……あたしも音楽が好きだから。それに、リョウの声が…好き。』    
      
    俺は…素直に嬉しかった。  
    怜奈は、家業を手伝わす為だとピアニストを反対され音楽関係とは無縁の、いわゆる普通のお嬢様大学に通わされていた。

    2008-05-13 07:41:00
  • 341:

    ◆VirGwxRhbQ

    だから、音楽ができる事が嬉しいと言った。堂々と夢を追える俺が、羨ましいとも…言った。  


    そこからは、あっという間に時が過ぎていたと思う。自然と怜奈と付き合いだして、気づけば3年が経っていたー。 

    2008-05-13 07:45:00
  • 342:

    ◆VirGwxRhbQ

    厳しかった怜奈の両親とも何度も挨拶をしに行き、もともと仲の良かった怜奈の兄の協力もあり、なんとか打ち解け認めてもらえた。   
    怜奈が家に頻繁に来ていても、一緒にライブに行って帰りが遅くなっても、許してもらえるようになった。  

    それを見て怜奈は、   『こんなの初めて…ホントに嬉しい!!』     と、言葉の通り本当に嬉しそうだった。

    2008-05-13 07:51:00
  • 343:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    怜奈と付き合って四年が経った頃、俺はバンド活動を辞めた。音楽の方向性が違う事に気づいて、仲間と相談してバンドから抜けた。   
    それを告げた日怜奈は怒る事も悲しむ事もなく…
    『リョウが決めた事なら、それでいいと思う。あたしはいつだってリョウの味方だから。』       と、笑顔で言ってくれた。

    2008-05-13 07:56:00
  • 344:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
       
    なぁ、お前は…     いつからその細ぇ身体に 苦しんでたんだー…?

    2008-05-13 08:06:00
  • 345:

    ◆VirGwxRhbQ

    だけど、この頃だっただろうか。怜奈が一度、しばらくピタッと家に来なくなった。…心配した俺は、怜奈に電話をした。        
    『リョウ…ごめんね。ちょっと風邪ひいてしまって…しばらく…行けそうにない。ごめん…』  


    家に来れないのは仕方ないし謝る必要なんてなかった。だけど、風邪で寝込んでいる怜奈が心配で…自分で作った料理を目の前にしても、俺はあんまり食欲が沸かなかった。

    2008-05-13 08:16:00
  • 346:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    それから三日後、怜奈はけろっとした様子でまた  『リョウおかえり〜っ♪』と、美味しそうな匂いと一緒に俺を待っていた。      
    俺は久しぶりに会った怜奈がなんだかまた痩せた気がして心配になったけど… やっぱり変わらない怜奈の笑顔が嬉しくて、その日はなんだか寝るのがもったいなくてベッドの中で二人で朝まで話をしていた。

    2008-05-13 08:19:00
  • 347:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『あー…。。将来はミュージシャンの奥さんかぁ♪なかなか素敵だね!』   
         
    ベッドの中で、突然そんな事を言う怜奈に俺は笑いながら             
    『なかなかじゃなくてすっげぇ素敵♪だろ(笑)一流ミュージシャンの嫁だぞ。』と、答えた。

    2008-05-13 08:23:00
  • 348:

    ◆VirGwxRhbQ

    『…うんっ!一流じゃないとやだかんね♪楽しみだなぁ〜。リョウがいてあたしがいて…子供なんか出来たらきっと幸せで死んじゃうよあたし。』 



    …と、怜奈は俺の腕にきゅっと抱きつきながら言った。

    2008-05-13 08:27:00
  • 349:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    なぁ、笑ってくれよ…  またいつもみたいに   リョウおかえりって… 

    2008-05-13 08:30:00
  • 350:

    ◆VirGwxRhbQ

       
        
        

    2008-05-13 08:31:00
  • 351:

    ◆VirGwxRhbQ

       
      
      
      
    怜奈が家に来たのは、…ーその日が最後だった。

    2008-05-13 08:33:00
  • 352:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    『なぁ…ホントに大丈夫か?まだ良くなんねぇの?』  

    『ごめん…風邪…がね、長引いてるんだ。うつしてもあれだし…さ、しばらく会えないと思う。』         
    あの日から今日で一週間、怜奈はまた風邪をこじらしてしまったらしい。

    2008-05-13 08:36:00
  • 353:

    ◆VirGwxRhbQ

    はぁ…ついこの間もひいてて、完全に治ったって言ってたじゃん。      心配しながらもモヤモヤとなにか腑に落ちない俺は、    

    『…はいよ。お大事に!』   
    と、そっけなく電話を切ってしまった。

    2008-05-13 08:39:00
  • 354:

    ◆VirGwxRhbQ

    それからまた一週間経っても、怜奈からの連絡はなくて、 
    俺も次の学校の演奏会に向けて曲の練習が忙しく… 自然と怜奈に電話をかける気もなくなっていた。       

         
    そして、今日は学校が休みで連れに頼んでようやくやらせてもらえる大ファンだったSTYLEのライブのスタッフのバイトの日ー…。

    2008-05-13 08:43:00
  • 355:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    とりあえず最初の仕事はチケット確認。会場はビックリするくらい広くて、俺は興奮状態だった。 

    俺もいつかこんな場所で ライブがしてぇ―ー…      
    そんな事を想いながら、俺はうんざりするくらい長い列のチケットを一枚一枚確認していった。

    2008-05-13 08:46:00
  • 356:

    ◆VirGwxRhbQ

    列の途中で、チケットが見当たらないらしくて…オドオドしてる女がいた。     
    いやいや、ポケットから見えてますし。。     
         
    『あの…ポケットからなんか見えてますけど。』

    2008-05-13 08:48:00
  • 357:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『え…!!?あっ…!!!す、すいませんっ!!!ありがとうございます…!!!』     
      

    2008-05-13 08:51:00
  • 358:

    ◆VirGwxRhbQ

    その子はリンゴみたいに顔を真っ赤にして待っている友達のとこへ走っていった。  
    そんなにダッシュしなくても…       
         

    そんな事を考えながら、チケット確認を全て終えて、ライブが始まるまでとりあえず一時休憩がもらえた。

    2008-05-13 08:55:00
  • 359:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      

    あれ―ーー…。     携帯を確認すると、着信ありのマークが表示されてる。

    2008-05-13 08:56:00
  • 360:

    ◆VirGwxRhbQ

    電話は、怜奈からだった。二週間ぶりくらいだな… 今更なんだってんだよ。。   
    風邪ひいてたって分かってても、『連絡くらいできんだろ…』なんて考えていた心の狭い俺。
       
       
    とりあえず怜奈に電話をかけなおすことにした。。

    2008-05-13 08:59:00
  • 361:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
    『………もしもし?』      
        

    2008-05-13 09:00:00
  • 362:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    電波が悪いんだろうか、 なかなか声が聞こえない…。何度呼び掛けても返答がないから一度電話を切ろうとした、その時、      
     
      
    怜奈の擦れるような声が聞こえた。

    2008-05-13 09:02:00
  • 363:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『リョウ……別れよう』   
       

    2008-05-13 09:03:00
  • 364:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
      
    なんだってんだ。    なんだってんだよ……  風邪で気持ちも冷めちまったってゆーのか?

    2008-05-13 09:05:00
  • 365:

    ◆VirGwxRhbQ

    そりゃ確かに心狭かったよ・・・。優しい態度とかとってやれなかったよ・・。  
      
    だけど…        だからってそんな急に  別れようって        
     
    ひどくねーか・・?

    2008-05-13 09:06:00
  • 366:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『ごめん……リョウ…もう会えない。親も反対してるの… ごめんなさい…』     
        

    2008-05-13 09:09:00
  • 367:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
       
    謝っても、何を言っても、ダメだった。怜奈は別れるの一点張りで。     ほんとに…わけわかんねぇよ。。            
    廊下でさっきのチケット無くしてた女に声をかけられた。むしゃくしゃしてて、八つ当りした。

    2008-05-13 09:12:00
  • 368:

    ◆VirGwxRhbQ

    STYLEの一番好きなバラードが流れた。生STYLEを見て、嬉しいはずなのに       
       
       
    泣けてきた………。

    2008-05-13 09:13:00
  • 369:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    俺ら終わりなのか―ー…?    
        

    2008-05-13 09:15:00
  • 370:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    それからというものどうしても納得出来ずに、何度も怜奈の家に行った…。電話は繋がらなかったから。   
    だけど、怜奈の親父さんが出てきて『悪いけど…帰ってくれ。』の門前払い。 なんでなんだよ…       
    仲の良かった怜奈の兄貴でさえ、『リョウごめんな』って。意味わかんねぇ…

    2008-05-13 09:18:00
  • 371:

    ◆VirGwxRhbQ

    何もかもやる気が起きなくて、学校もバイトも休んでた。それからまた一週間が過ぎて、そう… 確か久しぶりに雨が降った日だったな。         
       

    一度だけ怜奈から電話があった。…

    2008-05-13 09:21:00
  • 372:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『リョウ…?会えなくてごめんね……ねぇ、夢を捨ててあたしと一緒にいれる?全て捨てて…一緒に。』      
        

    2008-05-13 09:23:00
  • 373:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
       
     
    …俺は、怜奈が分からなかった。

    2008-05-13 09:24:00
  • 374:

    ◆VirGwxRhbQ

    バイトが忙しくてどこも連れってやれなかったから…?音楽のことばかりで、お前に構ってやれなかったからか…?            
       
    だけど、お前だって分かってくれてただろ…―?  音楽は俺の全てなんだ。 ミュージシャンは、俺の夢なんだよー………。

    2008-05-13 09:26:00
  • 375:

    ◆VirGwxRhbQ

    なんで…なんでだよ…  なぁなんでなんだよ……     
        
    夢を叶えるためには、  何かを犠牲にしなくちゃ いけねぇのか?        
       
    なぁ、怜奈…      教えてくれよー―…。。

    2008-05-13 09:29:00
  • 376:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    最後までお前が分からないまま、俺ら二人の五年間は終止符が打たれた。      
        

    2008-05-13 09:31:00
  • 377:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    俺は怜奈を愛してた。     
    怜奈、お前は―ー…?      
         

    2008-05-13 09:32:00
  • 378:

    ◆VirGwxRhbQ

     
      
      
     

    2008-05-13 09:33:00
  • 379:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
    SIDE… リョウ    scene2

    2008-05-13 09:34:00
  • 380:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
    『リョウー。。。リョウ起きてぇ!ご飯出来たよ!!』    
        

    2008-05-13 09:36:00
  • 381:

    ◆VirGwxRhbQ

     
      
      
     
    ん…ーん…。。      …………夕花?

    2008-05-13 09:37:00
  • 382:

    ◆VirGwxRhbQ

    『もぉ〜!!リョウってば…もうお昼だよ!!今日は、夕方から先輩のライブだから早起きしようって言ったのリョウなのにぃー。。』     
    ベッドの脇で、ほっぺたを膨らませながら夕花が俺の袖を引っ張っている。       
    『ん〜…ん〜おあよ。。ごめんごめん…うわ…もう2時じゃん。寝すぎた(笑)』     
    俺は少し伸びてきた髪の毛を手でくしゃくしゃとしながら、夕花に謝る。

    2008-05-13 09:42:00
  • 383:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『もぉ…早く!早く!!ご飯冷めちゃうから早く顔洗ってきてねぇー♪』       
    表情をくるくると変えながら、夕花は忙しなくキッチンと部屋を動いている。      
        
    その光景を見て、俺はいつも微笑ましくなる…。

    2008-05-13 09:44:00
  • 384:

    ◆VirGwxRhbQ

    夕花と付き合って、気づけば二年が経とうとしていた。初めは、怜奈と別れたショックで単に寂しいから、だったかも知れない。      
        
    だけど、素直で純粋な夕花に俺はだんだん惹かれていった。隣で夢を応援してくれる夕花が…

    間違いなく俺にとっての 支えになっていた。

    2008-05-13 09:49:00
  • 385:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
     
       
    今日は夕花の誕生日だ。 俺は、何ヵ月も前からとっておきのプレゼントを用意していた。

    2008-05-13 09:51:00
  • 386:

    ◆VirGwxRhbQ

    『わぁぁ〜…!!!美味しそう!!!嬉しい…!!リョウありがとう!!!』         
    俺が手ま 暇かけた料理を見て、夕花はとびっきりの笑顔で喜んでくれた。        
    『いっぱい食えよ〜(笑)夕花の大好きなチーズハンバーグだかんなっ♪』      
    それを見た俺も嬉しくなって、笑顔で答えた。

    2008-05-13 09:58:00
  • 387:

    ◆VirGwxRhbQ

    夕花はハンバーグを全部食べてくれて、あらかじめ俺が用意していたケーキを出したら…ビックリしながらまたまた喜んでくれた。     
    『今日は夕花が1人で消すんだぞ♪』  


    クリスマスの時は、夕花と一緒にろうそくを消したからなー。。       なんてーー…      思い出していた時だった。

    2008-05-13 10:02:00
  • 388:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
       
     
    …携帯が鳴っている。  夕花も気づいたみたいだったけど、鳴っているのは夕花ではなくて俺の携帯だった。

    2008-05-13 10:04:00
  • 389:

    ◆VirGwxRhbQ

    ディスプレイを見てビックリした。画面に表示されていた名前はなぜか……     
      
    【着信】 怜奈         
        
    からの、電話だった…。

    2008-05-13 10:06:00
  • 390:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    怜奈から電話……?      
    怜奈とはもう二年以上連絡を取ってないのに。       
       
    俺は、動揺を隠しながら 夕花に電話してくるなとだけ告げて外に出た…。

    2008-05-13 10:08:00
  • 391:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『………もしもし?』     
        

    2008-05-13 10:09:00
  • 392:

    ◆VirGwxRhbQ

    なぜだか声が上ずりそうになった。未練があるわけじゃない…。だけど、なんか変な緊張感だった。       
        
      
    けれど…―、          
    その声の主は俺の想像とは全く違う人物だった。

    2008-05-13 10:11:00
  • 393:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
    『…もしもし、佐久間くん……か??怜奈の…父だが、突然…すまんな。』      
        

    2008-05-13 10:13:00
  • 394:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    ―ー―…え。。        
    怜奈の親父さん……???

    2008-05-13 10:14:00
  • 395:

    ◆VirGwxRhbQ

    門前払いをくらった気まずい思い出のまま終わってる俺は、頭がショート寸前で何も考える余裕がなくて…とりあえず、          
    『……お久しぶりです』 と、だけ…呟いた。       
        
         
    その後、疲れ果てた…消えいるような声で聞こえた親父さんの言葉に―ー

    2008-05-13 10:17:00
  • 396:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
      
    …俺は、ショートした頭の回線がぶっ飛ぶかと思った。

    2008-05-13 10:18:00
  • 397:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
       
    『怜奈が……  

    2008-05-13 10:20:00
  • 398:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
    『入院してるんだ……もしかしたら…助からないかも…知れない。病院に…来てもらえないか?』        
        

    2008-05-13 10:23:00
  • 399:

    ◆VirGwxRhbQ

      

      
     

    2008-05-13 10:23:00
  • 400:

    ◆VirGwxRhbQ

    俺は、携帯握り締めたまま走ってた。わけわかんないまま…とりあえず全速力で。足元なんか、慌てて履いた健康サンダルだったし、服なんか家着のまんまだった。。
       
       
       
    とにかくとにかくとにかく俺は…死ぬ気で走ってた。

    2008-05-13 10:27:00
  • 401:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      

    2008-05-13 10:28:00
  • 402:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
    『……急性骨髄性白血病?』   
         

    2008-05-13 10:29:00
  • 403:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    病名を聞いても、なんだかピンとこなかった。。    


    とにかく、相変わらずスーツを着て気品のある二年ぶりに会った親父さんに… こんな格好で申し訳ない気持ちになった……。

    2008-05-13 10:32:00
  • 404:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『急にすまないな……。とりあえず…一緒に来てくれないか?』           
    親父さんに連れられるまま、俺は広い病院内の廊下を歩き、医師のいる部屋まで連れていかれた。。   
        
    病院は本当に広くて、なんだかものすごく規模の大きい医療センターのようだった。

    2008-05-13 10:34:00
  • 405:

    ◆VirGwxRhbQ

    医師に椅子に座るようにと言われ、俺はとりあえず目の前の…椅子に座った。    
    『こんにちは、ご友人の方ですか??』           
    医師の質問に、俺はどう答えたらいいか分からず…黙り込んでいたら、怜奈の親父さんが、           
    『すみませんが…彼に娘の事を……話してやって頂けますか?』          
    と、言いにくそうに言った。

    2008-05-13 10:39:00
  • 406:

    ◆VirGwxRhbQ

        
        
    『白血病という病気は、ご存知ですか?』          
         

    2008-05-13 10:41:00
  • 407:

    ◆VirGwxRhbQ

    医師の質問に、『病名を聞いたことくらいしか…』 と、答えた。         
       

    俺は、自分の胸がどくんどくん変な音を立て始めてるのを感じる―ー…。

    2008-05-13 10:42:00
  • 408:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『落ち着いて聞いて下さい。怜奈さんは…急性骨髄性白血病という種類の、白血病にかかっています。  白血病というのは、血液細胞のガンで、骨髄の中で白血病細胞というものが増殖し…、血液の中で正常な増結機能が低下して起こる病気です。』

    2008-05-13 10:46:00
  • 409:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    医師の説明に、俺は無言でうなずくだけで…とりあえず、一番聞きたかった事だけを聞いた。  
     
      
    『怜奈は…怜奈は……助かるんですよね??』

    2008-05-13 10:49:00
  • 410:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『大丈夫です、落ち着いて下さい。
    とりあえず、白血病の治療法としては…一般的に多く用いられている抗がん剤での化学療法、放射線療法、最終的には、骨髄移植という、三段階があります。』     

    2008-05-13 10:52:00
  • 411:

    ◆VirGwxRhbQ

    『怜奈さんの場合は、まだ進行のペースが遅いようなので…一番身体に対しての負担が少ない化学療法での治療をおすすめします。』     
      
     
    医師の言葉に、俺は言葉を失うばかりだった。。  親父さんも、苦しそうな表情で俯くばかり。

    2008-05-13 10:56:00
  • 412:

    ◆VirGwxRhbQ

    『おじさん……怜奈に…怜奈に会えるんですか…?!』   
    俺は、我に返り親父さんに言った……。          
        
    少しの間のあと親父さんは『君が来てくれて怜奈も喜ぶよ……。怜奈に…会ってやってくれ……。』       
    と、悲しそうに言った。

    2008-05-13 10:59:00
  • 413:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      

    2008-05-13 11:00:00
  • 414:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    なぁ、怜奈…      あれから二年間 

    2008-05-13 11:01:00
  • 415:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    お前は 何を支えに   生きてきたんだ…?     
        
    たった1人で…  

    2008-05-13 11:02:00
  • 416:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    ごめんな…       ごめんな、怜奈―ー…      

    2008-05-13 11:03:00
  • 417:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
      

    2008-05-13 11:04:00
  • 418:

    ◆VirGwxRhbQ

       
      
    SIDE… 夕花   

    2008-05-13 11:05:00
  • 419:

    名無しさん



    2008-05-13 12:36:00
  • 420:

    ◆VirGwxRhbQ

    主です。なんのパクリでしょうか? 
    一気に完結までいきたいのですが…。

    2008-05-13 12:43:00
  • 421:

    名無しさん

    ぱくりとは思わないです☆
    完結楽しみにしています

    2008-05-13 15:07:00
  • 422:

    名無しさん

    ナナ×レンてとこだけちゃう?

    2008-05-13 16:00:00
  • 423:

    名無しさん

    「ハナ」書いてる人?書きかた似てる

    2008-05-13 16:03:00
  • 424:

    名無しさん

    盗作

    2008-05-13 16:39:00
  • 425:

    名無しさん

    気になる(>_

    2008-05-14 02:45:00
  • 426:

    名無しさん

    書き方好き

    2008-05-14 02:51:00
  • 427:

    名無しさん

    DEAR 書いてた人ゃね。書き方一緒ゃから すぐわかった。今度は 荒らしに負けず 最後まで 頑張って完話してね(^O^)

    2008-05-14 07:36:00
  • 428:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      


    2008-05-14 09:26:00
  • 429:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
      
    『……そっか…ぁ、そんな事があったんだね。。夕花辛かったよね……。』

    2008-05-14 09:27:00
  • 430:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    久しぶりの学校で、久しぶりにナナに会った。。  ナナにリョウの事を全て話すと、ナナは心配そうにあたしの顔を見た…。    
       
    『ナナ…ごめんね?なんだか心配かけちゃって…。なんだろう……辛いっていうよりは、まだ実感がよくわかないんだ。』

    2008-05-14 09:31:00
  • 431:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    本当にそうだった。     

    毎日のように一緒にいたリョウとの突然の別れ…  辛いとか、悲しいとか、 そんな事を通り越して。。   
    なんだか空っぽになった。体中が、抜け殻になったみたいだった―…。

    2008-05-14 10:57:00
  • 432:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ナナは、夕花の味方だよぉ〜。。リョウ君だってその、元彼女が病気だから側にいるだけで…夕花のとこにきっと戻ってくるよ!!』     
         
    ――ー…。。。        
    ナナに、怜奈さんの病気の事だけはー…詳しく話してない。なんとなく、ただなんとなく…話せなかった。     

    2008-05-14 11:05:00
  • 433:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『ナナ……ありがとう☆』    
    あたしはナナに力なく返事をして、だけど極力、心配をかけないようにその日1日はなるべく笑顔で過ごした。。 
         
      

    2008-05-14 11:08:00
  • 434:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    学校の帰りに、あたしはいつもの本屋に寄った。  立ち止まった場所は医学コーナー…ー。          
    【怜奈は……あいつは…白血病なんだ…。】             
       
    リョウの言葉が、頭の中でぐるぐる回っている。  あたしは、怜奈さんの病気を知りたかった…ー。

    2008-05-14 11:13:00
  • 435:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
    【白血病】はっけつびょう     
    慢性白血病。      急性骨髄性白血病。        

    2008-05-14 11:16:00
  • 436:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
       
       
    嘘でしょう―ー…。。。。

    2008-05-14 11:17:00
  • 437:

    ◆VirGwxRhbQ

    怜奈さんの病気は、あたしが考えているよりもずっとずっと……       重い病気だった。  
       
       
        
    ねぇ、リョウ

    2008-05-14 11:48:00
  • 438:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    君はすごくすごく…   よく頑張ったと思う      
    だから      

    2008-05-14 11:50:00
  • 439:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    これ以上傷つかないで?    
       
    ねぇ神様…

    2008-05-14 11:53:00
  • 440:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    これ以上        彼を苦しめないで―…      
        

    2008-05-14 11:54:00
  • 441:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
     
     

    2008-05-14 11:54:00
  • 442:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『あれ・・・?確か……夕花ちゃん?だよね!?』     

    フラフラと頭が真っ白になりながら歩いている途中、前から来る男の人に声をかけられた。あれ―…   この人確か…。。       
    『覚えてる〜…かな?ほら、前にリョウと一緒にライブ来てくれてたよね!?』

    2008-05-14 11:58:00
  • 443:

    ◆VirGwxRhbQ

    そうだ…… バンドやってるリョウの先輩だ。。。   

    『あ…どうも!!お久しぶりです。。。』          

    この人こんなとこで何してるんだろう……。

    2008-05-14 12:00:00
  • 444:

    ◆VirGwxRhbQ

    『思い出してくれて良かった!!…久しぶりだね〜。夕花ちゃんは、今帰宅中?学校だったの?』         
    ニコニコと笑顔で聞いてくるこの人に、あたしは  『はい…まぁ。』    と、だけ答えた。        
        
     
    リョウの先輩。。。   今は誰とも話したくない…

    2008-05-14 12:04:00
  • 445:

    ◆VirGwxRhbQ

    挨拶を交わしたあと、あたしは『それじゃあ…』と言って軽く会釈をしてその場を去ろうとした。その時―    
       

    『……夕花ちゃん!!!』    

    2008-05-14 12:07:00
  • 446:

    ◆VirGwxRhbQ

    名前を呼ばれて振り返ればさっきのヘラヘラした感じとは全く違う真剣な表情。   
    え…―。。。。?        
        
        
    『リョウの……事なんだけどさ……』

    2008-05-14 12:10:00
  • 447:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    反応する。。。。    体が勝手に。。。。     
    リョウの名前に―……。    

    2008-05-14 12:12:00
  • 448:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ちょっとだけ……今、話す時間ある?』
       
      
      

    2008-05-14 12:13:00
  • 449:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    リョウ…           

    2008-05-14 12:14:00
  • 450:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    あたしは、その先輩と近くの喫茶店に入った。リョウの話って…一体なんだろう。リョウと別れてから二週間。今はまだ、リョウの名前を聞くだけで涙が溢れそうになる。。

    2008-05-14 12:16:00
  • 451:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『突然…ごめんな、引き止めたりなんかして。』      
    アイスコーヒーを一口飲んだ後、喫茶店に入ってから黙っていた目の前の先輩は口を開いた。銀色の髪の毛が、日焼けたした肌に、…良く似合っていた。     

    彼の名前は、【ナオ】と言った。

    2008-05-14 12:22:00
  • 452:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    『いえ……全然。大丈夫です。それで、リョウの話って…?』             
    この人は、どこまで知っているんだろう…。リョウとあたしが別れた事知ってるのかな…。。           
         

    2008-05-14 12:24:00
  • 453:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『夕花ちゃん…頼む。リョウを……アイツを支えてやって欲しいんだ!!!』    
       

    2008-05-14 12:26:00
  • 454:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    え。。。。ー…       
    支えるってどーゆう…     
       
    『…怜奈ちゃんの事は……知ってるよな?』

    2008-05-14 12:28:00
  • 455:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    ……怜奈さん・・・     
      
    『……アイツは今、毎日病院に行ってる。時間がある限りは、怜奈ちゃんの側にいてやってる…。だけど…!!このままだったら、アイツまで入院することになるから…』

    2008-05-14 12:32:00
  • 456:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『え…それどーゆう……』  
       
       
    リョウは、優しい人だから。でも弱くて脆くて…  怜奈さんが、言ってた言葉。リョウは一人で苦しんでる。。だけど、助けてあげれるのはもうあたしじゃないんだよ…ー?

    2008-05-14 12:35:00
  • 457:

    ◆VirGwxRhbQ

    『今の夕花ちゃんに…こんな事頼むなんてダメって思う…。だけど、見てられねぇ。。夕花ちゃんしかいないんだ……今のアイツを支えてやれるのは…』   
        
    『でも…あたしは…。。』     
       

    2008-05-14 12:39:00
  • 458:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
      
    迷惑だって思われるかもしれない…。別れてるのに何しに来たんだって…。。 でも、ナオさんの言葉が気になって仕方なかった。

    2008-05-14 12:42:00
  • 459:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    【ピンポーンー―…】    
    気づけば、あたしはリョウの部屋に向かっていた。。別れてから初めて会うんだ…。緊張と不安と恐怖と…なんだかいろんな感情がいっぱいになって。。。     

    やっと押せたインターホン。押した指がビックリするくらいに震えていた…。

    2008-05-14 12:45:00
  • 460:

    ◆VirGwxRhbQ

    【ピンポーンー…】   何度押してもリョウは出ない。。いないのかな…… そう思ってる時だった。    
       
       
    『……夕…花?』        

    2008-05-14 12:52:00
  • 461:

    ◆VirGwxRhbQ

    ちょうど階段からあがってきたリョウだった。。      
       
    『………リョウ。』       
        

    2008-05-14 12:53:00
  • 462:

    ◆VirGwxRhbQ

    二週間ぶりにリョウに会えて嬉しいはずなのに、リョウを見たとたんに…あたしは言葉が出なくなってしまった。  


    リョウ……          
    もともと細身だったリョウはこの二週間で随分痩せていた。目の下は黒い隈が濃く出来て、顔色も良くないように見えた…。

    2008-05-14 12:58:00
  • 463:

    ◆VirGwxRhbQ

    『夕花…久しぶり…だな。どうした……?』        
    前と変わらないリョウの笑顔―ー…。。          
    『あ……えとね!!CDを……借りっぱなしだったから…持ってきたの。。』      

    リョウ…君の笑った顔を見たら、やっぱりまだ切ないよ。。。

    2008-05-14 15:23:00
  • 464:

    ◆VirGwxRhbQ

    『あー、わりぃな…。わざわざサンキュー…な。』    
    そう微笑むリョウに、借りていたCDを手渡す。


    『……リョウ…怜奈さんの具合…どう??』

    2008-05-14 15:25:00
  • 465:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    … 
    聞かずにはいられないよ。   
       

    2008-05-14 15:26:00
  • 466:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『ー……、大丈夫だよ…。薬のおかげで、とりあえずは落ち着いてる。』      
        

    2008-05-14 15:28:00
  • 467:

    ◆VirGwxRhbQ

    …“心配してくれてありがとうな”と、リョウは弱々しく笑った。         


    あたしは…       何も言えなかった。リョウにかけてあげるべき言葉はなんなのか、必死に考えたんだけど。       でも、なんだか…どの言葉もあたしが言うような台詞じゃない気がして。。      
    そんな事を思ってたら、なんだか突っ立ったまま涙が零れそうになった…。

    2008-05-14 15:32:00
  • 468:

    ◆VirGwxRhbQ

    『そっか…じゃ、じゃあ良かったねっ!!……あ、お大事にね!!』          
    あたしは、それだけ言うと階段を掛け降りてリョウの前から逃げるように走った。 
      
    『……うか!』        

    2008-05-14 15:35:00
  • 469:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
     
     
    リョウの声が聞こえた気がしたけど…ー あたしは振り返らずひたすら走った。

    2008-05-14 15:36:00
  • 470:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『ひッくっ…うぁぁ〜…うぅっ…うッ…わぁぁ。。』

    無我夢中で走って…立ち止まったら、一気に泣けてきて、あたしは道の真ん中で大泣きしていた。。       

    2008-05-14 15:39:00
  • 471:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
     
     

    2008-05-14 15:39:00
  • 472:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    ねぇ神様…          
    私の居場所はどこですか?

    2008-05-14 15:41:00
  • 473:

    ◆VirGwxRhbQ

     
      
     
     

    2008-05-14 15:42:00
  • 474:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    SIDE… リョウ      ━last scene━          
       

    2008-05-14 15:43:00
  • 475:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
       
    なぁ君の…       本当の願いはなんだった?

    2008-05-14 15:45:00
  • 476:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      

    2008-05-14 15:46:00
  • 477:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『えーそうですね… 急性白血病の治療の目標は、体内に存在する白血病細胞をすべて根絶することです。これをまぁ、医学用語で完全寛解と言うんですが。しかし…完全寛解した場合でも白血病は再発の可能性があります。』 

    2008-05-14 15:50:00
  • 478:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
      
    再発――ー・・…?        

    2008-05-14 15:51:00
  • 479:

    ◆VirGwxRhbQ

    俺は、医師の話を呆然と聞いていた。白血病は、再発の可能性がある・・      
    今、あんなに苦しい治療を受けているのにか―…?    
       
     
    『先生……でもっ…一旦は治るって事ですよね??再発しなかったら、一旦はアイツは普通の生活が出来るってことですよね…!?』

    2008-05-14 15:55:00
  • 480:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
    ……発覚が遅かった。      
         
    『先生……そのっ、なんてゆうか……すぐに骨髄移植…?とかは出来ないんですか?』

    2008-05-14 16:04:00
  • 481:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『ただ、骨髄移植をするとなると…今行われている化学療法、それから次の段階の放射線治療の併用によって、激しい副作用が起こることになるんです。』      
       
    副作用―ーー・・・・?     

    2008-05-14 16:10:00
  • 482:

    ◆VirGwxRhbQ

    『移植の副作用は、恐らく今の痛みなんかよりも比べものにならないくらい…彼女は、苦しい思いをしなければいけない。それに…怜奈さんは、比較的もともと体がそんなに強い方じゃないんです。今の化学療法でも、彼女の体内抵抗力では限界だと思います。』      
      

       
    ……

    2008-05-14 16:14:00
  • 483:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
    移植が出来ない……?    
    じゃあ、怜奈は今のまま あんな場所で      あんな姿で…         
    苦しまなきゃいけねぇのか…?

    2008-05-14 16:15:00
  • 484:

    ◆VirGwxRhbQ

      
     
    『大丈夫です。彼女は…強い女性だ。必死に病気と戦って、打ち勝とうとしてる。あなたが、彼女を信じてあげて下さい。』       
       

    2008-05-14 16:22:00
  • 485:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
       
       
    怜奈を…信じる…?

    2008-05-14 16:59:00
  • 486:

    ◆VirGwxRhbQ

     
     
     
     
    『具合……どうだ?ちょっとはマシか〜!?』

    2008-05-14 17:01:00
  • 487:

    ◆VirGwxRhbQ

       
      
    『リョウ……。』        
        

    2008-05-14 17:02:00
  • 488:

    ◆VirGwxRhbQ

    俺は、いつもと変わらない笑顔で病室に入る。何があっても怜奈に会う時は、ぜってぇ笑顔でいたい…俺の中でそう決めていたから。   
        
        
    『ありがとう…。今日は、なんだかすっごく調子がいいの。天気もいいしねー』    

    2008-05-14 17:05:00
  • 489:

    ◆VirGwxRhbQ

    ベッドで寝ていた怜奈も笑いながら、俺に答える。 今日は確かに顔色がいい。怜奈は窓の外を眺めながら…、嬉しそうにしていた。   
       
    『そうだ怜奈!!今日はお前にお土産持ってきたんだぜ♪』   

    俺の言葉に、不思議そうな顔をする怜奈。

    2008-05-14 17:10:00
  • 490:

    ◆VirGwxRhbQ

    『ほらこれ!!お前が聞きたがってたナオさんのバンドのCD!!』          
    俺が自慢気にカバンからCDを取り出すと、怜奈は一気に表情が明るくなり      

    『えーほんと?超嬉しい!ありがとうリョウ!!』     
    と、嬉しそうに笑った。

    2008-05-14 17:14:00
  • 491:

    ◆VirGwxRhbQ

    怜奈の兄貴と、ナオさんは同級生…。俺もその関係でナオさんと知り合った。 もともと怜奈はナオさんのバンドの曲が好きで、怜奈に連れられて俺も初めてナオさんのライブに行った。   
        
    『あー……またいろんなライブ行きたいなぁ。』      
         
    怜奈が溜息混じりに呟く。怜奈……

    2008-05-14 17:19:00
  • 492:

    名無しさん

    何このスイーツ(笑)
    妙なドラマやら低俗な糞小説の読みすぎww
    もう少し勉強してから書けば??ww

    2008-05-14 17:21:00
  • 493:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『退院したらぜってー行こうなっ!!ナオさんも楽しみにしてるって♪』      
    俺がそう言うと、怜奈は    
       
    『ありがと♪リョウ…』 と、微笑みながら言った。

    2008-05-14 17:22:00
  • 494:

    ◆VirGwxRhbQ

    504さん、気分を害してごめんなさい。
    出身が関東プラス文才がないのでこうなってしまって。勉強します。

    2008-05-14 17:25:00
  • 495:

    名無しさん

    文才の問題じゃないよw

    2008-05-14 18:29:00
  • 496:

    名無しさん

    ↑何様?

    2008-05-14 18:52:00
  • 497:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    一ヵ月前、医師の話を聞いた後俺は親父さんに連れられて怜奈に会いに病室に行った。緊張と不安。二年ぶりに会う怜奈… 俺が入ると同時に怜奈は、驚きを隠せないといった表情でー…そのまま泣き出した。       
    『リョウ……リョウ…ッ』     

    2008-05-15 06:16:00
  • 498:

    ◆VirGwxRhbQ

    二年ぶりに会った怜奈は、あの頃より更に痩せていて手や足なんて折れるんじゃねぇかってくらい…細かった。何にもない病室のベッドの上で、怜奈はただただ泣いていた。親父さんは、そのまま悲しそうな顔をして病室を出ていった。     
       
    『……久しぶりだな。』    

    こんなありきたりな言葉しか出てこなくて―…、なんだか情けなくなった。

    2008-05-15 06:21:00
  • 499:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『久しぶりだね……』    
    だけど、怜奈もそう言って目を真っ赤にさせながら笑った。胸が…痛かった。   
       
    別れを告げられたあの時、あんなにも会いたかった怜奈と今…こんな風に再会するなんて、考えてもみなかったから。

    2008-05-15 06:24:00
  • 500:

    ◆VirGwxRhbQ

    『病気のこと……なんで言ってくんなかったんだよ。お前…いつから……?』    
    悔しかった。気づいてやれなかった事が…すごく。     

    『リョウと……別れる前くらい…かな。熱が続いてたでしょ…?おかしいな、って思って病院に行って検査してもらったら。。』

    2008-05-15 06:27:00
  • 501:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
    ―ー… そんな前から。    
       
    『なんで……言ってくんなかったんだ?俺ら…あんなあっけなく別れて…っ。言ってくれてたら…俺ぜってぇお前の側にいたのに…』

    2008-05-15 06:30:00
  • 502:

    ◆VirGwxRhbQ

    なんだかわかんねぇけど、悔しすぎて泣けてきた。 あの時、気づいてやれてたら…あきらめずに怜奈に会いに行ってたら…―ー     
       
        
    『リョウ…ありがとう。    

    2008-05-15 06:33:00
  • 503:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    『あの頃は…どうしても言いだせなかった。リョウの夢を邪魔したくなかった。寂しくて苦しくて、何度も死のうと思った……。だけど、今…リョウに会えた。それだけで私、幸せだよ』   
       

    2008-05-15 06:36:00
  • 504:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    絶対守ってやるから…     
    もう二度と       お前を一人になんかしない。

    2008-05-15 06:38:00
  • 505:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
    なぁ怜奈……      お前の側にいさせてくれ。   
       

    2008-05-15 06:39:00
  • 506:

    ◆VirGwxRhbQ

      
      
      
    それからというもの、俺は毎日怜奈の病院に通った。病室でギターが弾けない代わりに、部屋で録音したテープを持っていってやったら喜んでくれた。怜奈が好きだった駅前のケーキ屋でプリンも買っていった。     
    だけど、薬のせいで食べたらダメらしくて…怜奈は残念そうにしていた。

    2008-05-15 06:43:00
  • 507:

    ◆VirGwxRhbQ

    『治ったら、プリンぐらい100個でも200個でも買ってやるからなっ!!』     

    俺がそう言ったら、怜奈は   
    『ひゃ…そんなに食べたらブクブクになりそー。』   
    って、笑ってた。

    2008-05-15 06:46:00
  • 508:

    ◆VirGwxRhbQ

      

    俺が怜奈の病院に通いだして、3ヶ月が過ぎようとしていた。ある時いつも通り病院に行くと、いつもと違う怜奈がいた。     
       
    『あれ…どうした!?それ。』

    2008-05-15 06:48:00
  • 509:

    名無しさん

    『ふふっ、似合うー?…可愛いでしょ!これママが買ってきてくれんだよー』    
        
    そう笑顔ではしゃぐ怜奈はベッドの上でニット帽を被っていた。病室でニット帽って、なんか変な感じだな…違和感。 
       
    でも、とりあえず『可愛い可愛い(笑)』って俺も笑顔で答えた。

    2008-05-15 06:52:00
  • 510:

    ◆VirGwxRhbQ

    『そういや、また持ってきてやったぞ!新しいCD♪』  
    俺はそう言いながら、カバンから持ってきたCDを手早く取り出す。
    怜奈は目を輝かせて、    
    『わーい♪いつもありがとう〜!病室って超暇なんだよね!だから嬉しい!』   
    と、ニコニコしていた。

    2008-05-15 06:56:00
  • 511:

    ◆VirGwxRhbQ

       
    CDを手渡そうした時、細い細い怜奈の腕に―…俺はまた違和感を感じた。        
        
    『怜奈……腕どした??大丈夫か…?』           
    俺がそう言うと、怜奈は慌てて捲れあがった袖をおろして『大丈夫大丈夫♪ちょっと打っただけだからー』と、笑顔で答えた。

    2008-05-15 07:00:00
  • 512:

    ◆VirGwxRhbQ

     
    怜奈の腕には、紫色の斑点みたいなやつが数多くあった―ー…。


    ケラケラと笑う怜奈は元気そうだったけど、俺は違和感を感じるたびにどうしても不安を取り払えなかった。

    2008-05-15 07:03:00
  • 513:

    ◆VirGwxRhbQ

    だけど一週間後、やっぱり俺の不安は―…的中した。       
       
    『無菌室・・・?』       
        
    医師からの宣告。怜奈は、無菌室という外から完全に隔離された病室に移動されることになったらしい。

    2008-05-15 07:11:00
  • 514:

    ◆VirGwxRhbQ

      
       
    『はい、無菌室というのは外からの雑菌やバイ菌を身体に入らないようにする為の病室です。今の伶奈さんの身体は…外部からの少しの刺激も危険になる状態なんです。』  
       

    2008-05-15 07:16:00
  • 515:

    ◆VirGwxRhbQ

      
    『そうですね…例えば、出血がとまらなかったり、身体に出来ているアザのようなものは、紫斑というものです。白血病細胞が…増加している表れですね。』    
      
       
    そんな・・……     こんなに長い間治療を受けてるのに、良くなるどころか悪くなってるってのか…?

    2008-05-15 07:20:00
  • 516:

    しき

    絶望的だった。俺は、頭が真っ白になっていた。。 怜奈の親父さんは、後ろで頭を抱えて泣いていた…。 
      
    『大丈夫です。諦めずに頑張りましょう。』      
     
    そう言った医師の言葉なんて、耳に入らなかったー。

    2008-05-15 07:22:00
  • 517:

    ◆VirGwxRhbQ

       
       
       
       
    『……リョウ?音楽…聴けなくなっちゃったよ。退屈だなぁー…』

    2008-05-15 07:24:00
  • 518:

    名無しさん

    ぱくりやん
    妄想きっしょいわ

    2008-05-15 09:32:00
  • 519:

    名無しさん

    ↑だから何のぱくりなん?

    2008-05-15 09:34:00
  • 520:

    名無しさん

    主さぁん

    2008-05-27 21:37:00
  • 521:

    名無しさん

    フィクションやからしゃぁないにしても設定グダグダすぎやん?
    パクリとか思わんかったけど?

    2008-05-30 01:17:00
  • 522:

    名無しさん

    まぁフィクションにして、ここまで頑張ったんやからみんなウダウダ言わんでいーんちゃぅ

    2008-05-30 01:29:00
  • 523:

    名無しさん

    うん

    2008-06-27 07:35:00
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