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独占欲。

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  • 1:

    のん。

    独占欲。一人じめしたい。自分だけのモノにしたい。誰でも少なからず持っている感情ではないだろうか。その感情を理性で押さえつけてはいませんか?これはその理性とゆうリミッターが外れた時、人がどうゆう行動に出るのか。その最悪のケースを描いたお話です。※グロテスクな話、暗い話、狂った話が嫌いな方は見ない事をお勧めします。

    2008-05-05 03:49:00
  • 2:

    のん。

    始まりの前にご挨拶。

    小説はほぼ初めての挑戦なんで、文章が拙い・キャラ設定が掴めない・話の論点がズレる。その辺はご了承願いますm(_ _)m

    2008-05-05 03:55:00
  • 3:

    のん。

    好きやで。あなたとおれる事が幸せ。あなたと一つになれる事が幸せ。でもな、何か足りへんねん。くっついてても、抱かれても…何か足りへん。満たされたい。あたしの全てをあなたで満たされたい―…。

    2008-05-05 03:56:00
  • 4:

    のん。

    午後4時。毎朝のように騒がしい目覚ましの音が鳴り響く中、彼の腕の中で目が覚める。見上げると彼はまだ夢の中。人差し指で唇をなぞると「ん〜…」と嫌がる様が可愛いくて、つい顔が綻んでしまう。

    2008-05-05 04:01:00
  • 5:

    のん。

    あたしは、起こさないように、そっとベッドから出てシャワーを浴びた。彼が起きる前にシャワーを浴びて化粧をして、完璧な状態にしてから彼を起こす。目を覚ませて一番に見る自分は綺麗な自分でいたいから。

    2008-05-05 04:02:00
  • 6:

    のん。

    完全に仕度を終えたアタシは、もう一度彼のいるベッドへ潜り込み彼に抱きつきながら甘えた声で優しく起こしてあげる。「ゆー君、もぅ5時ゃで〜」「あと10分…」そっぽを向いて、そう言い放つ悠。

    2008-05-05 04:02:00
  • 7:

    のん。

    (結局こう言うて5時半まで起きへんねんから…)あたしはため息を吐きながら、悠と時計を交互に見ながら10分間を過ごす。10分経つと、また10分。5時半まではこの繰り返し。

    2008-05-05 04:05:00
  • 8:

    のん。

    「悠!5時半やで!はよ起きな遅刻するで!」5時半になると共に布団を剥ぎ取り、さっきよりも大きな声で起こす。そこまですると、悠はやっと目を覚ましフラフラと洗面台へと歩いて行った。

    2008-05-05 04:05:00
  • 9:

    のん。

    目覚めの悪い悠も可愛いが、もう少し早く起きてはくれないものかと思いながら、あたしも悠を追ってリビングへ。

    2008-05-05 04:06:00
  • 10:

    のん。

    「あー、目ぇ覚めた!!ん、ゆりちゃんオハヨ♪」洗面台で顔を洗っておおざっぱにタオルで顔を吹き終えると横に居るアタシに軽いキスをする悠。

    2008-05-05 04:07:00
  • 11:

    のん。

    あたしはリビングのソファーに座りながら、悠の仕度を待つ。悠は、テーブルの上に鏡を置いて、お気に入りのオレンジの香りのワックスで真っ黒な髪をツンツンに立ててセット。

    2008-05-05 04:08:00
  • 12:

    のん。

    悠は昔はヤンチャしていたらしく、あたしと出会うまではチャラチャラした格好だった。前にプリクラを見た時、今とは違って金髪で眉毛の細いヤンキーっぽい悠が写っていた。

    2008-05-05 04:08:00
  • 13:

    のん。

    「よし、行こか」悠の用意が終わり、コンセントや電気のチェックを終え一緒に出勤。いつものように悠の単車の後ろに跨り、着いたのは悠が店長を勤める居酒屋。

    2008-05-05 04:11:00
  • 14:

    のん。

    あたしはそこのアルバイトだ。元々この居酒屋の本店で出会った二人。悠が新店を任される時に一緒に付いてきたのだ。

    2008-05-05 04:12:00
  • 15:

    のん。

    店に着き、あたしは「北村友里」と書かれた自分の名前のタイムカードを探し機械に差し込む。ここからは仕事。普段の恋人同士の関係から上司と部下の関係になる。

    2008-05-05 04:13:00
  • 16:

    のん。

    本店からあたし達と共に来た、明るくて純粋で人懐っこい、あたしの2つ下の18才。名前通り男らしいところもあり、年下なのに頼りがいのある子だ。そして、店で唯一あたしと悠の関係を知る人間である。

    2008-05-05 04:15:00
  • 17:

    のん。

    「トラおはよ!あ、借りてたCD持ってきたで♪」「おぅ!3曲目ばりよくない?」共通して好きなアーティストの話でキャッキャッ話していると、もう一人のアルバイトが出勤してきた。

    2008-05-05 04:15:00
  • 18:

    のん。

    「おはよぉございまぁすぅ♪」甘ったるい声で悠だけを見て挨拶する彼女、岩田里奈。先月入ったばかりの19才。まだらな金髪で少しポッチャリした体をくねらせながら悠にアピールする里奈。

    2008-05-05 04:16:00
  • 19:

    のん。

    アイプチで無理に引きつった目で必死に上目遣いしながら悠に近付く彼女。おせじにも可愛いとは言えないが、彼氏が女に言い寄られている事実にいい気はしない。むしろ嫉妬深いあたしは、この里奈と言う女が好きにはなれない。

    2008-05-05 04:17:00
  • 20:

    のん。

    「里奈ちゃん、はよタイムカード押さな遅刻するで」あたしは無理に優しい顔と声を作りながらそう言うと、里奈は「はぁーい」と適当な返事をしてタイムカードを押す。

    2008-05-05 04:18:00
  • 21:

    のん。

    どうやら、あたしも彼女に嫌われているらしい。いくら恋人だという事を隠していても、悠と仲がいい事が里奈にとっては気に入らないのだろう。

    2008-05-05 04:18:00
  • 22:

    のん。

    彼女にイライラしつつも、店はオープン。今日は土曜日だから店は大繁盛だ。「トラ、3番テーブルにウーロンと生3つヨロシク!」「あいよっ!」付き合いが長いだけあって、あたしとトラの息は抜群に合っている。

    2008-05-05 04:19:00
  • 23:

    のん。

    それでも土曜日は手いっぱい。あたしは必死に働きながらも、ホールが一人足りない事に気付いた。(またか…)と思いながらオーダーを通すついでに厨房へ。

    2008-05-05 04:19:00
  • 24:

    のん。

    ホールと厨房を仕切るのれんをくぐると、予想通り仕事に追われる悠の手伝いをするフリをしながら里奈はベッタリと悠の隣にいた。「今日すごぉい忙しいですねぇ♪」そう思うならホールを手伝ってくれよ…。呆れて深いため息が出る。

    2008-05-05 04:21:00
  • 25:

    のん。

    「こっちはええからホールして」悠は、あたしより先に里奈に指示してくれた。仕事に関して厳しい悠も、この里奈の態度はあまり良く思っていない。

    2008-05-05 04:22:00
  • 26:

    のん。

    唇を尖らせながら、嫌々ホールに出る彼女はお客さんに対しては愛想も愛嬌もない。「早く新しい人欲しいわ…」「まぁ半年募集かけて里奈ちゃんしか来てないからなぁ」ポロッと零した言葉に悠が言い返す。

    2008-05-05 04:23:00
  • 27:

    のん。

    店は人手不足で里奈を辞めさせる訳にもいかないらしい。仕事に対しても勘に触るが、悠に付きまとう里奈が本当にウザくて仕方ない。

    2008-05-05 04:23:00
  • 28:

    のん。

    夜中3時になり、やっと店じまい。お客さんが帰った途端、後片付けも放り出し悠にベッタリな里奈。「里奈すぅっごい疲れましたぁ」3人の心に(お前が言うな)とツッコミが入るが口に出す気力もなく淡々と片付けを終わらせる。

    2008-05-05 04:24:00
  • 29:

    のん。

    やっと片付けが終わったと思うと「お疲れ様です☆」なんて元気いっぱい言う里奈にイラッとした。「里奈もう疲れて歩けないないんで送って下さいよぉ」悠の服の袖をチョンと掴み甘えた声を出す里奈。

    2008-05-05 04:25:00
  • 30:

    のん。

    疲れた体に余計にイライラが募る。「里奈ちゃんち歩いて2分やん、この辺この時間でも人通りあるから大丈夫やろ」椅子にもたれ掛かれながら、あたしは冷たく言い放つ。

    2008-05-05 04:26:00
  • 31:

    のん。

    「里奈ゆりさんほど強くないもぉん」里奈も負けじと無邪気な笑顔で言い返す。あたしと里奈の間にピリピリした空気が流れた。

    2008-05-05 04:26:00
  • 32:

    のん。

    その空気に気付いたトラが間に入ってくれた。「はいはい、俺が送ったるから帰るで」「え〜!トラさん頼んないし!」「はい、ちゃっちゃ歩いて」嫌がる里奈の背中を押しながらトラは振り返り苦笑いを浮かべる。あたしはジェスチャーでありがとうと伝えると、2人は店を出て行った。

    2008-05-05 04:27:00
  • 33:

    のん。

    「はぁ〜、やっと帰った…」里奈が去り、疲れが一気に押し寄せてきた。「お疲れさん」そんなあたしの前に悠は小さなグラスに入ったビールを置いてくれた。「ありがとう」そう言うと、あたしはビールを一気に飲み干した。「プハ!ホンマあの女ムカつく…」グラスを机に叩きつけるように置き、ついつい本音が出た。

    2008-05-05 04:28:00
  • 34:

    のん。

    「えらいオカンムリやん」むくれるアタシの頭を撫でながら、なだめるように言う悠。「だって悠にベッタリやもん」更に頬を膨らましプイとそっぽを向いてみる。「ヤキモチか〜、モテる男は辛いねぇ」なんてチョケながら、悠は帰り支度を整えている。悠はいつもヤキモチを焼こうが、あたしが男と遊ぼうが関心が無さそうな態度をとる。たまに、それが不安でたまらなくなる。

    2008-05-05 04:29:00
  • 35:

    のん。


    もっとあたしを見てほしい。あたしだけを見て欲しい。あんたの全てをあたし一色にしてほしい。

    2008-05-05 04:30:00
  • 36:

    のん。

    なんて…、悠の性格上ありえへんけどね。自分の中の欲求や嫉妬心を吐き出すようにため息を一つ吐き、あたしは元気いっぱい悠の手を引き家路を辿った。

    2008-05-05 04:31:00
  • 37:

    のん。

    「あ〜!今日は疲れたなぁ!!」悠は家に着くなり部屋のソファーに倒れるように寝転がる。「もぉ、せめて先に服だけ着替えて寝ぇや」あまりに疲れた時は、いつも私服のままソファーで寝てまうんやから。

    2008-05-05 04:32:00
  • 38:

    のん。

    仕方なくあたしは悠の隣で洗濯物を畳んでいると、そっと後ろから抱き付いてきた。淡白な悠が求めてくるのは珍しい事。いつも求めるのはあたしからやから。

    2008-05-05 04:32:00
  • 39:

    のん。

    服の中に手を入れ、優しく胸を触られ首に唇が触れる。途端にあたしの体は熱を持ち始めた。悠がほしい。「…する?」意地悪そうな笑顔で伺う悠に、うんと頷くと悠はお姫様だっこであたしをベッドへ運ぶ。

    2008-05-05 04:33:00
  • 40:

    名無しさん

    おもろい?
    頑張って(^^)

    2008-05-05 14:23:00
  • 41:

    のん♪

    ありがとうございます♪頑張ります?

    2008-05-05 15:08:00
  • 42:

    のん。

    悠の唇があたしの体を這う。その度にぞくぞくと体に何かが走るような、むず痒い快楽に襲われる。「はぁっ…悠、欲しい…っ」あたしは我慢ができなくなり夢中で悠を求めた。

    2008-05-05 15:10:00
  • 43:

    のん。

    自分の中に悠が浸食していく感覚。繋がっている。それだけで気持ちがいい。別に抱かれなくてもいいんだ。一つになれたら。ただ、その形がセックスとゆう形しか知らないからしているだけ。

    2008-05-05 15:12:00
  • 44:

    のん。

    もっと深く繋がりたい。もっと一つになりたい。もっと悠を感じたい―。誰でも持っている欲求。独占欲。この独占欲によって、あんなことになってしまうなんて、今は気付きもしなかったんだ。

    2008-05-05 15:13:00
  • 45:

    のん。

    「ゆりさんはぁ、トラさんの事どぅ思いますかぁ?」仕事中に急に勘違い女、里奈から投げかけられた質問。「は?別にええ友達やけど…」「え〜!何で?めっちゃお似合いやのにぃ」素直な意見か。はたまた邪魔者を排除しようとしているのか。

    2008-05-05 15:13:00
  • 46:

    のん。

    「くっついちゃえばいいのに!そしたらほら!4人でWデートとか出来るじゃないですか」満面の笑みでそう言う里奈に、少し疑問を持った。「4人って彼氏でも出来たん?」「悠さん♪まだ付き合ってないけど、最近いい感じなんですよね♪」

    2008-05-05 15:14:00
  • 47:

    のん。

    「へぇ…」明らかにそっけない返事をしても、里奈はペラペラとしゃべり続ける。「喋っててもボディータッチとか多いし♪」あたしへ対しての宣戦布告か、里奈は自慢気にそう言った。里奈が明らかに悠の好みではないと分かっていても、イライラは募る。全部ぶっちゃけたろか…。そしたらこいつは全てをオーナーに言い付け、離れさせようとするだろう。

    2008-05-05 15:15:00
  • 48:

    のん。

    離れるのは嫌だ。それがブレーキとなり自分の感情も抑えられる。「応援して下さいね♪」それだけ言い放ち、里奈は厨房へと入っていった。

    2008-05-05 15:16:00
  • 49:

    のん♪

    その直後トラに後ろから背中をポンと叩かれた。「気にせんとき」「え、あたし顔に出てた!?」「うん、魔闘気出てたw」「誰がラオウやねんw」トラはいつもこうしてあたしの変化を察知して元気づけてくれる。ほんまええ親友や。

    2008-05-05 15:17:00
  • 50:

    のん。

    「大丈夫やって、北村さんのが可愛いから」トラの口からそんなほめ言葉が出るなんて珍しい。「黙んなや、こっちが照れるやんけ」真っ赤な顔をしたトラを見ると、やっぱり年下の可愛い男の子なんだと実感した。「照れんなや、余計照れるやんけw」あたしも負けじと返す。悠とトラ、この3人でおる時が一番楽しい。ここがあたしのホームなんやって実感する。あのうざい女がいなければ―…。

    2008-05-05 15:20:00
  • 51:

    のん。

    次の日も、里奈は悠にベッタリ。こんな事をしていても同じ時給で雇われている事にも腹が立つ。それに今日は悠の機嫌がいい。里奈に貢ぎ物を貰ったようだ。悠が前から欲しがっていたクロムハーツのネック。前にみんなで雑誌を見て話していたから、買ってきたんだろう。悠の単純なところは可愛らしいところでもあるが、それが自分以外に向けられた時は、こんなにも腹が立つものかと初めて知った。

    2008-05-05 15:21:00
  • 52:

    のん。

    その行為が恋愛感情に結びつかないと分かっていても、あんなにも嬉しそうな悠の笑顔は自分以外に向けて欲しくない。しかも、それはあたしがクリスマスプレゼントにあげようとしていた物。先を越された悔しさもあった。その日の仕事中、あたしはずっとイライラしていた。閉店間際、悠に里奈とご飯に行くと告げられた。それで余計にイライラが募った。

    2008-05-05 15:50:00
  • 53:

    のん。

    「別に2人で行かんくて良くない?」普段そこまで嫉妬を口には出さないが、宣戦布告を受けた直後。イライラもピークに達していた。「しゃあないやん、物だけ貰ってアリガトウだけじゃ申し訳ないやろ」「部下から貢ぎ物受けとんなや」「別にくれ言うた訳ちゃうやん」悠の言う事はもっともだ。あたしだって前から欲しかった物を差し出されたら受け取るだろう。

    2008-05-05 15:51:00
  • 54:

    のん。

    利用できるものは利用する。それがあたしと悠の共通点でもある。「心配せんでも何もせぇへんって。あんな子供に手出す訳ないやろ。なっ?」あたしの頭を撫でながら言い聞かせる悠。

    2008-05-05 15:52:00
  • 55:

    のん。

    確かにあたしが男なら里奈には手を出さないと思う。でもそう思うのは、あたしが女だから。あたしが里奈を嫌いだから。現に悠は以前一度浮気をしている。その時は付き合いたてだったから仕方ないと許せたが。

    2008-05-05 15:53:00
  • 56:

    のん。

    それがネックになり、未だに何処か信じきれない。それほどまでに当時と現在ではあたしの悠に対しての愛情の深さも違う。信じたいけど不信感は拭えない。でも、あまりに嫉妬心を表に出すと悠が疲れるのも知っている。「1時間だけやで!!」そう言ってあたしはホールへ戻った。

    2008-05-05 15:54:00
  • 57:

    のん。

    あまりに上機嫌な里奈の仕事ぶりに、今日は余計に腹が立つ。何で悠やねん!他にも男なんかいくらでもおるやろ!今まで以上に怒りがフツフツと沸き上がってくる。あたしは仕事が終わると同時にトラと一緒に店を出た。「トラ!今日は飲むで!!」この苛立ちを消し去るように、あたしはバカみたいにテンションを上げトラを連れてクラブへ行った。

    2008-05-05 15:55:00
  • 58:

    のん。

    「あ゛ぁぁあ〜!!」騒音がガンガン鳴り響く中、あたしは大声をあげてストレスを発散する。飲んで騒いで叫んで踊って。そんなあたしに合わせているのか素で楽しんでいるのか、トラもテンションをあげている。そうしている間も、悠と里奈がどうしているのか気になって仕方がなかった。丁度1時間で切り上げ、急いで家に戻る。約束の1時間。まだ悠は帰っていない。

    2008-05-05 15:55:00
  • 59:

    のん。

    酒を抜こうと水を飲みながらリビングで悠の帰りを待つ。約束から1時間半。朝刊を運ぶ配達員の足音に何度か反応するが、一向に玄関が開く気配がない。待ちきれず、あたしは悠の携帯に電話した。何度電話しても無情にも圏外のアナウンスが流れる。何で?浮気せんって言うたやん!何であんな女と。まだ分からないが、何故か不安が止まらない。

    2008-05-05 15:56:00
  • 60:

    のん。

    その時、ガチャと玄関が開く音が聞こえた。あたしはとっさに玄関に駆け寄ると、悠は真っ赤な顔で足元をふらつかせながら帰ってきた。「たらいま、ゆりちゃん」呂律の回らない言葉を吐きながら、悠はあたしに抱きついてきた。酒臭い。悠は基本酒には強い方だ。こんなに酔うなんて、どれだけ飲んだんだろう。

    2008-05-05 15:59:00
  • 61:

    のん。

    「遅かったな」あたしは嫌みったらしく1トーン低めの声で言うと悠は虚ろな目であたしを見つめた。「ごめんて。だって20万もするの貰ってんで?すぐ帰る訳にもいかんやん。これでも大分早いって!!」そんな言い訳いらんねん。「何でそんなベロベロなん?」「あの子がどんどん勧めるからつい、な」飲ませて酒の勢いで…というのを狙ったんやろう。

    2008-05-05 16:00:00
  • 62:

    のん。

    「ごめんって、何もしてないやん。な?」ご機嫌をとる為に、悠はあたしにキスをしてきた。酒の味がするキス。それがまたあたしの勘に触る。あたしは足元の覚束ない悠を風呂場へ連れて行き、いつもより念入りに洗った。何もしていないと分かっていても、里奈の甘ったるい香水の臭いがする気がしたから。

    2008-05-05 16:00:00
  • 63:

    名無しさん

    おもろい?

    2008-05-05 16:46:00
  • 64:

    名無しさん

    デブりなむかつく〜(;_;)???
    北村さんのがかわいいで?

    2008-05-05 17:02:00
  • 65:

    のん。

    >>65さん
    有難う御座います♪そう言って頂けると嬉しいです(^^ゞ

    >>66さん
    里奈は、めいっぱいムカつく女を描いてみました。書いてる自分が里奈に憎しみが湧いてます(笑)

    ほぼラストまで書いてるんで、どんどん進めていきます。

    2008-05-05 18:55:00
  • 66:

    のん。

    翌日、里奈の機嫌は昨日に増して良かった。接客も愛想よく、相変わらずというか今までにも増して悠にベッタリ。

    2008-05-05 18:56:00
  • 67:

    のん。

    ムカつく。殴りたい。全部ぶちまけたい。自分の中の黒い感情が渦を巻く。今までの恋愛で、これほどまでに嫉妬する事はなかった。今まで本気の恋愛をした事がなかったから。有里は居酒屋で働くまで小さなキャバクラだがずっと一番だった。大人っぽい見た目のせいか、言い寄ってくる男も多かった。その中から適当に付き合ってはすぐに別れたり一度に何人も付き合った事もあった。

    2008-05-05 18:58:00
  • 68:

    のん。

    適当な付き合いしかした事がなかった。悠があたしにとって初めて本気になった男。だから、初めての嫉妬心に戸惑っていた。こんなにも苦しいのか。こんなにも人を憎んでしまうのか。ムカつく。ムカつく!ムカつく!!あたしは、自分でも気付かない間に里奈を睨み付けていた。その視線に真っ先に気付いたのはトラ。

    2008-05-05 18:59:00
  • 69:

    のん。

    「笑顔笑顔♪」トラは両手で自分の口を引き上げそう言った。顔では笑顔を作り平然を装うが、心の中は黒い感情でいっぱいのままだった。

    2008-05-05 18:59:00
  • 70:

    のん。

    ちょうどお客さんが引き、落ち着いた頃、含み笑いを浮かべた里奈が近付いてきた。また勘違いを自慢げに吹くんだろうな。と、うんざり。「聞いて下さいよぉ♪」両手を顎に添えブリッコ特有のポーズでノロケようとする里奈。「何?」もう聞きたくもないが、仕方なく問い掛けてやると、里奈の口から発せられたのは思いも寄らないセリフだった。

    2008-05-05 19:00:00
  • 71:

    のん。

    「昨日ね、里奈、悠さんとキスしたんです♪」一瞬、心臓がドクンと脈打つのが分かった。また得意の戯れ言かと思うが、里奈は勘違いはしても嘘は吐かない。「どうゆう…経緯で?」声が震えそうになるのを堪えながら、平然を装い問いかける。「最初はぁ、恋バナとかしてたんですけどぉ、途中から悠さん酔っちゃって解放してあげてたらチュッって♪」

    2008-05-05 19:01:00
  • 72:

    のん。

    自分の中の何かが弾け飛びそう。やばい…。笑え。今は平気なふりせなあかん。「良かったやん…頑張れ」そう言うと同時に、あたしの足は厨房に向かっていた。厨房ののれんをくぐると、オーダーが出揃い一服する悠を睨み付けた。「どうした?」何も分かってない悠は普通に問い掛けてくる。

    2008-05-05 19:02:00
  • 73:

    のん。

    まだ営業中。少ないとはいえ店内に客もいる。あたし達の関係を知らない従業員だっている。僅かな理性が爆発しそうな感情に歯止めをかける。「ゆり?」あたしの異常な気配に気付いたのか、普段は店では呼ばない名前であたしを呼び、そっとあたしに手を伸ばす悠。「触んな!!」あたしは咄嗟に悠の手を払いのけた。

    2008-05-05 19:03:00
  • 74:

    のん。

    やばい…泣きそうや…。あたしは必死に涙をこらえた。「何ぃな?どうしたん?」人の感情に鈍い悠でも気付く程、あたしは怒りが顔に出ていた。「帰ったら…聞きたいことある…」喉にコルクでも詰まったかのように声が出しずらい。振り絞るような声でそれだけ告げて、あたしは仕事へと戻った。その日はもちろん仕事なんて上の空だった。

    2008-05-05 19:04:00
  • 75:

    のん。

    帰り道、複雑な思いで悠の単車の後ろへ跨った。一言でも言葉を発せば、罵声が飛び出しそうだったから、この日の帰り道は重い沈黙が続いた。

    2008-05-05 19:06:00
  • 76:

    のん。

    「で、どうしたん?」家の玄関を開き、リビングに着いたと同時に悠は荷物を置いて問い掛けてきた。「悠の嘘吐き…っ」いつの間にか涙が頬を伝っていた。きっと家路を辿る間から流れていたんだろう。涙の後が突っ張る。

    2008-05-05 19:07:00
  • 77:

    のん。

    「何が?」まだとぼけるん?「里奈とキスしたんやろ!?」あたしは近くにあった雑誌を悠に投げつけて叫んだ。「は?」相変わらず悠はとぼけたフリをしている。悠がどれだけ飲んでも記憶を失う事がないのは分かっている。

    2008-05-05 19:07:00
  • 78:

    のん。

    「今日自慢げに語られたわ…」「…お前なぁ」泣きながらそう言うあたしに溜め息混じりに呟く悠。「あんなガキと俺、どっち信じんねん?」そう言うて、結局前も浮気しとったやんけ。その言葉がのどの奥で詰まる。

    2008-05-05 19:08:00
  • 79:

    のん。

    「里奈が嘘吐いてるん?」すがるように問いかけると「そうちゃう?」と曖昧な返答。正直な悠やから、嘘を吐ききれず曖昧な答えをしてしまうのが悠の癖。その返答がさらに不安を駆り立てるんやって分かってる?きっと、どんなに問いただしたって本当の答えは返ってこない。物的証拠を掴むまでは…。

    2008-05-05 19:10:00
  • 80:

    のん。

    また、重い沈黙が流れる。その沈黙に先に耐えられなくなったのは悠だった。「ゆりちゃん、もうこの話止めよ!!風呂入るで」自分に都合の悪い話は、すぐに逃げようとするのも悠の悪いところ。あたしは色んな感情が頭の中をぐるぐるして、ただぼーっとしていた。嫉妬、怒り、憎しみ、殺意、愛情。言葉では言い表せないほど心の中は色んな感情が悲鳴をあげている。

    2008-05-05 19:10:00
  • 81:

    のん。

    ベッドに入ると、悠は優しく長いキスをした。悪い事をした後、喧嘩した後は必ず体で愛し合って仲直り。ただ、あの女と重ねた唇で自分に触れているんだと思うと吐き気がした。「チューすんの嫌?」最中キスを避けていると問いかけられた。返答に困っているあたしにと「もうせぇへんで?」と意地悪に言い放つ。

    2008-05-05 19:11:00
  • 82:

    のん。

    キスをした瞬間、あたしの中の何かが吹っ切れた。心のもやもやを吹き飛ばすように激しく深く求めた。もっと悠の中に自分が浸食するように。もっと悠を感じれるように。何度も何度も…。

    2008-05-05 19:12:00
  • 83:

    のん。

    コトが終わり余韻に浸りながら、ぼーっとしていると、いつの間にか太陽は真上に登っていた。見上げると悠はすっきりした顔で眠っている。きっと、もう解決したと思っているんだろう。女は、そんなにあっさりはしてへんで?もっと執念深くて粘着質な生き物やねん。少なくとも、あたしはあんたに出会ってそうなった。

    2008-05-05 19:13:00
  • 84:

    のん。

    真実を突き止めて傷付くんは分かってる。騙されたままの方が幸せなんかも知れへん。ただ女の性っていうんかな?ここまで知ってしまえば全てを知りたい。そして、あの女を辞めさせる。

    2008-05-05 19:14:00
  • 85:

    のん。


    「悠さぁん♪これ良かったらどうぞ!!悠さんが欲しがってたベルトですっ♪」里奈は、また懲りずに貢ぎ物を持ってきたらしい。あんな話をした後だから、悠も素直に喜べないらしく、あたしの顔色を伺っている。

    2008-05-05 19:15:00
  • 86:

    のん。

    「嬉しくないですか?」以前とは違い喜びを全面に表現しない悠に首を傾げて問い掛ける里奈。「いや、そんな事ないよ。嬉しいけど、何の記念日でもないのに立て続けに貰うんもなぁ…」なんて言い訳する悠に里奈は耳元で何か囁いて勝ち誇った顔であたしを見た。

    2008-05-05 19:17:00
  • 87:

    のん。

    まぁ、その慌てぶりでおおよその検討はつくが。金に綺麗も汚いもない。ただ、それを隠そうとしている里奈の態度に、あたしは弱みを握った気になって少しもやもやが晴れた気がした。

    2008-05-05 19:18:00
  • 88:

    のん。

    「里奈ちゃん、何して稼いでるんやろなぁ?」仕事終わり、リビングでの団らん中、さりげなくその話題を振ってみる。「何やろな?家が金持ちやって言うてたけどなぁ」里奈の家は店から徒歩2分。みんな家を知っているが、どう見ても金持ちではない家だろう。嘘の下手な子だ。それ以上、悠はその話題には触れず少年マガジンを読みふけていた。

    2008-05-05 19:19:00
  • 89:

    のん。


    とある風俗街のホテルの一室、彼女は彼に捧げる愛の為に腰を振っていた。「したい事してええょ♪その変わり!また指名で来てなっ」それが彼女の常套句。金が彼女を変えていく。少しでも多くの金を得ようと里奈は手段を選ばなかった。そんな彼女にでも、ハマる客はいた。

    2008-05-05 19:19:00
  • 90:

    のん。

    「なぁ〜、里奈ちゃん、そろそろプライベートで遊ぼうやぁ?」服を着ながら、こう言ったのはイカツめだけど若くてお金持ちな里奈のだぁーいじな常連さんっ♪「いいよぉ」「マジでぇ?」いつも瞳孔が開いてて変な喋り方なのが特徴!みたいなっ(笑)

    2008-05-05 19:20:00
  • 91:

    のん。

    週に3回は里奈のとこ来てくれてお金もくれる♪里奈のお願いなーんでも聞いてくれるねん♪「どこ行きたい?何処でも連れてったんでぇ」初めて里奈とデートできるのが嬉しくて堪らないのか、すっごいニコニコしてる。こうゆう人だーい好き♪里奈の言う事なんでも聞いてくれるもん♪ま、好きっていうても愛情じゃないけどね(笑)だからきっと、このバカならなんでも聞いてくれる。「あんな、里奈その前にお願いあんねん♪あのなぁ―…」

    2008-05-05 19:21:00
  • 92:

    名無しさん

    は、はっぴいえんどでありますように(;_;)

    2008-05-05 19:25:00
  • 93:

    名無しさん

    なかなかおもろいなぁ がんばって

    2008-05-05 23:02:00
  • 94:

    のん。

    >>95さん
    読んでいただいて有難う御座います☆そのご期待に沿えるかどうか?
    >>96さん
    ありがとうございます?頑張ります?

    2008-05-06 00:52:00
  • 95:

    のん。

    午後4時。またいつもと変わらない目覚め。ただ少しもやもやが残るだけ。最近寝付きが悪い。また今日も2時間しか眠れなかった。寝ようとすると頭の中が騒がしくなって眠れない。準備をしようと鏡を見ると、自慢の白い肌にクマが目立ち始めてる。「疲れてるなぁ」一つため息を吐き、それをコンシーラーで隠していく。

    2008-05-06 00:54:00
  • 96:

    のん。

    仕事中もため息ばかり。いくら弱みを握ったところで確証もなければ、悠にとってはむしろ好都合なのかもしれない。振り出しに戻る…か。酒の席でのキスくらい気にしたらあかんのかな?

    2008-05-06 00:55:00
  • 97:

    のん。

    「最近元気ないなぁ」「トラ…」「無理せんと何でも言うてや?」「え〜!トラ頼んないもん」いつかどっかで聞いたようなセリフを投げかけるとトラは拗ねて頬を膨らませる。「嘘嘘!トラはホンマに頼れるええ奴やで。たださ、あんまり友達に迷惑かけたくないやん」「アホか、迷惑なんて思ってたら友達なんかとぉに止めてるわ」そう言ってあたしの髪の毛をクシャッってしてトラ特有の爽やかな笑顔。

    2008-05-06 00:56:00
  • 98:

    のん。

    トラのおかげで少しだけ気が晴れたような気がした。その日、また悠はあの女とご飯に行く事になった。それを知った途端に、また黒い感情が蘇る。「これで最後にするわ。お前が不安がるならクビにする。新しくバイトも面接にくるし」そう言った悠の笑顔は何故か信じれる気がした。

    2008-05-06 00:56:00
  • 99:

    のん。

    「あの女に指一本でも触れたらフルボッコな!!」「え〜指一本入れたらやろ?」「んな事したら瞬殺!!」たわいもない会話をしながら、今日はすっきりと、とは言わないまでも送り出す事ができた。

    2008-05-06 00:57:00
  • 100:

    のん。



    それが全てが狂い出す始まりだったんだ。
    あの時一緒に帰っていれば。せめて一人にならなければ…。今も隣に居れたのにね―…。

    2008-05-06 00:58:00
  • 101:

    のん。

    あたしは一人、家路を辿る。いつも2人で単車で走る帰り道。一人で歩くと不気味なくらい静かだったんだと実感する。大通りとはいえ、夜中の3時。人影は見当たらない。まだ夜風は冷たくて、更に怖さが倍増する。「強がらんと悠と一緒に帰れば良かった」たまに通る車の音に紛れてポツリと呟いてみる。

    2008-05-06 00:59:00
  • 102:

    のん。

    カランッ―。空き缶が転がる音にもビクッっと体が反応する。空き缶が転がってきた公園の方を見ると、いかにも柄の悪そうな男がニヤニヤしながらこっちを見ている。(ホンマ嫌や、こうゆう奴)そう思いながら、あからさまなくらい遠回りしたのに、そいつは一直線に近づいてきた。

    2008-05-06 01:00:00
  • 103:

    のん。

    「お前かぁ!!俺の女いじめてんのぉ!?」「は?」明らかにシャブ中であろうその男は、訳の分からない事を言って近付いてくる。「人違いです」そう言って少し歩幅を早めても、そいつはしっかり付いてくる。

    2008-05-06 01:01:00
  • 104:

    のん。

    気持ち悪くて逃げようとした瞬間、髪の毛を鷲掴みにされ公園の方へと引きずられた。「痛っ!!ちょっ、やめて…やめろや!!ぶっとばすぞっ!!」掴まれた髪が痛くて、怖くていくら叫んでみても、周りは住宅街も遠く、人通りもない。

    2008-05-06 01:02:00
  • 105:

    のん。

    公園の茂みで、やっと髪を掴んでいた手を離されたと思ったら、突然視界がグルリと回った。星空が見える。これはやばい。ヤラれる。「お願い!!マジ人違いやから!!あんたの女とか知らんしっ、な!?」「うるさいっ!!」「…ッ!!」頬から脳にかけて衝撃が走った。男に顔面を拳で殴られるなんて始めてのこと。

    2008-05-06 01:02:00
  • 106:

    のん。

    あまりの痛さと恐怖で、既にパニック状態。「無理やって!!ホンマ知らんねん!!お願…ッ!!」そう言おうとした瞬間、目の前にあった物に思わず息を飲んだ。

    2008-05-06 01:03:00
  • 107:

    のん。

    ナイフだ。漫画などで見た事のある光景。まさか自分が現実でこんな事件に巻き込まれるなんて思わなかった。体中が震え出す。逃げようにも足が竦んでうまく動かない。「…ゃ…やっ!!」「にっ、逃げたらどうなるか、分かってるやろっ!?」男は血走った目で既に興奮状態。

    2008-05-06 01:05:00
  • 108:

    のん。

    本当に少しでも抵抗したら刺されそうな勢いだ。「ホンマ…無理…っ!!」「うるさいっ!!すぐよくしたるから…ハァ、待てよっ」そう言って男は友里の服を一気に破いた。下着もナイフで着られ、友里の形の良い胸が露わになった。

    2008-05-06 01:06:00
  • 109:

    のん。

    「ぅハァ〜♪」友里の胸を見て奇妙な笑いを浮かべると、力いっぱい胸を掴み、しゃぶりついた。「痛…ッ!!痛い痛い痛い!!!!ホンマお願いっ!!グ…ッ!!」叫ぼうものなら容赦なく拳が振り落とされる。

    2008-05-06 01:07:00
  • 110:

    のん。

    胸をしゃぶりながら、男は必死にズボンを脱ごうとしている。「待て、よ、ハッ、これ、ぶちこんだるから、」興奮しすぎて、何を言っているか分からない。「俺も、嫌がってる奴、やるん初めてやから、でも、だいじょぶ」友里の下着も全て剥ぎ取り、一度マジマジと見つめるともう一度ニヤリと笑った。

    2008-05-06 01:07:00
  • 111:

    のん。

    「あ〜!!!!もう我慢できんんっ」そう叫んだと思った瞬間、その固く膨張した物を一気に友里の体に挿入した。「ヤッ、ヤァァァァァァアアッッ!!!!!」思わず悲鳴があがる。その悲鳴すら、この男には興奮材料でしかない。

    2008-05-06 01:08:00
  • 112:

    のん。

    叫ぶ度に顔やお腹を殴られた。狂ってる。殺される。たすけて、たすけてっ!!悠――――っ!!

    2008-05-06 01:09:00
  • 113:

    のん。

    その心の叫びも届く事なく、男は激しく腰を降り続ける。「イッ、クッ…ッ」「ッ!?!?それだけはヤッ!!」突き飛ばそうとしたが、体を力付くで固定され、その抵抗すら叶わず、男は果てた。

    2008-05-06 01:10:00
  • 114:

    のん。

    怖いよ…痛いよ…ッ。悠で満たされた自分を汚されたようで、自分の体が消したいほど気持ち悪い。「ハッ…ハッ…」男は友里の中からソレを引き抜く。もう抵抗する気がおきない。もう手遅れだから。ひどい絶望感で動く事も考える事もできない。ただ…、消えたい。

    2008-05-06 01:11:00
  • 115:

    のん。

    虚ろになっていく意識が、右ふとももの痛みによって引き戻された。何かと思い、痛みのする方を見てみると、先程まで男が持っていたナイフがあたしのふともものに刺さっていた。「ァッ、アッ、ア゛ァァァァァアッ!!」目にした瞬間、先ほどまでと比べものにならないくらいの激痛に教われた。

    2008-05-06 01:11:00
  • 116:

    のん。

    「お前が、悪いねん!俺の、女いじめるからっ、俺は頼まれた、だけや!!俺は、悪くない!俺は悪くない!!俺は悪くない!!」溢れ出る血を見てパニックを起こしたのか、自分に言い聞かせるようにそう叫んでいた。

    2008-05-06 01:12:00
  • 117:

    のん。

    俺の女?頼まれた?いじめた?あたしが?痛みと喪失感で頭がハッキリ回らない。その時、カサカサッと不自然に木が揺れた瞬間に男はハッと我を取り戻し、逃げるように走って去っていった。

    2008-05-06 01:13:00
  • 118:

    名無しさん

    こわい…でもきになる

    2008-05-07 17:32:00
  • 119:

    名無しさん

    めっちゃ続き気になる、、
    主さんがんばって!!

    2008-05-08 04:04:00
  • 120:

    のん。

    >>121さん
    読んでいただいて有り難う御座います。今から少しだけ載せます。

    >>122さん
    有り難う御座います。頑張ります☆

    2008-05-08 04:25:00
  • 121:

    のん。

    気が付くと、明るい光と今にも泣きそうな悠の顔が目に入った。「ゆり…、大丈夫か?」あたしの右手を強く握り心配そうに問い掛ける悠。その一言で昨日の事が鮮明に頭の中に蘇った。「やっ、嫌っ、ごめんっ、ごめっ…っ!!」昨日の恐怖でパニックになり、今目の前にいる悠にものすごい罪悪感を感じた。

    2008-05-08 04:28:00
  • 122:

    のん。

    「ごめんっ、ごめん、っく…」ただひたすら謝る事しかできなかった。汚された自分。もう悠に触れてもらう資格がないような気がしたんだ。「大丈夫、ゆりは悪くない、大丈夫」パニックに陥るあたしを落ち着かせるように強く抱きしめる悠。

    2008-05-08 04:29:00
  • 123:

    のん。

    「悠…ごめんっ、あたし…汚れてもうた…」「ゆりは汚れてへんよ」「でも…っ」「大丈夫…」「でも…悠以外の奴に…っ、無理やり服破かれ…っ、殴られてっ、中に出され…っ」「ゆりっ!!!!」あたしを抱き締める手が震えていた。「ゆり、もうええから。大丈夫やから。それ以上言うな…頼む…っ」

    2008-05-08 04:29:00
  • 124:

    のん。

    悠も辛いんだ…。ごめん、ごめんね…悠…っ。それからしばらく、2人は黙ったまま抱き締め合った。 その沈黙を先に破ったのは、あたしからだった。「悠、仕事行かな…、あ、あたしも行かなあかんな、人足りてないし…」その場の空気を変えようと、そう言って立ち上がろうとしたが、足に力が入らない。

    2008-05-08 04:30:00
  • 125:

    のん。

    「全治2ヵ月やって…」震えた声で、そう告げる悠。「ごめん、ゆり…」「悠が、謝る必要ないよ…」悠の頬に涙が伝っている。「仕事…どうしよっか…?」ホントは仕事の事まで頭が回らないんやけど、平常心を保つためにしゃべり続けた。

    2008-05-08 04:31:00
  • 126:

    のん。

    「…仕事なんてどーとでもなるから、何も考えんでええよ。新しい子も入るし」「洗濯物もたまってるし…」「俺やっとくから」そんなんどうでもいい。ただ理由を付けて悠の傍にいたいだけ。悠が傍におらんと不安でたまらんねん。汚れてしまった自分に、興味がなくなってしまうのが怖くて仕方ない。

    2008-05-08 04:32:00
  • 127:

    のん。

    「なぁ、いつ…帰れるんかなぁ?」「病院自体は3週間くらいで退院できるらしい」3週間も…。普段ならあっとゆう間に過ぎていく時間も、ひどく長く感じる。「帰ったら…悠の大好きな唐揚げ作るから…」先の約束をしておかないと消えてしまうんじゃないかと思って呟いた。

    2008-05-08 04:32:00
  • 128:

    のん。

    「たまには俺が作ったるよ」そう優しく微笑んでくれたのに、その笑顔が同情なんじゃないか?って、疑心暗鬼に陥って。『好き?』って聞きたくなったけど、その答えを聞くのが怖かった。好きだと答えられても本音かどうか疑ってしまいそうで。

    2008-05-08 04:33:00
  • 129:

    のん。

    「ゆっくり寝とき」そう言って悠は、横になっているあたしの胸の辺りでトントンと優しいリズムを刻んでくれた。なんだか少し落ち着いたが、やはり寝れるはずもなく。ただ悠に心配をかけまいと眠ったふりをした。

    2008-05-08 04:34:00
  • 130:

    のん。

    あたしが眠った事を確認すると、悠は静かに病室を後にした。一応店長とゆう立場。仕事を休む訳にはいかんもんね…。さっきまで悠に握られていた右手が寂しい。いつもなら、おはようのキス、一人で何処か行く時は行ってきますのキスをしてくれるのに、今日はなかった事が、不安になる。やっぱり汚いと思ったんだ…。って。

    2008-05-08 04:34:00
  • 131:

    のん。

    「悠さん、今日北村さんどうしたんっすか?」仕事中、急に休みになった友里を心配してトラが悠に問いかけた。「ちょっと色々あって…2ヵ月ほど休ませる事にした」「え!?何か病気ですか!?」「そんなとこかな…」「家におるんすか?」「いや、病院にいとる」「何処の病院ですか!?」トラがすごい剣幕で悠に詰め寄った。

    2008-05-08 04:35:00
  • 132:

    のん。

    「森ノ宮の…総合病院」「行ってきます!!」「待てや!!」勢いよく飛び出そうとしたトラの首根っこを掴む悠。「今は仕事中やろ。それに面会時間も終わっとる」「明日…お見舞い行っていいですか?」「………」許可を出していいものか。病気だと思っているなら、あの友里の姿を見れば疑問を抱くだろう。

    2008-05-08 04:36:00
  • 133:

    のん。

    「事故ったばっかりやから…もう少ししてから行ったって」せめて顔の腫れが引くまではそっとしといてやりたい。「事故ったんですか!?容体はどうなんすか?」「いや、右足の怪我が長引くみたいやけど3週間くらいで退院するよ」「そっ…かぁ、良かったぁ」トラは安心感から、ふぅーっと深く息を吐き生樽の上に腰掛けた。

    2008-05-08 04:37:00
  • 134:

    のん。

    「お前も好きやな」「な、何言うてんすか!?連れとして心配してんすよっ!!」友里の男である悠に対し、真っ赤な顔で目一杯否定する。「ホンマ、正直者」そう言って悠は子供に接するようにトラの頭を撫でてやった。その二人の姿を影から複雑な心境で見ていた女が一人。(やっぱりあの女、悠さんとデキてたんや…)

    2008-05-08 04:38:00
  • 135:

    名無しさん

    リアル(*´д`*)

    2008-05-08 04:57:00
  • 136:

    名無しさん

    でぶりな痛いめにあわせてな!

    2008-05-08 05:41:00
  • 137:

    名無しさん

    めっちゃ面白い?

    2008-05-09 11:20:00
  • 138:

    名無しさん

    この話フィクションやけど、里奈って実在する人間モデルにしてるよな?知り合いやわ
    せめて名前もっと弄るとかしたったら?
    本人見たら気悪いやん
    それもわからんの?

    2008-05-09 17:14:00
  • 139:

    名無しさん

    勘違いかもしれへんし、似てる性格の子なんかいっぱいいてるやん?
    決めつけるのはどうかと思うけど?

    2008-05-09 17:25:00
  • 140:

    名無しさん

    >>141
    お前のしょうもない連れなんかモデルにしてるわけないやろが。頭悪いん?世の中にりなみたいな女どんだけおる思とんねん。勝手に決め付けてカッコ悪。

    2008-05-09 17:52:00
  • 141:

    名無しさん

    勝手に思い込んで決めつけるのは良くないよ?

    2008-05-09 18:18:00
  • 142:

    名無しさん

    ↑んだんだ

    2008-05-10 00:47:00
  • 143:

    のん。

    >>138
    >>140
    読んで頂いて、感想まで下さって有難う御座います☆ゆっくり載せていきます。

    >>139
    期待に応えられるかどうかは分かりませんが頑張ります?

    2008-05-10 05:29:00
  • 144:

    のん。

    紛らわしくてすいません?里奈にモデルは居ません。なんとなく可愛らしい名前を付けただけなので同姓同名の方には申し訳ないです?

    お話に全く関係ないですがブリッコで可愛い名前なのに学生時代のあだ名が、可愛いけどイカツくもとれる「ガンちゃん」ってゆう裏設定を勝手に作りたかったので名字が岩田になりました。本当にどうでもいい設定すいません?見た目の設定も適当です?

    2008-05-10 05:31:00
  • 145:

    名無しさん

    わーい?
    私そこまで人好きになった事ないからある

    2008-05-10 05:31:00
  • 146:

    のん。

    >>137の続き、少しずつですが今から載せていきます。

    2008-05-10 05:33:00
  • 147:

    のん。

    悠が出て行ってから5時間。消灯時間も過ぎ部屋は真っ暗。今年はまだ5月だというのに何故か蒸し暑い。窓を開けていると、風は強い為ビュービューと不気味な音が聞こえた。時計の針と自分の心臓の音だけが聞こえる。いつもなら悠のトクントクンって心地よい心臓の音を聞きながら眠るのに。

    2008-05-10 05:35:00
  • 148:

    のん。

    今は自分のやけに早い心臓の音が騒がしい。見上げたって悠の顔はない。まだ数時間しか経っていないのに果てしない孤独感に支配される感覚。悠…、怖いよ、寂しいよ…っ。一人は嫌や。早く、早く逢いたい。そう思うほど、時間の経過は遅く感じる。

    2008-05-10 05:36:00
  • 149:

    のん。

    朝。結局一睡も出来なかった。悠の体の温もりを思い出そうにも“あの男”の感触が邪魔をする。いつの間にか自分の体を引っ掻いたのか、体中に傷が浮かんでいた。廊下で看護士や患者の歩く音が雑音のように聞こえる。

    2008-05-10 05:37:00
  • 150:

    のん。

    鏡を見ると、まだ腫れは引かず奇妙に頬骨の辺りが変色して膨らんでいた。そんな自分の顔を見て、また涙が出る。今まで自分の綺麗な面しか見せないように、となるべく化粧も完璧なまま悠と一緒にいたのに。こんな醜く腫れた顔を見せて…幻滅されていないだろうか?

    2008-05-10 05:38:00
  • 151:

    のん。

    本日何十回目かの溜め息を吐いた時、勢いよく扉が開いた。「悠っ」扉の方を振り返ると、そこにいたのは待ち望んでいた悠ではなく、あの女。「おはよーございまーすっ♪」「…里奈」片手に小ぶりな花束を持って現れた里奈。嫌がらせのつもりか、菊の花束だ。なんて子供じみた…。

    2008-05-10 05:40:00
  • 152:

    のん。

    「何しにきたん?」とてもこの女と話す気分にもなれなくて、あたしは冷たく言い放った。「ひどーぉ!!せっかく里奈お花まで持ってお見舞い来たのにぃ」こいつの声が余計に勘に障る。「うわぁ!!いたそーぉ♪」そんなのお構いなしに里奈はあたしの顔をマジマジと覗き込んだ。

    2008-05-10 05:41:00
  • 153:

    のん。

    「トラさんに聞いたんですけどぉ、里奈さんってぇ、悠さんと付き合ってるんですよねぇ?」頼んでもないのに勝手に花瓶の花を捨て、自分の持ってきた菊の花を飾りながら嫌みったらしく聞いてきた。

    2008-05-10 05:42:00
  • 154:

    のん。

    「応援してくれるって言ってたくせに…っ!!」そう言って手に持っていた花瓶の水をあたしにぶっかけた。「うそつき」そう言った里奈の笑顔が、どこか不気味で背中にゾクッと寒気がした。

    2008-05-10 05:43:00
  • 155:

    のん。

    そんな友里が気に入らないのか、小さく舌打ちをする里奈。「聞いてんのかブス」前髪を掴まれ、無理やり里奈の方を向かされた。いつもの里奈とは違い、1トーン低めの声で乱暴な言葉遣い。「あ、そっか。悠さん待ってるんや?ハハ♪」手を離した瞬間、里奈は無邪気に笑い出した。

    2008-05-10 05:48:00
  • 156:

    のん。

    「大変ですよねぇ、悠さんも。同情だけで傍にいなきゃいけないのも」あざけ笑うように笑いながらそう言い放つ里奈のセリフに違和感を感じた。「悠さん、あんたの事なんか気にもしてませんでしたよ♪いつもと一ミリも変わんないもん♪あんた愛されてないんちゃう?」

    2008-05-10 05:48:00
  • 157:

    のん。

    さっき感じた違和感よりも、その言葉の方がチクリと胸に突き刺さった。「あ、バイト!戻ってこなくて大丈夫ですよ♪里奈とトラさんと新人君で問題なく回せてますんで♪」もう居場所はないんだ。と言いたいんだろう。「このまま消えちゃえばいいのに」里奈はクスクスと笑いながらそれだけ言うと、病室を去っていった。

    2008-05-10 05:49:00
  • 158:

    のん。

    【いつもと変わらない】悠は喜びや怒りは素直に表に出しても悩みなんかは隠すタイプ。人に察すられるのが嫌いだから平然を装い、いつもと変わらない態度で働いているのは想像がつく。が、今は精神的に弱っているせいで、無駄な不安が広がる。

    2008-05-10 05:50:00
  • 159:

    のん。

    もしかしたら心配しているフリだけなんじゃないか?あたしの傍を離れれば、普通に働いてトラや従業員とたわいもない会話をして、家に帰れば酒を飲みながらバラエティーなんかを見て笑う。自分が居なくても、何も変わらない日々を送ってるんじゃないか?自分は悠の人生に全く参加できていないんじゃないか?そう思うと不安で指先が冷たくなってきた。

    2008-05-10 05:50:00
  • 160:

    名無しさん

    悠ってそないにいい男なのか?二人の女を狂わせるぐらい。なんか悠にムカついてきた…
    邪魔してすみません、主頑張ってください。

    2008-05-10 19:27:00
  • 161:

    のん。

    >>163さん
    読んでいただいて有り難う御座います。自身、異常な程に愛した男ほど振り返ると「何であの時あんな男に?」と不思議に思った事があるので。そんな感じです?悠はなんでもない普通の人です。

    2008-05-12 05:09:00
  • 162:

    のん。

    「…り!!ゆりっ!?」ハッと気がつくと、目の前に悠の顔があった。「ゆ…ぅ…」「どないしてんこれ?」ビシャビシャに濡れたあたしとベッド、散らばった菊の花に転がる花瓶を見て驚いた悠が心配して問いかけてきた。「里奈が…」「岩田?岩田がやったんか!?」

    2008-05-12 05:11:00
  • 163:

    のん。

    里奈なんてどうでもいい。今、目の前に悠が居る。それだけで安心して、あたしは悠に抱き付いた。「ゆり?」「帰りたい…早く帰りたいよ」ずっと悠といたい。一秒だって離れたくないよ。

    2008-05-12 05:11:00
  • 164:

    のん。

    「まだ傷も塞がってないし、すぐには無理や。あと少しだけ…我慢しよ?な?」子供を言い聞かせるように、優しく語りかける悠。もう一人の夜は嫌や。嫌でも思い出すから。嫌でも不安になるから。悠に触れている間だけ。その間だけは悠はあたしの物やって実感できるねん。

    2008-05-12 05:12:00
  • 165:

    のん。

    「悠…抱いて…」涙を溜めて呟いた言葉に悠は困惑している。「ここ病院やし…帰ったらいっぱいしよ?」自分を拒絶されたようで、サーッと血の気がひいていくのが分かる。「ゆり、愛してるから」そんな言葉、もう意味なんてない。あたしが安心できるのは、言葉なんかじゃなく悠の体を独占できる間だけやから。

    2008-05-12 05:13:00
  • 166:

    のん。

    夕方5時半。仕事の為に悠は病室を出て行く。また寂しくて怖い、長い夜が始まる―…。

    2008-05-12 05:14:00
  • 167:

    のん。

    「岩田、ちょっとええか?」仕事が始まる前、出勤したての里奈を悠は呼び出した。悠の話の内容を大体予想していた里奈は、つまらなさそうに非常階段までついて行った。風の強い非常階段、どう切り出そうか考えながら、悠はタバコに火を付けた。

    2008-05-12 05:15:00
  • 168:

    のん。

    「何で呼び出したか分かるか?」非常階段の手すりにもたれかかりながら、だるそうにする里奈に問いかけるが、里奈は頬を膨らませながら無視。「ゆりがお前に何したゆーねん?」上司としての優しい仮面を脱ぎ、明らかな敵意を向ける悠。そんな悠を見て少し恐怖を感じた里奈は、やっと反省したのか目に涙を浮かべていた。

    2008-05-12 05:15:00
  • 169:

    のん。

    「だって、悠さんゆりさんばっかり可愛がるから…」消え入りそうな声でゆっくりと話す里奈に、悠もイライラしていた。「それで、怪我人に八つ当たりしたんか?」「ごめん…なさ…」友里を助けられなかった自分への苛立ちを、ぶつけてしまいそうな衝動を必死に抑えつつも、やはり怒りを露わにしてしまう。

    2008-05-12 05:16:00
  • 170:

    のん。

    辞めさせようか。ただ、辞めさせれば人手が足りなくなるのも事実。友里が居ない今、3人でもいっぱいいっぱいなのだ。男としての思いと、店長としての思いが交差する。「もうゆりに関わるな…」「…はい」しょぼんとしながら、そう返答する里奈の姿は、反省しているように見えた。

    2008-05-12 05:17:00
  • 171:

    のん。

    が、それでは気が治まらない。「明日から、来んでいいから」男としての考えを優先した悠。「え…?」その言葉に驚き里奈は顔を上げた。「ごめんなさい!ごめんなさい!!もうしませんからっ」「ええから帰れ!!」迫る里奈の肩を押しはね悠は声を荒げた。もう謝罪も通用しないと悟った里奈は、少し立ち尽くすとトボトボとその場を後にした。

    2008-05-12 05:17:00
  • 172:

    のん。

    これで良かったのか?まだ頭で悩みながら、悠は一人煙草をくゆらせた。

    2008-05-12 05:18:00
  • 173:

    のん。

    ガン―ッ!!店内に戻ってテーブルを思い切り蹴りつける里奈。「チクリやがって!!マジありえんねんけどっ!!」自慢のセットを掻き乱して怒りを露わにする。全く反省はしていない様子だ。「悠さんも悠さんやわ!!何であんな女かばうん!?なんで里奈じゃあかんのよ!!」どんなに物に当たっても、怒りは治まらない。「絶対…絶対このままじゃ済ませへんっ!!!!」そう言い残し、里奈は荒々しく店の扉を開き去っていった。

    2008-05-12 05:20:00
  • 174:

    のん。

    この日、里奈が辞めた事で、店内はより一層忙しくなった。

    2008-05-12 05:20:00
  • 175:

    名無しさん

    楽しみ

    2008-05-13 14:20:00
  • 176:

    名無しさん

    (
    ((     /)
     ((    /)
      (\  /))
    ??( ( ヾ /ヾ)
    ??(/し/∧∧
    ?(/し//(*゚ー゚)昇
    :(/:(/ と  ノ 天
    ?(/:(/( /  し
         (//  ま
         )   し
       † (  † た
       )  ) (  :
          "∧_∧"
      "と⌒と( -д-)つ"

    2008-05-13 14:29:00
  • 177:

    名無しさん

    あげ

    2008-05-14 09:17:00
  • 178:

    のん。

    >>178さん
    感想有難う御座います☆続き載せます。

    2008-05-15 00:44:00
  • 179:

    のん。

    狂いそうなくらい冷たくて長い夜。なぁ、悠は何してる?明日になるのなんか待ってられへん。怖いよ、悠…。もう悠のおらん夜は嫌や。早く、早くあたしに会いに来て…。

    2008-05-15 00:46:00
  • 180:

    のん。

    入院して15日目の朝。ここに来てから…あの事件から一度もぐっすり眠れた夜なんてない。医者から睡眠薬を渡されたけど、飲む事ができなかった。夢の中にあの男が出てくるのが怖かったから。それに、起きている間は悠のことだけを考えていられる。悠…悠は今頃あたしのところに向かってくれてるかな?

    2008-05-15 00:47:00
  • 181:

    のん。

    離れた時間が愛を育むってホンマやね。前よりも、ずっとずっと悠の事が好きになってる。悠がおらんと苦しいもん。悠がおらんと生きていかれへん。数時間離れてるだけやのに…寂しくて仕方ないねん…。あたしってこんなに弱い子やったかな?悠、早く家に帰って悠の腕の中で眠りたいよ…。

    2008-05-15 00:48:00
  • 182:

    のん。

    友里の愛情は少しずつ、依存へと変化していく。

    2008-05-15 00:48:00
  • 183:

    のん。

    「また起きてたんか?」待ち望んだ声に思わず笑みが零れる。「悠っ」ベッドまで歩み寄ってきた悠に抱きついて悠の温もりを感じた。あぁ、悠だ。頭の中の悠じゃなく、現実の、本物の悠だ。何故だか嬉しくて泣いちゃいそうで、あたしは必死で涙をこらえた。

    2008-05-15 00:49:00
  • 184:

    のん。

    「お前どんどん甘えたなってきたな」あたしの頭をなでなでしながらはにかむ悠。「だって、寂しかってんもん…」「でも、ちゃんと寝なあかんで?クマすごいやんけ」そう言って悠はあたしの目の下にそっと触れた。悠の温もりが気持ち良くて安心する。

    2008-05-15 00:50:00
  • 185:

    のん。

    「悠と一緒じゃないと寝られへん」「アホか」おでこをコツンって合わせて優しく笑う悠の顔を見て心が少し暖かくなった。「そうや。悠、仕事の方はどう??」「あぁ、色々あってな…今ちょっとバタ付いとる」そういえば心なしか少し疲れているようにも見える。

    2008-05-15 00:51:00
  • 186:

    のん。

    「あの日、岩田辞めさせてな。今ちょっと人手不足やから」疲れ気味の悠には悪いが、やっと邪魔な女が悠から離れたと思うと内心嬉しかった。「そっか!じゃあ早く完治して戻らなあかんな」久々にあたしの心の中は晴れ晴れしていた。

    2008-05-15 00:52:00
  • 187:

    のん。

    「何笑ってんねん」表情に出ていたのか、軽くゴツンってゲンコツされた。「いや、テンパってる悠とトラの姿を想像するとつい…」なんて誤魔化してみる。「そうそう、トラといえば、あいつ友里のこと心配して見舞いきたがってたで」「マジで?そういえば入院してから一切連絡とってないわ。ってか完全に忘れとったw」そんな友里のセリフにトラが不憫になり苦笑する悠。

    2008-05-15 00:53:00
  • 188:

    のん。

    「明日連れて来たってええか?」「うん♪」親友だ、なんて思ってたのにね。事件と悠の事でいっぱいいっぱいで完全に忘れちゃってた(笑)相変わらずアホみたいに元気なんやろうなぁ。

    2008-05-15 01:47:00
  • 189:

    のん。

    第一声何て言うんやろう?「連絡せぇや!!」って怒られるかな?それともいつも通りの笑顔で喋ってくれるかな?なんし久々やし、心配してくれる人がおるって嬉しいわ♪

    2008-05-15 01:48:00
  • 190:

    のん。

    翌日。トラの反応は、予想外だった。「マジ…心配した…くっ…」いつも太陽みたいに暖かくて元気なトラの笑顔はそこには無く、そこには安堵からか子供のように嗚咽を鳴らしながら泣くトラが居た。「えっと…トラ?ごめん、な。」普段見た事の無いトラの表情に戸惑いつつも、とりあえず謝ってみる。

    2008-05-15 01:49:00
  • 191:

    のん。

    「ごめんや無いわアホォ!!!マジ何とも無くて良かった…。ズッ…」「トラ、泣かんとってや」「泣くわボケェェエっ!!」「ちょ、ここ病院やから!!声でかいからっ!!」やっぱりトラが来ると一気に病室が明るくなる。

    2008-05-15 01:50:00
  • 192:

    のん。

    「トラ、あんたって…ホンッマ!ええ奴やな☆」とびきりの誉め言葉のつもりが、トラは微妙な表情で頭をかきながら、悠は隣で吹き出していた。「え?何で!?何で笑うん!?」問いつめれば問い詰めるほど、トラはむくれて、悠は笑っていた。

    2008-05-15 01:50:00
  • 193:

    のん。

    なんだか自分にだけ隠し事されてるみたいで面白くない。「何よ、2人してぇ!!もぉーいいっ」わざとらしくプイッってしたら悠が「いやいや、トラはホンマにええ奴やなって事よ」「はぁ?」「トラはええ奴!!それだけっ!!」「ちょ、悠さんヒドいぃっ!!」悠は訳の分からない言葉で盛り上がって、何故かトラは落ち込んでいた。

    2008-05-15 01:51:00
  • 194:

    のん。

    なんだかんだ言って、この2人と居ると楽しい。恋人の悠が幸せをくれて、親友のトラが笑顔をくれる。嫌な事だって少しは忘れられる。ずっと、このままで居られたらいいのに。ずっとずっと、この大切な2人と幸せを共有していきたい―…。

    2008-05-15 01:52:00
  • 195:

    名無しさん

    サイコー?

    2008-05-15 02:54:00
  • 196:

    のん。

    >>198さん
    感想有難う御座います☆
    また今から少しだけ載せます。

    2008-05-15 17:51:00
  • 197:

    のん。

    それから一週間。傷も塞がり、検査の結果も問題なく、あたしは退院した。血液検査はまだだが、それはすぐには出来ないらしい。3ヵ月後、また病院で検査をしなければならない。どちらにしろリハビリに通わないといけないからいいんだけど。

    2008-05-15 17:51:00
  • 198:

    のん。

    「はぁ〜♪シャバの空気はウマいなぁ♪」「お前は囚人か」久々の外の空気を胸いっぱいに吸い込み、気分が少し晴れた。何よりも、家に帰れるのが嬉しくて仕方がない。もうあの長くて寂しい夜を過ごす事はなくなるのだ。悠に抱き締められて眠り、目覚めて見上げれば悠の顔がある。幸せな毎日を過ごせるんだ。

    2008-05-15 17:52:00
  • 199:

    のん。

    あたしは嬉しくなって悠の顔を見上げた。「何見とれとん?」自慢気な悠が少し可愛くて意地悪したくなる。「ん?鼻毛出てるなぁ〜って(笑)」「////っ!!!!出しとんねん(笑)」怒る悠が可愛くて、あたしは悠に飛びついた。「痛い痛い!何はしゃいどんねん、シバくぞ!」口ではキツいこと言いながらも、しっかり松葉杖を付いたあたしを抱き止めてくれる優しい悠が大好き。

    2008-05-15 17:53:00
  • 200:

    のん。

    「早く帰って悠の手料理が食べたいぃ♪」「そんな元気な奴には作ってやらん!」むくれて大人気なくそっぽを向く悠。「えぇ!?作ってくれる言うたやん!!嘘吐きぃ」「知らんっ!!」「まだ根に持っとん?鼻毛〜」「誰が鼻の毛やっちゅうねん」「丁寧に言うなやw」なんて訳の分からない会話も久々で楽しく思う。

    2008-05-15 17:53:00
  • 201:

    のん。

    「しょーもないこと言うてたら放ってくぞ」そう言いながら、車の助手席のドアを開けてくれる悠。「あれ?いつもの単車は?」「お前ギブスはめたままケツ乗る気やったんか?」この車は確か悠の実家の車のはず。わざわざ取りに行ってくれたんかなぁ?

    2008-05-15 17:54:00
  • 202:

    のん。

    「はよ乗れ」ぼーっとしていたあたしの首根っこを掴んで悠はあたしを助手席に座らせた。いつも単車の悠が、車を運転する姿はギャップがあってすごい格好良く見えて、何故か初恋でもしているかのように照れてしまった。

    2008-05-15 17:55:00
  • 203:

    のん。

    あたしは、家に入って唖然とした。きっと、家に帰ればあたしが出て行ったままの姿だと思ったのだ。「………汚っ!!!!」脱ぎっぱなしの服に散らかった本。コンビニのお弁当の箱やペットボトルの箱が散乱している。

    2008-05-16 01:10:00
  • 204:

    のん。

    男一人、3週間も放置していたら、こんなにも汚部屋になるのか…と呆然としたが、やっぱりあたしが居ないとダメだな。と思うと少し嬉しくもあった。「もぉ!少しは綺麗にしてよぉ!出したらしまう!!」自然と母親みたいな口調になってしまう。

    2008-05-16 01:11:00
  • 205:

    のん。

    悠は、そんな事お構い無しにベッドに腰掛け『ここおいで』と言わんばかりに自分の股の間をポンポンと叩いた。そのサインを見て、あたしも片付けそっちのけで悠の傍へ歩み寄る。

    2008-05-16 01:12:00
  • 206:

    のん。

    「ゆり」名前を呼びながら、おでこにチュッて優しいキスが降ってきた。「悠…大好き」おかえしにチュッって唇にキスをしたら、スイッチが入ったのか悠は服の中に手を入れてきた。

    2008-05-16 01:13:00
  • 207:

    のん。

    「待って、待って!!」このまましてしまってもいいものかと、あたしは急に不安になった。「まだ怖い?ごめん…ゆりが大丈夫になるまで待つわ」そう言って悠はすっと手をあたしから離した。「待って、違うねん…」怖いか、怖くないかと言われれば怖くないはずがない。

    2008-05-16 01:14:00
  • 208:

    のん。

    “あの男”がフラッシュバックする恐怖はあるが、それ以上に悠を感じたい。ただ…「悠は…嫌じゃない?」こんな汚いあたしとできる??“あの男”に浸食された体を抱く事が出来る?

    2008-05-16 01:15:00
  • 209:

    のん。

    そう聞きたかったけど、怖くて聞けなかった。言葉の変わりに涙が溢れそうになる。俯いて我慢していると、抱き締められて背中を優しく撫でられた。「ゆり、何を心配してるんか知らんけど、ゆりは変わってない。俺のゆりに対する気持ちも変わってないから」「悠…」嬉しくて見上げると、そこには穏やかで優しい悠の顔があった。「悠、愛してる」あたし達は、お互いの愛を確かめ合うように体を重ね合わせた。

    2008-05-16 01:16:00
  • 210:

    のん。

    悠の固いモノが薄いゴムで隔たれ、あたしの中に侵入していく。あの男に汚された部分を清めていくように。恐怖なんて微塵もない。愛があるだけで、同じ行為でもここまで安心と幸せをくれるのか。もっと深く繋がりたい。もっと悠を感じたい。悠の全てを、あたしにちょうだい。

    2008-05-16 01:16:00
  • 211:

    のん。

    もっと欲しいのに、何かが足りない。もっと一体感が欲しいねん。何で人間は個体なんだろう?液体や気体なら混ざり合う事が出来るのに。皮膚という壁が、あたし達が混ざり合うのを阻止しているような気がする。

    2008-05-16 01:18:00
  • 212:

    のん。

    「フュージョンしたい…」行為が終わり、ポツリと呟いたあたしのセリフに悠は吹き出した。悠もドラゴンボールのファンだから、フュージョンがどうゆう技なのかはすぐに理解できた。「今合体したばっかりやん?」「融合したいのっ!」無理なのは百も承知やけど。絶対に出来ない願いを口に出してみる。

    2008-05-16 01:19:00
  • 213:

    のん。

    あたしの気持ちを悠に知って欲しかっただけやけど。あたしがどれくらい悠の事を好きかって。「フュージョンして名前ユウリになるん?」「それ、いい!!」悠の提案に幸せな未来が開けガバッと起き上がったあたしに悠は驚いてキョトンとしている。「2人の子供の名前♪悠里って可愛くない?」「気早いなぁ」「絶対可愛いわ♪あたしに似て♪」「お前にかいっ!!」「嘘嘘♪悠に似た男の子やったらスポーツ万能でモテるやろうなぁ、あたしに似た女の子なら…きっとワガママなんやろうなぁw」まだ存在もしない未来の愛の結晶を夢見て、あたしは期待と想像を膨らませた。

    2008-05-16 01:21:00
  • 214:

    のん。

    「小さい一軒家で、子供は2人。悠里と…悠、友?」「パンダみたいやな(笑)」また吹き出す悠に少しムッとして「じゃあ友悠(ともはる)」って意地になる。「当て字やん」「いーの!悠に似た女の子とあたしに似た男の子がいいな♪」「夏は揃いの浴衣来て、肩車して祭りとか行きたいな」「それいい♪そんで秋は紅葉狩りして、冬はみんなで雪だるまとか鎌倉作って、春はピクニック♪」

    2008-05-16 01:23:00
  • 215:

    のん。

    「キャッチボールしたり、大きくなったら一緒に酒飲んで相談乗ったり」「娘が彼氏連れてきたり?」「うーわ!俺そんなん耐えれんわ…」まだ見ぬ未来に思いを馳せて、2人は朝まで輝かしい夢を語り合った。

    2008-05-16 01:24:00
  • 216:

    名無しさん

    めっちゃこの話すきぃ♪更新たのしみ(^-^)/

    2008-05-17 18:25:00
  • 217:

    名無しさん

    あげ

    2008-05-17 23:20:00
  • 218:

    名無しさん

    ″ちぃのしぉり?″

    2008-05-18 02:39:00
  • 219:

    名無しさん

    期待

    2008-05-18 03:14:00
  • 220:

    のん。

    >>219さん
    ありがとうございます。すごい嬉しいです(^-^)最後まで頑張ります☆

    >>220-222さん
    読んでいただいて有り難う御座います☆

    2008-05-18 17:35:00
  • 221:

    のん。

    退院から2週間が経った。筋肉が一部損傷していたせいか思っていたよりもリハビリは厳しくて辛い。神経は無事だから後遺症は残らないみたいやけど。正直、リハビリの辛さに負けそうになる時はあるけれど、毎日悠が付き添ってくれるから頑張らな!!って励みになる。

    2008-05-18 17:37:00
  • 222:

    のん。

    すいません、訂正。2週間→2ヵ月です?

    2008-05-18 17:38:00
  • 223:

    のん。

    夕方から仕事やのに、寝坊助な悠が毎日朝10時には起きて付き添ってくれるんやもん。早く治してお店手伝わな!!それに、この辛いリハビリさえ終われば、明るい未来が待っていると思っていた。楽しい職場。幸せな家庭。不変の愛。この時は、そんな希望に満ちあふれていたんだ―…。

    2008-05-18 17:41:00
  • 224:

    のん。

    「イタタタタ…」悠の帰りを待ちながら夕飯を作っている最中、下腹部に痛みを感じた。(またや…)この痛みは半年くらい前から続いている。ずっと、とゆう訳じゃなくて、ふとした時に急に痛みが走る。それがここ最近頻繁になってきている気がする。それに最近、悠との行為が終わった後、必ず出血がある。

    2008-05-18 17:45:00
  • 225:

    のん。

    なんやろうコレ?立ってられへんほど痛いって訳じゃないから対した事じゃないやろうけど…。検査の結果、STDなんかにはなってなかったし。それに出血だって前から生理不順やったしなぁ。ホンマにヤバなったら病院に行けばいっか。

    2008-05-18 17:46:00
  • 226:

    のん。

    …なんて気楽な考え方しなければ良かった。事の重大さが分かってなかったんだ。この時、すぐに病院に行っていれば…あんな事にはならなかったかもしれない…。

    2008-05-18 17:49:00
  • 227:

    のん。

    昼は病院、夜は悠が仕事の間は自宅待機、明け方になれば互いを求め合う。そんな生活を続けて3ヵ月。もう松葉杖なしでも普通に外出出来るくらい完治していた。後一回検査の為に病院へ行って、問題がなければ仕事に復帰してもいいと医師から許可が出た。

    2008-05-18 17:51:00
  • 228:

    のん。

    「あ、もうすぐ悠の帰ってくる時間や!そろそろご飯つーくろ!!っ…!?!?」立ち上がろうとした瞬間、下腹部に異常な痛みが走った。いつもなら暫くじっとしていれば治まるはずの痛みが一向に牽かない。

    2008-05-18 17:52:00
  • 229:

    のん。

    「っ…っ!!」激しい痛みで声を出すこともできない。全身から汗が噴き出して、体が冷たくなっていく。どんどん顔が青ざめていく友里。悠…助けて…っ!!友里は、激痛で意識を失った。「おい!!ゆり!!ゆりっ!!」意識を失う寸前、悠の声が聞こえた気がした。

    2008-05-18 17:53:00
  • 230:

    のん。

    目を開けると、二度と見たくないと思っていた天井が目に映った。(あぁ…まただ…)今度ははっきり分かる。また病院に戻ってしまったんだと。しかも今回は呼吸器まで付いている。でも、傍に悠の姿はない。

    2008-05-18 17:53:00
  • 231:

    のん。

    辺りをキョロキョロと見渡してみても、どこにも悠の姿はない。悠?どこ?とてつもない不安が再び友里を襲った。呼吸器…邪魔…。無理やり呼吸器を剥がして起き上がろうとしたが、力が入らない。

    2008-05-18 17:54:00
  • 232:

    のん。

    前のように足にだけ力が入らない訳ではなく、全身に倦怠感が付きまとう。「何…コレ…?」得体の知れない感覚に陥る自分の体に恐怖を抱きながらも、あたしは必死に立ち上がろうとした。

    2008-05-18 17:55:00
  • 233:

    のん。

    全身が気怠い感じなのに、さっきから下腹部だけがズキズキと痛む。腰も痛いし…。一体何なんやろう?分かれへんよ。怖いよ、悠。何で傍におってくれへんの?何処行ったん?助けてよ、悠…っ。

    2008-05-18 17:55:00
  • 234:

    のん。

    数分後、神妙な面持ちの悠が病室に入ってきた。「悠っ!!何処行ってたん!?怖かった…っ」悠が入ってくるなり、あたしは悠に抱き付いた。「……っ、ゆり…」悠の様子がおかしい。目が腫れている。「…何?悠?どうしたん?」

    2008-05-18 20:36:00
  • 235:

    のん。

    「…っ」悠は唇を噛み締め、あたしと目を合わそうともしない。「悠、何なん!?」そんな悠の態度が余計に不安を駆り立てる。「あたしの体…どっかおかしいん…?」勇気を振り絞って問い掛ける。その返答は予想も出来なかった答えだった。

    2008-05-18 20:37:00
  • 236:

    のん。

    「子宮剄ガン…の可能性があるって…」子宮剄ガン?テレビや雑誌なんかで、たまに見るくらいで、はっきりとした症状や治療法なんかは分からない。「あたし…ガンなん…?」ガンと言えば、直接死とゆうイメージは少なくはなっているが、あたしのイメージでは、薬の副作用で、やせ細ったり髪が抜け落ちたりとゆうイメージが強い。それに知識のないあたしの想像では、もう助からないような気がして、目の前が一気に真っ暗になった。

    2008-05-18 20:43:00
  • 237:

    のん。

    「念の為明日検査するらしいけど…、もしガンやとしても転移さえしてなければ、手術すれば治るって…」「治るんっ!?」その言葉にあたしは少し安心した。しかし、悠の表情は変わらなかった。「悠…?治るん…やんな?」「あぁ…、でも結果は明日にならな分からんらしいから…手術の内容も明日にならな詳しく分かれへんって…、だから今日は早く寝とけ」

    2008-05-18 20:44:00
  • 238:

    のん。

    そう言って悠はあたしの頭を撫でてくれたけど、なぁ悠…、何でそんなに泣きそうなん?何でそんなに辛そうなん?悠の笑顔は疑問と不安を焦らせるだけだった。その日、悠は病院の許可を得て、朝まであたしの手を握ってくれていた。

    2008-05-18 20:44:00
  • 239:

    のん。

    翌日、検査を受けたあたしは、結果が出るまでの間、待合室で待つことになった。「悠…大丈夫やんな…?治るよな?」悠に聞いたって分からないのに…それでも、いつもみたいに強気に『大丈夫や!!』って言うて欲しかった。気休めでも。

    2008-05-18 20:45:00
  • 240:

    のん。

    「大丈夫…大丈夫…、ゆりは、大丈夫やから…」そんなに優しい顔せんといて。そんなに切なそうな顔せんといて。まるで自分に言い聞かせるみたいに、悠は何度も呟いた。それからあたし達は喋る事もなく、お互い黙ったまま時間が過ぎるのを待った。

    2008-05-18 20:46:00
  • 241:

    のん。

    結果を聞くのが怖い。全身に転移してたらどうしよう?もう助からないって言われたらどうしよう…?例えようのない不安が頭の中を支配する。無意識に悠の手をギュッと握ると、悠も強く握り返してくれた。

    2008-05-18 20:47:00
  • 242:

    のん。

    「北村さーん、北村友里さーん」看護婦の呼び出しに体がビクついた。急激に心拍数が上がる。もう、結果が出たんだ。もう、分かってしまうんだ。心臓が脈打ちすぎて、うまく呼吸ができない。目の前がくらくらする。聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない…っ!!

    2008-05-18 20:48:00
  • 243:

    のん。

    「…ゆり?」気付くとあたしはしゃがみ込んでいた。行かなきゃいけないのに。結果を聞かなきゃいけないのに。足が動かない。「ほら、立てるか?」あたしはどうにか、そっと差し伸べてくれる悠の手を取って立ち上がる。足が軽く震えている。

    2008-05-18 20:48:00
  • 244:

    名無しさん

    おもしろい
    期待してます(*ゝωб*)

    頑張ってください(*´I`人

    2008-05-18 21:31:00
  • 245:

    名無しさん

    あげ??

    2008-05-19 00:08:00
  • 246:

    名無しさん

    ゅーしおり

    2008-05-19 16:50:00
  • 247:

    のん。

    >>248さん
    ありがとうございます☆期待に添えるかは分かりませんが頑張ります?

    >>249-250さん
    読んで頂いて有り難う御座います?

    今から少し更新します。更新した後、少し説明挟みます??

    2008-05-22 07:09:00
  • 248:

    のん。

    素人でも、ハッキリ分かるくらい白い影が写ってる。あぁ…あたし、本当にガンなんだ―…。それだけでも目の前が真っ暗になるくらいなのに、医者は愕然とするあたしをよそに説明を始めた。

    2008-05-22 07:11:00
  • 249:

    のん。

    「北村さんの病名は子宮頸ガンと言って、この病気は…」【子宮頸ガン】その言葉だけで脳がいっぱいになった。医者の話がノイズのようにしか聞こえなくて、全く入ってこない。「北村さん?」「…!!はい」突然医者に名前を呼ばれ、現実に引き戻された。

    2008-05-22 07:15:00
  • 250:

    のん。

    「今回転移は見られませんでしたので、手術だけで治す事が出来ると思います。ただ…」一瞬パァーっと光が目の前に戻った気がしたが、医者の“ただ…”に続く言葉にゴクリと息を飲んだ。「北村さんの場合進行が早く、子宮全体に広がっているので子宮全摘出とゆう手術になります」

    2008-05-22 07:16:00
  • 251:

    のん。

    「え…?」あまりに淡々と言うものだから、すぐには理解できなかった。子宮摘出…?「残念ですが、子供を産む事は…」「う…そ…」また目の前に闇が広がった。全身の血の気がひいていく。もう自分が息をしているのかさえ分からない。

    2008-05-22 07:17:00
  • 252:

    のん。

    嘘やろ…?妊娠できへんとか…。悠の子供を産まれへんとか…っ。「嫌やっ!!手術なんかせぇへんっ!!」あたしは立ち上がって叫んだ。「ゆりっ!!落ち着けっ!!」「北村さん、手術をしなければ、病気は進行する一方で…」「嘘やっ!!」もう何も言わんといて…っ。そんなん聞きたくない…っ!!お願い、誰か…嘘やって言うて…っ。

    2008-05-22 07:17:00
  • 253:

    のん。

    悠に押さえ込まれ、医者は一息吐くと、また説明を始めた。「とにかく、手術は早いに越したことはないので、すぐにご家族の承諾をお願いします」

    2008-05-22 07:18:00
  • 254:

    のん。

    病室に戻っても、涙は止まらなかった。ただただ泣き続けて、悠はそんなあたしを見て悔しそうな顔をしながら、あたしを抱き締めた。「なぁ、悠…っ、2人の赤ちゃん…、できへんって…っ」「あぁ…」「あんなに…語り合ったのに…っ、…くっ、悠里を産む事できへんって…っ」

    2008-05-22 07:19:00
  • 255:

    のん。

    「仕方ないよ…」仕方ない?それだけで済ませられるの…?あたしは無理や…。【仕方ない】なんて割り切られへん。諦められへんよ…っ。だって、楽しみやってんもん。それがあたしの夢やってんもん。その夢だけが、あたしの全てやってんもん。あたしと悠、2人の子供。2人の愛の結晶。

    2008-05-22 07:20:00
  • 256:

    のん。

    その幸せが、一気に崩壊した。「悠…悠っ、赤ちゃん…欲しいよ…っ」「ゆり、俺はゆりの体の方が大事やねん。だから…手術受けよう?」無理や…っ、あたしは自分の体より、まだ見ぬ悠の子供の方が大事やねん…っ。悠の赤ちゃんが欲しい。2人の愛の結晶が欲しいねん…っ。

    2008-05-22 07:21:00
  • 257:

    のん。

    「ゆり、子供なら養子だって…」「嫌やっ!!2人の子供じゃないと意味ないねんっ!!!!」あたしは、もう何も聞きたくなくて布団に潜り込んだ。子供っぽいと言われてもいい。ワガママだと言われてもいい。そんな現実を受け止めるくらいなら…。

    2008-05-22 07:21:00
  • 258:

    のん。

    「ご両親に…連絡入れてくる…」そう言い残し、悠は病室を出て行った。何で!?何で分かってくれへんの…っ!?悠だって、あんなに楽しみにしてたやん…っ。何で悠はそんなあっさり諦められるん!?悠は、あたし達の子供欲しくないの?なぁ、悠…もう分かれへん。悠が何考えてるんか分かれへん…っ。もう何も考えたくない。もう…疲れた…。

    2008-05-22 07:22:00
  • 259:

    のん。

    あたしは、引き出しからハサミを取り出し手首にあてた。夢が叶えられへんのやったら…、もういっそ…っ。ハサミを持つ手に力が入る。しかし、意思に反し手は震え出す。「…っ!!」友里は、思いっきりハサミを手前にひいた。ジワジワと血が溢れ出す。

    2008-05-22 07:23:00
  • 260:

    のん。

    「…っく、何で…、何で死なれへんのよ…っ!!」一瞬躊躇した事で、傷は浅く、動脈まで届かなかった。怖いよ…死ぬのも、生きるのも。悠…、あたし…どうしたらええの…?

    2008-05-22 07:23:00
  • 261:

    のん。

    病室に戻ってきた悠は、あたしの手首を見て驚いてナースコールを押した。泣きながら、あたしを説得してた。でも、耳に入らなかった。断片的にしか記憶がなくて、あたしはただボーっとしていた。生きる事も死ぬ事もできない。もう、何も考えられへん。何もしたくない…。

    2008-05-22 07:24:00
  • 262:

    (^O^)

    アゲ♂??

    2008-05-23 02:45:00
  • 263:

    名無しさん

    あげ

    2008-05-25 21:41:00
  • 264:

    名無しさん

    続き楽しみにしてます。

    2008-05-27 07:25:00
  • 265:

    名無しさん

    ?

    2008-05-29 09:49:00
  • 266:

    のん。

    >>266-269さん
    感想&あげて頂いて有り難う御座います☆

    ちょっとハイペースだったので、これからは週1くらいで、ゆっくり更新していきたいと思います。

    2008-05-30 01:29:00
  • 267:

    のん。

    看護士さんが止血して、部屋の刃物やコードは全て取り上げられた。自殺防止の為だ。生きてて何がある?もうあたしには何もない。幸せな未来も、夢も希望も…。それから、友里は抜け殻のようだった。

    2008-05-30 04:11:00
  • 268:

    のん。

    数時間後、両親が来た気がする。お母さんは泣きながら謝り、お父さんは黙って「帰って来い」とだけ言っていた。完全にうろ覚えで、まるで夢の中みたいだった。映像で見る第三者みたいな。錯乱する母を悠が説得して帰していたのは覚えてる。あぁ…あたし、親不幸者だなぁ…。なんて思いながら、あたしはじっとその光景を見ていた。

    2008-05-30 04:12:00
  • 269:

    のん。

    いつの間に親が承諾したのか、手術の日がやってきた。もう抵抗する気力もない。今まで散々抵抗してきた。泣きわめいたり、病室をめちゃくちゃにしたり、点滴を振り回したり。その全てが無駄だった。みんな、憐憫の目であたしを見ている気がした。

    2008-06-04 23:57:00
  • 270:

    のん。

    その目が怖くて、もう誰の目にも止まりたくなくて、あたしは病室に閉じこもった。医者と看護士以外、誰も入れないようにして。手術の直前、悠が病室にきた。「ゆり…辛いやろうけど…頑張ってくれ」悠、悠にあたしの辛さが分かる?女性の一番大事なところ無くすあたしの気持ちが分かる?

    2008-06-04 23:58:00
  • 271:

    のん。

    そんな簡単に辛いやろうけど…なんて、頑張れ…なんて言わんといて。「もう…あたしには何もない…頑張る事なんか出来へんよ…っ」また涙が溢れそうになる。悠は、あたしの手を強く握った。「俺がおる…それじゃあかんか?」その言葉が、強く握られた手から流れ込んできた気がした。

    2008-06-04 23:59:00
  • 272:

    のん。

    悠…そう言ってくれるんは嬉しいけど…、あたしとおっても家庭は築かれへんねんで?分かってる?自分の子には逢われへんねんで?あたしは…悠の子供に逢いたいよ。2人の子供を抱きたい。でも、それは叶える事の出来ない願い。どんなに神様に願ったって、もう手遅れなんや―…。

    2008-06-05 00:00:00
  • 273:

    のん。

    手術室に入るまで、悠は隣にいてくれた。なぁ、悠。その涙は何の涙なん?愛情?心配?絶望?憐憫?同情?分かれへん。もう、何でもいい。ホンマに傍にいてくれるなら。なぁ…悠…、こんなあたしでも、これから先も…愛してくれる…?

    2008-06-05 00:01:00
  • 274:

    のん。

    麻酔が打たれ、看護士が数を数えている間に、あたしは意識が無くなった。手術中、夢を見た。あたし、悠、2人の子供達。4人でピクニックに行く夢。幸せで…暖かい…叶える事の出来ない残酷な夢。もう、あたしにはこんな幸せを築く能力はない…。もう、あたしには悠しかいないんだ。悠だけが…あたしの全てなんだ―…。

    2008-06-05 00:02:00
  • 275:

    名無しさん

    あげ

    2008-06-10 23:56:00
  • 276:

    名無しさん

    かいて〜?

    2008-06-28 03:51:00
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