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?母の日?

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  • 1:

    2008年5月11日。 あたしはまた1人    1人になってもう3年目             『母さん、ありがとうな』            遠い思い出。      だけど凄く近くに感じる時があったりする…。   本間にごめんなって   今になってからじゃ遅くてあたしはまた腕の傷を見て泣くわけ。                   父も兄弟も友達も必要ない            母さんが笑ってくれるから

    2008-05-12 21:22:00
  • 4:

    3年前―……                  あたしはケーキを内緒で用意していた。      母子家庭のあたしの家ではあたしの誕生日とクリスマス以外はケーキなんか食べへんかった。                  あたしは今まで母の誕生日を知らなかった。    そんな事ってあるん?って言われるかもしれないけど本間の話。       普通の家庭では親に興味がないから誕生日を知らへんっていうのはあると思う。            でもあたしの家では母さんが自分の誕生日を教えてくれへんかった。     だから母の日が誕生日みたいになっていた。                『何でなん?』     って聞いた事はやっぱりあるわけ。        『母さんには誕生日なんていらへんねん。     母さんが主役の日は―… せやなッ!母の日だけでいいねんよ!』      と笑っていたのを覚えてる            だから母の誕生日にケーキを食べた事が無かった。 でもこの年の母の日には あたしが初めてケーキを買った。         母の日でもケーキは食べなかったけどこの日はバイトが終わってプレゼントを買って花を買ってケーキを家に持って帰る予定だった。            プレゼントなんて小学生の時に作った『肩叩き券』位            初めてと言って良いほどのプレゼント。      やっぱり人にあげる時ってドキドキするもんなんだなぁって実感した。

    2008-05-12 22:00:00
  • 5:

    『すいません』     『はい』        『これ頂けますか?』  『新しい物をお持ちしますので少々お待ち下さい』             本間にドキドキした。  母がどれだけ嬉しそうな顔をしてくれるんだろうとか喜んでくれるかな…とか。いっぱい考えた。    女の人が持ってきてくれてそれを買った時何か凄い事をしている気分でかなり不思議な事だった。                それから花を見に行った。花屋さんには大行列。  明らかに忙しそう。   あたしはとても可愛い花を見つけた。       小さいカーネーションが4つ位咲いていて小さな白い花が何本か刺さっている小さな花束。       それでも充分可愛くて  きらきらして見えた。              あとは予約していたケーキを持って帰るだけ。   ケーキ屋さんのまわりもやっぱり人が沢山いて何だか少し寂しくなった。               ケーキを貰って帰る。  自転車でケーキが崩れないように走るのはやっぱり大変でかごの中にタオルを敷いて走った。

    2008-05-12 22:24:00
  • 6:

    帰る最中母にメールを送る『今から帰るわなぁ』  やっぱりすぐに返事が返ってきた。        『うん』        ハハッ―…思わず笑えた。 何やねん『うん』て…… もう少し何かないんかいなんて思いながら自転車をこいだ。         3年前の母の日も    こんな感じの爽やかな風が吹いていたと思う。               家に帰る最中―…    家までもう少しだったのに            プルルル―…プルルル―                携帯に着信。      自転車を1度止める。  《奏太》        父に着いて行った兄からの着信。         今まで電話なんてした事無かったのに―…                 『もしもし―…?』   何だか電話の向こうがうるさい。         ピーポーピーポーって―… 『母さんが…死んだ』  『…は?』       奏君が口にした言葉はあたしの思考回路を停止させた            『母さんが死んだんだよ』何回聞いても脳の1番奥には聞こえない。     『何…が?』      あれ…?        あたし何や日本語が理解出来へんわぁ―…                 あたしは1つ気がついた。携帯の向こうで鳴っていたサイレン―…      …今…目の前を通ったよ?まさか―…       あたしは携帯に叫んだ。             『病院はッッ!?』    目は涙で霞んで見えない。『〇〇〇病院!』    『………ッ』      あたしは何も答えず携帯をきってポケットに突っこんだ。

    2008-05-12 22:59:00
  • 7:

    もう救急車の姿は見えなかったけどサイレンの音だけは遠く離れても聞こえていた。          ピーポーピーポーって―…

    2008-05-12 23:02:00
  • 8:

    そこから先はあまり覚えていなくて―…      多分無我夢中で走ったんだろうな…。       気が着いたら父さんと奏君が病院の外に立っていた。            『夏海ッ!』      あたしは奏君の服を思い切り引っ張った。     『何があったんだよッ! あたしがいない間に何が起きたんだよ―…』    段々と自分が現実に戻されていく気がして涙がとまらなくなっていた。                『夏海…母さんに会おう』『……いらないよ』   あたしはきっとその瞬間、世界で1番あたしが不幸な女の子なんだと思ったんだろうね。                    父さんに肩を抱かれて病院に入った。       目から涙は止まらなくて、ずっとずっと泣いたままで通り過ぎる人達も皆心配してくれて―…      人間って優しいんだなって事に気付いたわけ。   あたしは弱いからね…。             奏君は泣かなかったよ。 きっと家に帰ってからめいいっぱい泣くんだろうね。父さんも母さんと離婚する位なんだからそんなに好き同士じゃなかったのかもしれないけれど―…                本当に一生逢えないんだよ            きっと泣くよね。

    2008-05-13 00:27:00
  • 9:

    名無しさん

    泣ける。
    頑張って下さい

    2008-05-13 00:32:00
  • 10:

    あたしに家族って呼べる人は母さんしか居ないんだ。これからどうすればいいのかなぁ―…       一気に深い深い闇の中に 落とされた気分で……  本当に死んでしまえたら良かったのにな―あたしも―            プレゼント―…     渡せなかったよ…    無駄になっちゃったな…。どうしようか。     これから…あたしは…              また意識が遠退いていた頃奏君の声で目が覚める。             『夏海…母さん―…』  部屋の前にいた。    『慰霊室』       母さんは…死んだんだ  ごめんね…。      家にいたら良かったよね…            警察の人が扉を開けてくれたの。         目の前にはさ白い布を被った誰かが寝ていた。   一気に吐き気がして―… うずくまっちゃって―……世界は終わったんだって 実感したんだよね…。              母さんは…死んだの…?

    2008-05-13 00:36:00
  • 11:

    ありがとうございます??            下手くそな書き方で   すみませんm(__)m???

    2008-05-13 00:38:00
  • 12:

    奏君があたしを支えていなければあたしはきっと床に倒れてしまっていたと思う            少しずつ『誰か』に近付けられていく。      怖くて―…       あたしは何をしたと思う?            カバンに入れてあった  剃刀でね        腕を切っちゃったわけ―…            今までリストカット何かした事なくてさ、する人の気がしれないって思ってたんだけど…        いざ心が不安になると  自分を傷つけちゃうんだね            痛みは感じなかったよ―…            周りにお医者さんが集まってきて…        奏君と父さんに怒鳴られて            あたしの目には     『誰か』が映っていた。 皆が慌てて暴れているせいで『誰か』の顔にかかっていた布が落ちた―…   間違いなく母さんでね… その瞬間…意識を失った…

    2008-05-13 00:46:00
  • 13:

    今度は目を覚ますと   真っ白な世界にいた。  これは嘘なんかじゃなくて本当の話で―…     母さんが笑ってるわけ… あたしを見て      奏君を見て       父さんを見て―…    本当は家族が大好きだったんだよって話をしてくれて            あたしの頭を撫でながら 泣いてるわけ―…    『大好きやで。自分を傷つけるような事はせんといて?お願いやから…なぁ』 って泣いてるわけ―…              死んじゃっても見えてる物なのかなって思って―… 夢の世界ではあたしは泣けなくて…        母さんの手の平を擦って 『ごめんな―…』    って言うことしか出来なくて…                      『母の日おめでとう―…』って伝えた瞬間…    母さんは微笑んで消えた。            目を開けたら      奏君と父さんがいて…  本当に迷惑をかけたと反省した。         だけど母さんは居ないんだって本当の世界に戻されてあたしの目は死んだ魚みたいになっていくわけ。              奏君も父さんも     あたしに触れなくなって…怖くなったんだろうね。

    2008-05-13 00:55:00
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