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脇役人生

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  • 1:

    ◆kwxN.50DVg

    胡蝶蘭や薔薇や百合の豪華な花束の中で、その花束が一段と輝いて見えた。

    ──その花束の意味を、私は誰よりも知っているから。

    2008-05-16 13:01:00
  • 2:

    ◆kwxN.50DVg

    「陽菜はホンマに可愛いなぁ。」
    物心ついた頃からこの言葉は毎日のように聞いてきた。【陽菜】とは私の双子の妹のこと。まったく同じ顔をしてるのに「葉菜は可愛い」と言われた事がなかった。
    双子特有の色違いの服は、私は黒で陽菜は白。いつからか自分で服を買うようになっても、黒しか着れなくなっていた。

    2008-05-16 13:09:00
  • 3:

    ◆kwxN.50DVg

    近所のおばさんが、私たちを見て「2人とも可愛いね」と言ってくれた。
    調子に乗って家に帰って「ママ〜。はぁちゃん可愛いって言われたね。可愛い?」と聞くと、
    「違うよ、あのオバチャンはひぃちゃんの事を言ったんだよ」と冷たい目で答えた。

    2008-05-16 13:13:00
  • 4:

    ◆kwxN.50DVg

    中学生になって、1つ上の先輩に告白されて付き合う事になった。

    毎日ウキウキして下駄箱で先輩と待ち合わせして帰った。

    ある日突然、「葉菜ちゃんと陽菜ちゃん間違って告白して、言えんまま付き合っててん」と言われフラレた。

    陽菜は明るく「はぁちゃんゴメンねっ。陽菜、先輩と付き合ってんねん」と言った。

    2008-05-16 13:18:00
  • 5:

    ◆kwxN.50DVg

    それから陽菜とあまりクチをきかなくなった。家の中は、両親と陽菜vs私。みたいな状態になり、両親も必要最低限の会話しかしてくれなくなった。

    かげで「陽菜1人で良かったのに。」と言っていたのを聞いてしまい、ショックで家出をした。

    2008-05-16 13:20:00
  • 6:

    ◆kwxN.50DVg

    学校の近くの公園で過ごしていると、うるさい原付の音が聞こえてきて男女数人が入ってきた。

    「あれ?あんたウチの1年ちゃうん?葉菜陽菜の葉菜やろ?」

    それから声をかけてきたミカコさんと仲良くなって、悪い事をいっぱいした。

    2008-05-16 13:24:00
  • 7:

    2580

    喧嘩、カツアゲ、ひったくり、万引き、暴走、シンナー全部ミカコさんに教えてもらい、学校には毎日遊びに行ってた。家にはあまり帰らなかったが両親は何も言わなかった。
    陽菜は「はぁちゃんヤンキーしてるから陽菜マデ友達へるやん!」と言われたが、『はぁ?なんやねん文句あるんかコラ?どついたろか』と言うと、泣いて部屋に戻っていった。

    2008-05-16 13:27:00
  • 8:

    ◆kwxN.50DVg

    中学を上がると同時に父に「これあげるから出ていけ」と言われ、100万円渡された。無言で受取りその日のうちに家を出た。
    全部0からスタートしようと思い、アスファルトの水溜まりに携帯を棄てた。

    ──そして産まれ育った兵庫の街を出た。

    2008-05-16 13:32:00
  • 9:

    ◆kwxN.50DVg





    2008-05-16 13:33:00
  • 10:

    ◆kwxN.50DVg

    ─大阪。とりあえずひっかけ橋に行った。1人でボーッと道頓堀の川を眺めていた。
    「ねーチャン暇してるん?アソボやぁ」声をかけてきたのは2人組の若い男。話しかけてきた方の名前はタカ。黙ってるキャップの男は隼人といった。
    私は隼人の服を掴んだ。
    タカ「なんや隼人狙いか〜。しょおもなぁー」

    2008-05-16 18:55:00
  • 11:

    ◆kwxN.50DVg



    『エッチさしたるから今日泊めて?』

    2008-05-16 18:56:00
  • 12:

    ◆kwxN.50DVg

    ハヤト「は?バカにすんなよ。クソガキに盛るほど落ちぶれてへんのじゃ。おいタカ!行くぞ。」

    隼人は私をふりほどいて行ってしまった。隆はこっちをチラチラ見て申し訳なさそうな顔をしながら、隼人についていった。

    周りのギャルが私を見て「かわいそ〜」と笑っていて、恥ずかしくなった。

    2008-05-16 19:00:00
  • 13:

    ◆kwxN.50DVg

    はぁ〜。大きい溜め息とともに、夕日で赤く染まっていく道頓堀を眺めて途方に暮れた。

    だんだん夜になってこれからどうしようか悩んでいると、スーツを着た男が寄ってきた。

    キャバクラのスカウトだった。田舎ものの私には別世界で、怖くて…何も言わないでいると腕を引っ張られた。

    2008-05-16 19:04:00
  • 14:

    ◆kwxN.50DVg

    「ソイツこわがってるやんけ兄ちゃん。離したれや」


    振り返るとさっきのキャップ男がいた。
    『あ…はやと!』

    2008-05-16 19:06:00
  • 15:

    ◆kwxN.50DVg

    ハヤト「おークソガキ。よぉ名前覚えてたなぁ。ずっとここおったんか?」

    昼間とは違い優しく笑ってる隼人に安心して、私は泣いた。もうスカウトはいなくなっていた。

    「おい泣くなや。俺が泣かしたみたいやんけ!」

    2008-05-16 19:09:00
  • 16:

    ◆kwxN.50DVg

    『あたしっ、家追い出されてっ行くとこなくてっ、お願い今日一緒におって!お金あげるから…っ!』

    隼人は少し黙った後に
    「金トカちゃうって。お前。ホンマあほ。俺で良かったなぁ。」と言って私の手を引っ張った。

    2008-05-16 19:12:00
  • 17:

    ◆kwxN.50DVg

    よくわからないミナミの街を数分歩いてついたのはラブホテル。

    ─なんや。やっぱえらそうに言ってもやるんやん。

    「ここでええか?」私は黙ったまま頷いた。

    2008-05-16 19:14:00
  • 18:

    ◆kwxN.50DVg

    部屋に入り、ソファに腰をかけると隼人は服を脱ぎだした。
    「俺んち無理やからな、今日はココで我慢せぇよ。明日なったらツレ紹介して住むとこどないかしたるわ。」

    そう言うとさっさとお風呂に入りに行った。お風呂から出てきた隼人に、お前も入ればと言われてシャワーを浴びてバスタオル姿で出た。

    2008-05-16 19:17:00
  • 19:

    ◆kwxN.50DVg

    「アホ!なんで裸やねん!服きろや!」

    『え?やらんの!?』

    「誰がやるか!ボケ」

    2008-05-16 19:18:00
  • 20:

    ◆kwxN.50DVg

    『…あ!インポ?』

    「殺すゾ」

    『冗談やん。』

    2008-05-16 19:19:00
  • 21:

    ◆kwxN.50DVg

    「冗談は笑って言えよ。ちゅか手ださんからな。」

    それから私はベッド、隼人はソファで色々話をした。隼人は25歳で現場仕事をしてるらしい。そして私はまったくタイプではないらしい(笑)

    朝まで喋って、「俺仕事行ってくる。お前ココおれや。仕事終わったら戻ってくるから」と言って出て行った。

    2008-05-16 19:23:00
  • 22:

    ◆kwxN.50DVg



    ──あの時なんで私みたいなクソガキに優しくしたん?あんたと出会って恋して、私やっと主役なれるって思ってんで?───

    2008-05-16 19:27:00
  • 23:

    ◆kwxN.50DVg





    2008-05-16 19:32:00
  • 24:

    ◆kwxN.50DVg

    次の日。隼人に紗季さんを紹介された。
    サキ「ハジメマシテ、紗季です。お名前は??」すごく美人でビックリした。
    『葉菜です。』
    ハヤト「お前ハナってゆうんか。知らんかったわ。」

    2008-05-16 19:37:00
  • 25:

    ?

    楽しみにしてます?

    2008-05-17 07:04:00
  • 26:

    ◆kwxN.50DVg

    紗季サンは隼人の妹の友達らしい。住むところが決まるまで紗季サンの家に住ませてもらえることになった。
    隼人が帰った後、私達は簡単な自己紹介をした。
    サキ「隼人クンめっちゃイイ人やろ?」
    ハナ『はい。初対面やのにメッチャ良くしてくれて。紗季サンも。大阪ってホンマ熱い人ばっかりなんですね。兵庫には居ませんもん』
    サキ「それほめすぎやぁっ」

    2008-05-18 03:45:00
  • 27:

    ◆kwxN.50DVg

    しばらく話した後、もう寝ようと布団に入った。電気を消した後、紗季サンが小さな声で「隼人クンに惚れたら傷つくよ、葉菜ちゃん…」と言った。『…え?』と聞き返すと、もう寝息が聞こえてきて、気になりながらも眠りについた。

    朝、といっても昼過ぎに目が覚めるとすごくいい匂いがした。
    サキ「あ、葉菜チャン起きたぁ?朝御飯たべよっか」

    2008-05-18 04:08:00
  • 28:

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    あぼ~ん
  • 29:

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    あぼ~ん
  • 30:

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    あぼ~ん
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