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◆消えゆく夜に◆-三香子-
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1:
(´・ω・`)
「おかぁさん……」2008-05-18 16:39:00 -
2:
(´・ω・`)
三香子は、力無く目の前の暗闇に呼び掛けた。
それだけで、小さい身体には鋭い痛みが走った。
(いたいよ…おかぁさん…おかぁさん)2008-05-18 16:48:00 -
3:
(´・ω・`)
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今日も、三香子を始め多くの人間が当たり前の日常を当たり前に消化しようとしていた。
…午前7時40分までは。2008-05-18 16:52:00 -
4:
(´・ω・`)
ある人は徹夜で仕上げた書類をチェックしていた。
ある人は学校へ行く支度をしていた。
ある人は恋人とSEXしていた。
ある人はまだぐっすりと眠っていた。
2008-05-18 16:56:00 -
5:
(´・ω・`)
三香子は朝ごはんのキャラメルマフィンを小さく千切っては口へ運び、千切っては運びしながら、とりつかれたように早朝アニメを見ていた。
キッチンでは父親である一馬が、「ほらほらマフィンのくずが絨毯に落ちてるよ、テレビ見るかごはん食べるかどっちかにしなさい!」と、コーヒーをいれながら少し困ったように笑っている。
2008-05-18 17:05:00 -
6:
(´・ω・`)
三香子は「はぁい」と生返事をしながら、そろそろ佳境にさしかかるアニメに目を奪われている。
しかし、一馬はそんな三香子が可愛くて仕様がなかった。
三香子は40代でやっとできた一人娘であったし、今となっては世界で二人きりの血を分けた家族だ。
2008-05-18 17:11:00 -
7:
(´・ω・`)
母親のミサとは、一年前に離婚してから連絡もとっていない。
ミサは一馬より十も年下の、美人で気が利き、周りから羨まれるほど良い女だった。
しかし、共に生活をする上でどうしても目を瞑れない問題が起きてしまった為に、一馬は優先順位を決めなければならなくなってしまった。2008-05-18 17:19:00 -
8:
(´・ω・`)
その結果が離婚だった。
しかし、一馬は三香子の笑顔を見る度に、三香子の成長を感じる度に、自分は間違っていなかったのだと、三香子の与える暖かな幸せに浸っていた。2008-05-18 17:27:00