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  • 1:

    ◆NedEI85Yxg


    『ピエロみたいに笑ってたくない?ずーーっと!』


    ――――今でも、いつかのアイツの言葉を思い出す。

    2008-05-29 05:42:00
  • 101:

    あの時の思いに名前を付けるなら、まさに"絶望"だと今になって思う。

    子供だった自分。自分達を取りまく全てが大きく感じて、押しつぶされそで。目の前の事に必死で、せいいっぱいで。それを見て嘲笑う憎かった大人達も、きっとアタシ達が思うほど大人じゃなく、彼等が思うほど自分達も子供じゃなかった。

    その証拠にほら。未だに"答え"なんて見つからない――。

    2008-06-18 05:48:00
  • 102:

    左胸の上を六針、縫った。それが終わり、病院のベッドに横たわるアタシの血まみれの顔を、実好は濡れタオルで丁寧に拭いていた。
    『…泣くな、ルイ。俺がお前の事守るから。今度こそずっとお前のそばおるから。…しばらく片瀬とは距離置いて、俺んとこ来い。…それで元気なって、また迎えに行ったらいいやん?な?』

    実好のその言葉に、アタシは頭が空っぽのまま、力無く頷いた。いつかの、アヤみたいに―――…。

    2008-06-18 06:00:00
  • 103:


    本当に、本当に…あれが最後だなんて思ってもみなかった―――。

    もしも、もしも、こうなる事がわかっていたなら、あの時。迷わずアタシは――――――――――――………………。。

    2008-06-18 06:05:00
  • 104:



    とにかく、"あの日"がアヤと過ごした最後の日になった―――。

    2008-06-19 04:14:00
  • 105:




    *******

    2008-06-19 04:15:00
  • 106:

    『はあ…と。』

    立ち上がり伸びをした。あれから月日が流れ、アヤの居ない日々を過ごしてきた。そして今。少しは成長したのか、器用になったのか…一人でも、淡々と生活出来る様になってる。良く笑うし良く食べる。不安や不満もコレと言ってないが、逆にコレと言ったものが何も無い。

    でも、コレでいいのかな。

    2008-06-19 04:21:00
  • 107:

    携帯を開くと、愛理からメールが入っていた。
    「ルイちゃあん(>_

    2008-06-19 04:33:00
  • 108:

    『はよーざいまッッす。』店に着くと中はガラガラで、適当に女の子達と会話を楽しんでいた、矢先。『いらっしゃいませー!!』店の扉が開いた。

    『ルイちゃんで♪』

    〈ぅげッッ―…!〉一人堂々とボーイにそう告げたのは、愛理の"彼氏"、拓真クン。まじかよ、なんか面倒くさそやなあ…。『てかなんでアタシ?』ぶつぶつ言いながらも渋々、いつも通り笑顔で席に着いた。

    2008-06-19 04:40:00
  • 109:

    『ハニーは休みやぞぉッッ!残ね〜ん♪』無駄にハイテンション。あんまり好ましくないから、人の"客"は。『知ってるよ♪今日はルイちゃんと飲みたいなと思って。笑』…とゆうかこの人が。拓馬クン…。なんかややこしそな人やなあ。。『お〜相談なら乗るよおー♪笑 そんかしなんか頂きまーす♪笑』こうなったらノリに持ってっちゃえ!的なアタシに、彼の第一攻撃。『何飲みたい?名前にちなんでルイいっとく?笑』『いいのお〜?笑 ありやっすう♪』と笑うアタシの太ももに伸びてくる手。近づいてくる唇。そして耳元で囁く。
    『…ほんまにいいよ?雪辞めて俺にしてくれたら。』

    2008-06-19 04:52:00
  • 110:

    『……。』しばしの沈黙。『…それは…迷うなぁ〜♪笑』ニッコリ笑う。太ももにある拓馬クンの手をソッとのけながら。『…ま、今すぐにとはいわんよ♪笑 とりあえず今日はシャンパンでものもか?俺、ルイちゃん気になるから。』怖いモン無しかの様に言ってのける彼は笑顔。おいおい待て待て。営業前になに営業しに来てるカナ…はぁ。これやからホストは困る。『愛理にチクろ〜っと♪笑』言いながら席を立ち、リストに向かった。
    『なんかちょっとイラッてしたしな!笑』『え?降りたの?』そばにいたボーイさんに生ぬるいピンドンを渡し席に戻る。面倒くさい事する罰じゃヽ(*`Д´)ノ

    2008-06-19 05:05:00
  • 111:

    『頂きまあす♪笑』
    『…さすがやね。笑』

    飲む、飲む。あぁ!…厄介。店内がガラガラなせいもあって女の子達がこっちを見て何やらヒソヒソ言ってるやんか。はあーあ…『気になる?周り。笑』『別に。拓馬クンがかっこいいからみんな見るんやわ♪笑』………あほ。やたらニヤニヤしながらアタシの顔見てくる拓馬クンを見て思う。"何企んでる?"絶対わざと。昨日"愛理の男"と言わんばかりに店に来て周りに解らせておいて、昨日の今日、今。アタシを指名して。ボトルを卸し…女の子にそうゆう事で反感を買う事。わかっててやって。
    ――――アタシを客にしたいのか?自分しか居ない状況に――…アカン、ストップ。考える事は辞めよう。ただでさえない頭のに。

    2008-06-19 05:17:00
  • 112:

    『店に行く前やのに飲んでいいのお?』『大丈夫、ルイちゃんと二人で飲みたかったし♪』二人共笑ってるけど、お互いが何か別の事を考えすぎている。けどきっと"エセ"なのは拓馬クンの方だ。
    『今ここ来てる事、愛理は知ってる?』拓馬クンはグラスに口をつけたまま言う。『知ってるハズないやろ?わかってる癖に。笑』…うぁあ。苦手。ほんまに苦手かも!!『ゆっちゃおかな、ホンマに♪笑』でもアタシも負けじと笑う。なのに拓馬クンは更に笑う。『いいよ?ルイちゃんに任せる♪』
    ふと思ったから。拓馬クンとは、先に笑顔を絶やした方が"負け"だと。

    2008-06-19 05:28:00
  • 113:

    シャンパンがなくなりかけた頃、拓馬クンが言う。
    『次は何にする?』
    『暴露大会♪笑』先手必勝だ。『ははッッ、何それ?笑』『アタシより愛理のがいいと思うよ♪』攻める、アタシ。少し顔を近づけ小さな声で。『どうゆう意味で?』『色んな意味で♪笑』動じない、拓馬クンは更にアタシの目を見据えて、話す。
    『やっぱおもしろいな、ルイちゃん♪…思った通り。ただ…ハッキリゆうとくけど俺は客としてルイちゃんが欲しいんじゃないで?』…おもしろい。
    『じゃあ〜♪笑 アタシの体かあッッ??笑』

    2008-06-19 05:39:00
  • 114:

    『まあそれも含め…』言いながら近づいてくる顔、重なる手。香水の香り。…待って。背筋がゾクッとした、彼の台詞。
    『すべてやな。』その一言に、アタシは先に絶やした、笑顔を。何かがフラッシュバックした様な、そんな現象。目と鼻の先にある顔。少し…ほんの少しだけど、目を、そらしてしまったのはアタシ――。
    『すべてって…』
    『失礼します!』
    ――その時、ちょうどボーイさんがチェック前伝票を持ってやってきた。……。

    2008-06-19 05:48:00
  • 115:

    『どうしよっかな?笑』彼はアタシの顔を覗き込み、迷う素振りを見せる。『愛理怒るで♪笑』……"帰れ"。笑いながら思った、心から。『んな今日は帰るわ♪』"は"って何。『ありがとう♪仕事頑張ってやあ♪』ボーイのスーツの裾を引っ張り送り出しに連れて行き、拓馬クンを見送った。

    『どしたんルイ?なんかされたんか?』『うう〜ん♪営業されん様に♪』おさわりカモンのアタシが送り出しに連れてきた事で、ボーイさんは少し心配してたみたいだった。

    自分でもよくわからない。でもあの人は、なんか"怖い"――。いつもみたく、"アタシらしく"いれない気がする……。

    2008-06-19 05:59:00
  • 116:

    『なあルイ、あの人昨日来てた人やろ?愛理の…』さっそく待機場で女の子に聞かれたけど、『ウン、愛理の相談〜』と軽く答えておいた。

    "何もない毎日"で、"何もない1日"に過ぎない。アタシにとっては。例え新しく人と出会っても、何か感じても、何の意味もない、色もつかない日だと、思った。そう、思っていた――。

    ただ、"ちょっと面倒くさい事になるな"って、その程度の感覚。

    2008-06-19 06:06:00
  • 117:

    思えばいつでも唐突。前触れなどなく、道行きは変わり、出会い別れ、ぶっつけ本番で試行錯誤し、日々を越えた。
    忘れてたのか。そんな訳ない。でも初めて"絶望"を知ったあの日、初めてその裏に、先にあったいくつかの絶望に気づいた。
    "何故気づけなかったのか"と悔やむばかりで、"次は絶対に気づきたい"と思う事も諦めていた。

    アタシは全てが終わったと思っていたから―――。

    2008-06-19 06:16:00
  • 118:





    *****

    2008-06-19 06:23:00
  • 119:


    『ルイちゃん、ちょっといい?』

    次の日、接客が終わったアタシを待ち構えてた様に愛理に呼び出された。案の定昨日の事。『拓馬クン、愛理との事相談したかったみたい。』あぁ面倒くさ。適当に嘘をつくと、愛理は案外アッサリ信じてくれて、『ルイちゃんに限ってないよな♪』といつもの愛らしい顔で笑っていた。まぁ一つ言わせてもらうと、この場合、『拓馬に限ってないよな♪』の方が正しいと思うんですがぁ…笑 まあ、良しとしようか。

    2008-06-19 06:38:00
  • 120:

    それからも愛理は相変わらずアタシを慕ってきて、指名も徐々に増え、拓馬クンともうまい事行ってるみたいで、平和な日々が続いた。変わった事と言えば、アタシのお客様、THEアキバのシュン君が最近姿を現さない事位。どうしたかな?お金尽きた?シュン君の職業はしがないゲーム会社の社員で、アタシと出会ってからは、"もっと会いたいから"と、掛け持ちでレンタルビデオ屋さんでバイトしていた。でもおそらく、シュン君の給料と来るペースを考えると、貯金をおろしてたんだろう。そしてそれが尽きてきたと考えられる。『まあまた電話してみるか〜。』

    2008-06-19 06:52:00
  • 121:

    そう思いながらあまり気にも止めてなかったある日の事。

    『えッッ!?ルイちゃんッッ?ほんまに来てくれたんやッッ。』『ひはは〜♪久しぶり♪笑』

    約1ヶ月振りの【lush】仕事が早く終わったアタシは、雪クンに会いに彼の店に足を運んでいた。

    2008-06-19 06:58:00
  • 122:

    名無しさん

    あげ

    2008-06-26 09:22:00
  • 123:

    『えッッ、ちょっと待って!ほんまに俺嬉しいんやけど!どうしよッッ!笑』

    あたふた照れる雪クンを見て微笑んだ。"振り"だとしても、本当に可愛くて、柔らかい。
    『ちょっと!ちょっとだけ待っててねッッ!』そう言って雪クンは他の客席へと消えて行った。『ふふ。笑』いっぱいお客様きてるんかな?大変やなあ…一人ニヤつくあたしの前に、大きい影が。―――うげ。
    『いらっしゃいませ♪何飲むの?笑』

    2008-06-26 14:39:00
  • 124:

    『てゆか、失礼します♪』と、勝手に向かい側に腰掛けた無礼者。拓馬クン。。あの日以来だ。わかってたけど、出来るだけ会いたくなかったなあ…『で何飲むの?』
    『ウーロンハイくださあい。』『ちょ、お前、ゲストでウーロンハイ。』『あッッはい!』近くにいたホストを顎で使う拓馬クン。お前が動かんかいッッヽ(*`Д´)ノ!!オーナーでもアタシにとっちゃアンタはどヘルプじゃ!!と、心では叫びつつも、『あ♪拓馬クンも何かどうぞ♪』と社交辞令をかましてみせる。すると、あろう事か、『ありがとう♪じゃあピンドン♪笑』とはにかんだ笑顔で言いやがる。あの時の仕返しかあ?

    2008-06-26 14:49:00
  • 125:

    『いいよお♪笑』とこっちもニカーッと笑うと、少し笑顔を崩し、『雪の売上やから?』とアタシの目を見た。アタシはそらさずニ〜っと笑う。『…はぁ。やっぱルイちゃんは時間がかかりそやな。笑 まあそれがおもろそやねんけど。』ため息を漏らし、拓馬クンは『あと俺ビール』と立ってたホストに付け足した。彼がドリンクを作りに行ってすぐ、拓馬クンはテーブルに肘をつき、身を乗り出してくる。
    『あの後、愛理になんかゆわれた?』『わかってる癖に♪笑』背もたれにもたれたまま言うアタシ。

    雪クン、late return!!

    2008-06-26 15:00:00
  • 126:

    『もしなんか愛理にうっとしい事されたら俺にゆうてな?』ほんまにトコトン胡散臭い台詞。『他にも…何でも頼ってや?』頼るハズがない事、絶対拓馬クンならわかってるよね?ニコリ笑ってるアタシに、『絶対やで?』と肩に手を伸ばそうとした時。
    ――パンッッ!
    『ちょっとストップ!拓馬くん!笑 駄目やからルイちゃんは!』戻ってきた雪クンがその手が触れる前に振り払ってくれた。ドッキーン!!笑 あかん、雪クン、嬉しい。笑
    『へいへーい♪お邪魔しました〜笑』するとアッサリ拓馬クンはビールを飲み干し、カンッとグラスをあて席を立った。

    2008-06-27 04:24:00
  • 127:

    真っ先に雪クンは
    『大丈夫?なんもされてない?』と確認した後、隣に座った。『ごめんね…あの人気に入った女の子にはすごいから。笑』いつもこうゆう事平気でする人なんやろうな。でも何言おうとこの店では拓馬クンが天下って訳か。まあ、あたり前かあ…
    『てゆうかほんまに来てくれて嬉しい。ありがとう。』改めて言う雪クンが嬉しくて、アタシは終始笑顔。調整したんかな?雪クンはその後もずっとアタシの席に居てくれた。

    2008-06-27 04:46:00
  • 128:

    色んな話をした。と、言っても普通の会話なんだけど、この雪クンの独特の"白い"雰囲気が、アタシの心を和ませる。反面、歯がゆくなる…気もした。『…ね、初めて会った時から気になってたんやけど。』『ん?』
    指差した胸元。今日は少し開いた服を着てたから。『ごめん。笑 そんなとこ見て。』『はは♪もっと見る?笑』『こら!笑 男の子にそんなん軽々しくゆうたらアカンよ!笑』見えるもんな…。自然を落とし自分の胸元を見下ろした。
    『これねえ…切り傷!』赤青い跡。消えない傷跡。

    2008-06-27 04:56:00
  • 129:

    ふとよぎったアヤの顔に苦笑いになる。『怪我したん?』『うん。』こうやって人に触れられる度、アタシはアヤを、あの頃をいちいち、一生思い出すんだろうって。
    『これね、ハサミで出来た傷やねん。しかもキッチンバサミ。笑 だから結構深くいっちゃってさ。跡は消えへんねんてさ。』
    『…誰かにやられたん?』こんな事人に話すのは初めてカモ。でも気づいたら言っていた。『"友達"。笑』笑いながら。
    時効?いや、違う。一つの"思い出話"――。

    2008-06-27 05:08:00
  • 130:

    『あ、嘘ついた。笑 やっぱり友達いてんねやん♪笑』前に雪クンがアタシの店にきた時に、"休みは友達と遊ぶんだり?"とゆう質問に、"いてないも〜ん。"と答えたアタシの言葉を思い出したのか、指摘した雪クンの悪戯っぽい笑顔に、その先を話す事を辞め、ふと笑った。我に返る様に。

    後々になって思えば、アタシが"辞めた"んじゃなく、雪クンが"辞めさせた"んやろうけど――。

    2008-06-27 05:18:00
  • 131:

    ――♪〜♪♪
    『ちょっとごめんね。』携帯が鳴り、開くと【シュンくん】のデイスプレイ。メール派のシュン君が珍しいなと思い、トイレに行き掛け直した。
    『あ…ルイちゃん?ごめん急やねんけど…』もごもご話すシュン君の声は、爆音の有線と混ざり、聞き取りにくく、『うんうん〜』とアタシはいつも通り適当に頷いてると、『ありがとう!!んな15分後に花屋の前でね!』それだけ耳に残り電話は切れた。――ツーツー…
    『まぢッ?!』シュン君が…外系!?自分の立場をわきまえ店外など口にした事ない"良い客"のシュン君が営業後にお誘い!?ありえんッ!!

    2008-06-27 05:31:00
  • 132:

    何か"おかしい…!"その事には気づいてたのに、逆にまんまと自ら罠にハマりに行く事になるなんて。
    『ごめん雪クン、チェックしてもらっていい?』『え?うん、どっか行くの?』『うん、ちょっと呼ばれて…』言いながら鞄から財布をあさる。雪クンがその手を取り言った台詞。『お金はいいから。…大丈夫?』…――?『大丈夫よッ♪』雪クンは、お見送りするから少し待っててと言うと、手をスッと離し奥に歩いて行った。
    ―――…?この時感じた若干の冷たさに、まだ違和感など持てるハズもなく。

    2008-06-27 05:40:00
  • 133:

    アタシはいつだって浅はかで甘い。

    『あの、ピンク入れてもらえます?今お金払います。』『あ!はいッッ!』さっきドリンクを頼んだ彼にお金を払い、席を立った。『えっ…あのっ!!』入り口近くのリストで伝票をいじる雪クンを横目に、店を出てシュン君が言ってた花屋に向かった。

    "ほんま何なんやろお?"――さっきの雪クンの態度なんかより、シュン君の異変に頭がいっぱいで。

    2008-06-28 07:46:00
  • 134:

    『ルイちゃんっ!』
    シュン君は先についてて、チェックのシャツに、黒の七三分け、背にはリュックといつものスタイル。きもす。笑『どしたん〜?ビックリしたしい〜!笑』笑顔で駆け寄るアタシにシュン君は胸の内を語り出す。
    『ルイちゃんごめん。俺…もうルイちゃんには会われへんねん。だから俺の最後の我が儘聞いて欲しいねん……』
    はい?金つきた?我が儘!?黙って続きを聞いて唖然。
    『…俺とカラオケ行ってくれへん…!?』

    2008-06-28 07:55:00
  • 135:

    お気にのキャバ嬢と初店外でカラオケ…絶対チョイスミスやろ!と思いつつ、まぁ…シュン君は危険はないし、ここまで来てもうたしなあ〜。『わかったよん♪』『ホンマッッ!?ありがとう!!』行ってあげる事にしてカラオケまで二人で繁華街を歩いた。まだ夜明け前。アフター感覚。まさかだ。まさかあんな事になるとは――。。この時すでに、幕は上がっていて、役者は揃っていたなんて。そしてまず悲劇に合うのは、このアタシ――。

    2008-06-29 09:33:00
  • 136:



    キミには美味しいモノを食べて欲しいし、キレーな空を見て欲しいし、ムゴイ景色や瞬間は、キミの瞳をこの手で覆いたくなる。しょうもない事や人に、真っ向勝負しなくていーよ。キミは汚れない変わりに、たくさん傷つくでショウ?

    変わりに傷つけてみるから。"あの子"を。

    2008-06-29 09:44:00
  • 137:


    『ルイちゃん何飲むッッ?』『アイスティー♪』

    カラオケの部屋で、嬉しそうに、でも恥ずかしそうに飲み物を聞いて、ドリンクバーにくみにいくシュン君。楽しそやなあ〜笑。狭い四角い密室、薄暗い証明。『お待たせ!!』シュン君はこんなチャンスでも、横に座る勇気もない、【PIERO】で一番最初に掴んだお客様。情?違う。信用?違う。何の感情も無かった。だから何も気づく事が出来ずに。いつも以上に彼がソワソワしてても、気にも止めずに。。
    ―――カラオケの音楽と、シュン君の意外に綺麗な歌声は、だんだんと、遠のいていく。

    2008-06-30 08:16:00
  • 138:



    もうこれ以上、体に水分はないんじゃないかと思う位、泣き濡れた日々。干からびて、錆び付いて心身共に、無痛。麻痺してただけ。あんたが麻酔を打った、あの日から。アタシは間違ってた?

    まだまだ生きれる。そしてまだまだ泣ける。絶望も、限界も、まだまだ超えていく。それで強くなれるのか?諦めていくのか…その後の一瞬の幸せなんて、快楽なんて、言うならば錯覚だし、そんなものに騙される事出来ないし要らない。受容の心ではなく、妥協しざるを得ないだけ……だんだんと気づかされる。

    2008-06-30 08:36:00
  • 139:

    名無しさん

    あげ?

    2008-07-04 04:01:00
  • 140:



    『……――――っ。』
    瞼を開く。入ってくる青い光に目を細めながら。
    ――――――どこ、ここ?

    2008-07-04 09:10:00
  • 141:

    『!?』――バサッ…
    体を起こそうとした時、気だるさと、腕の拘束に気づく。う…そ……やろ。
    『ルイちゃん…起きた?』『――!』―ビクッ―!暗い部屋に、天井から差す青い光、ベッドの上…。そして今の声………まぢかよ。。意外に早くに、状況が飲み込めてしまう。…頭、クラクラする。

    ―――さぁ、どうしたらいい?アタシ――……

    2008-07-04 09:19:00
  • 142:

    『…シュン君、どゆつもり?』起き上がる事も困難な程、重い体。おそらく眠剤――…『ルイちゃん…ごめん、怒ってる?』すっと半裸姿のシュン君が視界に入る。―ギシッ―……やめて、近寄んなよ。
    『今なら許すよ?…これ、解いて?ね?』
    『………。』
    沈黙が流れる二人。…ラブホテルか。アタシの手の自由を奪ってる…ガチャッ…おそらく玩具の手錠を、シュン君は外そうとしない。

    2008-07-04 09:30:00
  • 143:

    『シュン君…。』横にあるシュン君の顔を見て、悪寒がしたのと同時に、生まれた感情は、"諦め"――――。
    『ごめん!ルイちゃん…ッ…――!』そう言って覆い被さってきたシュン君を無視するかの様に、アタシは目を閉じた――。
    『ルイちゃんッ…はぁッ!ルイちゃんっ……!』

    ――――悪い夢だ、コレは。

    2008-07-04 09:38:00
  • 144:

    『はぁッ…チュッ…あぁルイちゃんっ…!』

    痛い位にまさぐる手も、耳に当たる荒々しい吐息も、絡ませてくる粘っこい舌も―――、
    ――グッ――!
    『…ッッ。』『あぁッッ…ルイちゃん中熱いっ…気持ちいい!』

    2008-07-04 09:45:00
  • 145:

    侵入してきたこのヒト自身も、それを許すアタシの中も、全部。全部が、悪い夢に違いない―――。


    ―パシャッ、カシャッ―!
    『ハァッッ…はぁ…良かったよっ!可愛いよルイちゃんっ…』

    2008-07-04 09:49:00
  • 146:

    事が終わると、荒い吐息のまま、デジカメのシャッターを狂った様に押すシュン君。その眩しさに、目を細めるアタシ。デジカメ…手錠、眠剤。用意周到か。『………は。』笑けてくる。何枚でも撮れば?好きなようにすれば?……今更、怖いものなど、何もないアタシに―――。
    『笑って、ルイちゃん…』『…ふ。』そう言われると自然に笑みがこぼれた。

    ―――アタシはピエロだ。
    いくらでも、どんな時でも、誰にでも笑ってみせる。そうやって自分を守ってあげれる―――。

    2008-07-04 10:00:00
  • 147:




    **********

    2008-07-04 10:02:00
  • 148:


    失ったものを、"完璧"に取り戻すのは無理だ。今のこの白黒の世界に、"希望"を持つ事も無理だし、過去にすがりつき生きて行くのも、悲しくて、前にも、後ろにも、"残酷"はつきものだから、神様なんて居ないし、居たとしたら大嫌い。
    けど、ふと考えてしまう――。

    もしも今、どこかアンタにもう一度会えるなら、アタシは何もかもを信じる事が出来るかもしれない―――…

    2008-07-04 10:15:00
  • 149:





    ―――アヤに会いたい―――。

    2008-07-04 10:17:00
  • 150:

    名無しさん

    書き直し?

    2008-07-04 23:11:00
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