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ピエロ

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  • 1:

    ◆NedEI85Yxg


    『ピエロみたいに笑ってたくない?ずーーっと!』


    ――――今でも、いつかのアイツの言葉を思い出す。

    2008-05-29 05:42:00
  • 151:





    ―――『ルイ、ちょっと。』

    2008-07-05 06:24:00
  • 152:

    あの"悪夢"から数日が経ち、アタシは怖い位いつも通りに仕事に来ていた。店長に手でヒラヒラされるまま、外の非常階段までついていく。
    『なにい?』
    『お前さ…アキバ枕で引っ張ってんか?』
    真面目な顔で言う店長に、心臓鷲掴みにされた気分だった。でもすぐに笑顔を作って答えてみせる。
    『何をゆ〜てんの?笑 てか誰情報よッッ!!笑』

    2008-07-05 06:31:00
  • 153:

    『いや…、愛理とナオがお前がアキバとホテルから出てくるん見たゆうててな。』
    ――…ドクン……何じゃこれは…。…ドクン…
    『店長はアタシがそんなんすると思ってんの?笑』『いや…違うと思うからこそ聞くねん。お前には枕は向いてないし。』
    笑顔。笑顔…。――ドクン…。どうなってんの?愛理は何でなんもゆわんの?
    ――――…はめられてる?

    2008-07-05 06:37:00
  • 154:

    "気づいた時には遅い"とよく言ったもんだ。

    『心配無用です〜♪てかルイ今日早上がりやし上がってもいいよな?笑』店長の肩を叩き、すり抜ける。
    ―――愛理か?誰かに…わからない。けどおかしい。大体、シュン君が自分の意志だけであんなん出来ると思われへん。
    『ルイ!上がるん待って!お客さん入ったわ。』『……ん。』

    2008-07-05 06:45:00
  • 155:

    怖がる必要ないのに、今更。写真バラまかれても、脅されても構わない。そんな気でいたのに。こんなにもビビってるのは、何か、他にもっと大きい嫌な予感が全身を支配するから。
    『ルイごめんやで、とりあえず接客いこか?』
    店長に背を叩かれ店に戻り、目にしたのは――。『……。』スーツ姿で席に座る優クンと雪クン。そしてその席でヒソヒソ話をする、愛理――…。

    "嫌だ"。つきたくない。彼らを見て、真っ先に思ってしまった。今は一人になりたい―――…

    2008-07-05 06:55:00
  • 156:

    『失礼しまっす♪』

    それでも逃げれない。仕事、現実、この空間に、笑って飛び込む。ただ"感情"って奴が邪魔だ。いらない。なくなればいい。怖くなんかない。ただ、今この瞬間を"嫌"だと思う自分が嫌だ。

    2008-07-07 04:12:00
  • 157:

    『おはよお♪』雪クンはいつも通りに微笑んだ。みんな、そうなのか?愛理に全部聞いたであろう、こんなにも綺麗に笑う雪クンも、心の中とは違った表情でいるのかな。
    『おはよ♪雪クン、拓馬クン。何の話〜?』
    ――馬鹿らしい。アタシと同じ様にそう思うのかな。
    ニコニコ笑ういつも通りのアタシに、愛理が拓馬クンの腕を組みながら、楽しそうに言った。
    『ルイちゃんの噂話♪でも内緒〜ッッ♪』

    2008-07-07 04:21:00
  • 158:

    "どうでもいい。"向かってきたい奴は向かって来たらいい。
    『何ッッ?気になんねんけどッッ♪笑』『心当たりないの?笑』胡散臭く笑う拓馬クン。笑いたきゃ笑えばいい。好きなだけ。
    『何よ〜?笑 みんなして〜?笑』雪クンを見る。穏やかに笑いながら口を開く。
    『それより、今日のドレス可愛いね。』アタシが今日着てた白地にピンクの薔薇が描かれたロングドレス。それを上からサッと見下ろし、話題を変えた雪クン。

    2008-07-07 04:33:00
  • 159:

    『ほんまッッ?やったあ♪これお気に入りやねん♪』『うん。華やかやし、女の子らしいしすごい可愛いよ。』
    その雪クンの笑顔がさっきよりも穏やかで、ギスギスしてた自分に気づかされたのと同時に、自然とその胸の淀みが流れた気がした。
    『あ!てかこないだはごめんね雪クン。急に帰っちゃって。』『ほんまそれやで!笑 てゆうか…ちゃうちゃう、こっちがごめんやで。笑 ありがとうね?うちの店にお金なんかおとさんでいいのに。笑』
    ごくごく自然に、二人で会話をしていた。おもしろくなさそうな顔でこっちを見る、愛理と拓馬クンを尻目に。

    2008-07-07 04:55:00
  • 160:

    『愛理お手洗い行ってくる〜!』しばらくして愛理が席を離れ、3人になった瞬間。
    『つまらんなあ〜!雪、お前核心に迫れよ!笑』急にアタシらの会話に割り込む拓馬クン。『だぁかぁらぁ〜!さっきから何の話してんのッッ?!笑』負けじと割り込むアタシに、悪びれた様子もなく言う。『自分が一番わかってるやろ?笑 とぼけたら雪が可哀想やん。なぁ、雪?笑』この男は、何がそんなにも可笑しいのだろう。
    『拓馬クン、今俺ら二人の世界です。笑』雪クンは呆れた様に、でも冗談ぽく足組みをして答える。
    そやそや!入ってくんな馬鹿!

    2008-07-07 05:08:00
  • 161:

    『そやもん!邪魔しんといてッッ!笑』便乗して、雪クンに抱きついてみたりする。『…ルイちゃん、色接客はやめて下さい。笑 照れるから!笑』頭をポンッッと叩かれながらにっこり笑う。あぁ、これがアタシだ。惑わされてどうする…しょーもない奴らに。。

    『ふーん…。怖いね、雪も。笑』ボソッと言った拓馬クンが口をつけたグラスもふいてにっこり笑った。

    誰も信用しちゃいないけど、どっちかと聞かれたら即答でアタシは雪クンじゃ!!(´_ゝ`)

    2008-07-07 05:16:00
  • 162:

    名無しさん

    きになる

    2008-07-07 10:48:00
  • 163:

    名無しさん

    質問は無視かい

    2008-07-07 12:13:00
  • 164:

    名無しさん

    コピペって書いてあったで?

    2008-07-07 17:56:00
  • 165:

    名無しさん

    やばい?続き読みたい?

    2008-07-07 18:50:00
  • 166:

    『ただいまあ〜♪拓馬、このまま行けるって♪着替えるからちょっと待っててえ〜♪』
    愛理は戻ってくるなり、猫なで声で拓馬クンにそう告げると再び席を立った。どうやら、このまま上がって拓馬クンと一緒にlashに行くみたいだ。
    『俺もそろそろ行きます。』『おう。客きたんか?』そうこうしてる内に、雪クンも立ち上がり、チェックしだし、アタシも慌ただしく送り出しをする。

    2008-07-08 07:55:00
  • 167:

    『ありがとう雪クンッッ!仕事、頑張ってねっ。』
    エレベーターに乗った雪クンは、開いたまま、少し戸惑った仕草を見せた後、アタシに言う。
    『ルイちゃん。仕事で、てか…それ以外でもなんかあったら俺にゆってきて?俺助けれるし。』『――…ありがとう♪』
    アタシは少し間を置いてお礼を言い微笑んだ。エレベーターが閉まる。
    "助けれるし。"何気ない、その雪クンの言葉の語尾の力強さが何だか印象的で、頭の中で復唱される――。

    2008-07-12 09:33:00
  • 168:

    "アタシにとって"だけかもしれないけど、真っ直ぐに響かす事の出来る雪クンの音色に、うっとりして、どれ位か、エレベーターの方を向いたまま、立ち尽くしていた。その時―――。
    ――グイッ!『―わッッ!!』――ガチャッ!カツッ…バンッ―!『〜ったい…!』

    凄い力に腕を引かれ、非常階段への扉を開け、その扉ごと背を押し付けられた。ジンとした痛みに強張る肩に、細める目。そのまま視線を上げ、無意識に、その前を見上げる様、睨みつける――。

    2008-07-12 09:46:00
  • 169:

    『――…何?拓真クン…びっくりするやん。』

    一気にさっきまでの暖かい雰囲気は消え、何か、"ドス黒い"ものに覆われる様な感覚。真正面に立つ、拓真クンの威圧感は、長身のせいだけじゃない。
    『あ♪今の顔初見やわ♪イラッとした?笑』相変わらずの胡散臭い笑顔に、心を見透かされ、更にイラッとしてしまうのを、理性と意地で抑える。
    『してないよッッ。てか、ほんまびっくりしたあ!何よお〜?』

    2008-07-12 09:56:00
  • 170:

    言った瞬間、目の前で見せつけられた携帯の画面に背筋が凍りついた。
    『―――…何で…?』
    『びっくりしてる?笑 その顔も初めてやな♪どん位びっくりした?』

    ――――……初めて、ピエロの仮面を外された瞬間だった。しかも、これは ほんの始まりにしか過ぎない。……一人目がこの人。生理的に、受け付けないこの人。

    2008-07-12 10:05:00
  • 171:

    黙ったままのアタシの目の前で、画面を次々にスクロールさせる。その度に直にエグられる様に晒される羞態。一枚、一枚。めくられる秘密と、残ってた自尊心に、唾を飲んだ。
    『……拓真クンが仕組んだん?』『まさか?』憎い位の微笑みに、更に冷たくなる背中。
    『…愛理?』『違う。』

    ――何されても"平気"だと思った。でも、それは間違い。

    2008-07-12 10:16:00
  • 172:

    『じゃあシュン君の…』『へぇ。シュン君ってゆうんや?このアキバ。笑 お前笑ってるけど、"コレ"同意の上?』

    ――……。差し出されつきつけられる画像は、シュン君のデジカメの中にあるはずの裸体の自分。縛られ、精液をかけられても笑ってる自分。それを真っ直ぐに見て、拓真クンに初めて"お前"って呼び方をされて、羞恥心も弾け飛んだ。

    ――もう、いい。どうでもいい。

    2008-07-12 10:24:00
  • 173:

    『――…ハァ。何が目的?』
    アタシは腕を組み、扉に自ら体重をかけ、もたれかかりそんな言葉を吐いていた。『やっぱルイちゃんは賢いな?話早いわ♪』
    アタシは相当の面倒臭がりで、自分が思ってる以上に、拓真クンが嫌いだったんだろうな。髪を撫でてくる拓真クンの手を掴み、自分の胸に押し当てる。

    『とりあえずセックス?後は何?お金?いくら渡せば満足?』

    2008-07-12 10:35:00
  • 174:

    『ははっ!んまルイちゃんおもしろいわ♪』
    拓馬クンの大きい手は胸から首もとに伸び、顎の下辺りで、ピタリと止まる。『俺さ、知っての通り女にも金にも困ってないよ?笑』その手にぐっと力が入る。苦しい――。
    そしてゾッとする程、キチガイな台詞。
    『俺はな、傷えぐりたいねん。それがセックスより気持ちいいの。わかる?笑 ルイちゃんは楽しめそやねん、俺。』その手の力が緩み、アタシは息を吸う。――傷をえぐる?馬鹿か。ならいっそ、本気でやってみろよ。

    2008-07-12 10:46:00
  • 175:

    ――お前なんかに傷つけられるハズがない。
    『…好きにすればあ?』『これ、バラまいてもいいって事?』視線は反らさず、答える。
    『…任せる。』そう言ってすり抜け様とかがんだ時、――ぐっ、ドサッ。『…んッ。』唇を押し付けられ、その場にお尻をついた。唇がそっと離れる。

    『…ますます気に入ったし。好きにさせてもらうわ♪』

    2008-07-12 10:57:00
  • 176:

    ………―。『拓馬〜?どこお〜?』ちょうど聞こえてきた扉越しの愛理の声に、拓馬クンは立ち上がり座ったままのアタシの横をすり抜けた。

    『明日、仕事終わったらここにきて。すぐな。』

    そう小声で囁き、名刺をヒラリと、アタシの膝に落として――。

    2008-07-12 11:05:00
  • 177:

    名無しさん

    めぇーッちャ
    おもろい?

    頑張って???

    2008-07-13 14:37:00
  • 178:

    名無しさん

    楽しみにしてます?
    頑張って下さい?

    2008-07-13 17:32:00
  • 179:

    ペット書いてる人ですか?

    2008-07-13 23:45:00
  • 180:




    『お疲れ様でーす』
    『お疲れ様あー』

    2008-07-22 17:18:00
  • 181:

    次の日の営業終了の瞬間、アタシは店を飛び出した。愛理の視線には気付いていたけど。迷ってた。――アタシは何がしたいんだ?考えながらタクシー乗り場まで歩く。―カツカツカツ―答えが出るのはあまりにも早く、やってきたタクシーに躊躇なく乗り込んだ。
    『この住所までお願い。』アタシは別に何もしたくない。ただ、周りがしがらみがしがらみを生み、騒ぎ立てるから、自然にその流れに身を任せる。それだけ。それでいい。

    2008-07-22 17:25:00
  • 182:

    『はーい、ついたよ。多分このビルの事やよ。』タクシーを降りた瞬間、携帯が鳴る。……シュン君。無視して階段を登る。やたら足音が響く綺麗な外装。

    『いらっしゃい〜♪逃げずにきたな。笑』

    インターホンを鳴らす前に出てきた拓馬クンは、『ま・逃がさんけど。どうぞ?』と付け足し扉を大きく開け、中に入る様促した。

    2008-07-22 17:35:00
  • 183:

    ―バタンッ、ガチャ…―
    扉が閉まると同時に鍵が閉まる。ここまできて、逃げも隠れもしないのに。
    『ここ事務所?』
    見渡せる位の広さの綺麗な黒を基調とした部屋。ガラステーブルにソファ、パソコンデスクに、冷蔵庫、一応シャワーやトイレはついてるみたいだけど、なんてゆうか、無機質に並べられてて、生活感がまるでない。
    『てか俺の隠れ家?ま、適当座って。コーヒーでいい?』

    2008-07-22 17:47:00
  • 184:

    ガラステーブルに並んだコーヒーカップ。それに手をつけずに、来ていたシャツのボタンに自ら手をかけた。
    ―プツ―…『待てよ。そんな急がんでも。笑』その手を阻止する拓馬クンのいつもの白々しい笑顔。
    『無駄話はいらんやろ?』逆に拓馬クンのシャツに手を伸ばすと、『何も聞きたい事ないの?』とその手を捕まえられる。
    『別に、ない。』こんなエセピエロに何を聞いても、真実を語る訳がない。

    2008-07-23 05:10:00
  • 185:

    『可愛くないなあ。笑 まあいっか。とりあえずずじゃあ遠慮なく。』
    ―ドサッ―…ソファーに押し倒された瞬間、また携帯が鳴る。『出たい?』『…いいよ、ほっといて。』そう言いながら自分から拓馬クンの首に手を回した。『…んッ。』
    これは中途半端なアタシのささやかな抵抗だ。おそらく、今の電話はシュン君からで、出たら脅迫。でも無意味だ。拓馬クンが"あの"画像を持ってこうなってる今、シュン君に楯突く事も、請う事も無駄で。とにかくアタシは今、"この男に抱かれる"それだけが事実で自分の選択肢。

    2008-07-23 05:29:00
  • 186:

    『…ん。…アッ…』無遠慮に侵入してくるこの大きな手に、体は奪われようと、心の中まで奪われる事はない。"どうでもいい"なんて虚勢を張ってみても、それだけは、アタシの本能が、全部が嫌がるのだ。
    でも…"傷をえぐる。"その言葉は、本気で。
    『な、ルイちゃん?演技すんなよ?そんなんじゃ萌えへんし。笑』
    アタシを半裸の状態にした時の拓馬クンの笑みにゾクっとしたのも束の間、彼が本性を見せ出す。
    人は、セックスの時にこそ、本来の姿を表すと、この時身に染みて感じた。

    2008-07-23 05:41:00
  • 187:

    『あの写メと同じ様にやろっか?笑』

    そう笑って立ち上がった拓馬クンを見て、ただ一度だけ会った事がある、[雄志]の姿が頭に蘇った。
    『……ッ。』『ほらほら。痛い?苦しい?むかつく?笑 なんか喋りいや?なぁ?』
    何と呼べばいいだろう。この感情は。雄志を思い出した事で、また頭に浮かぶのはアヤの顔――。―――呪縛…。もうそれが正しいのかもしれない。

    2008-07-23 05:50:00
  • 188:



    ――――――――――――『なあ、これもう痛くないん?』

    事が終わり、拓馬クンは煙草を吹かしながら、ソファーに寝そべったままのアタシの胸の上の傷を指した。『…別に。てゆうか、これほどいてよ。』『ふてこいし無理♪笑』手荒に手首を拘束したネクタイを掴み上げ、アタシの体を無理矢理起き上がらせる拓馬クン。

    2008-07-23 05:58:00
  • 189:

    『てか!ふってこいんやな!笑 ほんまのルイちゃんは。笑』『……。』そう笑われしまったと思った。バレてる。拓馬クンには。
    『その姿、雪にも見せたいな。笑』拓馬クンは言う。
    『一回したら一個、秘密教えてあげよっか?』
    『教えていらんし。』
    『ふうん?笑 まあいいやん。一個教えたるわ。そうやな…この件、仕組まれてるで♪お前の事知ってる奴に。』

    2008-07-23 06:06:00
  • 190:

    …そんな事はわかってる。『愛理やろ?』『違う。』カマをかけたつもりだったが、その返事の仕方に何となく本当に違う気がした。
    『…誰か言ってくれな意味ない。』睨むアタシに、『な?知りたくなるやろ?笑 もっかいする?』また、エセピエロが笑う。

    ――翻弄される。しょうもない奴らに。巧みな人間が世の中には沢山いる。でも、守ってくれる人はいない。いつだって。

    2008-07-23 06:16:00
  • 191:

    『なあルイちゃん。"助けて"ってこの口で言えば、いつだって俺は助けたるで?笑』
    『………するんやろ、もう一回。』
    ――身を乗り出して唇を重ねる。こんな事が"愛"の行為だなんて思わない。もしそこに愛を込めたとしても、本当の意味で人を救う事なんて出来ない。人は所詮孤独だから。

    すべてを諦め、そこが真っ暗な闇だったとしても、まだそこに"意味"や"真実"を見いだそうとしてしまう。人はとても弱いから。微かな光を。

    2008-07-23 06:25:00
  • 192:





    ************

    2008-07-23 06:29:00
  • 193:

    『…どうゆう意味?』
    『言ったままの意味〜。教えて?お願い。』

    翌日、店が終わった後。愛理を近くのバーに誘い出した。飲み物を適当に頼んだあと、すぐ様本題に入る。
    一口も口をつけてないカシスウーロンの水滴を指でなぞる愛理はふいに落ちない顔でアタシの顔を見ようとしない。決定だ。

    2008-07-23 06:50:00
  • 194:

    昨夜の拓馬クンとの"二回分"の秘密、わかった事は、[シュン君にああする様仕向けたのは、愛理ではなく、愛理の良く知る女性]という事。そしてその女から愛理に、次に拓馬クンに画像が回ったという事。
    『誰なん?その女の子って。店の子?』『……。』もちろん、愛理に問い詰めるなと拓馬クンから釘を刺されたけど、無視。二人がどうなろうと元から知ったこっちゃない。

    2008-07-23 06:59:00
  • 195:

    今はこの"嫌な予感"の、正体がただ知りたいだけ。
    『…拓馬に聞いたんや?』『ん。』やっと口を開いた愛理を横目に、アタシはグラスの中身を一気に飲み干す。早く言え。面倒臭いなあ。
    『拓馬とヤったん?』
    『愛理が答えてくれたら答えるよ。』
    そして少しの沈黙の後。――バシャンッ――!!

    2008-07-23 07:06:00
  • 196:

    『――――。』アタシはカバンからハンカチを取り出し顔に当てた。みっともない。他の客の視線が集まる。ぶっかけられたカシスウーロンが床にも零れるから、立ち上がり『すいません、おしぼり…』と店員に告げると愛理は顔を真っ赤にして怒鳴る。店では見せた事のない、すごい形相。"女"が全面に出る瞬間。
    『…人の男取るんが趣味なん!?どうせ客も全部枕やろが!!……いい気味じゃお前なんかッ……!!拓馬が本気で相手する訳ないやろが!!』

    2008-07-23 07:31:00
  • 197:

    シーンとなる店内でアタシは少し黙ったあと愛理の方を見、口を開く。あまりしたくないが、やってみる価値はある…か。
    『大体わかるよ、誰か。てかしたよ?拓馬クンと昨日、二回だけね。』みるみるうちに変わる愛理の顔色。人の事どうこう前に…アタシも大概性格悪いな。今、少しだけ楽しい――。
    『てゆか、取ろうと思えばいつでも取れるし、愛理よりは、好かれてる自信あるよお?笑』
    "傷をえぐる"――拓馬クンの言葉が頭をぐるぐる巡る。

    2008-07-23 08:07:00
  • 198:



    アタシも相当
    おかしくなってる?
    いや、おかしい――?

    2008-07-23 08:12:00
  • 199:

    そしてそのままトドメを刺す。ごめんね愛理。仲良しごっこはもうおしまい。
    『"あの子"も"あの時"の事がまだムカツクんかもしらんけど…男がルイを選ぶねんもん。笑 ルイは悪くなくない?』
    …さあ、言うか――?

    『…最ッッ低やな!!!…そりゃ友達ひとりもおらん訳やわ…!』興奮がピークの愛理はそうしてまんまとピエロの餌食。確信の名を出す――。

    2008-07-23 08:21:00
  • 200:

    『麗香の言ってた事は正解やったわ…!!!…この事忘れんなよ!!!絶対後悔さしたるわ!』

    ………――やっぱり。。

    【麗香】――愛理が口にしたその名と、さっき一気に飲んだ焼酎のせいか頭がグラグラする…。麗香…まだアタシを貶める気?―――バン!!愛理は千円札をびしょびしょのテーブルに叩きつけ店から出て行った。

    2008-07-23 08:29:00
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