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ピエロ

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  • 1:

    ◆NedEI85Yxg


    『ピエロみたいに笑ってたくない?ずーーっと!』


    ――――今でも、いつかのアイツの言葉を思い出す。

    2008-05-29 05:42:00
  • 201:

    『あの…大丈夫ですか?』店員サンの気遣いに、『ホントにすいません…』と謝り店を出ようとした、その時。――バサッ――…

    『…えッ。何で……雪く――…』
    『出よう。…風邪引く。』
    "何で?"……グラグラする頭のまま、目の前の雪クンにスーツをかけられ、腕を引かれるままに外へ出た。何でいてるの?何でよりよってこんなところ――…。

    2008-07-23 08:37:00
  • 202:

    『…ごめん。』
    外に出て、アタシの腕を掴んだままの雪クンの後ろ姿に、"悪いな"と感じた。きっと仕事の合間で、連れもいてたろうに。。
    『謝らんといてよッ!笑…なんか、嫌なとこ見られたね。笑』全部、聞いてたよね?あそこに居たって事は。

    この人にだけは、汚いアタシを、知られたくない。そんな考えが、雪クンの手を退けてスルリと離れる。

    2008-07-24 03:05:00
  • 203:

    『風邪ひくよ?』『…馬鹿やから大丈夫♪笑』『…ばか。笑』自然と笑みがこぼれる、二人。雪クンが肩にかけてくれたスーツがやけにあったかい。
    『俺ンちくる?』『えっ?』『近いし、シャワー貸すよ。』ポタポタと髪や服から垂れる滴、道行く人達。一瞬戸惑ったアタシの腕を再び掴み、雪クンは道路に出てタクシーを拾った。
    時間にしたら一瞬の出来事。アタシの中で少し驚いた雪クンの有無を言わさない言動に、また戸惑った。意外な一面だった。

    2008-07-24 03:15:00
  • 204:

    ―バン!『どうぞ。』ワンメーターの距離でタクシーは止まる。ほんまに近いんや。『…ありがとう。』差し出された雪クンの手を取り車を降りる。
    『ちょっと散らかってるけど、ごめんね。笑』
    11階立てのマンションの最上階の雪クンの部屋は、綺麗に整理されていて、"散らかってる"というものの、何枚かの服と、テーブルに飲みさしのカップや缶が少し散らばってる程度。

    2008-07-24 03:24:00
  • 205:

    『こっちお風呂やから、行っておいで。こんなんしかないけど…はい。』部屋に上がるなり、綺麗にたたまれたバスタオルとジャージとTシャツを渡され、風呂場に案内された。その雪クンのペースにまたびっくりしながらも言われるままにシャワーを借りた。男と女だ。今から何があるかはわかってるけど…―シャアー…―『麗香…』今はその名前を、忘れたいのかもしれない。その名前から連想する過去が蘇えるのが、今は嫌。絶対に嫌。。そしてまた始まる…未来。嫌。考えたくない…………流れて消えろ。さっきのお酒も、悪夢の予感も。

    2008-07-24 03:37:00
  • 206:


    ―――自分が嫌い。周りも嫌い。この世界が嫌い。ただ嫌がって嘆いた。でも、わかった事がある。
    必死で取り繕ってもNOな人間がいれば、ありのままの剥き出しでYESだと言ってくれる人もいる。また、YESだと言える自分もいた。そうゆう自分になれたのに。

    2008-07-24 03:48:00
  • 207:

    実好を麗香に奪われた瞬間が、いつまでも忘れられなくて。アヤが雄志を選んだ瞬間が、いまだに忘れられなくて。

    アヤとの家を出て実好とやり直したあの時も。実好の携帯が鳴る度、麗香の顔が頭にチラついた。

    頭の隅の方、ぐるぐる…ぐるぐる。

    2008-07-24 04:04:00
  • 208:

    『…っつ…!ヤバ…』
    ―キッ―
    お酒のせいかのぼせそうになり、シャワーを止め風呂場を出た。くらくらする頭で何とか雪クンの服を着て、歩く。雪クンの匂い…『ちょ。顔赤いよっ?大丈夫?』『…ん、ごめ。』『シャワー熱かった?』
    ソファに腰掛け携帯を見ていた雪クンはすぐに立ち上がり台所から冷たい水を注いで持ってきてくれた。『…ありがと…』
    この優しさが例え作られたものでも、いい。今は何でもいいよ、雪クン。

    2008-07-24 04:14:00
  • 209:

    『こっち、ちょっと寝転び?』寝室に連れられ、濡れた髪のままベッドに転がる。熱い…『…ごめ。ルイ酔ってる…頭、ぐるぐるする。』『…楽にして。あ、冷えピタ貼る?今持って…』
    ―ギュッ―…雪クンのシャツの裾を掴む。いいよね?家に呼んだって事はそうゆう事やろ?って、アタシ男かよ…。笑 でも無理。『ん?どしたん?』『雪クン…助けて?』…お酒、まわる。どうにかして。

    2008-07-24 04:27:00
  • 210:

    『…苦しい?』―ギシッ―わかってるのかいないのか、雪クンはベッドに腰掛けアタシのそばにきて、髪を撫でる。優しい手つき。『……ん。』…あぁもう限界!ってのはこの事かな。―ギシッ―…
    雪クンの体重がアタシの上に軽く、かかる。…早く。"はやくきて――。"思うよりも先に雪クンの首に伸びた手を、逆に取られ、気が焦る。『…雪クン。』はやく、焦らさず、忘れさせてよ――…。
    一秒でも、はやく。。

    2008-07-24 04:40:00
  • 211:

    『…ルイちゃん。そうゆうのズルいよ。』
    確かに酔いが回ってたけど、アタシの手を握ったままそう小さく言った雪クンに、少しだけ酔いが覚める感覚。でも完全には覚めてくれず――。
    もう片方の手を雪クンのズボンに伸ばす。エスカレート。男になった様な気分で、指を動かす。このまま一緒に楽しもう?一緒に忘れられたらいい――。
    セックスが好きな訳じゃない。でもアタシ、雪クンとなら――。

    2008-07-24 04:55:00
  • 212:

    理性の切れかけたアタシを止めさせた雪クンの一言。
    『何で拓馬とヤったん?』
    ――『…。』アタシの手が止まる。萎える…止めてよ。雪クンはもう片方の手も取り、両手を少し、強く握る。……
    『あれホンマなんや…?』『……』黙るしかない。『さっき愛理ちゃんと言い合ってた原因はそれ?』『…』『何で何もゆわんの?俺にはどう思われてもいいって事?』
    思わず目を伏せたくなる様な雪クンの言葉、少し強い口調にただ黙る。

    2008-07-24 05:14:00
  • 213:

    『……ごめん。』
    少し長めの沈黙の後、雪クンはアタシの上から体を降ろし、背を向けてベッドに座り直した。完全に熱が冷めたアタシは、まだ残る酔いと、また別に生まれた感情を抱いて動けずに。
    『…でも、何も聞かずに抱いてあげれるほど俺優しくない。』『…ルイじゃ無理かあ〜笑』
    『違う。…ホンマはすっごいしたいし俺もうやばい。でもやめとく。俺は拓馬とは違うよ。』
    気まずさにおどけて言ったアタシに返ってきたその言葉は、雪クンがアタシが思ってる以上に綺麗な人なんじゃないかという期待になる。

    2008-07-24 05:39:00
  • 214:

    『…雪クン、ごめんね。』正直、本音なんて、人の奥の方なんてわからない。アルコールが回る体の中で、頭ではなく、心で感じれた自分に少し嬉しくもあった――。
    『…ちょっとおいで。』
    起き上がり、連れて行かれた先はベランダの前。
    『ほんまに体熱いからね。ちょっと涼んどき。』網戸を開け、座らされる。ポツンと。風が気持ちいい――…

    2008-07-26 11:21:00
  • 215:

    そこから見渡す景色は、殺風景で、でも静かで。何か懐かしいこの風の感触も。
    『……死ぬよね。』
    『えッ?』いつのまにかグラスを片手に隣にいる雪クン。『飲める?紅茶。』『あ、ありがとう♪』
    受け取り口をつける。ああ…落ち着くかも、ココ。『で、死ぬって何が?』少し距離を置いて座る雪クンが、さっきとは違ったいつもの柔らかい表情でアタシに問いかける。
    ――もしも、その笑顔が。雪クン自身ピエロだとしても、アタシは、尊敬するよ。きっと。

    2008-07-26 11:34:00
  • 216:

    『いや、あのね。昔ルイも11階に住んでた事があってね。全然…こんな広い部屋じゃないんやけどね。笑』
    雪クンは相槌を打つ代わりに、優しい瞳でアタシを見る。こんな、アタシを。
    ――もう…いいよね。
    『…"友達"と住んでて。2人で。すごいニコイチ〜!みたいな感じの娘でぇ。笑 二人共ずっと一軒家やったから、マンションに住むのってすごい憧れてたから嬉しくてさ。笑』
    ――少しのアルコールと風の心地良さの魔法。そうゆう事にしておこう。

    2008-07-26 11:47:00
  • 217:

    "ウンウン"と言ってる様な、優しい顔。やっぱり…雪クンの魔法にかかってるのかも。なんて思って笑ってしまう。『何で笑うの!笑 続きは!?笑』
    『ごめんごめん♪笑 雪クン可愛くて♪笑』

    愛しかったり。同時に軽々しいさっきまでの自分を恥ずかしく思ったり。そして、どうしようもなく哀しくも なる。
    ――でも惹かれていく。"雪クン"って一人の人に。"アタシの世界"を変えられる。

    2008-07-26 12:24:00
  • 218:

    ――普段は誰にも踏み込まれたくない自分だけの領域を、君にだけは招待したくなる。土足で来て。どんなんでもいーから。ありのままで。

    憧れの君に、追いつける事なんか一生ないと言い切れるのは君が光の様な人だから。せめて。近くに居て、色んな方から君を見続けたかった。

    どうしようもなく傷つけたくなる時もあって。強い君を傷つける事の出来る人間…"君"を作り上げたすべての人やものに興味が湧いたよ。

    2008-07-26 12:44:00
  • 219:

    『でね。その友達がベランダに出てよく言ってたんやんかあ。"うちは飛べるねんッ!"みたいな事を。笑』キョトンとした雪クンの顔。びっくりしてる?
    『あ、もちろんシラフじゃないねんでえ?笑 若かりし頃やったから、まあ…あれやけど。笑』『あぁ…笑』本当…若かった頃。『でもルイ思うねんなあ、今になって。"アヤはホンマに飛びたかってんやろなあ"って。』『アヤちゃんってゆうんや。笑』『…うん♪笑』
    雪クンが、アヤを知らん雪クンが、アヤの名前を口にする。

    2008-07-26 12:57:00
  • 220:

    …不思議――。
    『その頃は…薬してるから、そんなんゆうんや、こんな事するんやって。ずっとそう思っててんけど――…。』『うん?』――…多分、あの時アヤはほんまにすべてから逃げたくて、すべて、捨てたくて――。雄志以外の、すべての人やしがらみ、過去。つまり――…
    『ルイが――『そのアヤちゃんが、その傷をつけた子?』

    ――――――――…。

    2008-07-26 13:05:00
  • 221:

    胸元を指す雪クンの白い華奢な手にハッとした。『あ…うん。』『そっかあ。今は会ってへんの?』
    『…うん。どこ居てるカモわかられへんしね。』『会いたくないの?』紅茶をゴクリと飲み込む。
    『……わからへん。かな。笑』『そっか…。』

    ――風が気持ちが良い。…このまま、もう少しだけ、このままでいさせて。

    2008-07-26 13:14:00
  • 222:


    どうせ瞬く間に星は消え、荒波に呑まれ、逃げれない記憶と現実と、過ごす日々に戻るのだから―――――。


    ――――。

    2008-07-26 14:49:00
  • 223:





    **********

    2008-07-27 03:12:00
  • 224:

    『ただいまあ♪ルイー♪』
    『…ん。おかえり。ご飯は?』

    [16歳-冬-]
    "あの"事件が起こって一週間。実好は持ち前の要領の良さと行動力で、二人で住む為の部屋を借りた。アタシと実好が、もう一度やり直す為の部屋。1DKの必要最低限のもの以外何もないまっさらな空間。―――実好が、アタシの為に…。

    2008-07-27 03:23:00
  • 225:

    『今日はどっか一緒に食い行こや♪』『ん。用意するからちょっとだけ待って。』
    だが、アタシはまっさらな気持ちになんてなれるハズもなく、引きこもり状態。こうして実好が連れ出してくれる以外、部屋にいた。
    『…片瀬と連絡取れた?』『…ううん。』
    あれから何度電話しても繋がらない。…アヤ、雄志といてるん?

    2008-07-27 11:01:00
  • 226:

    アヤに会いたい。仲直りしたい。そしてもう一度――…。そう想ってるのに。『お前、傷大丈夫か?』『……うん。』
    何故か、心から100%思えない自分。それがモヤモヤして苦しかった。アヤがつけた消えない傷。この胸の傷が、"全部終わり"と告げてる様で…怖かった。かと言って最後見たアヤの気が狂った様な泣き顔が、頭から離れなくて。距離を置いて、果たして意味はあるのか?日が経つほど、その距離が広がっていきそうな気がして…。

    2008-07-27 11:09:00
  • 227:

    そんなアタシを見かねてか、ある日実好が言った。『行ってみるか?片瀬んとこ。』ドキドキした。たった数週間離れてただけなのに、こんなにも怯えてる自分。アヤは…どんな顔するかな?仲直り…出来るやんな?

    期待と不安、極度の緊張感を押し殺して、実好が下で待つ中、一緒に住んでたマンションに向かった。
    ――ガチャ…… 『…ッ…。』

    2008-07-27 11:18:00
  • 228:

    『どやった!?』
    『……おらんかった。』部屋は"あの日"の状態のまま…血が乾き、壁紙にも切り刻まれた跡が無数にあった。嫌な予感は、あの日アタシがあの部屋から出た瞬間から、きっとあった。
    『多分、雄志んちにおると思う…。』『場所わかんの?』『…大体。』
    その足で、そのまま雄志の家へと向かった。実好は、嫌な顔ひとつせず、何回断っても"心配だから"とついてきてくれた。

    2008-07-27 11:27:00
  • 229:

    幼いアタシが、実好とアヤを比べた事も、天秤にかけた事も一度だってない。アタシは……自分の人生で、二人が居てくれたら、二人共居てくれたら…"シアワセ"だと。これ以上の喜びはないと無意識に思って、唯一、"願った事"なんだろう。



    ――アタシは欲張ったのかな?

    2008-07-28 21:48:00
  • 230:

    結局、雄志の家には誰も居なくて、出直す事になった。でも、何度出向いても、誰も居る気配はなく、そうこうしてるうちに……『あ。アヤちゃんの友達。』雄志と一度だけ対面した際に、一緒にいた奴の連れに出くわし、真実を知らされた。
    『雄志もアヤちゃん逃避行しちゃったよ。もう帰ってこやんのちゃう?』―――…。
    自らが薬を流していた雄志は、警察が家宅捜査に入る段階まできて、アヤと二人で、飛んでしまったらしい――。仲間も、仕事も"すべて"を捨てて…。

    2008-07-28 22:02:00
  • 231:

    しばらくして、アヤとアタシが二人で住んでいたマンションと携帯電話の名義人になってくれてた客から連絡があった。二人共住んでいない事がわかり、鍵を開けた大家から部屋の状態を聞かされたらしく、マンションも携帯も解約するとの事だった。携帯だけはと頼んだけど、当たり前に断られた。

    2008-07-28 22:15:00
  • 232:

    ――失くなった。全部。アタシとアヤの軌跡が。連絡も…取れない。せめて荷物だけでも取りに行かせてもらえば良かったのかもしれないけど、そんな気力も無くて。それにあの時は、二人の想い出を目にするのも、苦しかった…。
    ―――アヤは居ない。

    『…ルイ。』
    『……実好。アヤに会いたい……。』

    2008-07-28 22:19:00
  • 233:

    『…ルイ、泣かんといて。』『……ッ…。』
    ――そこからアタシの抜け殻生活が始まる。どれだけアヤと一緒にいて、自分の中で大きい存在だったかわかる。痛い位に。それと同時に、日に日に大きくなる【後悔】
    "あの時、実好のところへ行かなければ…。""もっともっと話を聞いてあげてれば…。"そもそも、"実好と再会しなければ…。""いや、キャバクラに移らなければ…。"

    膨らんでは、しぼんで、繰り返し、泣く。キリがないと、理解っていても。

    2008-07-28 22:34:00
  • 234:

    毎日、泣き続け引きこもるアタシに、実好が言ってくれた言葉。
    『泣くな。…絶対また会えるから。俺とお前がまた会えたみたいに。大事な縁はそんな簡単に切れるもんちゃうから。』


    ――嬉しかった。実好の言葉を、自分に言い聞かせる様に毎日…唱えた。

    2008-07-28 22:42:00
  • 235:

    でも、それも結局、痛みを抑える為の自己防衛だと、悟る。

    ――実好も居なくなった。あの日、あの瞬間に。

    二人暮らし始めて約一年経った頃。実好はまた、麗香の元へと戻った。でも、今回は前とは違って…アタシが実好を苦しませて、傷つけてしまったんだと思ったから。前みたく、嫌いにはならなかったし、嫌おうとも思わなかった。

    2008-07-28 22:52:00
  • 236:

    そのかわりに、アタシは変わっていった。アヤの事、実好の事、麗香の事…"どうせ苦しむのなら"

    いつかアヤが言ってたみたいに、"ピエロ"になりたいと思った。アヤと…実好と、笑ってた時が一番幸せだったから。

    例え問題を抱えても、笑って過ごして行くうちに、忘れられるんじゃないかって思ったから。

    2008-07-28 22:59:00
  • 237:

    アヤを失って、実好を突き放して、"ヒトリ"になったその時から、"求める"事を辞めた。物も人も、安らぎも。傷つくのが怖い。そんな単純な理由もある。けど、一番は。
    "シアワセ"になんてなれないと悟ったから。皮肉じゃない。アタシにもあったシアワセな一時は、もう取り戻せないから。何故なら、アタシがそれを誰よりも怖がり、拒んでいるからで――…。"変わり"なんていないのも、わかっていたから。だからと言ってアタシに、"もう一度"なんて言う権利、ない。

    2008-07-28 23:07:00
  • 238:

    言う前に、どこにいるかもわからないしね――。
    実好は、麗香と…。
    幸せになればいいと思う。強がりかもしれない。でもそれで実好が笑っていられるなら。

    アヤ。アヤは――――……。

    2008-07-28 23:23:00
  • 239:


    もう、二度と
    会われへんの―――…?

    2008-07-29 16:57:00
  • 240:

    あかね

    めっちゃ楽しみにしてます?頑張ってね?

    2008-07-30 00:16:00
  • 241:


    『…イちゃん、ルイちゃんッ!』『……ぇ。』
    『大丈夫?めっちゃうなされてた。』
    目を開けると、見慣れない天井と雪クンの綺麗な顔。雪クンちか…。昨日あのまま泊めてもらったんやった。
    『…ごめん〜。起こしちゃった?てかプッ!!笑 雪クン寝ぐせ…笑』『…もう(T_T)笑』寝起きに天使のまさかの寝ぐせを見れて、さっきまでの嫌な夢も吹き飛んで笑った。

    2008-07-30 07:14:00
  • 242:

    『店間に合う?』
    『…多分間に合わん…笑』
    "起こすのが遅くてごめんね。"と謝る雪クン。ほんまなんて可愛いんやろぉ…。『よし、俺が同伴してあげよ♪さ、シャワーしておいで。』『え!!!い〜よお!』断っても断っても折れない雪クンの強引さに負け、シャワーを浴び用意を始めると、雪クンも着替えていて、その華奢な体に見とれてしまう。

    …男の人を綺麗だと思うのは、生まれて初めてだ――。

    2008-07-30 07:27:00
  • 243:

    『雪クン。』『うん?』
    『…昨日は色々、ごめんね。』『あぁ。いいよ。それより用意できた?行くで!』
    手を引かれ家を出た――。
    入って来て欲しくないところには、絶対に入ってこようとせず、でも、大事な所は自己主張はしてくれる。受け身に見えて、実はそうじゃなくて。
    この人は、きっとフェミニストだ。そしてきっと、根っからのピエロだ。

    2008-07-30 07:43:00
  • 244:

    名無しさん

    めさオモロイ

    2008-07-30 10:56:00
  • 245:

    ペット

    2008-07-30 12:51:00
  • 246:

    軽くご飯を食べて店に入る。昨日と同じ服、髪はストレート、とどめに同伴相手はホスト。…我ながらあから様やなあ。笑 『…ルイ〜!』"頼むでえ"と言わんばかりの店長の苦笑いと、蔑むような女の子の視線。
    無視――。
    『…騒がれた?笑』
    『雪クンがあまりにも素敵やから、目立つンやわ♪笑』
    ――やっぱり雪クンもホストやな。急激に距離を、縮めてくる。

    2008-07-31 06:18:00
  • 247:

    その後、アタシの客が何組がきた際に、愛理が雪クンのヘルプについた。
    "どうせ全部バラすんやろうな。"そうは思っていたものの、雪クンはチェックの時も、いつもの笑顔で帰って行った。
    『また、連絡してね。』

    ――魔法は溶けた。さあ。たった今から。ハジマル、"現実"が。

    2008-07-31 06:25:00
  • 248:

    『ルイ。この画像見覚えある?』
    自分の客が全部帰ってすぐ、店長に非常階段に呼び出された。早速か。
    『ありませ〜ん。』
    『ルイ!真剣に答えろよ!こんなんでお前の全部狂わされんねんぞ!』
    ……人生なら、とっくに狂ってるよ、店長。

    2008-07-31 06:33:00
  • 249:

    『…その画像、誰からまわってきたん?』『それは…』『愛理やろ?なら愛理から聞いた方が詳しい事知れるよ。』
    最も…黒幕はその愛理の裏に隠れてるけど。
    『…ルイ。このアキバ出禁にするか?』『何でえ?ま、来る事ないと思うけどぉ。』『……いや。』

    ――?『ちょっときて。』と店長に店に戻され、唖然とした。

    2008-07-31 06:41:00
  • 250:

    『シュン君ありえへん〜!!ほんッま可愛い♪』
    ――――…マジ?

    接客席を見て寒気がした。シュン君…。。そしてシュン君の体にまとわりつく、愛理――。『嘘…』思わず、声が出た位。
    『実はアキバから店に連絡があってな。"指名変えしたい"って。』『……そう。』指名変え?あんな事、しといて?

    2008-07-31 06:49:00
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