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執事は1人だけ
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1:
主
『奈緒様ッ―…!』 『―…ン…ヤメろッ』 『我慢の…限界ですッ―』『痛ッ―ヤメてッ―…』
2008-06-05 19:14:00 -
11:
主
『その前に奈緒に挨拶でもしておこう。 奈緒はどこに?』 『朝食をとっております』『わかった』 そのまま廊下を歩いていく 頭を下げる。 旦那様の執事の中の1人がこっちを見て微笑む。 紫苑(シオン)。 私と同い年の少年。 旦那様の執事をしている。身分でいえば紫苑の方が上なのかもしれないが私達には関係なかった。
2008-06-06 21:04:00 -
12:
主
私が少し疲れた顔をすると紫苑は困った顔をしながら頷いて歩いていった。 1人になってしまった私は奈緒の元へ行くことも出来ないので部屋へ戻る事にした。 部屋のベッドに座った状態で何もしない時間を過ごす。扉が開いた。 キィ―… 『奈緒様…ノックを―』 奈緒様の顔は弱っていた。『ごめん』 私の顔を見ないまま制服の上着を着る。 『悲しいお顔はなさらないで下さい。 きっとすぐに帰られますから―…』 奈緒様は頷いてカバンを抱えて部屋から出ていく。 『奈緒様ッ―…』 奈緒様から鞄を預かって後ろを歩く。 『ごめんな。 飯食えてないな…』 『そんな事ですか…。 私は大丈夫ですよ?』 少し笑うと奈緒様がこっちを向いた。 『愛しているよだって』 気持ち悪そうな顔をしている。 『ハハ…。馬鹿にしてはいけませんよ』 『だって―…。 嬉しくねぇもん』 『奥様に言われれば?』 『…嬉しい…かな?』 『ハハ…』 奈緒様が旦那様を嫌う理由は沢山ある。 まぁ子供が親を嫌うのと同じ様なものだろう。 私も両親を愛してはいない 親なんて嫌われるためにあるようなものだろう―…
2008-06-06 21:19:00 -
13:
主
私が両親を嫌う理由はただ1つだけ―…。 顔を覚えてはいないから。 産まれてすぐに奈緒様の家に連れてこられた。 両親は私を売ったのだろう。 小学生になった頃に旦那様と話している女性と男性をみた事がある。 きっとその人達が私の両親なのだろう。 子供の直感というものだろう。 だからと言って何も思わなかったけれど両親を知らないだけあって愛されるという事を知らないまま育った だけど奈緒様はある日私に言った。
2008-06-06 21:26:00 -
14:
主
『俺にはお前しかいない。だから誰にも愛されてないとか思ってんじゃねーぞ? 俺は花南を信頼してる。 一生俺のそばで働いてくれ 執事はお前1人だけだ』
2008-06-06 21:30:00 -
15:
主
その瞬間奈緒様しか見えなくなっていた。 私のすべては奈緒様の物だと考えた。 何もかも常に完璧だった私はこの頃が奈緒様にだけは自分を見せた。 『何だか疲れました…』 ベッドに座ってうつむいたまま奈緒様に伝えた。 呆れられると思っていた私に向かって奈緒様は一言。『俺にはそういう弱音吐けよな。いつでも聞いてやるから』 奈緒様は人を勇気づける何かを持っている人。
2008-06-06 21:39:00 -
16:
主
車から降りると私達の前にも車が止まった。 ガチャ―… 『菜摘!菫!』 『はよー奈緒ちゃん♪』 菜摘さんは違う財閥の跡取りで奈緒様とも仲が良い。『ちす』 菫は私と同じで菜摘さんの形だけの執事。 普段は普通の友達の様に話をしている。 『今日さー父様帰ってきたんだぜ?だりーよな』 『大変だな』 私達4人は幼稚園の頃から一緒で一番仲の良いグループかもしれない。 『奈緒ちゃんは今日も可愛いねー♪ 毎日一緒にいるんだからドキドキだね? お風呂も一緒に入ったりするの???ワラ』 『無いですね…』 菜摘さんは私の気持ちを知っているだけあって私をからかうのが趣味らしい。 『あたしの執事が冬弥なら良かったのになー』 『菫がいるでしょう』 『菫といると常に喧嘩だし。しんどいしー…。 冬弥なら毎日一緒にお風呂入ってーイチャイチャしたりして…』 『無いですね』 菜摘さんの言うことはどこまでが本当でどこまでが嘘なのかがわからなくて困る 『おもんないなー』 不満そうな菜摘さんを見るのは面白い。 肌が白くて身体も細く顔もとびきり綺麗な菜摘さんを見ると完璧な人間というのはこの人の事なんだろうと考えさせられる。
2008-06-06 22:08:00 -
17:
主
『はよー!』 奈緒様が挨拶をするのも無視で個人個人好きな事をしている。 『はよ♪
今日も元気だね』 教室の一番前の席に座っている皐月が手を振っている 皐月は小学生の頃に転入してきた。 珍しい事に執事を連れていない。 かなりでかい財閥の跡取りだが実際のところ家の話をしたがらないため誰も良く知らない。 『早いな!』 奈緒様が皐月の後ろに座る『当たり前でしょ♪ フリーだから自由行動が基本なんだよね』 『普段は2時間目あたりから遅れて登校してくるのに珍しいですね…』 『それは言っちゃだめでしょー?花南ならわかってくれると思ったのにな』 『すいません』 皐月はすねた顔をして机に頭を伏せる。 皐月の悪いところはマイペース。 自由奔放で行動が読めない2008-06-06 23:18:00 -
18:
主
それから授業が始まる。 奈緒様は私が見ていない時にさぼるクセがある。 常に奈緒様を見ていないといつの間にか寝ている事もある。 奈緒さんと菫は以外にもかなり几帳面で授業中にさぼる事はない。 私は奈緒様と皐月を起こすのに必死で先生の話はほとんど聞く事が出来ない。
2008-06-06 23:25:00 -
19:
主
授業も済み昼休みになった『腹減ったー!』 『今日は何食べます?』 『カレーッ♪』 『好きですね?』 『大好き!』 いつもの様に5人で食堂に迎う。 『休み時間位はっちゃけないと身体に毒だって』 ノートを見ながら歩いていると私の目の前で手の平が邪魔をする。 『別に…』 『てかさ? あたしに冷たいよね?ワラ』『嫌われてんじゃない?』私と菜摘さんの間に皐月が割って入る。 『うるさいな! 皐月は黙ってなよッ』 『ハハ♪』 こんな騒がしい中にいるのも悪くはない。 菜摘さんと皐月はほっておいて奈緒様と菫の会話を聞いてみる。 『執事って大変か?』 『俺はそんな事ないよ。 菜摘とはこんな状態だし。でも冬弥は大変じゃないのかな。 奈緒には素直に話す訳?』私がノートを見ながら歩いているせいで会話を聞いている事に気付かない。 『話してくれてる…とは思ってるけど…。 やっぱり隠し事ってあんのかな』 『そりゃな…』 『そっか…』 今日は帰ったら色々と聞かれそうだな…。 忙しくなりそうだ。
2008-06-06 23:44:00 -
20:
主
昼休みも何も無く、その後の授業も何も無いまま終わった。 『なぁ花南。 家帰ったら父様居るんだよなぁ―…』 『はい…』 『あぁ…』 『私がいますから』 『…だよなッ! 頼りにしてんぞ?花南♪』『…はい』 元気に振る舞っているけどきっと家には帰りたくないはず。 奥様がきていればいいけれど―…。 『叔父さん帰ってきたんだね?大変だね?』 菜摘さんが奈緒様の肩に腕を置く。 『花南がいるから大丈夫なんだよ!なッ?花南!』 『はいはい。 自慢は辞めて下さい↓ ポイッと冬弥渡してくれたら良いんだけどなぁー…』『無いな』 菜摘さんの独り言に菫がつっこむ。 『本当毎回うるさいね?』『そ?』 『……もう良いよ。 帰ろ。じゃね』 菫を置いて先に車に乗り込んでいく。 『じゃーな。また明日』 菫も走って後を追う。 『それじゃ僕も帰るとしようかなぁ♪じゃね?』 皐月は歩いて帰っていく。家が近いのもあるけれど車に乗らないのは老化したくないかららしい。 『帰りますか』 『おォ』 私はまた車の扉を開ける。『サンキュ』 『はい―』 それから車に乗り込む。
2008-06-07 00:43:00