小説掲示板王子様のスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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王子様

• 1:

  名無しさん

  ずっと好き。忘れることなんてないよ。
  
  だから信じていてね。
  あたしは絶対裏切らない。

  2008-06-23 18:18:00
• 2:

  律花◆SHuqGlcegY

  あたしはリツカとゆう名前。でも言いにくいから大抵周りはりっかと呼ぶ。
  この日もいつも通り、親友のミカと夜の繁華街をうろちょろしてた。
  ｢そ-やな-。もうそろそろ帰る-？｣
  

  2008-06-23 18:25:00
• 3:

  律花◆ej9/UehK8Y

  ｢じゃあしんちゃん呼ぶわ-｣
  しんちゃんとはミカの彼氏。大学生やし、いつも夜中まで遊んでは車で迎えに来てもらってた。
  あたしもついでに乗っけてってもらう。らっき-?
  ｢しんちゃん男前やしいい彼氏やん?｣

  2008-06-23 18:29:00
• 4:

  律花◆SHuqGlcegY

  ｢え-?そうかぁ？そろそろ切り時やねんけど。ホストするとか言い出すし?｣
  ｢え、まじで?きもすぎやん?｣
  あたしらはホストなんて行ったことなかったし、テレビでやってる特集とかで見たことあるぐらいやった。
  だからなんかめっちゃきもいイメージが…

  2008-06-23 18:32:00
• 5:

  律花◆SHuqGlcegY

  ｢しんちゃん切ったら車出す人おらんくなるから、早く次見つけなあかんわ。｣
  ｢…あんたほんま…笑｣
  
  ミカはかわいかった。ただ性格どぎつかった。笑

  2008-06-23 18:34:00
• 6:

  律花◆SHuqGlcegY

  ｢次の男すぐ見つからんかった場合はりっかが用意してよ-?？｣
  ｢え、むりむり?あたしあんたみたいに男のストックないし?｣
  ｢翔がおるやんか｣

  2008-06-24 00:27:00
• 7:

  律花◆SHuqGlcegY

  翔はあたしの彼氏。
  地元ではそれなりにかっこよくて有名やった。
  あたしあんまり地元付き合いないけど、翔がどっかであたしのプリクラ見たらしく、紹介された。
  存在は知ってたけど特に興味もなかった。何となく数回遊んで告白されて付き合って…もう２年が過ぎてた。

  2008-06-24 00:33:00
• 8:

  ◆SHuqGlcegY

  翔は優しいから頼めば迎えに来てくれるんはわかってた。だけどな-あたしあんまりそうゆうのしたくなくて。ミカの男の車に乗せてもらうんは悪いけど、あたし男を使うとかいまいちできんかった。別にいい子ぶるわけじゃないけど、気がのらんくて。

  2008-06-24 00:44:00
• 9:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢あ-どっかにミカの王子様おらんかな-｣夜中の繁華街でミカが吠える。周りのホストがぎらついた目で見てる?ミカちゃん標的にされちゃってるよ(゜ロ゜;
  ｢何よ、王子様って?笑｣
  ｢え-まぁりっかは冷めてるから信じひんやろけどさぁ-ミカは運命の王子様どっかにいてるって信じてんねん?｣………あんたそんだけ男使っといて?？笑
  

  2008-06-24 00:50:00
• 10:

  ◆SHuqGlcegY

  しょ-もないことでばか笑いしながらしんちゃんを待ってた。
  
  ｢なぁ-なぁ-｣
  そこに背後から話しかけてくる人が…

  2008-06-25 00:13:00
• 11:

  ◆SHuqGlcegY

  王子様やった。振り返ったそこにいたのは、キラキラした笑顔の王子様のような人。
  
  
  それが純太との出会いやった。

  2008-06-25 00:14:00
• 12:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢なぁ-自分らキャバクラ興味ない?？｣これが純太の第一声。いつもなら無視するスカウトだけど、何だか無視できなかった。かっこよかったからﾄｶそんなんじゃない。いや、それもあるだろうけどそれだけじゃない。なんだかよくわからないけど、純太には他の人とは違う何かを感じた。

  2008-06-25 00:24:00
• 13:

  ◆SHuqGlcegY

  正直興味なくはなかった。先輩も働いてる人いたし。お金だってあればあるだけいい。あたし母子家庭やし、生活する分や養育費は別れたパパがくれてたけど、自分のおこずかいはバイトのファミレスの分しかなかった。

  2008-06-25 23:32:00
• 14:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢時給いくらなん?？｣
  先に口を開いたのは意外にもミカだった。｢とりあえず体験やったら２５００-?｣かわいく笑ったその人は、手をさしのべ握手を求めてきた。
  ｢俺、瀬名 純太ってゆうねん?よろしくね-?｣
  純太はあたしが今まで出会ってきた中で１番チャラくて、でも１番冷たい目をしてた。心がこもってないそのうそくさい笑顔は逆にあたしを引き付けて離さなかった。

  2008-06-25 23:38:00
• 15:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢また気向いたら連絡するわ-｣そう告げて純太と別れた。しんちゃんの車で送ってもらって、家についたあともずっとずっと純太のことが頭から離れなかった。
  だから次の日純太から電話がかかってきたとき、迷うことなくあたしはキャバクラで働くことを決めていた。

  2008-06-25 23:44:00
• 16:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢れいか、この子体験の子やから仲良くしたってな??リツカちゃん?｣
  数日後、あたしは純太に案内されて小さなキャバクラの店内にいた。
  ｢リツカちゃん、この子がナンバー１のれいか?色々教えてもらって?｣
  貸衣裳に身を包んだあたしは、まだ幼さの残る儚げな笑顔のその人に軽く頭を下げた。

  2008-06-25 23:56:00
• 17:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢リツカちゃんてまた言いにくい名前やな-?笑　本名なん？｣儚げで、特別美人ではないのに雰囲気のある華奢なその人は、見た目に似合わないバリバリの関西弁で、あたしはびっくりしてちょっと引き気味やった。
  ｢そうです。周りは大概りっかって呼びますけど…｣

  2008-06-26 00:28:00
• 18:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢りっかかぁ〜?ほなあたしもそう呼ぶわ?｣意外にも人懐っこいその人は、大体の仕事内容を教えてくれた。｢純太さぁ、あたしのことナンバー１て紹介したけど、こんな小さい店で１番とか２番とかみんな競いあってないし、みんな仲良しやからりっかも仲良くしよな?｣人懐っこい上に優しくて、あたしは心が暖かくなった。正直結構緊張してたし…

  2008-06-26 23:41:00
• 19:

  ◆SHuqGlcegY

  れいかと話してたらいつのまにか時間が過ぎてて、れいかのお客さんがやってきた。今思えばその店はいわゆる安キャバの部類だった。セット６５0０、指名料２５００…いたってフツー??小さな店内は、小さいながらにまぁまぁ綺麗でオシャレな感じで、カラオケもあった。安キャバの定番！笑

  2008-07-03 22:13:00
• 20:

  ◆ej9/UehK8Y

  気付けば店内はれいかのお客さんや他の子のお客さんでいっぱいだった。その日は多分土曜日で、小さな店内には女の子１５、６人もいて、お客さんもいっぱいで異様な熱気だった。
  キャバクラってこんなに騒がしいものなん?あたしは衝撃的やった。でもあとでわかった。こんなホストクラブみたいに騒がしい店、うちだけやって?

  2008-07-03 22:48:00
• 21:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢りっか席つきや-｣もう騒がしすぎてわけわからんくて、どうしていいか困ってたあたしに、れいかが自分の客の連れにつくように呼んでくれた?
  初接客…??
  ｢こんばんは-?律花です(ﾆｯｺﾘ)｣
  よし、うまくいった??純太も見てるしうまくやらな?純太はスカウトマンじゃなくて、この店のボーイやった。

  2008-07-03 23:14:00
• 22:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢こんばんは?｣
  そう返してきた相手は見るからに現場っぽい感じのおっさん。３０半ばといったところ。昔は男前やったんかな-って感じの濃いめの顔、身長は１７０ちょっとぐらい？なんかダウンタウンのまっちゃんをちょっと思い出した。

  2008-07-03 23:48:00
• 23:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢さっき名前なんてゆったん?？｣
  ちょっと怖そうな見た目に似合わず普通に話してきたからちょっと安心?
  ｢あ、律花です?言いにくいしりっかでいいですよ?｣ ｢へ-変わってんなぁ。本名？｣ ｢はい?あたしも名前聞いていいですか？?｣
  ｢おれ?？おれはしょうってゆうねん｣

  2008-07-03 23:54:00
• 24:

  ◆SHuqGlcegY

  しょ、しょう??
  あたしは不意に出てきた彼氏の名前にどきっとした。しょうにはキャバクラのことなんか言ったら殺される…??
  
  ｢しょうってゆうんやぁ??どんな字なんっ？?｣

  2008-07-04 00:03:00
• 25:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢おれ名字は｢おおなか｣言うねんやん。やから恥ずかしいしあんま言いたくないわぁ｣…ん？どうゆうこと？何が恥ずかしいん?？
  ｢どうゆう意味ぃ??｣精一杯ぶりっこして聞いてみた?笑
  ｢ん-あんな…｣慣れた手付きで空名刺に｢大中｣と書くしょうさん。

  2008-07-04 00:09:00
• 26:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢はい、これ?｣そう言って書き終えた空名刺を渡された。そこには…
  
  ｢大中小｣
  ってネタかよｯｯ?笑

  2008-07-04 00:12:00
• 27:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢ちょ-??まっちゃん辞めたってや。りっかからかうの！今日が初めてなんやからさぁ?｣向かいの席でいちゃこらしてた麗香が入ってきた。｢この人が話すことの８割はウソやからりっか真に受けたらあかんで?｣…そうなんや?てかじゃあほんまの名前なんなんやろ。ダウンタウンのまっちゃんに似てる上に、あだ名までまっちゃんとか??笑まっちゃんよりだいぶおもんないけど?笑

  2008-07-04 00:19:00
• 28:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢ちょ-??まっちゃん辞めたってや。りっかからかうの！今日が初めてなんやからさぁ?｣向かいの席でいちゃこらしてた麗香が入ってきた。｢この人が話すことの８割はウソやからりっか真に受けたらあかんで?｣…そうなんや?てかじゃあほんまの名前なんなんやろ。ダウンタウンのまっちゃんに似てる上に、あだ名までまっちゃんとか??笑まっちゃんよりだいぶおもんないけど?笑

  2008-07-04 00:38:00
• 29:

  ◆SHuqGlcegY

  ↑２回連続なってすいません?

  2008-07-04 07:58:00
• 30:

  ◆SHuqGlcegY

  まっちゃんってゆう人はそのあともずっとネタを披露し続けて、なぜか指名もしてくれ、あたしは３時間ずっと笑いっぱなしやった。｢このおっさんめっちゃおもろいやん?！｣
  そんなまっちゃんがあたしの初めてのお客さんだった。

  2008-07-04 23:08:00
• 31:

  ◆SHuqGlcegY

  その日、営業が終わったのは朝の６時過ぎだった。
  こんな飲んだことない…ってぐらいに飲んだあたしはくたくたで、着替えもせずソファーに座っていた。
  女の子たちは続々とかえってゆく…。

  2008-07-04 23:12:00
• 32:

  ◆ej9/UehK8Y

  ラストまで残っていた１０人ほどの女の子もいなくなり、店にはあたしと純太と麗香と葵ちゃんだけになっていた。｢りっか-あたし葵とごはん行くけど行くｯ?｣麗香に誘われたけどあたしそんな元気なかった?笑
  二人は出ていって、あたしは…ってよく考えたら純太と二人ｯきり??

  2008-07-04 23:16:00
• 33:

  ◆SHuqGlcegY

  ほんまに計算してたわけじゃなくて偶然なった状況やったけど、あたしはちょっと焦ってた。｢今日どやった-?？｣と純太。
  ｢え？あ、うん?た、楽しかったよ??｣なぜか噛み噛みなあたし??
  ｢ほんまか-?頑張ってたもんなぁ?１日目とは思えんわ?まぁりっかかわいいもんなぁ?｣いつのまにか呼び捨てされてる…?あたしはしょうもないことにどきどきして、ありがちなお世辞にも気付かずに、おばか丸出しやった?

  2008-07-04 23:23:00
• 34:

  ◆SHuqGlcegY

  ｢いらっしゃいませぇ-??｣
  入店してから早くも１ヶ月。９月になり学校が始まろうとしてたけど、あれからあたしはフル出勤する毎日だったから、学校に行く気なんかさらさらなかった。
  ｢はじめまして?愛川せなです?｣これがあたしの源氏名だった。

  2008-07-04 23:44:00
• 35:

  ◆SHuqGlcegY

  
  ――愛川 せな――
  
  懐かしい名前。もう戻ることはない名前。それまで派手に遊んだことのなかったあたしの青春だった。今でも思い出すと切なくなるよ。忘れられない、きっとおばあちゃんになっても。ずっとずっと…―――" " "08/07/04 23:53

  2008-07-04 23:53:00