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売れない女優
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1:
夕夏
あたし、夕夏。
職業…女優。って言ってもちょい役でドラマに出たりする売れないってか売れてない女優。
そんなあたしの物語。2008-06-27 14:20:00 -
231:
夕夏
…目的地も無いまま歩く二人に
会話はない。
でも…亀ちゃんがここに居る。
それが夢のようで、嬉しかった。2008-08-16 05:38:00 -
232:
夕夏
『ミルクティーでいい?はい。』海なんてロマンティックな処が無くて、結局近くの公園のベンチに腰を下ろした。
あたしの好きな飲み物、まだ覚えててくれてたんや…隣に座る亀ちゃんを抱き締めたい気持ちを抑え、ミルクティーを一口飲み込んだ。2008-08-16 05:41:00 -
233:
夕夏
『久しぶりやな…元気そうで良かったわ。』
『うん…亀ちゃんも…』
そんな会話をした後、しばらく続く沈黙を破ったのは亀ちゃんだった。
『あのさ…前ゆった事…誰にゆわされたん?』
亀ちゃんの意外な一言に、全身がビクっと震える。2008-08-16 05:44:00 -
234:
夕夏
『俺な、あれから色々考えてん。…正直、ほんまに夕夏がそう思ってんのかもとも考えた。でもお前…ドラマん時とか以外はずっと指輪つけてくれてるやろ?きもいって思うかもしれんけどお前が出てる番組とか雑誌は全部目通しててん。…インタビューでの記事とか。』
きもいなんか、思う訳ない。あたしの精一杯のメッセージ、伝わってたんや…2008-08-16 05:49:00 -
235:
夕夏
『…全部、あたしの本心やで。』
…駄目だ、だめだ…
ここで亀ちゃんに甘えてしまったら。
ここまで着いて来ておきながら、往生際の悪いあたしは“女優”にも“狭山夕夏”にもなれないでいた。2008-08-16 05:53:00 -
236:
夕夏
『お前変わって無いなぁ…』
『え?何が?』
『…嘘つく時に髪の毛触るくせ。』
ハッと、髪の毛を触っていた左手を見た。
『うっ…嘘ちゃうし!!あたしら別れたんやしもうそれでいいやん!!…あたしもう帰るわ。』2008-08-16 05:56:00 -
237:
夕夏
『待てや!!』
立とうとするあたしに、亀ちゃんが声をあらげた。あの、喧嘩しても決して感情的にならない亀ちゃんが…『お願いやから…嘘つかんといてや…』
あたしは…初めてみた。
…男の人の涙を。
恥ずかしいとか格好悪いなんて思わない。ただ純粋に、綺麗だと思った。2008-08-16 06:01:00 -
238:
夕夏
『あたしな…体売って仕事取ってんねん。』
ふいに、口から出た言葉に自分でもびっくりした。
そんな事言ったら亀ちゃんに幻滅されてしまうかもしれない。
…でももう…耐えれなかった。
『えっ…』2008-08-16 06:04:00 -
239:
夕夏
『プロデューサーとか、大物と寝てんねん。…幻滅したやろ?まぁそんな子いっぱいおるから大した仕事は貰われへんけど。』
『…別れよってゆったんはそれが理由なん?』
『…事務所にゆわれてん。もうわかったやろ。あたしみたいな汚い女に亀ちゃんは似合わん。』
亀ちゃんの左手にはめられた薄汚れた指輪を見ながら涙をこらえて淡々と話した。2008-08-16 06:10:00 -
240:
夕夏
…罵られるのが恐くて、臆病なあたしはその場から逃げ出した。
もうこれで、本当に終わりなんだ。
亀ちゃんも追いかけては来ず“それでもいい”なんてドラマチックな展開を少し期待していたあたしの気持ちは無残にも切り裂かれた。
…それだけの事をしたあたしへの、当然の罰だ。2008-08-16 06:17:00